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第6章79話 ソーリンの目覚め

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 俺はドワーフ。ガルム=バルクの息子ソーリンだ。
 アラヤさん達と同行を始めて、彼等の行動には驚かされっぱなしだ。
 特に、彼の嫁である2人にも驚かされる。踊り子職のサナエさんは料理も得意だが、戦いの際にも頼りになる。
 アヤコさんは目利きも良く、辺りを良く観察している。馬達を良く世話していて、馬達も彼女によく懐いている。
 …何よりも驚かされたのは、夫婦の営みというものだ。
 バスティアノから聞かされた事はあるので多少の知識はあるものの、彼が見た現実は違った。
 ある日、窓から差し込む月明かりで目を覚ましたソーリンは、馬車の隙間から見える光景に、目を見開いた。

「ああっ!イクッ、イッちゃう!」

 外で繰り広げられているその交わりを、ただの一度も瞬きも出来ずに見続けた。音や声は何故か聞こえ無かったが、そこで行われていた夫婦の営みは、ソーリンには衝撃でしかなかった。
 身体は成人していても、齢10歳と精神的にはまだ未熟者だ。
 それから夜になると、彼の頭にはあの光景が思い浮かび、宿屋に泊まった時も隣で営みが行われていると考えたら、自然に壁に耳を当てていた。不思議と何も聞こえ無かったが、翌朝の挨拶時にアラヤさん達の寝姿を見た時には、思わず凝視してしまいそうだった。

「見たい…」

 悶々としたソーリンは、それからは壁に小さな穴を開けようと考えたり、外窓に周ったりと執着してしまった。
 しかし、その頃から奇妙な感覚が両目に起こるようになった。
 そうこうしている内に、新たなメンバーが増えた。獣人のクララと色欲魔王とされるカオリである。

 そして、バルグ商会の社員専用の宿泊部屋に部屋を借りたある日、ソーリンはとうとう覚醒を果たした。

「見える!見えるぞ!」

 両目に掛かる奇妙な感覚は、壁を透けて隣のアラヤ達の姿を映し出した。
 彼は知らず知らずのうちに、技術スキルの透視を修得していたのだ。

「ハァ、ハァ、凄いな…」

 目の前で繰り広げられる交わりは、野性的でもあり芸術的にも見えた。もちろん、声や音は聞こえないが、その躍動感は音が無くとも想像出来る。
 ソーリンは自然と己の息子を掴み、彼等の動きに合わせて動かしていた。
 その営みは、日を跨いだ頃にようやく終わりを迎えた。既にソーリンの息子は何度も果てた事で悲鳴を上げていたが、ソーリンは同じ体験をしたくて耐えていたのだ。

「お、終わったのか…?ハァ、ハァ、…夫婦って大変だな…」

 ソーリンはそのまま、泥の様に眠りに落ちた。

パタン。

 深夜、扉が閉まる音が聞こえて、ソーリンは目を覚ました。と言っても、まだ虚脱感が多く、寝たままの状態で音が聞こえた隣の部屋を見る。こちら側は、銀狼のクララと仮死状態のカオリが寝ている筈である。

「ん…」

 ベッドに横たわったままで、隣の部屋を透視する。

「なっ⁉︎」

 そこには人狼姿のクララが裸体で横たわる姿が見えた。大き過ぎる双丘に、ソーリンは思わず立ち上がり壁に張り付いた。
 クララの綺麗で膨よかな乳房が、重なりながらも確かな弾力を見せている。
 ふとここで、クララの背後に見えた人影に気付いた。

「アヤコさん?」

 それはカオリを押し倒して服を脱がそうとしているアヤコの姿だった。その表情はとても妖艶で、カオリの服を一枚一枚ゆっくりと剥ぎ取る様は、ソーリンの興奮を再燃させる。

「アヤ…コさん、らめぇ」

「貴女に麻痺耐性が無い事は先程の検査で分かっています。だから無理に力を入れず、大人しくしててください」

 壁越しに微かな声が聞こえてくる。なすがままに服を脱がされているカオリは、どうやら麻痺させられているらしい。

(アヤコさん、…恐ろしい人だ)

 そう感じると同時に、もっと見たいという思いもある。ソーリンが初めて見るこの百合と呼ばれる状況は、バスティアノからも教わっていない。
 故にこの行為が正常かどうか等、分かるはずもない。

