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第22章 世界崩壊はわりと身近にあるらしいですよ⁉︎
322話 公国の案内
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ラエテマ王宮を出て3日、ミネルバ王女を初めとした3人には客人扱いで室内で過ごしてもらっていた。
そこでカオリが、月の庭内をまだ把握しきれていないミネルバ王女を連れて散策していた。
もちろん、これにはリッセンとマイナも同伴している。
「おい、馴れ馴れしいぞ、ミネルバ様から離れろ」
何かにつけて、カオリとミネルバを離れさせようとするリッセンは、ミネルバとマイナからの鉄槌により、既に満身創痍の状態だった。
「リッセン、いい加減にしないか。カオリは私の友人だと言っているだろう?」
「わ、私は、ミネルバ様の護衛を任されています!いくらご友人と言えど、親密に手を繋ぐなど羨…よ、容認しかねます!」
マイナに背中を足で押さえ付けられている状態にも関わらず、起きあがろうと必死にもがいている。
「…王女様、お困りなら私がどうにかしましょうか?」
カオリがスッとミネルバの前に出て、リッセンの間に立つと、意外にもマイナが彼の前に立った。
「カオリ様のお手を煩わせる必要は有りません。身内の問題は私が対応しますので」
カオリは彼女を鑑定したが、ステータスはリッセンよりもかなり下だし、技能も生活に役立つような調理や清掃といったものばかりだ。
王城に住んでいた時に、マーレットの強さは理解している。私が知る限りでは、彼女はA級冒険者のアルバス並に強いと思う。
そのマーレットの後輩という事だから、おそらくステータスはジャミングで隠しているのだろう。
「分かったわ。彼の事は貴女に任せる。でも、彼にも貴女にもそろそろ仕事はしてもらうから、対応できない時には手は出すわよ?」
「仕事?」
「ええ、もちろん。今やここは、家族の家ではなく国になったから、みんなには仕事をしてもらうの。もちろん、王女様もね?」
「私も?それは楽しみね」
「ミネルバ様に仕事だと⁉︎貴様、ミネルバ様はラエテマ王国の第3王女であらされるぞ!母国の公務ならまだしも、異国の雑務をこなせと言うのか⁉︎」
「サイレントボーレン」
マイナがリッセンの首裏に軽く指突をすると、リッセンの声が出なくなった。
経絡の秘孔を突いた的な技だろうか?やはり鑑定には無かった技能だ。私のような魔術士には恐ろしい技能だと言える。それに、これでジャミングしていることは確定だ。
「やっと静かになったわね。それで、どんな仕事があるの?」
「まぁ、仕事は自分で好きな事を初めてもらう形ですね。だから、先ずはこの国で働くみんなの仕事を見て回りましょう。今日はその為の案内でもありますから」
「あの、1つ質問をよろしいですか?」
「何?」
「それは、必ずしも別々に仕事を選ぶ必要があるのか、なのですが…」
「その必要は無いわ。王女様が選んだ仕事を貴方達も選んで構わないわ」
それを聞いたリッセンとマイナは安心した。自分達がミネルバに同伴する意味が世話と警護である以上、2人が同時に彼女から離れる事は許されないからだ。
「そろそろ行きますよ?」
「ええ、お願い」
とりあえず王女と別行動にならなくて済むと、それが分かったリッセンは大人しく付いてくるようになった。
とりあえず、農園、食堂、鍛治場を見て回っていると、ミネルバは元気が無くなってきた。
「素晴らしい適材適所の仕事ぶりだな。亜人達の農耕技術も素晴らしい。ドワーフの彼女の洗練された鍛治技術も素晴らしい。しかも、私はエルフを初めて見たぞ。まさか、侍女として働いてるとは思わなかったが」
「彼女達はメイドです。決して、侍女のように特定の誰かに仕えている訳では無く、みんなのお世話をする家政婦という仕事だとお考え下さい」
侍女であるマイナは、アルディス達の働き振りに、勉強になりますと目を輝かせて見ていた。
「見たところ、こういった場に私の仕事は無い気がするわ」
元気が無いのは、どうやらみんなの働き振りを見て、自信が無くなってきたようだ。
確かに、彼女達の仕事は王宮の侍女達に引けは取らないからね。むしろ神経質な面がある分、侍女達よりも完璧な仕事をしている。
「では、次は家畜場と従魔場です」
「これはまた…広いわね」
広さで言えば、ラエテマ王城よりも広い。
