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17.中毒は無いらしい

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公爵家の門まで帰ってきたが、門のところで止められた。
なぜじゃ?

「従魔契約しているとはいえ、魔獣を屋敷に入れるのは、公爵様に確認させて頂きたい。」

「分かりました」

まぁ、言うても魔獣やしな
しかも、フェンリル。

しゃーないな
もし、アカンって言われたら家だけ持って帰らせてもらお。
ちょーどええ場所見つけたし。
そこに、家置いたらええわ。
てか、別にここにこだわらんでも向こうに家置いたらいいのでは?

「あ!門番さん!俺の家だけ取りに行ってもええかな?
もちろんこの子はここに置いとくし
別の場所に家建てるよって!」

「え?それなら、どうぞ。」

「おおきに!」

狼雨には、門で待っててもらって俺だけいそいそと家に向かった。
家まで来ると、中で働いてくれてたメイドさんに事情を説明して家から出てもらった。

そのまま、スマホのインベントリの中へ家を収納した。

使用人の人たちはその光景を見て、驚いていた。
まぁ、せやろな
急に家が消えるんやもん。
俺も知らんかったらビックリするわ。

「したら!お世話になりました!」

「出ていくのが早いね。
もう少しここに居てくれても良いんだけどね。」

公爵さんが何故か見送りにきてくれて驚いたが、よく見たら全員集合していた。

「あの…また来てくれますか?」

シルヴィアさんが、上目遣いで手を前で握って見ていた。

え、可愛いが過ぎる。 

「ぜひ!
絶対来ます!
呼んで頂ければ、直ぐに来ます!」

若干被せ気味に言うと、シルヴィアさんは綺麗な微笑みを見せてくれた。

やばい……チュキ。

…………分かってる。
キモいのは分かってるんや。
でも無理。
チュキ。

公爵家の皆さんにバイバイして、狼雨と一緒に来た道を戻って行った。

しっかりと、公爵邸は写真に納めたのでいつでも来れる様になった。

ついでにギルドの写真と教会の写真も撮った。
これで、ヨルドラ領の主要な建物は撮れたと思う。
あとは、門のところを撮ればいつでもヨルドラ領に来ることができるな!

これからまた出るのかと門番さんに驚かれ、危ないからと止められかけたが、大丈夫だと言い続けて不服そうにしながらも通して貰えた。

門から少し離れたところで、スマホで転移する。
先程、撮った綺麗な滝の場所をタップすると目の前に滝が見えた。

「おぉーー。
スゲェ!
マジで一瞬やな!」

狼雨と一緒に、辺りを散策して危険がないか確認した。
スマホサーチも取り敢えず反応は無いし大丈夫やろ。

目視でも確認したから完璧や!

滝周辺のできるだけ平らな場所を見つけ、家を取り出す。
家を建て、結界アプリを起動する。
結界アプリとは!
悪意、害意のあるものを弾く!らしい。
ホンマに効くんかな。
不安やわぁ

でも、今までも素晴らしい効果よ!
他のアプリたちは
やから、とても期待しているよ
結界アプリよ。

と、言うわけで早速、家周辺に結界を張る。

スマホでこの範囲って見ながら出来るのはとても有り難い。
サーチアプリと連動させて、攻撃も出来るみたいや。
何かゲームみたいやな。

自分の陣地守るゲームあったよな……

家に近づいて来たやつに試してみよー。

家も守りも整ったところで、飯の準備や!
今日はたこ焼きやでー

早速、たこ焼き器を買う。
たこ焼きミックスの粉と、紅生姜、天かす、ネギ、タコ、たこ焼きソース、味変で醤油とチーズも買う。
明太子入れても美味いけど、取り敢えずはオーソドックスでいく。
ボウルに粉と水適量を入れる。
ひたすら混ぜる。
たこ焼き器を温めて、温まったら油を敷く。
そして、溶いた粉を入れる!
固まる前に、タコ、天かす、紅生姜、ネギを入れ、下側が焼けたら、ひっくり返す。
クルンってなるとこめっちゃ好きやわ

焼けたら皿に取って盛り付ける。
ソースをかけ、マヨネーズ、カツオ、青のりかけて、完成!
マヨネーズたちはお好み焼きの残りものたち。

「狼雨~でけたで~~」

醤油たこ焼きを焼いてる間に、出来たやつを2人で食べた。
ウッッマアーーー
コーラを購入して、ぷはぁ~。

「たこ焼きには、コーラやな。」

「ワゥ?」

「てか、犬ってネギアカンのちゃうっけ?」

「ワゥ?」

「…………。」

………スマホでめっちゃ調べた。

………異世界の彼らはネギ中毒はありませんでした。
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