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第15章 その力は偉大らしいですよ⁉︎
214話 スペシャリスト
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浮遊邸へと帰る途中、大罪教団の施設から出て来たハウンと合流した。
「アラヤ様!例の魔法は入手できましたか?」
「うん、カオリがね。俺には術式の早解読なんて無理だからね。ハウンは、何か新たな情報あった?」
「はい。ですが、浮遊邸に戻られてからの方が宜しいかもしれません」
繁華街の往来が多い中、アラヤ達の後を尾けている反応がある。衣装からして大罪教団の団員だと思うけれど、あまり好意的とは受け取れないな。
アラヤ達は路地裏に入り、浮遊邸へとテレポートした。
「リーダー、教団側の不干渉はどうなっている⁉︎」
浮遊邸に着くなり、アスピダがハウンに抗議する様に詰め寄る。その間にサナエが入り2人を離した。
「アスピダ、落ち着いて?大丈夫、この場所は特定できないわよ」
アスピダは姿勢を正すと、すみませんと頭を下げた。まぁ、今は飛んでいないとはいえ、浮遊邸の隠蔽の結界は完璧だからね。
「ハウン、何かマズイ事になってるのかな?」
「はい、少しだけ。教団上層部は変わらず静観を続ける方針ですが、1部の司教と団員達が教団内に情報を公開しないのは納得いかないと言っているらしいです。そうなったきっかけは、我々の現れる場所の移動距離が異常という事と、ナーサキで再び暴風竜エンリルが発見された事が大きいようです」
「あ、やっぱり見つかったかぁ…」
あれだけ派手な除染作業をしていたら、見つかるのは時間の問題だったからね。
「でも、何故かエンリルとの関係性があると思われているんだね?エアリエル様と行動を共にしている事、話して無いよね?」
「アラヤ様が不利になる様な事、我々がするわけありません!教団へは、不干渉の条件としての到着報告と次回移動先の報告のみです!」
心外ですと、ハウンは機嫌を悪くしてしまった。誓いの呪文があるから、彼女達がそんな事するわけ無いのは当然である。だけど思わず口に出してしまったんだよね。
機嫌を治して欲しいと、ハウンの手を取り謝ると、彼女は口を開けて固まった。みるみる顔が赤くなり、視線が泳いでいる。
「ごめん、もちろん君達を疑ってる訳じゃないよ。でも、どうしてエンリルとの関連を疑われてるか、分からない?」
耳を赤く染めていた彼女は、ゆっくりと深呼吸をすると普段の表情に戻った。
「疑われた要因は、おそらく暴風竜エンリルの首元に出来た奴隷紋かと思われます。エンリルが暴れていた際に、見た者が居たのでしょう。ギルドにクララ様の奴隷紋が登録されていますから、それと照合されたのかと…」
「あちゃ~。エアリエル様の奴隷紋と重なっているから、分からないかと思ってたけど」
「エアリエル様が付けた奴隷紋は、精霊視認ができる者にしか見えないと思われます」
という事は、帝国の御偉方には、飛行戦艦をエンリルが落としたのは、アラヤの指示だという認識があるわけだ。
「これはひょっとしなくても、俺の顔とかの情報公開はヤバイんじゃない?」
今のタイミングで、大罪教団が暴食魔王の生存と詳細の開示を団員達にしてしまうと、帝国の領土にアラヤが居る時には、帝国に味方する教団員がいる以上、絶えず狙われてしまう可能性がある。
「…どうしよう?」
「まぁ、こういう場合は、一度皆んなで集まって会議でしょ?」
サナエの言う通り、ここは家族会議を開くべきだよね。
とりあえず、アラヤは来賓館の大広間に皆んなを集めた。広間には向かい合って会議できるように、大きな円卓が置いてある。
「…という訳で、今後の対応をどうするか、皆んなの意見を聞きたいんだ」
アラヤは、エンリルの存在で自身が帝国から狙われている可能性と、大罪教での暴食魔王の機密保持が困難な状態な事を話した。
イシルウェが挙手をして質問をする。
「私には分からないのだが、そもそも大罪教にわざわざ合わせる必要性があるのかい?」
「大罪教は言わば、大罪教の布教以外に、フレイア神の寵愛を受ける魔王のサポートを昔から責務としています。その為には、全ての団員が各魔王の詳細を知っていた方が効率的なのです。しかし、魔王同士の抗争や勇者からの追跡を逃れたいアラヤ様は、大罪教から不干渉になる条件に、我々による居場所の報告を義務付けされているのです」
彼の質問にハウンが答えると、それに対してカオリが補足する。
