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第26章 楽しいばかりが人生ではないそうですよ⁉︎
378話 落ちぶれ者
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グルケニア帝国、北西部にある標高100mのタカリモオ山には、軍事施設が幾つもある。
そして、ドワーフが作ったとされる地下通路が、軍事目的として当たり前のように使われてもいた。
「ベルフェル司教様、此処にもそれらしき物は見当たりませんでした」
フレイア大罪教団員達が、軍事施設内から様々な魔導書を手当たり次第集めて、大罪教の司教服を纏う3人の前に並べていた。
「ここもハズレか。運び手の団員が記憶喪失になるまでの日数で、オモカツタから辿り着く事が可能な場所はここで最後だったんだけど」
「やはり、途中でドワーフに奪われた可能性もあります」
「あ、あの、ベルフェル様、…そちらの方は?」
ベルフェルが敬語を使い、下手に出ている状況に、団員達が不安にかられて聞いてきた。
「ダフネ=トランスポート司教は分かるな?あと、この方は空中公国月の庭の使者で、教皇様と盟友のアシヤ様だ」
「教皇様と盟友⁉︎、し、失礼致しました!」
「…ごめんね?集めてもらったのに、探し物は無かったんだ。また、元の場に戻してもらえるかな?」
「は、はい!了解しました!」
アラヤの増殖分身体である彼は、今は褐色肌の成人姿でアシヤと名乗り、ベルフェル司教とダクネラ=トランスポートの娘であるダフネ司教と共に、所在が分からなくなった禁呪魔導書の行方を探していた。
「土の禁呪【躍動の藤黄】の効果を考えれば、術者が巻き込まれない海上か上空に限られる。ここなら、どちらも準備可能と踏んでたんだけどなぁ」
躍動の藤黄は、超広範囲の地層を7度の隆起と沈降を繰り返す大陸壊滅級の魔法だ。
この山にある施設には、飛行戦艦の航空基地が有る。
そして海にも近く港街があり、パガヤ王国行きの船も出る比較的大きな港だ。
「くどい様だけど、情報自体が間違っている可能性は無いんだよね?」
ビクッと肩を震わせて、ダフネは年下のアシヤに怯えている。
父ダクネラを上回る実力者だと、ベルフェルから聞いていたし、その実力はここ数ヶ月で垣間見ていた。
「は、はい。私は確かにオモカツタの天然洞穴で、ベルフェゴールの指示で配下の1人を地下通路のアジトに向かわせました」
ただ、その配下は施設跡には居らず、残っていた記憶喪失になった配下候補生達も、その行き先を把握していなかった。
その配下も、当時、記憶喪失になったのは間違いないだろう。
だが、どの場所でなり、その後その魔導書を見てどうしたかが分からない。
「彼が言うように、ドワーフに襲われ奪われた可能性もある。しかし、今から地下にある町をしらみ潰しに探すのは月日がかなり掛かるよね?既に半年も探しているのだから、早く見つけたいよ」
「禁呪魔導書を使用するには条件が有りますし、術者の魔力量が多くなければ発動できません。もし、本当に略奪があったとして、ドワーフも自身では使えるとは思わない筈。きっと、取引か売りに出していると思うのですが…」
確かに、地下通路に居るドワーフ達は、役に立たない物は直ぐに売るか取引するだろうな。
「そういった非合法な品の売買を行なっている所はないの?」
「非合法…となると闇市ですか…。確かに可能性はありますな。地上では連邦に2つ、帝都に1つありますが、この近辺であれば、元々無法地帯の地下通路内のドワーフ最大の街グラープマールでしょう」
「ベルフェル殿は、行った事がお有りですか?」
「まぁ、一度だけではあるが、強欲の溜り場という表現が合う場所だな」
「じゃあ、馬車は収納してテレポートで飛ぼうか?」
今や馬車は【亜空間収納】、馬は【生命の檻】に入れて、手ぶらで移動可能だ。
行った事のあるベルフェルがテレポートを使用すれば、わざわざ移動時間を掛ける必要すらない。
「承知しました」
ベルフェルがテレポートを使用し、アシヤ達は一瞬で地下の街グラープマールへと到着した。
先ず初めに気付いたのは、地下通路の天井の高さが、通常の通路の段じゃない。
この高さなら、暴風竜エンリルも飛べるかもな。
街を囲む防壁には、あちこちに補修した箇所が見て取れる。他の街からの襲撃でもあるのかな?
