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第6章 勇者候補の修行
バンカーの所在地
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「え?明日ですか?」
修行の終了の後に伝えられた話の内容に、タケルは思わず聞き返していた。
「ええ、明日よ。確かに急かもしれないけど、今の貴方なら、バンカーの修行に行かせても問題無いとオーランドが判断したのよ。まぁ、私も今の貴方なら異存は無いわ」
カエデは、修行で使用した武器(クナイ)を回収しながらそう答えた。
「あの、準備する物とかは…?」
「特に無いわ。まぁ、ポーション類等の一般的な準備は持って行っても問題無いはずよ。明朝、一度ギルドに来てもらってからの出発になるわ。目的地は極秘地区な為、移動手段は魔方陣による転移よ修行期間は大体七日間の予定よ」
カエデと別れて自室に戻ったタケルは、バックパックの中身を確認する。
ポーションは並・中級・高級共に五本ずつストックがある。それとは別に、魔力切れ用に魔力回復薬を五本準備してある。今までは必要無いと思っていたが、魔法が使えるようになってからは、ケイトさんに頼んで揃えてもらっている。もちろん、魔石も使える用途が多いので用意してある。後は必要は無くなったが、羊皮紙・魔法チョーク等の鑑定士の道具。その他はロープやナイフ、バーナー等のサバイバル道具一式。
「うん、これだけあれば問題無いかな」
再び道具をバックパックに戻し終えたタイミングで、ケイトが夕食をワゴンで運んで来た。
「失礼します。夕食の準備に参りました」
タケルは食事を終えると、後片付けに取り掛かっているケイトにも報告しておく。
「いつもありがとうございます。実は明日から修行で、七日間程此処を離れる予定なので、食事はしばらく用意しなくて大丈夫です」
「畏まりました。…それでしたら、今のうちにお渡ししておきますね」
そう言うと、ワゴンの下から木箱を取り出してテーブルの隅で開けた。
箱の中には、タイラー社の銘柄がある液体燃料の瓶が三本入っていた。城内では手に入れられないはずだったけど、もしかして街にまで調達に行ったのかもしれない。
「これは…マリの液体燃料?何処でこれを?もしかして街まで行ったのですか?」
「いいえ、門から呼び出しがありまして…タケル様の御友人様より、城門前にてお預かりしました。御友人様はタイラー社の方と一緒でして、金髪と黒髪の綺麗なお嬢様方でございました」
シャルロットとマリに違いない。シャルロットのやつ、素顔を見る為にケイトを名指しで呼び出したな。
「何もされませんでした?」
「?いえ、特に何も。ただ、伝言も頼まれました」
「伝言?」
「はい。黒髪のお嬢様が、『瓶の一つに青線が引かれてある瓶の液体は、従来の燃料より揮発性が低い液体で、爆発力は低い代わりに燃焼時間が長い』との事。金髪のお嬢様からは、『私も上を目指すわ!』との事です」
瓶を見ると、確かに一つだけラベルに青線が引かれている。マリはどうやら楽しく研究に精を出しているようだな。
シャルロットの目指す上とはギルドランクの事だろうな。まぁ、戦いに没頭している方が、彼女らしいし安心できる。
「分かりました。ありがとうございました」
「それでは、失礼いたします。…明日は、どうかお気をつけて行ってらっしゃいませ」
ケイトが退室した後、タケルは軽く新燃料の試験を行ってから、早々と明日に備えて寝たのだった。
早朝。北部の塔の魔方陣を良く観察して記憶してからギルドの闘技場へと転移すると、そこで待っていたのはギルド長のカエデと、狩人姿の男性エルフとフード姿の魔術師だった。
「おはよう、タケル君。待っていたよ」