「この世界に来た当初は、教団は巻き込んだ当人で憎むべき対象だったけど、私に与えられた仲間と待遇は良かったわ。教団はともかく、ハウン達が悪いわけじゃないわよ?今回問題なのは、教団が不干渉を守れないのであれば、こちらの対応も変える必要があるかしらって話なの」
当然、そこにはハウン達の立場も変化が伴う。まぁ、見捨てる気は当然無いが。
「基本、魔王は自由な立場なのだから従う必要性は無いと思います。不干渉を守れないと言うなら、こちらも報告義務を放棄してみてはどうでしょう?」
「その場合に起こり得るリスクは?」
「まぁ、詳細の開示は勝手にされる。後は、勇者の近況や他の魔王の動向とかも分からなくなる。教団から守られる対象じゃなくなるとか?あ、ハウン達も反逆者扱いかしら?」
今まで教団で得ていた情報が無くなるというのは、確かに危険度が増すかもしれない。ハウン達にしても、教団に顔を出す事もできなくなるだろう。
「私達の事は構いませんよ?浮遊邸に教会を作って頂けたら、祈りも此処で挙げられますし。ね、リーダー?」
「はい。我々としては、あくまでも信仰はフレイア神であり、教団組織では有りませんので。孤児や売られた我々を教育して魔王様の配下として下さった事には感謝しています。お前達は魔王様に仕える事こそが使命であると。ならば我々は今、その使命に忠実でございます。ただ、教団を利用した為替が利用出来なくなります。そうなると、レートの悪い為替しかできなくなりますが…」
為替かぁ。確かに他国での買物の際について回る問題だな。ラエテマ王国での収入があるとはいえ、戦争中だからその価値は他国では暴落中だろうし。
「いや、別にお金は必要無いでしょう?この前みたいに、物々交換や質屋みたいな店で買取してもらえるし。それに、現時点で買物する必要性があまり無いわよ?」
カオリがそう言って、円卓に1枚の羊皮紙を広げた。皆がその羊皮紙を覗き込む。そこには、今まで生産できた品々が書かれている。
「これは今、浮遊邸で生産可能な品々よ。畜産はチャコやアフティ。農産物はファブリカンテとイシルウェとクララ。衣類や装飾品はサナエとレミーラ。にいやの食事の為に必要な調味料も、今やファブリカンテが居るから醤油だって製作可能よ?つまり、わざわざ買物しなくても、浮遊邸に居れば衣食住は足りてるのよ」
『作物の成長も、我とゲーブの加護があるからな。アラヤが浮遊邸の主である限り、恵みには事欠かないだろう』
エアリエルも話を聞いていたらしい。それにしても、俺が居るだけで大精霊の加護が浮遊邸に?というよりは、俺とパートナーである精霊達の結界の影響かな。2人の大精霊の加護は、アラヤから魔力を得ているパートナーの精霊達にも影響あるみたいだし。おかげで作物の成長は倍以上の早さだ。
「人手不足もハルのゴーレムで助かってるし、農作物に必要な天候もイシルウェが整えてくれてる。確かに、この浮遊邸には生産のスペシャリストが集まってるね」
「す、すぺ?」
「達人って事だよ。チャコも家畜や魔獣の飼育は、此処に居る中では1番だからね」
「チャコもスペ?やったぁ!」
喜ぶチャコの頭を撫でるイシルウェ。それを見守るアルディスとディニエル。それぞれが自分の長所を相手から褒められて、笑い合っている。うん、俺は出会いに恵まれているなぁ。
そこで、タオが1人手を挙げた。
「…僕、デピッケルに戻りたいです」
「「「え…?」」」
「だって、僕は何も役に立っていないし…そろそろ母さん達も心配しているだろうし…」
これには水精霊が怒った。アラヤ達に水の手によるビンタを喰らわせ、浮かれ気分を冷めさせた。
『タオに謝ってよねー!タオの絵は私の癒しなんだから!役に立って無いなんて言わせ無いわよー!』
「待て待て!役に立って無いわけ無いだろ?タオの描いた絵は皆の癒しだし、何よりも世界共通で高く売れる!それこそ、通貨を得る必要がある際に頼りにしてるんだから」
これを聞いたタオは泣き出してしまった。シレネッタからの更なるビンタをアラヤが喰らう羽目になる。
結果、嬉し涙だったから良いけれど、いつの間にかタオも精霊達に好かれる存在になってたみたいだね。
「それじゃ、教団の不干渉は無くなり帝国には狙われるけど、更なる自由な生活を満喫するって事で良いのかな?」
「「「異議無ーし」」」
「あ、でも、一度デピッケルに戻る必要はあるかもしれませんね。既にかなりの日数を留守にしていますから、親御さんに連絡する必要はあります」
「その前に、エンリルでしょう。帝国が、エンリルがナーサキの除染作業をしているって理解してくれるとは思えないもの。冒険者や国軍による討伐依頼が出てもおかしくないわ」
