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番外編
【外伝】ハサンの実
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皆ハサンの実って知ってる?
見てて!今食べるから。
「おい、こらテメエ。何ブツブツ言ってんだよー!あ!何か食いやがった。コラーッ!人と喋ってる時に何か食ってんじゃねーよ!ナメてんのか!」
目の前のイジメっ子坂東は俺の顔面に蹴りを放ってきた。
ひでぇな。顔面蹴りかよ。
直撃したら大怪我必至、
鼻血ブーってなるようなもんだが……。
スローモーション。
録画再生のコマ送りのようなスローモーション。
遅っ。止まって見えるわ。
でも受けてやるか。
バキッ!
「痛っ!!痛え!!!」
声を上げたのは坂東だった。
ニキビ面が輪を増して赤みを増している。
「な、何だ?硬え!!」
坂東は素っ頓狂な返しをしてビビッてる。
ヘヘっ。
「おい?次は俺のターンだな?」
ヒュンッ!
俺は奴の脇目掛けて軽く一撃を放つ!
ドゴッッ!
「オエェェェ!!」
胃液を吐いて悶える坂東。
「どうする?まだやる?」
奴はヒィィイって情け無い顔をして泣いている。
「今後まだ来るなら殺すから」
俺は冷ややかな目を坂東に向けてその場を去った。
◆◆◆◆◆◆
ただいま!ママ!
俺はまだ震えていた。
俺の名は鏑木翔。
今まで坂東に苛められてきた。
中学に入って他の小学校が集められ、
クラスを編成していた。
アイツは小学校でも問題児だったようだ。
ある日クラスメイトを苛めていたのを注意した結果、標的が俺になった。
蹴る殴るは当たり前。
靴箱は無くなったりした。
生地獄とはこの事だった。
そんなある日、苛め抜かれて帰宅の途に着こうとする俺に、不思議なオジサンが目の前に現れた。
「あ、君、君!」
呼ばれて【たじろぎながら】振り向く。
オジサンは何かを差し出す。
それは小瓶に詰められた赤や黄色、ピンク、青の実。
オジサンは言った。
「困ったら食べなさい。これはハサンの実だよ。」
不審者だと思った。
後ろを振り向かずに逃げ去った。
気が付いたらオジサンは消えていた。
そして殴られた傷も癒えており、
その手には小瓶が握られていた。
◆◆◆◆◆◆
◎赤の実
赤の実は体力や腕力増量と分かる。
学校の体力測定なんか、本気を出したら世界記録になっちゃうよ。
こないだ、たまたま引ったくりを目撃したんだ。
俺は走ったさ。
走って、あっという間に引ったくりに追いついて投げ飛ばしたよ。
彼は「あァァァァァァ」って
情け無い悲鳴を出して
ゴキッて肩から落ちた。
110番してお手柄中学生として、
夕方のニュースに乗っちゃった。
◎青い実
青い実は知能向上の実みたい。
スラスラと嘘みたいに勉強が出来る。
こないだは、街でやってる脱出ゲームを美代ちゃんとやったんだけど、
直ぐにクリアしちゃった。
すっごーいって褒められたよ。
◎ピンクの実
ピンクの実は魅力や魅了の向上。
男も女も老若男女関係なく、
話しかけるだけで、魅惑するある意味恐ろしい実。
クラスのマドンナ、美代ちゃんが
俺なんかと付き合ってるのは、
これが原因。
◎黄色い実
黄色い実は根性や忍耐を上げる。
絶対諦めない不屈な心と、
どんな事にも屈しない忍耐力が付く。
こないだの坂東との闘いは、
黄色い実と、赤い実を食べたんだよ。
◆◆◆◆◆◆
ある日全ての実が無くなった。
もう誰も立ち向かっては来ないし、
イジメられもしない。
又帰り道を歩いていると、
あ!オジサン。
「無くなったかい?ハサンの実」
オジサンは見通していた。
そろそろ切れるというのも。
俺はオジサンに意を決して話した。
「オジサン!ハサンの実は、もう要らない。俺自分の力だけでやってみるよ。
ハサンの実に頼っていたら、いつまでも俺弱いままだと思う。弱い、未熟な部分も全て受け入れて、このままでやってみるよ。」
オジサンは笑いながら話した。
「良かった。それを待っていたんだ。
実はハサンの実は君の中に既にある。
実はハサンの実は本来君が持っている力なんだよ。だから、このまま頑張りな。
あ!魔法のオマジナイ教えてあげる
『トホカミエミタメ』だ。」
オジサン……。
ありがとう。
「オジサン!名前は?!」
オジサンは
「鏑木清方……」
キヨカタ……
ん?カブラギ?!
お父さんに聞いたら、
父方の曾祖父の名前が「キヨカタ」と言ったらしい。
ブブキって言われた剛の人だったんだって。
ありがとうブブキ曾祖父ちゃん!
あるがまま。トホカミエミタメ
そのままで良いっていいよね!
~おわり~
見てて!今食べるから。
「おい、こらテメエ。何ブツブツ言ってんだよー!あ!何か食いやがった。コラーッ!人と喋ってる時に何か食ってんじゃねーよ!ナメてんのか!」
目の前のイジメっ子坂東は俺の顔面に蹴りを放ってきた。
ひでぇな。顔面蹴りかよ。
直撃したら大怪我必至、
鼻血ブーってなるようなもんだが……。
スローモーション。
録画再生のコマ送りのようなスローモーション。
遅っ。止まって見えるわ。
でも受けてやるか。
バキッ!
「痛っ!!痛え!!!」
声を上げたのは坂東だった。
ニキビ面が輪を増して赤みを増している。
「な、何だ?硬え!!」
坂東は素っ頓狂な返しをしてビビッてる。
ヘヘっ。
「おい?次は俺のターンだな?」
ヒュンッ!
俺は奴の脇目掛けて軽く一撃を放つ!
ドゴッッ!
「オエェェェ!!」
胃液を吐いて悶える坂東。
「どうする?まだやる?」
奴はヒィィイって情け無い顔をして泣いている。
「今後まだ来るなら殺すから」
俺は冷ややかな目を坂東に向けてその場を去った。
◆◆◆◆◆◆
ただいま!ママ!
俺はまだ震えていた。
俺の名は鏑木翔。
今まで坂東に苛められてきた。
中学に入って他の小学校が集められ、
クラスを編成していた。
アイツは小学校でも問題児だったようだ。
ある日クラスメイトを苛めていたのを注意した結果、標的が俺になった。
蹴る殴るは当たり前。
靴箱は無くなったりした。
生地獄とはこの事だった。
そんなある日、苛め抜かれて帰宅の途に着こうとする俺に、不思議なオジサンが目の前に現れた。
「あ、君、君!」
呼ばれて【たじろぎながら】振り向く。
オジサンは何かを差し出す。
それは小瓶に詰められた赤や黄色、ピンク、青の実。
オジサンは言った。
「困ったら食べなさい。これはハサンの実だよ。」
不審者だと思った。
後ろを振り向かずに逃げ去った。
気が付いたらオジサンは消えていた。
そして殴られた傷も癒えており、
その手には小瓶が握られていた。
◆◆◆◆◆◆
◎赤の実
赤の実は体力や腕力増量と分かる。
学校の体力測定なんか、本気を出したら世界記録になっちゃうよ。
こないだ、たまたま引ったくりを目撃したんだ。
俺は走ったさ。
走って、あっという間に引ったくりに追いついて投げ飛ばしたよ。
彼は「あァァァァァァ」って
情け無い悲鳴を出して
ゴキッて肩から落ちた。
110番してお手柄中学生として、
夕方のニュースに乗っちゃった。
◎青い実
青い実は知能向上の実みたい。
スラスラと嘘みたいに勉強が出来る。
こないだは、街でやってる脱出ゲームを美代ちゃんとやったんだけど、
直ぐにクリアしちゃった。
すっごーいって褒められたよ。
◎ピンクの実
ピンクの実は魅力や魅了の向上。
男も女も老若男女関係なく、
話しかけるだけで、魅惑するある意味恐ろしい実。
クラスのマドンナ、美代ちゃんが
俺なんかと付き合ってるのは、
これが原因。
◎黄色い実
黄色い実は根性や忍耐を上げる。
絶対諦めない不屈な心と、
どんな事にも屈しない忍耐力が付く。
こないだの坂東との闘いは、
黄色い実と、赤い実を食べたんだよ。
◆◆◆◆◆◆
ある日全ての実が無くなった。
もう誰も立ち向かっては来ないし、
イジメられもしない。
又帰り道を歩いていると、
あ!オジサン。
「無くなったかい?ハサンの実」
オジサンは見通していた。
そろそろ切れるというのも。
俺はオジサンに意を決して話した。
「オジサン!ハサンの実は、もう要らない。俺自分の力だけでやってみるよ。
ハサンの実に頼っていたら、いつまでも俺弱いままだと思う。弱い、未熟な部分も全て受け入れて、このままでやってみるよ。」
オジサンは笑いながら話した。
「良かった。それを待っていたんだ。
実はハサンの実は君の中に既にある。
実はハサンの実は本来君が持っている力なんだよ。だから、このまま頑張りな。
あ!魔法のオマジナイ教えてあげる
『トホカミエミタメ』だ。」
オジサン……。
ありがとう。
「オジサン!名前は?!」
オジサンは
「鏑木清方……」
キヨカタ……
ん?カブラギ?!
お父さんに聞いたら、
父方の曾祖父の名前が「キヨカタ」と言ったらしい。
ブブキって言われた剛の人だったんだって。
ありがとうブブキ曾祖父ちゃん!
あるがまま。トホカミエミタメ
そのままで良いっていいよね!
~おわり~
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