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第2章 新たなナニゲ村
第28話 藤浪の願い
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陽も暮れて、ゴッズ達に片付けの指示を出した後、アルテ達は馬車を出していつものように扉で王都へと帰って来た。
貸家に戻ると、扉の直ぐ目の前でドヤ顔の藤浪が仁王立ちをして待っていた。
「藤浪様、近いです。皆んなが出て来辛いから、少し下がって下さい」
「お、おお。そうか、すまない」
彼は大人しく後ろに下がり、入ってくる女子を横目で見ている。
『鼻の下が伸びていますよ、御主人様』
ナビーに指摘され直ぐに顔を伏せている。とても顔に出やすいタイプなんだな。
「皆んな、順番でお風呂に入っちゃってね?メグはいつものように準備をお願い」
「「はーい」」
アンナ達は自室へと戻り、メグは夕飯の準備に取り掛かる。彼女達が去った後、アルテは藤浪に向き直り、深々と頭を下げた。
「ならず者の件はありがとうございました」
「あ、いや。大した事では無い。それよりも、村は奴等に預けたままで大丈夫なのか?」
「大丈夫ですよ。奴等も、狙いは私なので、村をどうこうするつもりは無いみたいです。ただ、何かのタイミングを見計らっている気がします」
そう、タイミングだ。冒険者に成り代わり、接触してきたというのに、村の復興に手を貸すだけの筈は無い。着いてからずっと、アルテの信用をまるで得ようとしないゴッズがリーダーの筈が無い。他の二人も同様である。つまり、まだバックが居ると考えるのが妥当だろう。
「立ち話も悪いので、夕飯ができるまで私の部屋で話をしましょう」
「そ、そ、そうだな。そうしよう」
藤浪は緊張した面持ちでアルテの部屋に着いて来る。40のオッさんが、中高生みたいな反応しているよ。あ、実際には80過ぎた爺さんだったんだよね。
部屋に入ると、ソワソワする彼に椅子に座るように促し、アルテはベッドに腰掛ける。
「藤浪さんは、いつまでこの国に滞在できるのですか?帝国の許可無く、勝手に来てるんですよね?」
『アルテ様、その件なら大丈夫ですよ。私が前もって、飛行船の乗組員に国に連絡をするように頼んであります。期日は後3日でございます』
優秀なサポート役が主人の代わりに答えてくれる。3日ね。彼には悪いけど、捕物の協力ではアテにさせてもらう。
「実は、藤浪さんに相談があるんです」
「私に?…聞こう」
「自分の予想では、奴等にはまだ仲間が居ると考えてます。それも小隊規模が複数は控えていると。黒幕は神か魔族かは分かりませんが、好き勝手させる訳にはいきません。もし、藤浪さんが不都合でなければ、外部から来る奴等の増援を相手してもらえませんか?こちらは捕獲する必要はありません」
「斬り捨てて構わんなら、良い腕試しになるかもな。だがしかし、都合良く私を利用されても困る。私にもメリットが欲しい」
まぁ、最もな意見だな。そう何度もタダ働きはしてくれないだろう。
すると彼は深呼吸を始めた。まさか、重大発表⁈
「わ、私の…」
意を決して話そうとした彼の前に、ナミーが突如現れた。
『ちょっと~私抜きで勝手に話を進めないでくれる?それで何をご所望かしら?先に言っとくけど、嫁になれとかは駄目だからね?』
こっそり話を聞いていたのか、相棒は軽く牽制してくれたらしい。
「うむ。もちろん、いきなりその様な事は頼まない。私がお願いしたいのは、村に私の憩いの場を作って欲しいという事だ」
『憩いの場⁇何よソレ、まさか、如何わしい事考えてるの?』
「違う違う。憩いの場とは、温泉だよ」
「温泉⁈」
「そうだ。実は私は、地球に居た頃は大がつくほどの温泉好きでね。毎週、様々な温泉地に足を運んでいたのだ。だがしかし、こちらに来て二年。帝国には温泉地は無く、体を洗う事すら行水が主で、風呂すらあまり無い上に冷水ばかりと、とても残念だった」
言われれば確かに。ここ、ナゲイラ国の王都ですらも、住宅に浴室はあるが冷水である。 都内には大浴場が数カ所あり、そこでのみお湯が使用されている。しかし、入浴料が高くて利用者は少ない。しかも、魔法による沸かしであり源泉でも無い。
「しかし、村に源泉があるとは思えませんけど?」
「ああ、無いだろうね。しかし、その事は大丈夫だろう。他の地と繋いでくれれば済む事だ」
「繋ぐ?」
「ああ、転移鍵だよ。それを使い異国の地にある天然温泉の場所と、村を繋ぐという事さ」
どうやら、転移鍵の便利さを利用して、村の中に温泉地に繋がる場所を作って欲しいという事らしい。
転移鍵が記録できる扉は最大四箇所。現在、馬車と王都の貸家、ディオソニス邸と村にある格納庫の二つが記録されている。
「分かりました。私達も温泉には賛成なので作る事は構いませんが、実際に行った場所の扉としか繋がりませんよ?何処か知っている温泉地があるのですか?」
「いや、探してはいるのだが、中々見つからない。あるとしたら、火山地帯付近だと思うのだが。だからこの頼みは、発見するまでは保留で構わない」
『なーんだ。知らないんじゃ、確かに後回しだねー。直ぐにできるなら今作っている宿屋を温泉旅館にできたのにね』
残念だねとアルテにナミーが話しているのを、藤浪は疑問に感じた。二人が話す建設中の旅館の構図やアイディアは、自分が知るものと変わらない。
「アルテ殿は、温泉旅館という言葉をどこで知り得たのだ?思えば、建設中の建物も、私が居た国の建物に酷似している気がするが…もしや、地球人…日本人なのではあるまいか?」
どうやら勘付かれた様だ。しかし、アルテはしらを切り通す事にする。リリムとの関係だけは、彼に知られる訳にはいかない。
「この知識はナミーのものですよ。ナミーは地球界の事をいろいろと知っているんです。有能ですよね?」
ナミーに話を合わせてと、目配せで合図を送る。
『当然でしょ?私は勉強家なの。貴方の居た日本という国の事も少しは理解しているわよ?』
任せてと言わんばかりに、口裏を合わせて藤浪と会話をしてくれる。やっぱりサポート役が居てくれるって、助かるなぁと実感した。
「アルテさん、藤浪さん、夕飯が準備できましたので食堂に来て下さーい」
メグがノックをして二人を呼びに来た途端に、藤浪はデレっとゆるい顔になり分かったと返事をする。この爺さん、本当に女っ気の無い八十年を過ごしていたのかもしれないとアルテは思った。
食堂には既に全員が揃っていて、空いている二人の着席を待っていた。
藤浪が席に座ると、ファーがグラスにワインを注ぐ。
「今日はありがとうございました」
「いや、当然の事をしただけだよ。君が無事でなによりだ」
ファーの満面の笑みに、藤浪は渋い男のキメ顔で対応したまま固まっている。心の中では舞い上がっているに違いない。
「じゃあ皆んな、藤浪さんとの出会いに感謝して、乾杯しましょう。乾杯~!」
「「乾杯~!」」
並べられている沢山の料理を食べてはワインを飲み、藤浪は終始笑顔で夕飯を終えた。酔い潰れた藤浪をアルテの部屋へと運ぶ。その際に藤浪がうわ言の様に呟いた。
「…勇者辞めて、一緒に住みてぇな…」
おそらくは、これが彼の一番の望みなのかもしれない。
アルテは聞かなかった事にして、自室のベッドに藤浪をそっと寝かす。側を飛ぶナビーに、後は頼むよと言い残して、今日はリリムの部屋で寝ることにした。
貸家に戻ると、扉の直ぐ目の前でドヤ顔の藤浪が仁王立ちをして待っていた。
「藤浪様、近いです。皆んなが出て来辛いから、少し下がって下さい」
「お、おお。そうか、すまない」
彼は大人しく後ろに下がり、入ってくる女子を横目で見ている。
『鼻の下が伸びていますよ、御主人様』
ナビーに指摘され直ぐに顔を伏せている。とても顔に出やすいタイプなんだな。
「皆んな、順番でお風呂に入っちゃってね?メグはいつものように準備をお願い」
「「はーい」」
アンナ達は自室へと戻り、メグは夕飯の準備に取り掛かる。彼女達が去った後、アルテは藤浪に向き直り、深々と頭を下げた。
「ならず者の件はありがとうございました」
「あ、いや。大した事では無い。それよりも、村は奴等に預けたままで大丈夫なのか?」
「大丈夫ですよ。奴等も、狙いは私なので、村をどうこうするつもりは無いみたいです。ただ、何かのタイミングを見計らっている気がします」
そう、タイミングだ。冒険者に成り代わり、接触してきたというのに、村の復興に手を貸すだけの筈は無い。着いてからずっと、アルテの信用をまるで得ようとしないゴッズがリーダーの筈が無い。他の二人も同様である。つまり、まだバックが居ると考えるのが妥当だろう。
「立ち話も悪いので、夕飯ができるまで私の部屋で話をしましょう」
「そ、そ、そうだな。そうしよう」
藤浪は緊張した面持ちでアルテの部屋に着いて来る。40のオッさんが、中高生みたいな反応しているよ。あ、実際には80過ぎた爺さんだったんだよね。
部屋に入ると、ソワソワする彼に椅子に座るように促し、アルテはベッドに腰掛ける。
「藤浪さんは、いつまでこの国に滞在できるのですか?帝国の許可無く、勝手に来てるんですよね?」
『アルテ様、その件なら大丈夫ですよ。私が前もって、飛行船の乗組員に国に連絡をするように頼んであります。期日は後3日でございます』
優秀なサポート役が主人の代わりに答えてくれる。3日ね。彼には悪いけど、捕物の協力ではアテにさせてもらう。
「実は、藤浪さんに相談があるんです」
「私に?…聞こう」
