16 / 27
第1章 それは自業自得だろ?
ハンターギルド
しおりを挟む
蜂の飛行能力は高い。それは分かっているが、まさか【身体強化】スキルを最大限に使用したら、矢の速さに匹敵する速さになった。
無論、急に止まれる筈もなく、蜘蛛の巣も避けずに突き破りながら飛び進む。
俺は【自己再生】があるから良いものの、通常の蜜蜂なら空中分解して死んでるだろうな。
あっという間に高原地帯を抜けて、都市シラクメンの前まで辿り着いた。
ゆっくりと減速して、移動距離が流石に長かったので体を休めた。
街門入り口では検問があり、早い時間帯の今は行商人達並んでいる。
(くっ、匂いに引き寄せられそうだ)
荷車の中に花があるようで、蜜の香りに腹が鳴る感覚が起きる。
この際だ、街中に入るのはこの荷車で食事しながらでも構わないだろう。
(ハハッ、蜜は当然に美味いが、花粉も意外に食えるんだな)
まぁ、食べるものが無い場合には、最悪吸血に頼るんだが。
腹を満たしている間に検問も終わり、街中へと入っていた。
本道を往来する人波は、小さな体となったアッシュから見たら、トロル(毛むくじゃらの巨人の魔物。危険度A級魔物に該当する)の群れに見える。
流石にこの数のトロル相手は、俺にも無理だな。
奴等は何故か、闇の精霊の血を引いているから、自己再生能力があって討伐は難儀なんだよなぁ。
まぁ、心臓をくり抜くか首を落とせば再生しないから済む話だけど。
今考えれば、俺が持つ【自己再生】と同じか。血の犠牲で再生しているんだろうな。
やがて、荷車は見覚えのある商会の前で止まった。
トグロマニ商会。アッシュが素材を卸している商会の一つだ。
(とりあえず、ここが食事場所で決まりだな)
生花の品揃えの数に満足し、アッシュは商会を後にした。
(さてと…、自宅の様子を見る前に、今が何日かを知る必要がある。問題はどうやって情報を集めるかだな…)
ゆっくりと繁華街を散策していると、なにやら揉めている人集りがあった。
樹海に近いシラクメンには、冒険者やハンターだけでなく、守衛隊も多い。
どうやら騒ぎは、冒険者とハンターで起こり、守衛隊が宥めているようだ。
(フン、暇人どもが…)
大して興味が起きなかったので、そのまま通り過ぎる事にした。
「タイラントバイパーは、俺達が攻略中なんだ!何でハンターどもがしゃしゃり出て来るんだよ‼︎」
「テメェらが時間掛け過ぎだからだろうが!依頼主だって痺れを切らしたんだよ!それに俺達だって、早めに動かないとヤツが出てきて、狩り尽くしてしまうんだよ!」
「チッ、アイツかよ!それこそ、ハンター協会で手綱を引いとけよな!」
(ん?)