「ここに闇市が?」
「ええ。しかし一度街へと入ると、戦闘は避けられないかと」
「それなら、ダフネは檻に入っておくかい?」
「い、いえ。それなりに戦えますので、できればこのまま…」
一度だけ、生命の檻へと彼女を入れた事がある。
ベルフェルに呼ばれ、彼女と初めて対峙した時だ。
父、ダクネラのその後を聞いた彼女が、暴れようとしたので気絶させて檻に入れたのだ。
檻の中でしばらく過ごした彼女は、時折様子を伺う巨大なアシヤの不気味さと、何一つ辺りの状況(檻の外の視界、匂い、音)を確認できない空間に、軽い閉所恐怖症になっていてすっかり怯えていた。
「そっか。じゃあ、道案内をお願いしますね?」
「はい。街の詳細は、アシヤ殿に念話を繋いで頂き、歩きながらにでも説明します。なるべく隙を見せませぬ様、警戒しながら尾いて来てください」
ベルフェルが先頭を歩き、アシヤとダフネはベルフェルの娘、息子の様に後ろを歩く。
街の入り口は開放されていて、門番らしきドワーフが両端にいるが、2人共に大きなイビキをかいて寝ている。
『彼等は寝たフリだね?』
『はい。彼等みたいな門番は、この街で財を全て失った者達に与えられる最低賃金の仕事、通称《落ちぶれ者》と呼ばれる者達がほとんどで、他所から来た者達をああして品定めしているのです』
『寝たフリして、油断した所を襲う算段だね?』
『いえ、寝たフリは手出ししない構えです。早い段階で、アシヤ殿が只者ではないと勘付いたみたいですね』
ステータスは魔王は見られ無いし、表示している偽のステータスはベルフェルと差異は然程ない様にしていたのだけどな。
『経験による勘ってやつか…?』
『おそらく、近くにいる微精霊達が話したのかと』
確かに、3人が門を通過する間は睨みを効かせてもイビキを一切止めなかった。
それにアシヤの回りには、彼の魔力にあやかりたい多属性の微精霊が多く集まってきている。
よく見ると、ベルフェルとダフネは既に魔力制御で魔力をだいぶ抑えていた。
一度地上に出たから、地下通路では魔力を抑えるのをすっかり忘れていたよ。
まぁ、集まった微精霊達は魔力を消しても今更離れてくれないみたいだけど。
入り口を過ぎた後は、地上の街と同様に家や店が建ち並び、ドワーフ達が行き来している。
『この街でも、物の売り買いは物々交換が主流です。もちろん、各国の通貨も使えますが、金の比率の高いラエテマ王国の金貨はまだしも、グルケニア帝国、ムシハ連邦の通貨は価値が低いです。比較的、宝石や希少な鉱石は好まれます』
『う~ん。じゃあ、禁呪魔導書があったとしても、簡単には手に入れ難いかもね?』
『そうですが、先ずはあるかどうかを確認致しましょう』
ベルフェルは、ドワーフ達の余所者に対する視線も気にする事なく、ペースを落とさずに歩いて行く。
『この街、料理屋は見当たらないな』
どうしても、食堂や屋台を探してしまうが、食材店はあるが其れ等の店は見当たらない。
『あるにはありますが、交換価値が高い物を持つ客しか食事はできません。ドワーフは基本、興味が無いものには拘らない為に、他人が調理した料理に価値を見ていないのです』
残念だけど仕方ないな。というより、そのある料理屋が何気に気になる。
アシヤのそんな興味に付き合う気が無いベルフェルは、淡々と先へと進む。
『少し道をそれます』
ただでさえ不審な視線が多いのに、路地裏へと道を逸れた途端にそこに殺気が加わってきた。
『ここから先は、落ちぶれ者や略奪者が普通に襲って来ます』
