301 / 418
第20章 責任は押し付けるものじゃ無いですよ⁉︎
297話 罪悪感
しおりを挟む
頭が痛い。
それは、自らの判断ミスにより、敵の移動手段の特定と追跡を怠った事。
優先順位が合流だったとはいえ、結果的に自分達が到着する前に戦いは終わっていた。
「その確認をしたとして、アヤコさん達が巻き込まれない補償は無いよ?相手は教皇だし、当然護衛は強者が居ただろうからね。俺としては、単身で危険を犯してまで調べに行かなくて良かったと思ってるよ」
アラヤに打ち明けると、逆に良かったと咎めることは無かった。
だが、再び出発の予定日が近付くにつれ、闇雲に各地で起きている戦地に向かう非効率の原因が、自分にあると思えて仕方なかった。
「アヤコさん、考え過ぎだよ。次の予定地が定まらない事を、アヤコさんに責任を押し付けないさ。そもそも、アスピダもそのおかげで結婚できるようなものだよ?」
「そう、ですけど…知ると知らないでは対応の仕方が…」
「はい!もうその話は終わり!さぁ、新技能の検証、やるの?やらないの?やらないなら、カオリさんと変わってもらうよ?」
「も、もちろん、やります!」
カオリは、アスピダの儀式の為に特訓をしていた。
その内容は、聞いた試練内容と同じだ。
アフティの従魔のデビルマンバに足を絡ませた状態で、オードリーが木槌で叩き、クララがフレイムで炙るのだ。
もちろん、デビルマンバには耐性を付与してある。
アスピダにも、アヤコが以前に複数(物理、魔法、熱、麻痺)の耐性を与えている。痛みに関しても、鈍感痛覚の技能があるから、今更特訓は必要無いかと思うのだが、サナエ曰く、夫となる心構えが必要なんだそうだ。
俺にあっただろうか…?
アスピダの事はカオリ達に任せて、アラヤはアヤコと広場へと移動する。
「今回の戦いでは大きな成果がある。一つは勇者の技能を得る事ができたことと、もう一つは快楽睡眠の対処法が見つかった事だね」
「確か、カオリさんの敵の寛容の勇者でしたね。勇者相手に【弱肉強食】を使用して、快楽睡眠にならなかったんですか?」
「いや、なったよ。分身体達がね」
今回、特殊技能を使ったのは3人の小さな分身体で、3人共に使用した後で快楽睡眠に陥った。
「大きな分身体が、その小さな分身体を回収したんだけど、睡眠の影響は無かったんだよね」
「それはつまり、この先【弱肉強食】の使用は分身体にさせるって事ですか?」
「戦闘中、もしくは相手が勇者や魔王といったいった強者ならそうなるね」
正直、本体があの快楽を味わえないというのは拷問だと思う。分身体が味わっているから納得するように努力するしかない。
「しかも、分身体1人につき1つの技能を奪っているから、計3つの技能を奪えた。その中の1つは特殊技能だし」
「それは良かったですね!」
もしかしたら、俺が特殊技能を食奪獲得したから、勇者の倍返し能力が不能となってカオリのデスが届いたのかもしれない。
「それで、その勇者の遺体はどうされたんですか?」
「ああ、遺体は闇の眷属竜が、眷属のゾンビにするって預かってるよ」
アンデッドや死肉からは、技能を食奪獲得できないからね。カオリの為には、忘れる為に遺体は火葬した方が良かった気がするけどね。
「今回、新たに勇者から得た技能は、特殊技能の【受罪寛容】、【超適応体質】は、物理耐性、魔法耐性、精神耐性、以外の熱耐性や毒耐性等の状態異常耐性と吸収合併して、【不変者】に昇華した。残りは身体強化で、経験値が上がってLV5になったよ」
「カオリさんのはなしだと、確か【受罪寛容】は受けたダメージを倍返しするんでしたよね?」
「それが、鑑定では受けた攻撃と表記してある。だから、ダメージは関係なく、受けた魔法を倍返しだと思う。ただ、勇者はコレを100%受けてから返してたらしい。まぁ、魔法耐性の強い鎧を装備していたみたいだけど。つまりは、必ず受ける必要はあるけど、ダメージ量は関係なく、攻撃を倍返しって事じゃないかな?」
「なるほど。受けた事象の倍返しなんですね。ひょっとしたら彼は、魔法耐性が無かったのかもしれませんね?だから、常に魔法耐性の高い鎧を着ているしかなかった」
確かにそうかもしれない。現に彼は自分からは魔法を使わなかった。俺には魔法は効かないとアピールし、自身が得意な物理戦に持ち込む。ひょっとすると、魔法の技能も持たなかったのではないか?