「おはようございます、カエデさん。あの、そちらの方達は?」
「ああ、紹介するよ。この魔術師はギルド専属の転送士、ニック=ハンセンだ。目的地には彼に送ってもらう。それから、こっちのエルフは冒険者のエルボルンだ。現地での道案内を任せてある」
「よろしくお願いします」
タケルが握手を交そうと手を差し出すも、ああと頷くだけで空振りに終わった。エルフは他種族を嫌うらしいから、この程度は当然の反応なのだろう。
「あと、もう一人同伴させるよ。遅刻だぞ、早く来いリンダ!」
「す、すみません~」
謝りながら奥から現れたのは、黒装束姿のリンダだったが、タケルと顔を合わすのが、どこかバツが悪そうな表情である。
「さて、全員揃ったところで今回の目的を話すとしようかね。先ずはバンカーが現在居る場所の説明だね。一般的には極秘扱いされている場所なんだよ。西部の国境付近とだけ教えておく。そこへ、タケル君を直接転送させるには無理があってね。だから、少し目的地より手前に転送してもらう。そこからは、タケル君はエルボルンの道案内に従って、バンカーの元まで移動する。リンダはタケル君の護衛だよ。何があっても彼の安全が最優先だ。分かったね?」
「はい。分かっています」
リンダは、私情をを挟まない仕事としての表情で返事をする。カエデはうんと納得して頷く。
「バンカーと合流したら、指揮権はバンカーに移る。七日間後、最初の到着地点にて再び彼が転送する為に現れる。時間は正午キッカリだよ。15分、長居はしない。間に合わない場合は、翌日同時刻に再び現れる。理解したね?」
長居しない。それは危険な場所という事だろう。転送士の彼は、遠距離で多人数の転送に、膨大な魔力を消費する為に戦闘は出来ないという事だ。
「分かりました」
「よろしい。それじゃあ、タケル君の装備を返そう。城内で預かった武器・防具の装備品は私が預かっていたんだよ」
カエデが持つがま口型の四次元バックパックから、大きめな木箱が取り出される。
中にはタケルのセラミックの軽装鎧と脛当てと籠手のセット。武器は、短剣・長剣はそれぞれ二本ずつ。ハンドボウガン・ワイヤーガンも矢は百本、フックワイヤーは五本と預けたままの状態である。武器は全てバックパックに納めて、防具は装備する。
「ほう…少しはらしくなるもんだね~」
カエデは、まるで我が子の晴れ着姿を見るようにウンウンと頷く。
「よし!それじゃあ、行くとしようか!ニック、始めてくれ!」
ニックは杖を取り出すと、低い声で詠唱を開始する。それと同時に魔力のサークルがタケル達の足元に現れる。
(…氣が4、空が5、地が1の術式だな…図式柄は…)
タケルは肌で感じる魔力の波で、若干の魔法の術式を理解できるようになってきていた。これもラネットの修行の賜物である。
「気を引き締めて頑張りな!」
カエデの激励を聞いたその後、四人は辺り一面高い木々で覆われた森林に居た。
「それでは七日後に、この地点で正午だ。武運を祈る」
一緒に着いた筈のニックは思念体だけだったらしく、そう告げた後に消えてしまった。
「この地点って…周りは木だらけで目印になるような物なんて無いじゃない」
リンダは無責任だと不貞腐れる。確かに、どれも同じ種類の木々ばかりである。しかし今のタケルには問題無い。
「大丈夫。この地点は記録した」
探検家の索敵と測量士のマップ作成の兼用で、周囲の地形が見えるだけでなくて記録されていく。一度記録した地形図は、任意で消さない限り脳内に保存される。タケルは脳内マップのこの地点に赤の印をつけた。
「…こっちだ…付いて来い」
周囲を見渡していたエルボルンには、どうやら方角が分かっているらしく、先頭に立ち進み始めた。足跡はおろか、足音すらたてずに進むエルボルンにタケルとリンダは見失わないようにその後を付いて行く。