うーん。せっかくの新たなスタートだって気分が、振り出しに戻った感じだよ。でもまぁ、みんなで話し合えば何事も上手くいくって分かったね。
「アラヤ様!例の魔法は入手できましたか?」
「うん、カオリがね。俺には術式の早解読なんて無理だからね。ハウンは、何か新たな情報あった?」
「はい。ですが、浮遊邸に戻られてからの方が宜しいかもしれません」
繁華街の往来が多い中、アラヤ達の後を尾けている反応がある。衣装からして大罪教団の団員だと思うけれど、あまり好意的とは受け取れないな。
アラヤ達は路地裏に入り、浮遊邸へとテレポートした。
「リーダー、教団側の不干渉はどうなっている⁉︎」
浮遊邸に着くなり、アスピダがハウンに抗議する様に詰め寄る。その間にサナエが入り2人を離した。
「アスピダ、落ち着いて?大丈夫、この場所は特定できないわよ」
アスピダは姿勢を正すと、すみませんと頭を下げた。まぁ、今は飛んでいないとはいえ、浮遊邸の隠蔽の結界は完璧だからね。
「ハウン、何かマズイ事になってるのかな?」
「はい、少しだけ。教団上層部は変わらず静観を続ける方針ですが、1部の司教と団員達が教団内に情報を公開しないのは納得いかないと言っているらしいです。そうなったきっかけは、我々の現れる場所の移動距離が異常という事と、ナーサキで再び暴風竜エンリルが発見された事が大きいようです」
「あ、やっぱり見つかったかぁ…」
あれだけ派手な除染作業をしていたら、見つかるのは時間の問題だったからね。
「でも、何故かエンリルとの関係性があると思われているんだね?エアリエル様と行動を共にしている事、話して無いよね?」
「アラヤ様が不利になる様な事、我々がするわけありません!教団へは、不干渉の条件としての到着報告と次回移動先の報告のみです!」
心外ですと、ハウンは機嫌を悪くしてしまった。誓いの呪文があるから、彼女達がそんな事するわけ無いのは当然である。だけど思わず口に出してしまったんだよね。
機嫌を治して欲しいと、ハウンの手を取り謝ると、彼女は口を開けて固まった。みるみる顔が赤くなり、視線が泳いでいる。
「ごめん、もちろん君達を疑ってる訳じゃないよ。でも、どうしてエンリルとの関連を疑われてるか、分からない?」
耳を赤く染めていた彼女は、ゆっくりと深呼吸をすると普段の表情に戻った。
「疑われた要因は、おそらく暴風竜エンリルの首元に出来た奴隷紋かと思われます。エンリルが暴れていた際に、見た者が居たのでしょう。ギルドにクララ様の奴隷紋が登録されていますから、それと照合されたのかと…」
「あちゃ~。エアリエル様の奴隷紋と重なっているから、分からないかと思ってたけど」
「エアリエル様が付けた奴隷紋は、精霊視認ができる者にしか見えないと思われます」
という事は、帝国の御偉方には、飛行戦艦をエンリルが落としたのは、アラヤの指示だという認識があるわけだ。
「これはひょっとしなくても、俺の顔とかの情報公開はヤバイんじゃない?」
今のタイミングで、大罪教団が暴食魔王の生存と詳細の開示を団員達にしてしまうと、帝国の領土にアラヤが居る時には、帝国に味方する教団員がいる以上、絶えず狙われてしまう可能性がある。
「…どうしよう?」
「まぁ、こういう場合は、一度皆んなで集まって会議でしょ?」
サナエの言う通り、ここは家族会議を開くべきだよね。
とりあえず、アラヤは来賓館の大広間に皆んなを集めた。広間には向かい合って会議できるように、大きな円卓が置いてある。
「…という訳で、今後の対応をどうするか、皆んなの意見を聞きたいんだ」
アラヤは、エンリルの存在で自身が帝国から狙われている可能性と、大罪教での暴食魔王の機密保持が困難な状態な事を話した。
イシルウェが挙手をして質問をする。
「私には分からないのだが、そもそも大罪教にわざわざ合わせる必要性があるのかい?」
「大罪教は言わば、大罪教の布教以外に、フレイア神の寵愛を受ける魔王のサポートを昔から責務としています。その為には、全ての団員が各魔王の詳細を知っていた方が効率的なのです。しかし、魔王同士の抗争や勇者からの追跡を逃れたいアラヤ様は、大罪教から不干渉になる条件に、我々による居場所の報告を義務付けされているのです」
彼の質問にハウンが答えると、それに対してカオリが補足する。
「この世界に来た当初は、教団は巻き込んだ当人で憎むべき対象だったけど、私に与えられた仲間と待遇は良かったわ。教団はともかく、ハウン達が悪いわけじゃないわよ?今回問題なのは、教団が不干渉を守れないのであれば、こちらの対応も変える必要があるかしらって話なの」