何やら、ハンター協会内にも問題児がいるようだな。
あ、ハンター協会か。協会のロビーなら暦が分かるぞ。
アッシュは目的地をハンター協会に決めて、西地区へと向かった。
シラクメンは王都に並ぶ大都市だ。当然、ハンター協会会館も、王都の本部会館と同等に大きい。
むしろ、賑わいならシラクメンの方が上だろう。
石造り4階建の会館の1階には、討伐依頼取引所と素材取引販売所がある。
2階には、会員が利用可能な資料室と、救護室。
3階には、会議室と応接室。ここは、緊急依頼や合同討伐の会議で使う他は、VIP待遇の者(王家や貴族)が来た際にしか使用しない。
4階は、ギルドマスターの執務室兼社宅となっている。
用があるのは1階のロビー。ここには、依頼の期日を明確にする為に、大きな時計が設置されている。
依頼に並ぶハンター達の頭上を飛びながら、時計へと向かう。
もし、俺が死んだ年から10年前なら、オーリジン王国暦584年の筈だ。
(やはり、584年。しかも、海月の12日。高原に向かう3日前だ)
何故、日にちを知りたかったかというと、俺が高原にハニーテイパー討伐に向かう日を知ることで、輪廻転生後に俺が現れるおおよそのタイミングが分かるからだ。
カイロス神は言った。「転生先には、お前が殺めた生物が選ばれる」と。
今までは、俺は生まれたその場から毎回離れていた。
これがもし、その場で天寿を迎えるつもりで残っていたら、そこに俺が現れていたかもしれない。
現れたなら、それは過去であり俺に殺される運命という事だ。
(…まさか、自分自身が死神役だとはな…)
3日後、アッシュが高原にハニーテイパー討伐に向かったなら、この検証は確定と見て良いだろう。
以後、輪廻転生先で動かず寿命を全うする事は不可能と考えた方が良いな。
「おい、アッシュ‼︎」
突然の怒号に、思わずビクッとした。
「そこにいるだろ!早く上に来い‼︎」
声の主は、このハンターギルドのギルドマスターだ。
スキンヘッドで無精髭を生やしているこの男は、俺に対して毎回威圧的なんだよな。
どうも俺の【龍殺し】の通り名が気に食わないようだ。
自身も竜討伐の経験者らしいから、嫉妬しているのだろう。
だからか、俺の所持スキルの【鑑定】依頼を一度も引き受ける事はなかった。
俺は、大小あれど竜種は何匹も討伐している。それを、たかが1匹の討伐で、自分と同等に考えるなんて、無理があるだろ。
全く、ケチで器の小さい奴だよな。
「マスター、アッシュさんは今日はまだ来ていませんよ?」
討伐依頼の受付嬢の1人が、討伐完遂書類の束をギルドマスターに押し渡した。
「いや、居るだろ。視えたぞ?」
危ない、危ない。そういえばコイツも【鑑定】持ちだった。見た目じゃただの盗賊の頭領だから油断していた。
カウンターから出てこちらに向かって来たので、アッシュは直ぐに会館を退出した。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「ちっ…逃げたか。クレーム処理ばかり押し付けやがって!」
ロビーをいくら探しても見つからない事に、マスターはイライラしながら戻って来た。
「アッシュさんは、ギルドで1番討伐依頼は達成しているのですから、そのくらいは良いじゃないですか」
「ティーファ、お前、アイツの肩を持ちすぎじゃないか?」
「そんなことないですよ?」
ニコリと営業スマイルで流す彼女に、ギルドマスターはフンと鼻を鳴らした。
確かにアッシュは歳はまだ21だし、独身ではおそらくシラクメンで1番稼ぎは良いかもしれない。
俺には、あんな無愛想がモテる理由が全く分からんな。
「いくら依頼を達成してもな。アイツは必要数以外の素材は、ギルドに卸しやがらねぇ!しかも、アイツに絡んで返り討ちにあった奴等の遺体処理が、全部ハンターギルド持ちなんだぞ⁉︎」
「それは…、確かに挑んで来たギルド側が負担するべきですね。そもそもドラゴンに勝てない時点で、負けてるのは明確でしょうに」
「いや、そういう事でもないんだが…。まぁ、アイツに手加減や慈悲の心とかはないか。それに、俺の用事は他にあったんだがな」
「…例の騎士団からの件、ですか?」
「いや、それもあるが、王都に新設される学園の講師に任命したいと、上から言われているんだ」
「あ~、無理ですね」
「だよな。アイツが人に教えを説くなんて、天地がひっくり返っても想像できねぇ」
2人がアッシュに失礼な事を言っている頃、当の本人は高級住宅街へと来ていた。
(10年前といったら、荒稼ぎしたお金で屋敷を手に入れたばかりの頃だよな?)