しばらく進んでいると、エルボルンは急に木を登った。枝から枝へ飛び乗り頂上まで着くと、森林の一点を凝視する。
「どうしたのかな?」
「さぁね」
「ランク昇格試験の事、まだ根に持ってるんですか?」
「別に。ただ、此処に来るのは初めてだから、気が抜けないだけよ」
「索敵を展開しているから、魔物は直ぐに探知できますよ」
「馬鹿ね。警戒するのは魔物だけじゃ無いわよ。索敵に映らない術を持つ奴等が居るって事忘れてるでしょ。技能に頼り過ぎは危険と習わなかった?」
木の下で待機している二人が気まずい雰囲気でいると、二人の間にストッとエルボルンが降り立った。
「二時の方角に目的の集落を見つけた。だが、少し様子がおかしい。ここからはスピードを上げて移動をする」
「それなら、皆んなにヘイストと脚力強化を掛けるよ」
「む…今回は仕方ないか。だが、此処では魔法は極力使うな。この地域には魔力に過敏に反応する魔物が沢山居る」
「そういう事なら、魔法じゃなくて呪い解除の応用でするよ」
タケルは、羊皮紙と魔法チョークを取り出して、魔石による強化効果を全員に掛ける。鑑定士用の道具類持って来ていて良かった。
「何と…凄いな…」
「じゃあ、急ぎましょう」
エルボルンは頷き、再び先頭に立って走り出した。強化された三人は風の様な速さで森の中を走り抜けていく。途中、出会い頭にワイルドベアらしき魔物が現れたが、速度が乗ったリンダの掌底で顔が爆砕していた。
しばらくして、木々の焦げた匂いが三人に届く。
「着いたぞ!」
其処は村のようで、木の柵により囲まれた敷地内に幾つもの木造住宅が建ち並んでいる。しかし柵は乱暴に倒され、住居からは煙が上がっている。
「おお、来たか!」
三人が村の惨状に驚いていると、背後から声が聞こえて振り返る。
「バンカーさん⁉︎」
そこには右手を血に染めた隻眼の男、冒険王バンカー=ロナウドが居た。
「よく来たな!冥界と繋がるこの【虚の森】へ」
バンカーはニヤッと不敵な笑みを浮かべていた。
修行の終了の後に伝えられた話の内容に、タケルは思わず聞き返していた。
「ええ、明日よ。確かに急かもしれないけど、今の貴方なら、バンカーの修行に行かせても問題無いとオーランドが判断したのよ。まぁ、私も今の貴方なら異存は無いわ」
カエデは、修行で使用した武器(クナイ)を回収しながらそう答えた。
「あの、準備する物とかは…?」
「特に無いわ。まぁ、ポーション類等の一般的な準備は持って行っても問題無いはずよ。明朝、一度ギルドに来てもらってからの出発になるわ。目的地は極秘地区な為、移動手段は魔方陣による転移よ修行期間は大体七日間の予定よ」
カエデと別れて自室に戻ったタケルは、バックパックの中身を確認する。
ポーションは並・中級・高級共に五本ずつストックがある。それとは別に、魔力切れ用に魔力回復薬を五本準備してある。今までは必要無いと思っていたが、魔法が使えるようになってからは、ケイトさんに頼んで揃えてもらっている。もちろん、魔石も使える用途が多いので用意してある。後は必要は無くなったが、羊皮紙・魔法チョーク等の鑑定士の道具。その他はロープやナイフ、バーナー等のサバイバル道具一式。
「うん、これだけあれば問題無いかな」
再び道具をバックパックに戻し終えたタイミングで、ケイトが夕食をワゴンで運んで来た。
「失礼します。夕食の準備に参りました」
タケルは食事を終えると、後片付けに取り掛かっているケイトにも報告しておく。
「いつもありがとうございます。実は明日から修行で、七日間程此処を離れる予定なので、食事はしばらく用意しなくて大丈夫です」
「畏まりました。…それでしたら、今のうちにお渡ししておきますね」
そう言うと、ワゴンの下から木箱を取り出してテーブルの隅で開けた。
箱の中には、タイラー社の銘柄がある液体燃料の瓶が三本入っていた。城内では手に入れられないはずだったけど、もしかして街にまで調達に行ったのかもしれない。
「これは…マリの液体燃料?何処でこれを?もしかして街まで行ったのですか?」
「いいえ、門から呼び出しがありまして…タケル様の御友人様より、城門前にてお預かりしました。御友人様はタイラー社の方と一緒でして、金髪と黒髪の綺麗なお嬢様方でございました」
シャルロットとマリに違いない。シャルロットのやつ、素顔を見る為にケイトを名指しで呼び出したな。
「何もされませんでした?」
「?いえ、特に何も。ただ、伝言も頼まれました」
「伝言?」
「はい。黒髪のお嬢様が、『瓶の一つに青線が引かれてある瓶の液体は、従来の燃料より揮発性が低い液体で、爆発力は低い代わりに燃焼時間が長い』との事。金髪のお嬢様からは、『私も上を目指すわ!』との事です」
瓶を見ると、確かに一つだけラベルに青線が引かれている。マリはどうやら楽しく研究に精を出しているようだな。
シャルロットの目指す上とはギルドランクの事だろうな。まぁ、戦いに没頭している方が、彼女らしいし安心できる。
「分かりました。ありがとうございました」
「それでは、失礼いたします。…明日は、どうかお気をつけて行ってらっしゃいませ」
ケイトが退室した後、タケルは軽く新燃料の試験を行ってから、早々と明日に備えて寝たのだった。
早朝。北部の塔の魔方陣を良く観察して記憶してからギルドの闘技場へと転移すると、そこで待っていたのはギルド長のカエデと、狩人姿の男性エルフとフード姿の魔術師だった。
「おはよう、タケル君。待っていたよ」
「おはようございます、カエデさん。あの、そちらの方達は?」
「ああ、紹介するよ。この魔術師はギルド専属の転送士、ニック=ハンセンだ。目的地には彼に送ってもらう。それから、こっちのエルフは冒険者のエルボルンだ。現地での道案内を任せてある」
「よろしくお願いします」
タケルが握手を交そうと手を差し出すも、ああと頷くだけで空振りに終わった。エルフは他種族を嫌うらしいから、この程度は当然の反応なのだろう。
「あと、もう一人同伴させるよ。遅刻だぞ、早く来いリンダ!」
「す、すみません~」
謝りながら奥から現れたのは、黒装束姿のリンダだったが、タケルと顔を合わすのが、どこかバツが悪そうな表情である。
「さて、全員揃ったところで今回の目的を話すとしようかね。先ずはバンカーが現在居る場所の説明だね。一般的には極秘扱いされている場所なんだよ。西部の国境付近とだけ教えておく。そこへ、タケル君を直接転送させるには無理があってね。だから、少し目的地より手前に転送してもらう。そこからは、タケル君はエルボルンの道案内に従って、バンカーの元まで移動する。リンダはタケル君の護衛だよ。何があっても彼の安全が最優先だ。分かったね?」
「はい。分かっています」
リンダは、私情をを挟まない仕事としての表情で返事をする。カエデはうんと納得して頷く。
「バンカーと合流したら、指揮権はバンカーに移る。七日間後、最初の到着地点にて再び彼が転送する為に現れる。時間は正午キッカリだよ。15分、長居はしない。間に合わない場合は、翌日同時刻に再び現れる。理解したね?」
長居しない。それは危険な場所という事だろう。転送士の彼は、遠距離で多人数の転送に、膨大な魔力を消費する為に戦闘は出来ないという事だ。
「分かりました」
「よろしい。それじゃあ、タケル君の装備を返そう。城内で預かった武器・防具の装備品は私が預かっていたんだよ」
カエデが持つがま口型の四次元バックパックから、大きめな木箱が取り出される。