「とりあえず、今から使用するからヘイストで試してみて?」
アラヤが【受罪寛容】を発動させると、直ぐにアヤコがヘイストを掛けた。
「…体に受けたヘイストとは別に、確かに手に大きな魔力ができたよ」
アラヤはその魔力の塊をアヤコへと向けて放つ。すると、アヤコには倍掛けのヘイストが発動した。
「これは、ダメージカウンター以外に、バフにも良いかもね」
高速で頷くアヤコに思わず吹き出したら、高速チョップで沢山叩かれた。
「…それにしても、アラヤ君は幾つも魔王や勇者から特殊技能を手に入れましたね。今持っているのは4つですか?」
「そうだね。先ず、暴食王の特殊技能の【弱肉強食】、そして暴食王のLVUPで手に入れた【生命変換】。そして分別の勇者の【分断別離】、そして寛容の勇者の【受罪寛容】だね」
「私の持つ【技能与奪】も、ゴウダから奪ったものでした。【分断別離】もコウサカさんが勇者から奪ったものでしたし、思った以上に特殊技能は奪われ易いものなのかもしれませんね?」
言われてみたらそうだ。寛容の勇者からは全ての技能を奪ったわけではない。ランダムで奪う確率な筈だが、コウサカも一回で奪っているあたり、優先的に奪っているのか?
それとも、やはり運の要素が高いのか?
「つまりは、俺の【弱肉強食】も奪われ易いかもしれないんだね?」
「あくまで、可能性ですけど。…でも、固有技能とは違い、譲渡可能な特殊技能が持つ意味って何だと思いますか?」
「意味って……まさか⁉︎」
「はい。私がそうだったように、素質がある人物が特殊技能を与えらた場合、転職する可能性があるんです」
アヤコは初めは伝導士という職業だった。確かに、彼女にゴウダの特殊技能を与えたことにより、彼女は強欲王へと転職した。
だが、それは元の持ち主が素質の消失、又は死亡した後なのだろう。
既に、寛容の勇者ユートプス=モアは死亡している。
「つまり、俺達の家族の中に、寛容の勇者を生み出せるって事だね?」
「はい。これは凄い事だと思うんです!この浮遊邸には既に魔王が3人居るんですよ?更に勇者まで加われば、おそらく帝国の軍事力をも、凌駕する存在になれる。私達は、単独でヌル虚無教団に対抗できる家族になれますよ?まだ不安なら、コウサカさんの特殊技能も奪…」
「待って!」
アラヤは、ガシッとアヤコを抱きしめて黙らせる。彼女の目の焦点がブレていて、悦に浸る表情になっていたのだ。
「だって、全て手に入れられるような存在になるんですよ⁉︎複数の禁呪を扱えるカオリさんに、大精霊のエアリエル様と暴風竜エンリルもいる!地上より遥か上空に構え、誰にも手出しできない。だから、だから、早くヌル虚無教団を止めないといけないんです!そうすれば、全てアラヤ君が望むままに奪える世界に!私が、満たされる世界に‼︎」
彼女は、強欲魔王の快楽に呑まれ掛けている。アラヤは、ただ強く抱きしめて落ち着かせる。
「なのに、それなのに、私は…」
彼女の脳裏に、先代の強欲魔王達の成れの果てが浮かび上がる。それは、彼女の魂に刻まれたフレイア神の記憶。
フラッシュバックされるその記録は、かつての魔王達が欲望に溺れた結果だ。
「ううっ、うっ、ごめんなさい…」
快楽が冷め冷静になるにつれ、アヤコは泣き崩れた。