ベルフェルが言うが早いか、闇微精霊達と共に口元を隠したドワーフ達が上から襲って来た。
ベルフェルはノールックでそれを躱すと、ドワーフ達の脚を払い転ばせた。
すかさず、ダフネが小刀を投擲してトドメを刺した。
『すまないダフネ、どうもステータスが落ちているので、手間を掛ける』
『いえ、相手はドワーフですので、基本ステータスは私でも侮れないです』
確かに、ベルフェルは以前よりもステータスがだいぶ落ちている。それが増殖分身のリスクだとは、本人は知らないみたいだが。
『おっと、まだ来ますよ』
道の先と後ろから現れ挟み撃ちの状況だ。だが何の問題も無い。地下通路内では、無法地帯だからね。
土微精霊と闇微精霊を駆使して攻めて来るドワーフ達は、アシヤと対峙した微精霊達に途端に裏切られてしまい、驚愕のまま返り討ちに合う。
大精霊の加護を持つアシヤは、精霊達の活発な地下通路ではもはや無敵に近いかもしれない。
その後も幾度か襲撃はあったが、アシヤの前には屍が積まれるだけだった。
『アシヤ殿、あの建物が闇市への入り口です』
小汚い建物の狭い入り口には、至る所で血痕が滲みになっている。
『全く物騒な場所だ』
『…』
何の緊張も無く進もうとするアシヤに、ダフネはさらに畏怖の念を抱いていた。
『へぇ、こんな感じか』
闇市は、屋台村の様に怪しい店舗が並んでいるが、どの店の入り口にも用心棒らしき強面のドワーフが立っている。
『さて、魔導書を探すとしようか?』
少しだけお宝探しの気分が味わえると、アシヤはいつの間にか笑顔になっていたのだった。
そして、ドワーフが作ったとされる地下通路が、軍事目的として当たり前のように使われてもいた。
「ベルフェル司教様、此処にもそれらしき物は見当たりませんでした」
フレイア大罪教団員達が、軍事施設内から様々な魔導書を手当たり次第集めて、大罪教の司教服を纏う3人の前に並べていた。
「ここもハズレか。運び手の団員が記憶喪失になるまでの日数で、オモカツタから辿り着く事が可能な場所はここで最後だったんだけど」
「やはり、途中でドワーフに奪われた可能性もあります」
「あ、あの、ベルフェル様、…そちらの方は?」
ベルフェルが敬語を使い、下手に出ている状況に、団員達が不安にかられて聞いてきた。
「ダフネ=トランスポート司教は分かるな?あと、この方は空中公国月の庭の使者で、教皇様と盟友のアシヤ様だ」
「教皇様と盟友⁉︎、し、失礼致しました!」
「…ごめんね?集めてもらったのに、探し物は無かったんだ。また、元の場に戻してもらえるかな?」
「は、はい!了解しました!」
アラヤの増殖分身体である彼は、今は褐色肌の成人姿でアシヤと名乗り、ベルフェル司教とダクネラ=トランスポートの娘であるダフネ司教と共に、所在が分からなくなった禁呪魔導書の行方を探していた。
「土の禁呪【躍動の藤黄】の効果を考えれば、術者が巻き込まれない海上か上空に限られる。ここなら、どちらも準備可能と踏んでたんだけどなぁ」
躍動の藤黄は、超広範囲の地層を7度の隆起と沈降を繰り返す大陸壊滅級の魔法だ。
この山にある施設には、飛行戦艦の航空基地が有る。
そして海にも近く港街があり、パガヤ王国行きの船も出る比較的大きな港だ。
「くどい様だけど、情報自体が間違っている可能性は無いんだよね?」
ビクッと肩を震わせて、ダフネは年下のアシヤに怯えている。
父ダクネラを上回る実力者だと、ベルフェルから聞いていたし、その実力はここ数ヶ月で垣間見ていた。
「は、はい。私は確かにオモカツタの天然洞穴で、ベルフェゴールの指示で配下の1人を地下通路のアジトに向かわせました」