当然、そこにはハウン達の立場も変化が伴う。まぁ、見捨てる気は当然無いが。
「基本、魔王は自由な立場なのだから従う必要性は無いと思います。不干渉を守れないと言うなら、こちらも報告義務を放棄してみてはどうでしょう?」
「その場合に起こり得るリスクは?」
「まぁ、詳細の開示は勝手にされる。後は、勇者の近況や他の魔王の動向とかも分からなくなる。教団から守られる対象じゃなくなるとか?あ、ハウン達も反逆者扱いかしら?」
今まで教団で得ていた情報が無くなるというのは、確かに危険度が増すかもしれない。ハウン達にしても、教団に顔を出す事もできなくなるだろう。
「私達の事は構いませんよ?浮遊邸に教会を作って頂けたら、祈りも此処で挙げられますし。ね、リーダー?」
「はい。我々としては、あくまでも信仰はフレイア神であり、教団組織では有りませんので。孤児や売られた我々を教育して魔王様の配下として下さった事には感謝しています。お前達は魔王様に仕える事こそが使命であると。ならば我々は今、その使命に忠実でございます。ただ、教団を利用した為替が利用出来なくなります。そうなると、レートの悪い為替しかできなくなりますが…」
為替かぁ。確かに他国での買物の際について回る問題だな。ラエテマ王国での収入があるとはいえ、戦争中だからその価値は他国では暴落中だろうし。
「いや、別にお金は必要無いでしょう?この前みたいに、物々交換や質屋みたいな店で買取してもらえるし。それに、現時点で買物する必要性があまり無いわよ?」
カオリがそう言って、円卓に1枚の羊皮紙を広げた。皆がその羊皮紙を覗き込む。そこには、今まで生産できた品々が書かれている。
「これは今、浮遊邸で生産可能な品々よ。畜産はチャコやアフティ。農産物はファブリカンテとイシルウェとクララ。衣類や装飾品はサナエとレミーラ。にいやの食事の為に必要な調味料も、今やファブリカンテが居るから醤油だって製作可能よ?つまり、わざわざ買物しなくても、浮遊邸に居れば衣食住は足りてるのよ」
『作物の成長も、我とゲーブの加護があるからな。アラヤが浮遊邸の主である限り、恵みには事欠かないだろう』
エアリエルも話を聞いていたらしい。それにしても、俺が居るだけで大精霊の加護が浮遊邸に?というよりは、俺とパートナーである精霊達の結界の影響かな。2人の大精霊の加護は、アラヤから魔力を得ているパートナーの精霊達にも影響あるみたいだし。おかげで作物の成長は倍以上の早さだ。
「人手不足もハルのゴーレムで助かってるし、農作物に必要な天候もイシルウェが整えてくれてる。確かに、この浮遊邸には生産のスペシャリストが集まってるね」
「す、すぺ?」
「達人って事だよ。チャコも家畜や魔獣の飼育は、此処に居る中では1番だからね」
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「「「え…?」」」
「だって、僕は何も役に立っていないし…そろそろ母さん達も心配しているだろうし…」
これには水精霊が怒った。アラヤ達に水の手によるビンタを喰らわせ、浮かれ気分を冷めさせた。
『タオに謝ってよねー!タオの絵は私の癒しなんだから!役に立って無いなんて言わせ無いわよー!』
「待て待て!役に立って無いわけ無いだろ?タオの描いた絵は皆の癒しだし、何よりも世界共通で高く売れる!それこそ、通貨を得る必要がある際に頼りにしてるんだから」
これを聞いたタオは泣き出してしまった。シレネッタからの更なるビンタをアラヤが喰らう羽目になる。
結果、嬉し涙だったから良いけれど、いつの間にかタオも精霊達に好かれる存在になってたみたいだね。
「それじゃ、教団の不干渉は無くなり帝国には狙われるけど、更なる自由な生活を満喫するって事で良いのかな?」
「「「異議無ーし」」」
「あ、でも、一度デピッケルに戻る必要はあるかもしれませんね。既にかなりの日数を留守にしていますから、親御さんに連絡する必要はあります」
「その前に、エンリルでしょう。帝国が、エンリルがナーサキの除染作業をしているって理解してくれるとは思えないもの。冒険者や国軍による討伐依頼が出てもおかしくないわ」
うーん。せっかくの新たなスタートだって気分が、振り出しに戻った感じだよ。でもまぁ、みんなで話し合えば何事も上手くいくって分かったね。
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