「自分の予想では、奴等にはまだ仲間が居ると考えてます。それも小隊規模が複数は控えていると。黒幕は神か魔族かは分かりませんが、好き勝手させる訳にはいきません。もし、藤浪さんが不都合でなければ、外部から来る奴等の増援を相手してもらえませんか?こちらは捕獲する必要はありません」
「斬り捨てて構わんなら、良い腕試しになるかもな。だがしかし、都合良く私を利用されても困る。私にもメリットが欲しい」
まぁ、最もな意見だな。そう何度もタダ働きはしてくれないだろう。
すると彼は深呼吸を始めた。まさか、重大発表⁈
「わ、私の…」
意を決して話そうとした彼の前に、ナミーが突如現れた。
『ちょっと~私抜きで勝手に話を進めないでくれる?それで何をご所望かしら?先に言っとくけど、嫁になれとかは駄目だからね?』
こっそり話を聞いていたのか、相棒は軽く牽制してくれたらしい。
「うむ。もちろん、いきなりその様な事は頼まない。私がお願いしたいのは、村に私の憩いの場を作って欲しいという事だ」
『憩いの場⁇何よソレ、まさか、如何わしい事考えてるの?』
「違う違う。憩いの場とは、温泉だよ」
「温泉⁈」
「そうだ。実は私は、地球に居た頃は大がつくほどの温泉好きでね。毎週、様々な温泉地に足を運んでいたのだ。だがしかし、こちらに来て二年。帝国には温泉地は無く、体を洗う事すら行水が主で、風呂すらあまり無い上に冷水ばかりと、とても残念だった」
言われれば確かに。ここ、ナゲイラ国の王都ですらも、住宅に浴室はあるが冷水である。 都内には大浴場が数カ所あり、そこでのみお湯が使用されている。しかし、入浴料が高くて利用者は少ない。しかも、魔法による沸かしであり源泉でも無い。
「しかし、村に源泉があるとは思えませんけど?」
「ああ、無いだろうね。しかし、その事は大丈夫だろう。他の地と繋いでくれれば済む事だ」
「繋ぐ?」
「ああ、転移鍵だよ。それを使い異国の地にある天然温泉の場所と、村を繋ぐという事さ」
どうやら、転移鍵の便利さを利用して、村の中に温泉地に繋がる場所を作って欲しいという事らしい。
転移鍵が記録できる扉は最大四箇所。現在、馬車と王都の貸家、ディオソニス邸と村にある格納庫の二つが記録されている。
「分かりました。私達も温泉には賛成なので作る事は構いませんが、実際に行った場所の扉としか繋がりませんよ?何処か知っている温泉地があるのですか?」
「いや、探してはいるのだが、中々見つからない。あるとしたら、火山地帯付近だと思うのだが。だからこの頼みは、発見するまでは保留で構わない」
『なーんだ。知らないんじゃ、確かに後回しだねー。直ぐにできるなら今作っている宿屋を温泉旅館にできたのにね』
残念だねとアルテにナミーが話しているのを、藤浪は疑問に感じた。二人が話す建設中の旅館の構図やアイディアは、自分が知るものと変わらない。
「アルテ殿は、温泉旅館という言葉をどこで知り得たのだ?思えば、建設中の建物も、私が居た国の建物に酷似している気がするが…もしや、地球人…日本人なのではあるまいか?」
どうやら勘付かれた様だ。しかし、アルテはしらを切り通す事にする。リリムとの関係だけは、彼に知られる訳にはいかない。
「この知識はナミーのものですよ。ナミーは地球界の事をいろいろと知っているんです。有能ですよね?」
ナミーに話を合わせてと、目配せで合図を送る。
『当然でしょ?私は勉強家なの。貴方の居た日本という国の事も少しは理解しているわよ?』
任せてと言わんばかりに、口裏を合わせて藤浪と会話をしてくれる。やっぱりサポート役が居てくれるって、助かるなぁと実感した。
「アルテさん、藤浪さん、夕飯が準備できましたので食堂に来て下さーい」
メグがノックをして二人を呼びに来た途端に、藤浪はデレっとゆるい顔になり分かったと返事をする。この爺さん、本当に女っ気の無い八十年を過ごしていたのかもしれないとアルテは思った。
食堂には既に全員が揃っていて、空いている二人の着席を待っていた。
藤浪が席に座ると、ファーがグラスにワインを注ぐ。
「今日はありがとうございました」
「いや、当然の事をしただけだよ。君が無事でなによりだ」
ファーの満面の笑みに、藤浪は渋い男のキメ顔で対応したまま固まっている。心の中では舞い上がっているに違いない。
「じゃあ皆んな、藤浪さんとの出会いに感謝して、乾杯しましょう。乾杯~!」
「「乾杯~!」」
並べられている沢山の料理を食べてはワインを飲み、藤浪は終始笑顔で夕飯を終えた。酔い潰れた藤浪をアルテの部屋へと運ぶ。その際に藤浪がうわ言の様に呟いた。
「…勇者辞めて、一緒に住みてぇな…」
おそらくは、これが彼の一番の望みなのかもしれない。
アルテは聞かなかった事にして、自室のベッドに藤浪をそっと寝かす。側を飛ぶナビーに、後は頼むよと言い残して、今日はリリムの部屋で寝ることにした。
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