「わ、私、強欲魔王の快楽を知ってから足を引っ張ってしまっています…平静を装っているけど本当は、みんなの技能を奪いたい!全て私のものにしたいって、考えている自分がいるんです!今だって、本当はアスピダとアフティを祝わないといけないのに、違うことを考えてばかりで、このままじゃ…」
快楽の誘惑と失敗のストレスで、彼女は一杯一杯の状態だったようだ。アラヤは彼女を抱きしめたまま、ギュッと拳を握る。
(アヤコさんごめん、分断別離‼︎)
彼女の後頭部に、特殊技能を軽い力で当てる。
「うっ…」
意識を失った彼女を、ゆっくりとソファに寝かした。
彼女の、失敗に対する不安と強欲に溺れたことへの後悔を切り離そうと技能を使った。
上手く効果が出ている事を願い、ゆっくりと彼女の意識を起こす。
「ん…」
「アヤコさん、大丈夫?」
「…?一体、何があったんですか?」
ゆっくりと起き上がるアヤコは、辺りを見渡す。
記憶が飛んだのか、繋がりを離したのか、その結果は大きな違いだ。
「さっきまで技能検証をしていたんだ。それ覚えてる?」
「…はい、覚えてますよ?でも、何でしょう?胸につっかえていた何かが分からないんです」
「そう?何か今、新たな特殊技能で思い付いた事はない?」
「う~ん、今は特に…。それよりも、ミュウとサハドが式後には浮遊邸に来るんですから、アスピダとアフティの部屋の改装をお願いしますね?私は、トランペットの練習を頑張りますから」
「ああ、そうだね」
記憶ではなく、不安や強欲の誘惑に対する感情の欠落。これは成功したということか?
効果がどれだけ続くのか、それとも永遠に戻らないのかは分からない。
ただ、平和に、最善策と考え使用したにも関わらず、アラヤは彼女に対する罪悪感が消えないでいた。
それは、自らの判断ミスにより、敵の移動手段の特定と追跡を怠った事。
優先順位が合流だったとはいえ、結果的に自分達が到着する前に戦いは終わっていた。
「その確認をしたとして、アヤコさん達が巻き込まれない補償は無いよ?相手は教皇だし、当然護衛は強者が居ただろうからね。俺としては、単身で危険を犯してまで調べに行かなくて良かったと思ってるよ」
アラヤに打ち明けると、逆に良かったと咎めることは無かった。
だが、再び出発の予定日が近付くにつれ、闇雲に各地で起きている戦地に向かう非効率の原因が、自分にあると思えて仕方なかった。
「アヤコさん、考え過ぎだよ。次の予定地が定まらない事を、アヤコさんに責任を押し付けないさ。そもそも、アスピダもそのおかげで結婚できるようなものだよ?」
「そう、ですけど…知ると知らないでは対応の仕方が…」
「はい!もうその話は終わり!さぁ、新技能の検証、やるの?やらないの?やらないなら、カオリさんと変わってもらうよ?」
「も、もちろん、やります!」
カオリは、アスピダの儀式の為に特訓をしていた。
その内容は、聞いた試練内容と同じだ。
アフティの従魔のデビルマンバに足を絡ませた状態で、オードリーが木槌で叩き、クララがフレイムで炙るのだ。
もちろん、デビルマンバには耐性を付与してある。
アスピダにも、アヤコが以前に複数(物理、魔法、熱、麻痺)の耐性を与えている。痛みに関しても、鈍感痛覚の技能があるから、今更特訓は必要無いかと思うのだが、サナエ曰く、夫となる心構えが必要なんだそうだ。
俺にあっただろうか…?