当時は、実入りの良い国境付近の傭兵や、樹海の大型魔物ばかりで荒稼ぎしていた。
屋敷を持つ気になったのも、俺に対する都民の悪評が定着していて、宿が借りられない事に腹を立てたからだが、アッシュとしては購入もできない。
故に、サマエル=ノーマンとしての名義で屋敷を購入したのだが、大邸宅と呼べる広過ぎる屋敷に、住んでいるのは俺1人だったからなぁ。
目の前にある購入した屋敷は、庭には雑草が生い茂り、そろそろ昼間だというのに、窓の一つも開いていない。
まるで、没落した貴族の屋敷か、幽霊屋敷だった。
窓から室内を覗くと、大きなベッドに酒瓶を掴んだまま眠る俺が居た。
(はぁ…。我ながら、この頃は見っともないな)
まさか、こんな角度から自分の黒歴史を見る羽目になるとは思っていなかった。
(あれ?そういえば、この日…何かあったような…?)
そう思った矢先、気配感知に2つの反応が現れた。
その反応は屋敷の屋根だ。そこには見知った顔があった。
後の執事であるパウマンと、メイド長のカーミラだ。
初登場のその姿は今とは全く別物で、黒装束で身を纏い冷酷な目をしている。
(ああ~、そういえばこの日だったなぁ…)
当時を思い出したアッシュは、室内で繰り広げられる後の惨事に巻き込まれないように、屋敷から離れて食事に向かうのだった。
無論、急に止まれる筈もなく、蜘蛛の巣も避けずに突き破りながら飛び進む。
俺は【自己再生】があるから良いものの、通常の蜜蜂なら空中分解して死んでるだろうな。
あっという間に高原地帯を抜けて、都市シラクメンの前まで辿り着いた。
ゆっくりと減速して、移動距離が流石に長かったので体を休めた。
街門入り口では検問があり、早い時間帯の今は行商人達並んでいる。
(くっ、匂いに引き寄せられそうだ)
荷車の中に花があるようで、蜜の香りに腹が鳴る感覚が起きる。
この際だ、街中に入るのはこの荷車で食事しながらでも構わないだろう。
(ハハッ、蜜は当然に美味いが、花粉も意外に食えるんだな)
まぁ、食べるものが無い場合には、最悪吸血に頼るんだが。
腹を満たしている間に検問も終わり、街中へと入っていた。
本道を往来する人波は、小さな体となったアッシュから見たら、トロル(毛むくじゃらの巨人の魔物。危険度A級魔物に該当する)の群れに見える。
流石にこの数のトロル相手は、俺にも無理だな。
奴等は何故か、闇の精霊の血を引いているから、自己再生能力があって討伐は難儀なんだよなぁ。
まぁ、心臓をくり抜くか首を落とせば再生しないから済む話だけど。
今考えれば、俺が持つ【自己再生】と同じか。血の犠牲で再生しているんだろうな。
やがて、荷車は見覚えのある商会の前で止まった。
トグロマニ商会。アッシュが素材を卸している商会の一つだ。
(とりあえず、ここが食事場所で決まりだな)
生花の品揃えの数に満足し、アッシュは商会を後にした。
(さてと…、自宅の様子を見る前に、今が何日かを知る必要がある。問題はどうやって情報を集めるかだな…)
ゆっくりと繁華街を散策していると、なにやら揉めている人集りがあった。
樹海に近いシラクメンには、冒険者やハンターだけでなく、守衛隊も多い。
どうやら騒ぎは、冒険者とハンターで起こり、守衛隊が宥めているようだ。
(フン、暇人どもが…)
大して興味が起きなかったので、そのまま通り過ぎる事にした。
「タイラントバイパーは、俺達が攻略中なんだ!何でハンターどもがしゃしゃり出て来るんだよ‼︎」
「テメェらが時間掛け過ぎだからだろうが!依頼主だって痺れを切らしたんだよ!それに俺達だって、早めに動かないとヤツが出てきて、狩り尽くしてしまうんだよ!」
「チッ、アイツかよ!それこそ、ハンター協会で手綱を引いとけよな!」
(ん?)