ただ、その配下は施設跡には居らず、残っていた記憶喪失になった配下候補生達も、その行き先を把握していなかった。
その配下も、当時、記憶喪失になったのは間違いないだろう。
だが、どの場所でなり、その後その魔導書を見てどうしたかが分からない。
「彼が言うように、ドワーフに襲われ奪われた可能性もある。しかし、今から地下にある町をしらみ潰しに探すのは月日がかなり掛かるよね?既に半年も探しているのだから、早く見つけたいよ」
「禁呪魔導書を使用するには条件が有りますし、術者の魔力量が多くなければ発動できません。もし、本当に略奪があったとして、ドワーフも自身では使えるとは思わない筈。きっと、取引か売りに出していると思うのですが…」
確かに、地下通路に居るドワーフ達は、役に立たない物は直ぐに売るか取引するだろうな。
「そういった非合法な品の売買を行なっている所はないの?」
「非合法…となると闇市ですか…。確かに可能性はありますな。地上では連邦に2つ、帝都に1つありますが、この近辺であれば、元々無法地帯の地下通路内のドワーフ最大の街グラープマールでしょう」
「ベルフェル殿は、行った事がお有りですか?」
「まぁ、一度だけではあるが、強欲の溜り場という表現が合う場所だな」
「じゃあ、馬車は収納してテレポートで飛ぼうか?」
今や馬車は【亜空間収納】、馬は【生命の檻】に入れて、手ぶらで移動可能だ。
行った事のあるベルフェルがテレポートを使用すれば、わざわざ移動時間を掛ける必要すらない。
「承知しました」
ベルフェルがテレポートを使用し、アシヤ達は一瞬で地下の街グラープマールへと到着した。
先ず初めに気付いたのは、地下通路の天井の高さが、通常の通路の段じゃない。
この高さなら、暴風竜エンリルも飛べるかもな。
街を囲む防壁には、あちこちに補修した箇所が見て取れる。他の街からの襲撃でもあるのかな?
「ここに闇市が?」
「ええ。しかし一度街へと入ると、戦闘は避けられないかと」
「それなら、ダフネは檻に入っておくかい?」
「い、いえ。それなりに戦えますので、できればこのまま…」
一度だけ、生命の檻へと彼女を入れた事がある。
ベルフェルに呼ばれ、彼女と初めて対峙した時だ。
父、ダクネラのその後を聞いた彼女が、暴れようとしたので気絶させて檻に入れたのだ。
檻の中でしばらく過ごした彼女は、時折様子を伺う巨大なアシヤの不気味さと、何一つ辺りの状況(檻の外の視界、匂い、音)を確認できない空間に、軽い閉所恐怖症になっていてすっかり怯えていた。
「そっか。じゃあ、道案内をお願いしますね?」
「はい。街の詳細は、アシヤ殿に念話を繋いで頂き、歩きながらにでも説明します。なるべく隙を見せませぬ様、警戒しながら尾いて来てください」
ベルフェルが先頭を歩き、アシヤとダフネはベルフェルの娘、息子の様に後ろを歩く。
街の入り口は開放されていて、門番らしきドワーフが両端にいるが、2人共に大きなイビキをかいて寝ている。
『彼等は寝たフリだね?』
『はい。彼等みたいな門番は、この街で財を全て失った者達に与えられる最低賃金の仕事、通称《落ちぶれ者》と呼ばれる者達がほとんどで、他所から来た者達をああして品定めしているのです』
『寝たフリして、油断した所を襲う算段だね?』
『いえ、寝たフリは手出ししない構えです。早い段階で、アシヤ殿が只者ではないと勘付いたみたいですね』
ステータスは魔王は見られ無いし、表示している偽のステータスはベルフェルと差異は然程ない様にしていたのだけどな。