アスピダの事はカオリ達に任せて、アラヤはアヤコと広場へと移動する。
「今回の戦いでは大きな成果がある。一つは勇者の技能を得る事ができたことと、もう一つは快楽睡眠の対処法が見つかった事だね」
「確か、カオリさんの敵の寛容の勇者でしたね。勇者相手に【弱肉強食】を使用して、快楽睡眠にならなかったんですか?」
「いや、なったよ。分身体達がね」
今回、特殊技能を使ったのは3人の小さな分身体で、3人共に使用した後で快楽睡眠に陥った。
「大きな分身体が、その小さな分身体を回収したんだけど、睡眠の影響は無かったんだよね」
「それはつまり、この先【弱肉強食】の使用は分身体にさせるって事ですか?」
「戦闘中、もしくは相手が勇者や魔王といったいった強者ならそうなるね」
正直、本体があの快楽を味わえないというのは拷問だと思う。分身体が味わっているから納得するように努力するしかない。
「しかも、分身体1人につき1つの技能を奪っているから、計3つの技能を奪えた。その中の1つは特殊技能だし」
「それは良かったですね!」
もしかしたら、俺が特殊技能を食奪獲得したから、勇者の倍返し能力が不能となってカオリのデスが届いたのかもしれない。
「それで、その勇者の遺体はどうされたんですか?」
「ああ、遺体は闇の眷属竜が、眷属のゾンビにするって預かってるよ」
アンデッドや死肉からは、技能を食奪獲得できないからね。カオリの為には、忘れる為に遺体は火葬した方が良かった気がするけどね。
「今回、新たに勇者から得た技能は、特殊技能の【受罪寛容】、【超適応体質】は、物理耐性、魔法耐性、精神耐性、以外の熱耐性や毒耐性等の状態異常耐性と吸収合併して、【不変者】に昇華した。残りは身体強化で、経験値が上がってLV5になったよ」
「カオリさんのはなしだと、確か【受罪寛容】は受けたダメージを倍返しするんでしたよね?」
「それが、鑑定では受けた攻撃と表記してある。だから、ダメージは関係なく、受けた魔法を倍返しだと思う。ただ、勇者はコレを100%受けてから返してたらしい。まぁ、魔法耐性の強い鎧を装備していたみたいだけど。つまりは、必ず受ける必要はあるけど、ダメージ量は関係なく、攻撃を倍返しって事じゃないかな?」
「なるほど。受けた事象の倍返しなんですね。ひょっとしたら彼は、魔法耐性が無かったのかもしれませんね?だから、常に魔法耐性の高い鎧を着ているしかなかった」
確かにそうかもしれない。現に彼は自分からは魔法を使わなかった。俺には魔法は効かないとアピールし、自身が得意な物理戦に持ち込む。ひょっとすると、魔法の技能も持たなかったのではないか?
「とりあえず、今から使用するからヘイストで試してみて?」
アラヤが【受罪寛容】を発動させると、直ぐにアヤコがヘイストを掛けた。
「…体に受けたヘイストとは別に、確かに手に大きな魔力ができたよ」
アラヤはその魔力の塊をアヤコへと向けて放つ。すると、アヤコには倍掛けのヘイストが発動した。
「これは、ダメージカウンター以外に、バフにも良いかもね」
高速で頷くアヤコに思わず吹き出したら、高速チョップで沢山叩かれた。
「…それにしても、アラヤ君は幾つも魔王や勇者から特殊技能を手に入れましたね。今持っているのは4つですか?」
「そうだね。先ず、暴食王の特殊技能の【弱肉強食】、そして暴食王のLVUPで手に入れた【生命変換】。そして分別の勇者の【分断別離】、そして寛容の勇者の【受罪寛容】だね」
「私の持つ【技能与奪】も、ゴウダから奪ったものでした。【分断別離】もコウサカさんが勇者から奪ったものでしたし、思った以上に特殊技能は奪われ易いものなのかもしれませんね?」
言われてみたらそうだ。寛容の勇者からは全ての技能を奪ったわけではない。ランダムで奪う確率な筈だが、コウサカも一回で奪っているあたり、優先的に奪っているのか?
それとも、やはり運の要素が高いのか?