浮遊邸の時よりも、農園と同じくらいに急拡張した場所で、この国の食糧難を耐える要でもある。
「家畜として、猪豚、牛、鶏、馬、山羊、兎、魚がいます」
「へぇ…。魚っ⁉︎」
「はい。養魚場があの鶏舎の裏にあり、様々な魚を養殖しています」
「な、な、どうやって⁉︎ここは空の上でしょう?水は?海水は?」
「ああ、国内の水は全て、水中位精霊が管理するウォータムの巨大魔鉱石から出しています。淡水魚と海水魚も同じ水を使用していますが問題ありません。大公の持つ加護のおかげですね」
何しろ、アラヤは水の大精霊の契約者となっている。
なので、この国の水は栄養価はもちろんのこと、神聖な水となっている。
国内には通常聖水を飲めない者(魔物)もいるが、不思議と彼等には害の無い。おそらくはアーパスの力だろう。
「アラヤ殿は規格外ね。それで、こちらの建物が従魔場…。例の飛竜がいるのね?」
リッセンとマイナも、ピリッと緊張したのが分かる。ミネルバが飛竜と言ったのは、暴風竜エンリルの事を指しているからだ。
「ええ、いますよ。飛竜の他にも、アスティの従魔や従獣達もいます。中に入ります?」
「いえ、遠慮しておくわ。しかし、管理は大丈夫なの?」
「はい。暴風竜エンリルが居るので、仲間内での争いは無いですし、管理者のチャコとアスティが優秀なので」
カオリが手を振ると、建物の入り口に居た少女が手を振り返している。
「…⁉︎彼女がその1人?私より幼いように見えるけど…⁉︎」
「ああ見えて、魔獣や獣達の人気No.1の調教師です。元は酷い扱いを受けていた馬子でしたけど」
「いや、私が言いたいのは、人気とかではないわ。仮に魔物達が暴れた際の話よ」
「万が一、そうなったら場合には、あの建物の隅に立つゴーレム達が対処します」
よく見ると、全ての建物の端に同じような箱が設置されている。
「中には竜人型のゴーレムが収納してあり、緊急時に動くようになっています。因みに、作業員としてのゴーレムも各所で働いています。そちらは土人形的な見た目ですけど」
「はは…警備も作業員もゴーレムか…」
ミネルバ達は、改めてあり得ない場所に住む事になったと呆れる。文明的にみても、明らかに王国よりも発展していると分かるからだ。
「カオリ様、いらしてたのですか?」
「ヒャアッ⁈」
突如、背後から声が聞こえてミネルバ達は奇声を上げてしまった。リッセンの声もようやく回復したようだ。
そして振り返りなり、2人は素早く身構えた。リッセンは剣を抜き、マイナもナイフを両手に抜く。そこに居たのが人間では無かったからだ。
「待ってください、彼女はミュウ。この国の住民です」
カオリが2人の間に入り落ち着くように促す。ミュウも突然の反応に初めて見る新顔だと気付き、荒立ててはいけないとカオリの後ろで大人しくする事にした。
「住民って、ラミアじゃないですか!魔物ですよ⁉︎」
「彼女は確かにラミアで魔物よ。だけど、冥界の国ゴーモラの親善大使、貴女達と同じような立場なの」
「魔物とミネルバ様と同列にするな!穢らわしい‼︎」
当のミネルバは困惑していて、リッセンは怒りを露わにしている。マイナも焦りが見えるが、冷静になろうとナイフを納めた。
「冥界の国ゴーモラとは、魔物の国ではないですか?」
「ええそうよ。今日の全員が集まる夕食時に話す予定だったけど、前もって話す方が良さそうね」
カオリは3人に感覚共有を掛けて、ゴーモラでの記憶を転写で見せながら説明する。
「…つまり、貴女達と初めに同盟をしていたのはゴーモラだったのね?その上で、結束を強める為の親善大使として彼女ともう1人が国民になった」
話を聞き終えたミネルバ達は、理解はしたが納得はしていないと表情で見て取れる。
「正確には、惹かれ合う2組の恋人達の関係を国交に利用したのです」
「カオリ様、私は利用されたとは思っていませんよ?素敵な夫と暮らせているのですから」
ミュウが見せる笑顔に、ミネルバは戸惑う。
まさか魔物とはいえ、自分達と変わらぬ生活があり豊かな感情や考えを持っていて、それを目の当たりにする日が来るとは思わなかったからだ。
「この国では、あらゆる種族の共生が実現しているという事ね…。カオリの夫となった大公は、誠に器が大きいといえるわね」
「ああ、それは違います。私の夫はニイヤで、大公はアラヤ。王国に訪れた際には、私の隣に金髪のアラヤが居たでしょう?彼がニイヤ。私だけの夫です。元はアラヤの分身体ですけどね?」
「「「⁇⁇」」」
意味が分からないと3人は首を傾げる。