『経験による勘ってやつか…?』
『おそらく、近くにいる微精霊達が話したのかと』
確かに、3人が門を通過する間は睨みを効かせてもイビキを一切止めなかった。
それにアシヤの回りには、彼の魔力にあやかりたい多属性の微精霊が多く集まってきている。
よく見ると、ベルフェルとダフネは既に魔力制御で魔力をだいぶ抑えていた。
一度地上に出たから、地下通路では魔力を抑えるのをすっかり忘れていたよ。
まぁ、集まった微精霊達は魔力を消しても今更離れてくれないみたいだけど。
入り口を過ぎた後は、地上の街と同様に家や店が建ち並び、ドワーフ達が行き来している。
『この街でも、物の売り買いは物々交換が主流です。もちろん、各国の通貨も使えますが、金の比率の高いラエテマ王国の金貨はまだしも、グルケニア帝国、ムシハ連邦の通貨は価値が低いです。比較的、宝石や希少な鉱石は好まれます』
『う~ん。じゃあ、禁呪魔導書があったとしても、簡単には手に入れ難いかもね?』
『そうですが、先ずはあるかどうかを確認致しましょう』
ベルフェルは、ドワーフ達の余所者に対する視線も気にする事なく、ペースを落とさずに歩いて行く。
『この街、料理屋は見当たらないな』
どうしても、食堂や屋台を探してしまうが、食材店はあるが其れ等の店は見当たらない。
『あるにはありますが、交換価値が高い物を持つ客しか食事はできません。ドワーフは基本、興味が無いものには拘らない為に、他人が調理した料理に価値を見ていないのです』
残念だけど仕方ないな。というより、そのある料理屋が何気に気になる。
アシヤのそんな興味に付き合う気が無いベルフェルは、淡々と先へと進む。
『少し道をそれます』
ただでさえ不審な視線が多いのに、路地裏へと道を逸れた途端にそこに殺気が加わってきた。
『ここから先は、落ちぶれ者や略奪者が普通に襲って来ます』
ベルフェルが言うが早いか、闇微精霊達と共に口元を隠したドワーフ達が上から襲って来た。
ベルフェルはノールックでそれを躱すと、ドワーフ達の脚を払い転ばせた。
すかさず、ダフネが小刀を投擲してトドメを刺した。
『すまないダフネ、どうもステータスが落ちているので、手間を掛ける』
『いえ、相手はドワーフですので、基本ステータスは私でも侮れないです』
確かに、ベルフェルは以前よりもステータスがだいぶ落ちている。それが増殖分身のリスクだとは、本人は知らないみたいだが。
『おっと、まだ来ますよ』
道の先と後ろから現れ挟み撃ちの状況だ。だが何の問題も無い。地下通路内では、無法地帯だからね。
土微精霊と闇微精霊を駆使して攻めて来るドワーフ達は、アシヤと対峙した微精霊達に途端に裏切られてしまい、驚愕のまま返り討ちに合う。
大精霊の加護を持つアシヤは、精霊達の活発な地下通路ではもはや無敵に近いかもしれない。
その後も幾度か襲撃はあったが、アシヤの前には屍が積まれるだけだった。
『アシヤ殿、あの建物が闇市への入り口です』
小汚い建物の狭い入り口には、至る所で血痕が滲みになっている。
『全く物騒な場所だ』
『…』
何の緊張も無く進もうとするアシヤに、ダフネはさらに畏怖の念を抱いていた。
『へぇ、こんな感じか』
闇市は、屋台村の様に怪しい店舗が並んでいるが、どの店の入り口にも用心棒らしき強面のドワーフが立っている。
『さて、魔導書を探すとしようか?』
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