「つまりは、俺の【弱肉強食】も奪われ易いかもしれないんだね?」
「あくまで、可能性ですけど。…でも、固有技能とは違い、譲渡可能な特殊技能が持つ意味って何だと思いますか?」
「意味って……まさか⁉︎」
「はい。私がそうだったように、素質がある人物が特殊技能を与えらた場合、転職する可能性があるんです」
アヤコは初めは伝導士という職業だった。確かに、彼女にゴウダの特殊技能を与えたことにより、彼女は強欲王へと転職した。
だが、それは元の持ち主が素質の消失、又は死亡した後なのだろう。
既に、寛容の勇者ユートプス=モアは死亡している。
「つまり、俺達の家族の中に、寛容の勇者を生み出せるって事だね?」
「はい。これは凄い事だと思うんです!この浮遊邸には既に魔王が3人居るんですよ?更に勇者まで加われば、おそらく帝国の軍事力をも、凌駕する存在になれる。私達は、単独でヌル虚無教団に対抗できる家族になれますよ?まだ不安なら、コウサカさんの特殊技能も奪…」
「待って!」
アラヤは、ガシッとアヤコを抱きしめて黙らせる。彼女の目の焦点がブレていて、悦に浸る表情になっていたのだ。
「だって、全て手に入れられるような存在になるんですよ⁉︎複数の禁呪を扱えるカオリさんに、大精霊のエアリエル様と暴風竜エンリルもいる!地上より遥か上空に構え、誰にも手出しできない。だから、だから、早くヌル虚無教団を止めないといけないんです!そうすれば、全てアラヤ君が望むままに奪える世界に!私が、満たされる世界に‼︎」
彼女は、強欲魔王の快楽に呑まれ掛けている。アラヤは、ただ強く抱きしめて落ち着かせる。
「なのに、それなのに、私は…」
彼女の脳裏に、先代の強欲魔王達の成れの果てが浮かび上がる。それは、彼女の魂に刻まれたフレイア神の記憶。
フラッシュバックされるその記録は、かつての魔王達が欲望に溺れた結果だ。
「ううっ、うっ、ごめんなさい…」
快楽が冷め冷静になるにつれ、アヤコは泣き崩れた。
「わ、私、強欲魔王の快楽を知ってから足を引っ張ってしまっています…平静を装っているけど本当は、みんなの技能を奪いたい!全て私のものにしたいって、考えている自分がいるんです!今だって、本当はアスピダとアフティを祝わないといけないのに、違うことを考えてばかりで、このままじゃ…」
快楽の誘惑と失敗のストレスで、彼女は一杯一杯の状態だったようだ。アラヤは彼女を抱きしめたまま、ギュッと拳を握る。
(アヤコさんごめん、分断別離‼︎)
彼女の後頭部に、特殊技能を軽い力で当てる。
「うっ…」
意識を失った彼女を、ゆっくりとソファに寝かした。
彼女の、失敗に対する不安と強欲に溺れたことへの後悔を切り離そうと技能を使った。
上手く効果が出ている事を願い、ゆっくりと彼女の意識を起こす。
「ん…」
「アヤコさん、大丈夫?」
「…?一体、何があったんですか?」
ゆっくりと起き上がるアヤコは、辺りを見渡す。
記憶が飛んだのか、繋がりを離したのか、その結果は大きな違いだ。
「さっきまで技能検証をしていたんだ。それ覚えてる?」
「…はい、覚えてますよ?でも、何でしょう?胸につっかえていた何かが分からないんです」
「そう?何か今、新たな特殊技能で思い付いた事はない?」
「う~ん、今は特に…。それよりも、ミュウとサハドが式後には浮遊邸に来るんですから、アスピダとアフティの部屋の改装をお願いしますね?私は、トランペットの練習を頑張りますから」
「ああ、そうだね」
記憶ではなく、不安や強欲の誘惑に対する感情の欠落。これは成功したということか?
効果がどれだけ続くのか、それとも永遠に戻らないのかは分からない。
ただ、平和に、最善策と考え使用したにも関わらず、アラヤは彼女に対する罪悪感が消えないでいた。
0
お気に入りに追加
2,699
あなたにおすすめの小説
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜
KeyBow
ファンタジー
主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。
そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。
転生した先は侯爵家の子息。
妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。
女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。
ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。
理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。
メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。
しかしそう簡単な話ではない。
女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。
2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・
多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。
しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。
信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。
いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。
孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。
また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。
果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
スキル運で、運がいい俺を追放したギルドは倒産したけど、俺の庭にダンジョン出来て億稼いでます。~ラッキー~
暁 とと
ファンタジー
スキル運のおかげでドロップ率や宝箱のアイテムに対する運が良く、確率の低いアイテムをドロップしたり、激レアな武器を宝箱から出したりすることが出来る佐藤はギルドを辞めさられた。
しかし、佐藤の庭にダンジョンが出来たので億を稼ぐことが出来ます。
もう、戻ってきてと言われても無駄です。こっちは、億稼いでいるので。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる