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第6章 勇者候補の修行
昇格試験
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爆音と共に舞い上がる土煙は、審査員達の視界を遮るものの、飛び散る石や土砂は防護魔法により彼等の手前で跳ね返される。
「リンダのやつ、さっきから地面ばかりを叩くばかりで、直接攻撃を当てる気が無いのか?」
普段の戦い方を知る審査員の一人が、彼女らしくない行動を不思議に感じていると、カエデがハァと溜め息をつく。
「呪術を警戒してるんだろうさ。先程痛い目にあったばかりだからな」
「なんと?彼は呪術を使えるのですか⁉︎」
「馬鹿な奴だ。彼の思惑通りになっている事に気付いていない。呪術の罠を己に掛けるのは、多少の呪術を自身にも負担する事になり苦肉の策でしかない。回避に専念している今、彼は自身に呪術を使用などしていないだろう」
事実、タケルは自身に呪術の罠は掛けていなかった。いや、掛ける余裕は無いというのが正しいだろう。
飛び散る石や土砂を回避する先に、回避ルートを潰して誘導しようともう一人の矢による援護射撃が来る。その誘いには乗らないし、ルートは潰される度に増やせばいい。
タケルは地面を破壊した直後のリンダに向かい、黒魔法のメアギを放つ。
リンダは土煙の中から突然現れた火炎弾を、驚かずに指先に魔力の膜を張り軌道を逸らす事で回避する。
(彼女が驚かずに、魔法に対する対処法があるのも想定内だ。狙いは…)
「タケルが…魔法…⁈」
案の定、シャルロットの動きが止まる。その一瞬の隙を突いて、タケルは彼女の死角から突撃した。
「くっ!」
シャルロットは直ぐに対応したが、ハンドボウガンを壊す事には成功した。直ぐにタケルは再び距離を取る。彼女が持つワイヤーによる攻撃は、運良く離れる際に肩の防具が削がれた程度で済んだ。下手をしたら腕を斬り落とされかねないから。
「魔法が使えるようになったのね?凄いわ、タケル」
シャルロットは、まるで自分の事のように喜びながら、壊れたハンドボウガンの部品を腕から外している。
「ああ、俺は頑張ってるよ。別れて、まだ3日しか立たないけれど、教えてくれる担当者は全て超一流な方ばかりだからね。まぁ、癖のある方が多いみたいだけどね」
背後に回ろうとしていたリンダを、メアギで妨害して二人から再び距離を取る。
「だけどシャルル…君は俺を全く信用していなかったみたいだね。まさか初日から彼女を監視役として送り込んでいたなんて、正直ガッカリしたよ」
「違うわタケル。私はただ、貴方の近況を知りたかっただけで、信用はしているわ」
「じゃあ、世話係のケイトさん以外にも、魔法担当のラネットさんや、隠密担当のカエデさんみたいに、美人な担当者に教わっている事を、当の格闘担当のリンダさんからは当然聞いているんだよね?」
「…どういう事?貴女以外に女性担当者が居るって聞いて無いわよ?」
シャルロットの凍るような視線がリンダに向けられる。
「た、確かに報告はしなかったが、鮮血の淑女、貴女の依頼には「年頃の近い女性」としか明記されてはいない。彼女達は貴女の父に近い年齢の…ひっ⁉︎」
弁解をしようとしたリンダに、審査員の方から殺気を感じ取り言葉が詰まる。
「と、と、とにかくっ、彼の担当者達は伝説級ばかりだ。修行内容を覗こうにも、隠密技能は通用しない。こっちも、かなりの危険を冒しているんだ。その程度の事は大目に見てくれよ⁉︎」
流石、シャルロットは依頼内容も、まともな依頼じゃなさそうだなと、タケルはつくづくと思う。ここはひとつ、火に油を注いであげよう。
「シャルル、リンダさんは悪くない。例え彼女が、俺のベッドで寝ていたり浴室を覗いていたりで、俺が安心して寝れない状況だとしても、それは君の依頼の範疇なんだろ?」
「の…覗…⁈」
シャルロットの視線は最早リンダから離れない。ワイヤーを掴む手にも力が入っている。
「い、いや!覗いては無いから!」
「…でも…ベッドには入ったのね…」
「そ、それは…潜んでいるうちに睡魔に負けちゃって…」