「その時に、大公アラヤの隣に居た王妃が風の大精霊エアリエル様。今のアラヤの奥さんですよ」
「「「へ⁇⁇」」」
更に理解できないことが増え、3人は目が回りそうになるのだった。
そこでカオリが、月の庭内をまだ把握しきれていないミネルバ王女を連れて散策していた。
もちろん、これにはリッセンとマイナも同伴している。
「おい、馴れ馴れしいぞ、ミネルバ様から離れろ」
何かにつけて、カオリとミネルバを離れさせようとするリッセンは、ミネルバとマイナからの鉄槌により、既に満身創痍の状態だった。
「リッセン、いい加減にしないか。カオリは私の友人だと言っているだろう?」
「わ、私は、ミネルバ様の護衛を任されています!いくらご友人と言えど、親密に手を繋ぐなど羨…よ、容認しかねます!」
マイナに背中を足で押さえ付けられている状態にも関わらず、起きあがろうと必死にもがいている。
「…王女様、お困りなら私がどうにかしましょうか?」
カオリがスッとミネルバの前に出て、リッセンの間に立つと、意外にもマイナが彼の前に立った。
「カオリ様のお手を煩わせる必要は有りません。身内の問題は私が対応しますので」
カオリは彼女を鑑定したが、ステータスはリッセンよりもかなり下だし、技能も生活に役立つような調理や清掃といったものばかりだ。
王城に住んでいた時に、マーレットの強さは理解している。私が知る限りでは、彼女はA級冒険者のアルバス並に強いと思う。
そのマーレットの後輩という事だから、おそらくステータスはジャミングで隠しているのだろう。
「分かったわ。彼の事は貴女に任せる。でも、彼にも貴女にもそろそろ仕事はしてもらうから、対応できない時には手は出すわよ?」
「仕事?」
「ええ、もちろん。今やここは、家族の家ではなく国になったから、みんなには仕事をしてもらうの。もちろん、王女様もね?」
「私も?それは楽しみね」
「ミネルバ様に仕事だと⁉︎貴様、ミネルバ様はラエテマ王国の第3王女であらされるぞ!母国の公務ならまだしも、異国の雑務をこなせと言うのか⁉︎」
「サイレントボーレン」
マイナがリッセンの首裏に軽く指突をすると、リッセンの声が出なくなった。
経絡の秘孔を突いた的な技だろうか?やはり鑑定には無かった技能だ。私のような魔術士には恐ろしい技能だと言える。それに、これでジャミングしていることは確定だ。
「やっと静かになったわね。それで、どんな仕事があるの?」
「まぁ、仕事は自分で好きな事を初めてもらう形ですね。だから、先ずはこの国で働くみんなの仕事を見て回りましょう。今日はその為の案内でもありますから」
「あの、1つ質問をよろしいですか?」
「何?」
「それは、必ずしも別々に仕事を選ぶ必要があるのか、なのですが…」
「その必要は無いわ。王女様が選んだ仕事を貴方達も選んで構わないわ」
それを聞いたリッセンとマイナは安心した。自分達がミネルバに同伴する意味が世話と警護である以上、2人が同時に彼女から離れる事は許されないからだ。
「そろそろ行きますよ?」
「ええ、お願い」
とりあえず王女と別行動にならなくて済むと、それが分かったリッセンは大人しく付いてくるようになった。
とりあえず、農園、食堂、鍛治場を見て回っていると、ミネルバは元気が無くなってきた。
「素晴らしい適材適所の仕事ぶりだな。亜人達の農耕技術も素晴らしい。ドワーフの彼女の洗練された鍛治技術も素晴らしい。しかも、私はエルフを初めて見たぞ。まさか、侍女として働いてるとは思わなかったが」
「彼女達はメイドです。決して、侍女のように特定の誰かに仕えている訳では無く、みんなのお世話をする家政婦という仕事だとお考え下さい」
侍女であるマイナは、アルディス達の働き振りに、勉強になりますと目を輝かせて見ていた。
「見たところ、こういった場に私の仕事は無い気がするわ」
元気が無いのは、どうやらみんなの働き振りを見て、自信が無くなってきたようだ。
確かに、彼女達の仕事は王宮の侍女達に引けは取らないからね。むしろ神経質な面がある分、侍女達よりも完璧な仕事をしている。
「では、次は家畜場と従魔場です」
「これはまた…広いわね」
広さで言えば、ラエテマ王城よりも広い。
浮遊邸の時よりも、農園と同じくらいに急拡張した場所で、この国の食糧難を耐える要でもある。
「家畜として、猪豚、牛、鶏、馬、山羊、兎、魚がいます」
「へぇ…。魚っ⁉︎」
「はい。養魚場があの鶏舎の裏にあり、様々な魚を養殖しています」
「な、な、どうやって⁉︎ここは空の上でしょう?水は?海水は?」