「あら、カオリさんも着痩せするタイプなんですね。サイズも私より若干大きいです」

 露わになったカオリの胸を、アヤコはまじまじと眺める。

「貴女は、アラヤ君にこの胸を見せつけて誘惑するつもりですね?そんなけしからん胸には罰を与えないといけませんね?」

 アヤコはガシッと両胸を徐に掴むと、少しだけ乱暴に揉みくちゃにする。

「んんっ!らっ、らめてぇ!あっ⁉︎」

「フフフ、口でそう言っても、体は正直に感じていますよ?」

 カオリは、色欲魔王の快感も伴って、ビクンビクンと、過敏に身をよじらせずにいられない。

「あらあら、カオリさんはどうやらいじめられて感じるみたいですね?」

 乳首は触らずに、乳輪部分を唾液で濡らした指で撫で回し、長々と焦らし続ける。

「ううっ、アヤコさぁん…」

 ピクピクと涙目で訴えるカオリを見て、アヤコは満面の笑みを浮かべる。

「そろそろ麻痺効果も切れた頃ですね?では感覚共有で繋がりましょうか」

 感覚共有を繋いだ途端に、カオリの魔王の快感に包まれる。その快感に負けないように気を引き締めて、アヤコはカオリの髪をそっとかき分けて彼女と唇を重ねた。

「んふぅ、私のファーストキスなのにぃ…」

 舌を絡める勢いは、経験豊富なアヤコが圧倒的に有利で、カオリは吐息で呼吸するのがやっとだ。

「私、正直言うと、今日はもうクタクタなんですよね。アラヤ君とたっぷりと愛し合いましたし、これ以上の快感は必要無いのですけど…」

 アヤコは、カオリの乳首を優しく摘んだり押したりしながら、どうしようかなぁと意地悪な態度を見せる。
 彼女の待つ答えを分かっているカオリは、負けたくないと必死に耐え忍ぶが、快感に快感が重なる色欲魔王のカオリには、土台無理な話である。

「アヤコさん、お、お願いしますぅ。続きを、続けてください~」

「ウフフ、可愛いですね、カオリさん」

 ご褒美とばかりにカプッと乳首を咥えると、指を下腹部に這わせて行く。

「んんっ、あんっ、これ変な感じ、頭が痺れちゃう?ああっ!」

「少し声を抑えてください。クララが起きちゃいますよ?」

 アヤコは、左手でカオリの口元を静かにさせようと伸ばす。

チュパッ。

「んんっ⁉︎」

 カオリがその指にしゃぶり付いた為に、アヤコは思わず甘い声を出してしまう。

「ああ、アヤコさん、こういう場所が弱いのね?」

 優位に立てる事を見出したカオリは、もう体の痺れも無いので早速反撃に出る。
 いやらしく指をしゃぶり尽くし、腕へと舌を這わすと、体勢を起こしてアヤコの頸へと吸い付き、アヤコの服を脱がしに掛かる。

「んっ、あんっ、ゾクゾクします」

 感覚共有をしているので、当然カオリも快感となり伝わる。ただここで、2人の経験の差が現れた。性行為に対する快感の耐性が全く無いカオリは、何度も頭が真っ白になりそうだった。
 服を脱がす手が止まったタイミングで、アヤコは再び攻め手に代わる。

「悪い子にはお仕置きです。いえ、ご褒美になるかしら?」

 アヤコは、顔をカオリの秘部へと埋めて、彼女の蜜が溢れる膣内へと舌を入れ込む。

「ああああっ‼︎⁉︎」

 今までに無い快感が彼女の体に走る。しかしそれで終わりではなく、アヤコの中指がヌプッと押し込まれた。

「んあっ、あん、あんっ!」

 指を人差し指まで入れて中を掻き回すと、舌はクリトリスをコロコロと転がす様に舐める。もはやアヤコは彼女を完全に逝かせに行っている。

「ーーーっ‼︎⁉︎」

 ビクンと大きく仰け反ったカオリは、軽く痙攣している。初めてが刺激が強過ぎた様だ。

「さて、では特殊技能ユニークスキルの検証を始めましょうか…?」

 限界に達してぐったりとするカオリに、アヤコは容赦無く検証を始める。先ずは耐性調べから始まり、アヤコと同じ耐性を得ている事から、性行為対象の技能スキルをコピーする技能スキルだと理解した。

 隣室のソーリンはというと、カオリが達したと同時に意識を失って、床で朝まで寝ていたのだった。
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