ジリジリと距離を詰め始めるシャルロットに、黙って審査していたカエデはイライラを遂に爆発させた。
「貴女達‼︎痴話喧嘩も大概にしな‼︎いい加減に真面目に試験をしないと、全員のランク下げるよ‼︎」
轟く怒号に三人は肩が跳ね上がる。
「貴方達も、会話内容は記憶せずに、戦闘内容だけを審査しなよ?」
カエデの低い声色に、横にいた審査員達も黙ってコクコクと何度も頷く。
「リンダさん、さっきの話は後にするとして、今度はちゃんと当てに行ってくださいね?」
「分かってるよ!この際、いつも通りの戦い方で行く!貴女も手を抜くんじゃないよ⁈」
「…当然っ‼︎」
二人は、同時にタケルに向かい疾走した。直ぐに詰まる間合いに、タケルは地面にメアギを放つ事で土煙を上げる。
そんな目眩しなど通用しないとばかりに、二人は両サイドからタケルに攻撃を仕掛けた。
「居ない⁉︎」
二人の攻撃は空を斬り、その斬撃により土煙が拡散する。
「…上⁈」
シャルロットが気付いて見上げると、高くジャンプしていたタケルが二人に向かって片手を突き出していた。
「ごめんな、シャルル。今こそ発動!多重の呪い‼︎」
発言と同時に地面に巨大な魔方陣が浮かび上がる。闘技場内に逃げ場が無い程に巨大に広がる魔方陣は、通常なら魔力が足りずに発動すらできないだろう。しかしタケルは、リンダによって砕かれた箇所箇所に、回避をしながら気付かれない様に魔石を仕込んでいたのだ。
「「‼︎⁉︎」」
二人は何も出来ずに地面に膝を落とす。猛毒・虚弱・減速・脱力等…複数の呪いにより、激痛と身体の自由を奪われた二人は、苦悶の表情を浮かべながらも、必死に倒れまいと耐えている。
タケルはゆっくりと二人の前に立ち、剣を振り上げた。
「そこまで‼︎」
カエデの声が響き、試験の終了が決まった。タケルは直ぐに二人の呪い解除をして、ポーションを振り掛ける。
「二人共、ごめん…」
「う~、全く自分の戦い方出来なかった。呪術、大っ嫌い‼︎うぇっ、まだ吐き気がする…」
体力が回復してきたリンダは、直ぐ様トイレへと走って行った。吐き気以外にも、この場に居たく無い理由があるだろう。そこには触れない様にして、まだ蹲るシャルロットの肩に手を置く。
「シャルル、大丈夫か…?」
「…るい」
「へ?」
「ズルイよ、タケルは。別れたあの日から私は凄い心配したし、寂しかったんだよ?だけど、タケルは全然修行に集中してて、その側には私以外の女性が居て…不安にだってなるでしょう⁈」
(ズルイって、そっちね。てっきり戦い方かと思った。不安も何も、そもそも付き合ってないんだよねって言ったら、殺されそうだな…まぁ、俺も今更嫌いってわけでも無いしな)
「まぁ、もうちょっとは俺を信用してくれよ。大体、俺に勇者になるように決めたのは、1番最初は君じゃないか」
少し潤んだ目で頷く彼女に、タケルはドキッと鼓動が高鳴る。ヤバイ、吸い込まれそうだ。二人の顔が近づいていく。
「あ~、イチャついてる所悪いけどさ、とりあえず審査結果出たから聞いてくれるかい?」
またもや、気配に気付かない間に真横に立っていたカエデに二人は驚き離れた。
「結果から言うと、Aランク昇格よ。おめでとう!…だけど、課題が多いってのが、私達審査員の見解よ。今回は顔見知りが相手だったから、相手の性格を利用した戦い方が出来たに過ぎない。毎回、大掛かりな罠を仕掛ける余裕があるとも限らないからね。もっと、正攻法の戦い方も強化しなきゃね」
「はい、ありがとうございます」
「よって、バンカーの修行はまだ先送りね。資格は得たけど、もう少し体力や経験を積んでからにしましょう。あと、鮮血の淑女には後で話があるから、顔を出しなさいね?」
真面目に話すカエデに、シャルロットは素直に頷く。シャルロットに話って何だろう。タケルは少し不安に駆られた。今回、極秘扱いのタケルの修行を監視させた罪?で、ギルド内の評価が落ちるのではないかと感じたのだ。
「さぁ、王宮まで送るわ」
カエデに連れられて、タケルは闘技場から去って行く。シャルロットは彼の姿を、ずっと寂しそうに見つめていた。
途中、タケルは振り返って、シャルロットに手を振る。
「シャルル、俺頑張るから!信じろ!」
彼女もまた、今できる最高の笑顔で頷いた。タケルの心は、確かに彼女に惹かれ始めていた。王宮に着き自室に戻ったタケルは、その感じた事のない感情に、この日は眠るまで、戸惑い落ち着けなかったのだった。
「リンダのやつ、さっきから地面ばかりを叩くばかりで、直接攻撃を当てる気が無いのか?」
普段の戦い方を知る審査員の一人が、彼女らしくない行動を不思議に感じていると、カエデがハァと溜め息をつく。
「呪術を警戒してるんだろうさ。先程痛い目にあったばかりだからな」
「なんと?彼は呪術を使えるのですか⁉︎」
「馬鹿な奴だ。彼の思惑通りになっている事に気付いていない。呪術の罠を己に掛けるのは、多少の呪術を自身にも負担する事になり苦肉の策でしかない。回避に専念している今、彼は自身に呪術を使用などしていないだろう」
事実、タケルは自身に呪術の罠は掛けていなかった。いや、掛ける余裕は無いというのが正しいだろう。
飛び散る石や土砂を回避する先に、回避ルートを潰して誘導しようともう一人の矢による援護射撃が来る。その誘いには乗らないし、ルートは潰される度に増やせばいい。
タケルは地面を破壊した直後のリンダに向かい、黒魔法のメアギを放つ。
リンダは土煙の中から突然現れた火炎弾を、驚かずに指先に魔力の膜を張り軌道を逸らす事で回避する。
(彼女が驚かずに、魔法に対する対処法があるのも想定内だ。狙いは…)
「タケルが…魔法…⁈」
案の定、シャルロットの動きが止まる。その一瞬の隙を突いて、タケルは彼女の死角から突撃した。
「くっ!」
シャルロットは直ぐに対応したが、ハンドボウガンを壊す事には成功した。直ぐにタケルは再び距離を取る。彼女が持つワイヤーによる攻撃は、運良く離れる際に肩の防具が削がれた程度で済んだ。下手をしたら腕を斬り落とされかねないから。
「魔法が使えるようになったのね?凄いわ、タケル」
シャルロットは、まるで自分の事のように喜びながら、壊れたハンドボウガンの部品を腕から外している。
「ああ、俺は頑張ってるよ。別れて、まだ3日しか立たないけれど、教えてくれる担当者は全て超一流な方ばかりだからね。まぁ、癖のある方が多いみたいだけどね」
背後に回ろうとしていたリンダを、メアギで妨害して二人から再び距離を取る。
「だけどシャルル…君は俺を全く信用していなかったみたいだね。まさか初日から彼女を監視役として送り込んでいたなんて、正直ガッカリしたよ」
「違うわタケル。私はただ、貴方の近況を知りたかっただけで、信用はしているわ」
「じゃあ、世話係のケイトさん以外にも、魔法担当のラネットさんや、隠密担当のカエデさんみたいに、美人な担当者に教わっている事を、当の格闘担当のリンダさんからは当然聞いているんだよね?」
「…どういう事?貴女以外に女性担当者が居るって聞いて無いわよ?」
シャルロットの凍るような視線がリンダに向けられる。
「た、確かに報告はしなかったが、鮮血の淑女、貴女の依頼には「年頃の近い女性」としか明記されてはいない。彼女達は貴女の父に近い年齢の…ひっ⁉︎」
弁解をしようとしたリンダに、審査員の方から殺気を感じ取り言葉が詰まる。
「と、と、とにかくっ、彼の担当者達は伝説級ばかりだ。修行内容を覗こうにも、隠密技能は通用しない。こっちも、かなりの危険を冒しているんだ。その程度の事は大目に見てくれよ⁉︎」
流石、シャルロットは依頼内容も、まともな依頼じゃなさそうだなと、タケルはつくづくと思う。ここはひとつ、火に油を注いであげよう。
「シャルル、リンダさんは悪くない。例え彼女が、俺のベッドで寝ていたり浴室を覗いていたりで、俺が安心して寝れない状況だとしても、それは君の依頼の範疇なんだろ?」
「の…覗…⁈」
シャルロットの視線は最早リンダから離れない。ワイヤーを掴む手にも力が入っている。
「い、いや!覗いては無いから!」
「…でも…ベッドには入ったのね…」
「そ、それは…潜んでいるうちに睡魔に負けちゃって…」
ジリジリと距離を詰め始めるシャルロットに、黙って審査していたカエデはイライラを遂に爆発させた。
「貴女達‼︎痴話喧嘩も大概にしな‼︎いい加減に真面目に試験をしないと、全員のランク下げるよ‼︎」
轟く怒号に三人は肩が跳ね上がる。
「貴方達も、会話内容は記憶せずに、戦闘内容だけを審査しなよ?」
カエデの低い声色に、横にいた審査員達も黙ってコクコクと何度も頷く。
「リンダさん、さっきの話は後にするとして、今度はちゃんと当てに行ってくださいね?」
「分かってるよ!この際、いつも通りの戦い方で行く!貴女も手を抜くんじゃないよ⁈」
「…当然っ‼︎」
二人は、同時にタケルに向かい疾走した。直ぐに詰まる間合いに、タケルは地面にメアギを放つ事で土煙を上げる。
そんな目眩しなど通用しないとばかりに、二人は両サイドからタケルに攻撃を仕掛けた。
「居ない⁉︎」
二人の攻撃は空を斬り、その斬撃により土煙が拡散する。
「…上⁈」
シャルロットが気付いて見上げると、高くジャンプしていたタケルが二人に向かって片手を突き出していた。
「ごめんな、シャルル。今こそ発動!多重の呪い‼︎」
発言と同時に地面に巨大な魔方陣が浮かび上がる。闘技場内に逃げ場が無い程に巨大に広がる魔方陣は、通常なら魔力が足りずに発動すらできないだろう。しかしタケルは、リンダによって砕かれた箇所箇所に、回避をしながら気付かれない様に魔石を仕込んでいたのだ。
「「‼︎⁉︎」」
二人は何も出来ずに地面に膝を落とす。猛毒・虚弱・減速・脱力等…複数の呪いにより、激痛と身体の自由を奪われた二人は、苦悶の表情を浮かべながらも、必死に倒れまいと耐えている。
タケルはゆっくりと二人の前に立ち、剣を振り上げた。
「そこまで‼︎」
カエデの声が響き、試験の終了が決まった。タケルは直ぐに二人の呪い解除をして、ポーションを振り掛ける。
「二人共、ごめん…」
「う~、全く自分の戦い方出来なかった。呪術、大っ嫌い‼︎うぇっ、まだ吐き気がする…」
体力が回復してきたリンダは、直ぐ様トイレへと走って行った。吐き気以外にも、この場に居たく無い理由があるだろう。そこには触れない様にして、まだ蹲るシャルロットの肩に手を置く。
「シャルル、大丈夫か…?」
「…るい」
「へ?」
「ズルイよ、タケルは。別れたあの日から私は凄い心配したし、寂しかったんだよ?だけど、タケルは全然修行に集中してて、その側には私以外の女性が居て…不安にだってなるでしょう⁈」
(ズルイって、そっちね。てっきり戦い方かと思った。不安も何も、そもそも付き合ってないんだよねって言ったら、殺されそうだな…まぁ、俺も今更嫌いってわけでも無いしな)
「まぁ、もうちょっとは俺を信用してくれよ。大体、俺に勇者になるように決めたのは、1番最初は君じゃないか」
少し潤んだ目で頷く彼女に、タケルはドキッと鼓動が高鳴る。ヤバイ、吸い込まれそうだ。二人の顔が近づいていく。
「あ~、イチャついてる所悪いけどさ、とりあえず審査結果出たから聞いてくれるかい?」
またもや、気配に気付かない間に真横に立っていたカエデに二人は驚き離れた。
「結果から言うと、Aランク昇格よ。おめでとう!…だけど、課題が多いってのが、私達審査員の見解よ。今回は顔見知りが相手だったから、相手の性格を利用した戦い方が出来たに過ぎない。毎回、大掛かりな罠を仕掛ける余裕があるとも限らないからね。もっと、正攻法の戦い方も強化しなきゃね」
「はい、ありがとうございます」
「よって、バンカーの修行はまだ先送りね。資格は得たけど、もう少し体力や経験を積んでからにしましょう。あと、鮮血の淑女には後で話があるから、顔を出しなさいね?」
真面目に話すカエデに、シャルロットは素直に頷く。シャルロットに話って何だろう。タケルは少し不安に駆られた。今回、極秘扱いのタケルの修行を監視させた罪?で、ギルド内の評価が落ちるのではないかと感じたのだ。
「さぁ、王宮まで送るわ」
カエデに連れられて、タケルは闘技場から去って行く。シャルロットは彼の姿を、ずっと寂しそうに見つめていた。
途中、タケルは振り返って、シャルロットに手を振る。
「シャルル、俺頑張るから!信じろ!」
彼女もまた、今できる最高の笑顔で頷いた。タケルの心は、確かに彼女に惹かれ始めていた。王宮に着き自室に戻ったタケルは、その感じた事のない感情に、この日は眠るまで、戸惑い落ち着けなかったのだった。
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