何やら、ハンター協会内にも問題児がいるようだな。
あ、ハンター協会か。協会のロビーなら暦が分かるぞ。
アッシュは目的地をハンター協会に決めて、西地区へと向かった。
シラクメンは王都に並ぶ大都市だ。当然、ハンター協会会館も、王都の本部会館と同等に大きい。
むしろ、賑わいならシラクメンの方が上だろう。
石造り4階建の会館の1階には、討伐依頼取引所と素材取引販売所がある。
2階には、会員が利用可能な資料室と、救護室。
3階には、会議室と応接室。ここは、緊急依頼や合同討伐の会議で使う他は、VIP待遇の者(王家や貴族)が来た際にしか使用しない。
4階は、ギルドマスターの執務室兼社宅となっている。
用があるのは1階のロビー。ここには、依頼の期日を明確にする為に、大きな時計が設置されている。
依頼に並ぶハンター達の頭上を飛びながら、時計へと向かう。
もし、俺が死んだ年から10年前なら、オーリジン王国暦584年の筈だ。
(やはり、584年。しかも、海月の12日。高原に向かう3日前だ)
何故、日にちを知りたかったかというと、俺が高原にハニーテイパー討伐に向かう日を知ることで、輪廻転生後に俺が現れるおおよそのタイミングが分かるからだ。
カイロス神は言った。「転生先には、お前が殺めた生物が選ばれる」と。
今までは、俺は生まれたその場から毎回離れていた。
これがもし、その場で天寿を迎えるつもりで残っていたら、そこに俺が現れていたかもしれない。
現れたなら、それは過去であり俺に殺される運命という事だ。
(…まさか、自分自身が死神役だとはな…)
3日後、アッシュが高原にハニーテイパー討伐に向かったなら、この検証は確定と見て良いだろう。
以後、輪廻転生先で動かず寿命を全うする事は不可能と考えた方が良いな。
「おい、アッシュ‼︎」
突然の怒号に、思わずビクッとした。
「そこにいるだろ!早く上に来い‼︎」
声の主は、このハンターギルドのギルドマスターだ。
スキンヘッドで無精髭を生やしているこの男は、俺に対して毎回威圧的なんだよな。
どうも俺の【龍殺し】の通り名が気に食わないようだ。
自身も竜討伐の経験者らしいから、嫉妬しているのだろう。
だからか、俺の所持スキルの【鑑定】依頼を一度も引き受ける事はなかった。
俺は、大小あれど竜種は何匹も討伐している。それを、たかが1匹の討伐で、自分と同等に考えるなんて、無理があるだろ。
全く、ケチで器の小さい奴だよな。
「マスター、アッシュさんは今日はまだ来ていませんよ?」
討伐依頼の受付嬢の1人が、討伐完遂書類の束をギルドマスターに押し渡した。
「いや、居るだろ。視えたぞ?」
危ない、危ない。そういえばコイツも【鑑定】持ちだった。見た目じゃただの盗賊の頭領だから油断していた。
カウンターから出てこちらに向かって来たので、アッシュは直ぐに会館を退出した。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「ちっ…逃げたか。クレーム処理ばかり押し付けやがって!」
ロビーをいくら探しても見つからない事に、マスターはイライラしながら戻って来た。
「アッシュさんは、ギルドで1番討伐依頼は達成しているのですから、そのくらいは良いじゃないですか」
「ティーファ、お前、アイツの肩を持ちすぎじゃないか?」
「そんなことないですよ?」
ニコリと営業スマイルで流す彼女に、ギルドマスターはフンと鼻を鳴らした。
確かにアッシュは歳はまだ21だし、独身ではおそらくシラクメンで1番稼ぎは良いかもしれない。
俺には、あんな無愛想がモテる理由が全く分からんな。
「いくら依頼を達成してもな。アイツは必要数以外の素材は、ギルドに卸しやがらねぇ!しかも、アイツに絡んで返り討ちにあった奴等の遺体処理が、全部ハンターギルド持ちなんだぞ⁉︎」
「それは…、確かに挑んで来たギルド側が負担するべきですね。そもそもドラゴンに勝てない時点で、負けてるのは明確でしょうに」
「いや、そういう事でもないんだが…。まぁ、アイツに手加減や慈悲の心とかはないか。それに、俺の用事は他にあったんだがな」
「…例の騎士団からの件、ですか?」
「いや、それもあるが、王都に新設される学園の講師に任命したいと、上から言われているんだ」
「あ~、無理ですね」
「だよな。アイツが人に教えを説くなんて、天地がひっくり返っても想像できねぇ」
2人がアッシュに失礼な事を言っている頃、当の本人は高級住宅街へと来ていた。
(10年前といったら、荒稼ぎしたお金で屋敷を手に入れたばかりの頃だよな?)