中にはタケルのセラミックの軽装鎧と脛当てと籠手のセット。武器は、短剣・長剣はそれぞれ二本ずつ。ハンドボウガン・ワイヤーガンも矢は百本、フックワイヤーは五本と預けたままの状態である。武器は全てバックパックに納めて、防具は装備する。
「ほう…少しはらしくなるもんだね~」
カエデは、まるで我が子の晴れ着姿を見るようにウンウンと頷く。
「よし!それじゃあ、行くとしようか!ニック、始めてくれ!」
ニックは杖を取り出すと、低い声で詠唱を開始する。それと同時に魔力のサークルがタケル達の足元に現れる。
(…氣が4、空が5、地が1の術式だな…図式柄は…)
タケルは肌で感じる魔力の波で、若干の魔法の術式を理解できるようになってきていた。これもラネットの修行の賜物である。
「気を引き締めて頑張りな!」
カエデの激励を聞いたその後、四人は辺り一面高い木々で覆われた森林に居た。
「それでは七日後に、この地点で正午だ。武運を祈る」
一緒に着いた筈のニックは思念体だけだったらしく、そう告げた後に消えてしまった。
「この地点って…周りは木だらけで目印になるような物なんて無いじゃない」
リンダは無責任だと不貞腐れる。確かに、どれも同じ種類の木々ばかりである。しかし今のタケルには問題無い。
「大丈夫。この地点は記録した」
探検家の索敵と測量士のマップ作成の兼用で、周囲の地形が見えるだけでなくて記録されていく。一度記録した地形図は、任意で消さない限り脳内に保存される。タケルは脳内マップのこの地点に赤の印をつけた。
「…こっちだ…付いて来い」
周囲を見渡していたエルボルンには、どうやら方角が分かっているらしく、先頭に立ち進み始めた。足跡はおろか、足音すらたてずに進むエルボルンにタケルとリンダは見失わないようにその後を付いて行く。
しばらく進んでいると、エルボルンは急に木を登った。枝から枝へ飛び乗り頂上まで着くと、森林の一点を凝視する。
「どうしたのかな?」
「さぁね」
「ランク昇格試験の事、まだ根に持ってるんですか?」
「別に。ただ、此処に来るのは初めてだから、気が抜けないだけよ」
「索敵を展開しているから、魔物は直ぐに探知できますよ」
「馬鹿ね。警戒するのは魔物だけじゃ無いわよ。索敵に映らない術を持つ奴等が居るって事忘れてるでしょ。技能に頼り過ぎは危険と習わなかった?」
木の下で待機している二人が気まずい雰囲気でいると、二人の間にストッとエルボルンが降り立った。
「二時の方角に目的の集落を見つけた。だが、少し様子がおかしい。ここからはスピードを上げて移動をする」
「それなら、皆んなにヘイストと脚力強化を掛けるよ」
「む…今回は仕方ないか。だが、此処では魔法は極力使うな。この地域には魔力に過敏に反応する魔物が沢山居る」
「そういう事なら、魔法じゃなくて呪い解除の応用でするよ」
タケルは、羊皮紙と魔法チョークを取り出して、魔石による強化効果を全員に掛ける。鑑定士用の道具類持って来ていて良かった。
「何と…凄いな…」
「じゃあ、急ぎましょう」
エルボルンは頷き、再び先頭に立って走り出した。強化された三人は風の様な速さで森の中を走り抜けていく。途中、出会い頭にワイルドベアらしき魔物が現れたが、速度が乗ったリンダの掌底で顔が爆砕していた。
しばらくして、木々の焦げた匂いが三人に届く。
「着いたぞ!」
其処は村のようで、木の柵により囲まれた敷地内に幾つもの木造住宅が建ち並んでいる。しかし柵は乱暴に倒され、住居からは煙が上がっている。
「おお、来たか!」
三人が村の惨状に驚いていると、背後から声が聞こえて振り返る。
「バンカーさん⁉︎」
そこには右手を血に染めた隻眼の男、冒険王バンカー=ロナウドが居た。
「よく来たな!冥界と繋がるこの【虚の森】へ」
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