「ああ、国内の水は全て、水中位精霊が管理するウォータムの巨大魔鉱石から出しています。淡水魚と海水魚も同じ水を使用していますが問題ありません。大公の持つ加護のおかげですね」
何しろ、アラヤは水の大精霊の契約者となっている。
なので、この国の水は栄養価はもちろんのこと、神聖な水となっている。
国内には通常聖水を飲めない者(魔物)もいるが、不思議と彼等には害の無い。おそらくはアーパスの力だろう。
「アラヤ殿は規格外ね。それで、こちらの建物が従魔場…。例の飛竜がいるのね?」
リッセンとマイナも、ピリッと緊張したのが分かる。ミネルバが飛竜と言ったのは、暴風竜エンリルの事を指しているからだ。
「ええ、いますよ。飛竜の他にも、アスティの従魔や従獣達もいます。中に入ります?」
「いえ、遠慮しておくわ。しかし、管理は大丈夫なの?」
「はい。暴風竜エンリルが居るので、仲間内での争いは無いですし、管理者のチャコとアスティが優秀なので」
カオリが手を振ると、建物の入り口に居た少女が手を振り返している。
「…⁉︎彼女がその1人?私より幼いように見えるけど…⁉︎」
「ああ見えて、魔獣や獣達の人気No.1の調教師です。元は酷い扱いを受けていた馬子でしたけど」
「いや、私が言いたいのは、人気とかではないわ。仮に魔物達が暴れた際の話よ」
「万が一、そうなったら場合には、あの建物の隅に立つゴーレム達が対処します」
よく見ると、全ての建物の端に同じような箱が設置されている。
「中には竜人型のゴーレムが収納してあり、緊急時に動くようになっています。因みに、作業員としてのゴーレムも各所で働いています。そちらは土人形的な見た目ですけど」
「はは…警備も作業員もゴーレムか…」
ミネルバ達は、改めてあり得ない場所に住む事になったと呆れる。文明的にみても、明らかに王国よりも発展していると分かるからだ。
「カオリ様、いらしてたのですか?」
「ヒャアッ⁈」
突如、背後から声が聞こえてミネルバ達は奇声を上げてしまった。リッセンの声もようやく回復したようだ。
そして振り返りなり、2人は素早く身構えた。リッセンは剣を抜き、マイナもナイフを両手に抜く。そこに居たのが人間では無かったからだ。
「待ってください、彼女はミュウ。この国の住民です」
カオリが2人の間に入り落ち着くように促す。ミュウも突然の反応に初めて見る新顔だと気付き、荒立ててはいけないとカオリの後ろで大人しくする事にした。
「住民って、ラミアじゃないですか!魔物ですよ⁉︎」
「彼女は確かにラミアで魔物よ。だけど、冥界の国ゴーモラの親善大使、貴女達と同じような立場なの」
「魔物とミネルバ様と同列にするな!穢らわしい‼︎」
当のミネルバは困惑していて、リッセンは怒りを露わにしている。マイナも焦りが見えるが、冷静になろうとナイフを納めた。
「冥界の国ゴーモラとは、魔物の国ではないですか?」
「ええそうよ。今日の全員が集まる夕食時に話す予定だったけど、前もって話す方が良さそうね」
カオリは3人に感覚共有を掛けて、ゴーモラでの記憶を転写で見せながら説明する。
「…つまり、貴女達と初めに同盟をしていたのはゴーモラだったのね?その上で、結束を強める為の親善大使として彼女ともう1人が国民になった」
話を聞き終えたミネルバ達は、理解はしたが納得はしていないと表情で見て取れる。
「正確には、惹かれ合う2組の恋人達の関係を国交に利用したのです」
「カオリ様、私は利用されたとは思っていませんよ?素敵な夫と暮らせているのですから」
ミュウが見せる笑顔に、ミネルバは戸惑う。
まさか魔物とはいえ、自分達と変わらぬ生活があり豊かな感情や考えを持っていて、それを目の当たりにする日が来るとは思わなかったからだ。
「この国では、あらゆる種族の共生が実現しているという事ね…。カオリの夫となった大公は、誠に器が大きいといえるわね」
「ああ、それは違います。私の夫はニイヤで、大公はアラヤ。王国に訪れた際には、私の隣に金髪のアラヤが居たでしょう?彼がニイヤ。私だけの夫です。元はアラヤの分身体ですけどね?」
「「「⁇⁇」」」
意味が分からないと3人は首を傾げる。
「その時に、大公アラヤの隣に居た王妃が風の大精霊エアリエル様。今のアラヤの奥さんですよ」
「「「へ⁇⁇」」」
更に理解できないことが増え、3人は目が回りそうになるのだった。
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