当時は、実入りの良い国境付近の傭兵や、樹海の大型魔物ばかりで荒稼ぎしていた。
屋敷を持つ気になったのも、俺に対する都民の悪評が定着していて、宿が借りられない事に腹を立てたからだが、アッシュとしては購入もできない。
故に、サマエル=ノーマンとしての名義で屋敷を購入したのだが、大邸宅と呼べる広過ぎる屋敷に、住んでいるのは俺1人だったからなぁ。
目の前にある購入した屋敷は、庭には雑草が生い茂り、そろそろ昼間だというのに、窓の一つも開いていない。
まるで、没落した貴族の屋敷か、幽霊屋敷だった。
窓から室内を覗くと、大きなベッドに酒瓶を掴んだまま眠る俺が居た。
(はぁ…。我ながら、この頃は見っともないな)
まさか、こんな角度から自分の黒歴史を見る羽目になるとは思っていなかった。
(あれ?そういえば、この日…何かあったような…?)
そう思った矢先、気配感知に2つの反応が現れた。
その反応は屋敷の屋根だ。そこには見知った顔があった。
後の執事であるパウマンと、メイド長のカーミラだ。
初登場のその姿は今とは全く別物で、黒装束で身を纏い冷酷な目をしている。
(ああ~、そういえばこの日だったなぁ…)
当時を思い出したアッシュは、室内で繰り広げられる後の惨事に巻き込まれないように、屋敷から離れて食事に向かうのだった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした
月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。
それから程なくして――――
お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。
「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」
にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。
「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」
そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・
頭の中を、凄まじい情報が巡った。
これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね?
ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。
だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。
ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。
ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」
そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。
フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ!
うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって?
そんなの知らん。
設定はふわっと。
【完結】ちびっこ錬金術師は愛される
あろえ
ファンタジー
「もう大丈夫だから。もう、大丈夫だから……」
生死を彷徨い続けた子供のジルは、献身的に看病してくれた姉エリスと、エリクサーを譲ってくれた錬金術師アーニャのおかげで、苦しめられた呪いから解放される。
三年にわたって寝込み続けたジルは、その間に蘇った前世の記憶を夢だと勘違いした。朧げな記憶には、不器用な父親と料理を作った思い出しかないものの、料理と錬金術の作業が似ていることから、恩を返すために錬金術師を目指す。
しかし、錬金術ギルドで試験を受けていると、エリクサーにまつわる不思議な疑問が浮かび上がってきて……。
これは、『ありがとう』を形にしようと思うジルが、錬金術師アーニャにリードされ、無邪気な心でアイテムを作り始めるハートフルストーリー!
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
男女比崩壊世界で逆ハーレムを
クロウ
ファンタジー
いつからか女性が中々生まれなくなり、人口は徐々に減少する。
国は女児が生まれたら報告するようにと各地に知らせを出しているが、自身の配偶者にするためにと出生を報告しない事例も少なくない。
女性の誘拐、売買、監禁は厳しく取り締まられている。
地下に監禁されていた主人公を救ったのはフロムナード王国の最精鋭部隊と呼ばれる黒龍騎士団。
線の細い男、つまり細マッチョが好まれる世界で彼らのような日々身体を鍛えてムキムキな人はモテない。
しかし転生者たる主人公にはその好みには当てはまらないようで・・・・
更新再開。頑張って更新します。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる