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第十二章 大波乱サシマ国
第96話 ジンタンとパサージュの一騎打ち
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呆然と立ち尽くす魔将軍パサージュ。
ま、まさか……。
全滅。
パサージュの側近以外の一部の兵を除いて全て天に帰された。
ハサン達の攻撃を免れた兵達も雲散霧消、
散り散りになっていなくなる。
ば、馬鹿な。
1万の軍勢で、攻めたのだ。
聖騎士が動いているとは聞いていたが、
ここまでとは。
前回スカーレット峡谷にいた時の「奴ら」とは大分戦力差がある。
「久し振りですね。
お会いしたかったですよ」
妖刀ニヒルを、光らせて剣先をパサージュに突きつける金髪の男。
「き、貴様!!」
ハサンの一味で、こいつとは剣を交えた事がある。
ジンタンとか言ったな。
小癪な!
返り討ちにしてくれる!
「パサージュ様!ここは私にお任せを」
ダークエルフの配下ドナである。
此奴は、私と同等の剣の使い手である。
「た、頼むぞ」
狼狽える声を必死に抑える。
俺はダロム様に代わり魔将軍になったのだ。
「ハサン~!こっちは片付いたよ!」
ハサン達の仲間の声が聞こえる。
クソ!
声の方向に一瞬気を取られた。
ドナとジンタンの一騎打ちに目を向けようとしたところ、
【既にドナが倒れていた!】
ドナの腹部から血が流れている。
「ド、ドナーー!!!」
ドナは私がダロム様の副官になる前からの幼馴染である。
ドナは黒髪の美麗な女騎士。
俺達は想い合っていた。
そのドナが魔将軍パサージュ随一の剣技の使い手のドナがあっという間に敗れた!
あ……あ!!!!
ドナの腹部からの血溜まりは相当なものだ。
恐らく致命傷だ。
「貴様らァァァ!!殺してやる!
殺してやる!!」
ダロムから譲られたレイピアを抜き、
ジンタンに向い、剣を交差する!
一秒でも早く!
一刻も速く!
ジンタンを殺してドナの元へ!
ジャキーーーン!!
勝機!!
金属音が鳴る刹那、
すれ違いざまに左手のナイフで
ジンタンの脇腹を刺しに行く。
『ここ!!』
カキッ!
あ!!嫌な音だ。
瞬時に悟る。
なんと!
ジンタンは左手のナイフも読んでいた。
ナイフを小太刀で防ぎきったのだ!
ヒュン!ヒュン!
ヒュン!ヒュン!
左右に影分身で残像を作る。
は、早い!
『ビタッ』!
切っ先が追えずに一瞬動きが止まる。
その瞬間に、妖刀の剣先が喉元に向けられる。
実質ジンタンの勝利が決まった瞬間を、
俺は悟る。
「クソッッ!ドナ!!」
負けを悟った。情けないが、涙が止まらない。
剣技で負けた事もそうだが、私の判断でドナを殺めてしまった。
俺のせいだ。
俺はダロム様に近づけなかった。
すまない。ドナ。
「す、すまない……ドナにもう一度……」
ドナに会いたい。
剣を地に落としてドナの方を見る。
すると、ドナの周りに聖騎士の従者達が囲んでいる。
ま、まさか……。
「パサージュ。このエルフの剣士さんは無事よ」
セシアとメイが既にドナにヒールをかけて止血と傷の回復を行っていた。
仰向けになりながら、
俺の方を向いているドナ。
「パ、パサージュ……。」
俺は走る。ドナの元へ。
「ああ、ありがとう……。ありがとう……。いや、侵略しておきながら敵将に命を助けられるとは。
武人としての誇りを私は失った。
もう、魔王軍には戻れまい。
ドナと共にひっそりと暮らす。
ありがとう、ジンタン。」
ジンタンは語りかける。
「これもハサン様の御心だ。
しかし、何故ブブキの村を襲ったのだ?」
パサージュはブブキの村を襲撃の真相を話すことにした。
ま、まさか……。
全滅。
パサージュの側近以外の一部の兵を除いて全て天に帰された。
ハサン達の攻撃を免れた兵達も雲散霧消、
散り散りになっていなくなる。
ば、馬鹿な。
1万の軍勢で、攻めたのだ。
聖騎士が動いているとは聞いていたが、
ここまでとは。
前回スカーレット峡谷にいた時の「奴ら」とは大分戦力差がある。
「久し振りですね。
お会いしたかったですよ」
妖刀ニヒルを、光らせて剣先をパサージュに突きつける金髪の男。
「き、貴様!!」
ハサンの一味で、こいつとは剣を交えた事がある。
ジンタンとか言ったな。
小癪な!
返り討ちにしてくれる!
「パサージュ様!ここは私にお任せを」
ダークエルフの配下ドナである。
此奴は、私と同等の剣の使い手である。
「た、頼むぞ」
狼狽える声を必死に抑える。
俺はダロム様に代わり魔将軍になったのだ。
「ハサン~!こっちは片付いたよ!」
ハサン達の仲間の声が聞こえる。
クソ!
声の方向に一瞬気を取られた。
ドナとジンタンの一騎打ちに目を向けようとしたところ、
【既にドナが倒れていた!】
ドナの腹部から血が流れている。
「ド、ドナーー!!!」
ドナは私がダロム様の副官になる前からの幼馴染である。
ドナは黒髪の美麗な女騎士。
俺達は想い合っていた。
そのドナが魔将軍パサージュ随一の剣技の使い手のドナがあっという間に敗れた!
あ……あ!!!!
ドナの腹部からの血溜まりは相当なものだ。
恐らく致命傷だ。
「貴様らァァァ!!殺してやる!
殺してやる!!」
ダロムから譲られたレイピアを抜き、
ジンタンに向い、剣を交差する!
一秒でも早く!
一刻も速く!
ジンタンを殺してドナの元へ!
ジャキーーーン!!
勝機!!
金属音が鳴る刹那、
すれ違いざまに左手のナイフで
ジンタンの脇腹を刺しに行く。
『ここ!!』
カキッ!
あ!!嫌な音だ。
瞬時に悟る。
なんと!
ジンタンは左手のナイフも読んでいた。
ナイフを小太刀で防ぎきったのだ!
ヒュン!ヒュン!
ヒュン!ヒュン!
左右に影分身で残像を作る。
は、早い!
『ビタッ』!
切っ先が追えずに一瞬動きが止まる。
その瞬間に、妖刀の剣先が喉元に向けられる。
実質ジンタンの勝利が決まった瞬間を、
俺は悟る。
「クソッッ!ドナ!!」
負けを悟った。情けないが、涙が止まらない。
剣技で負けた事もそうだが、私の判断でドナを殺めてしまった。
俺のせいだ。
俺はダロム様に近づけなかった。
すまない。ドナ。
「す、すまない……ドナにもう一度……」
ドナに会いたい。
剣を地に落としてドナの方を見る。
すると、ドナの周りに聖騎士の従者達が囲んでいる。
ま、まさか……。
「パサージュ。このエルフの剣士さんは無事よ」
セシアとメイが既にドナにヒールをかけて止血と傷の回復を行っていた。
仰向けになりながら、
俺の方を向いているドナ。
「パ、パサージュ……。」
俺は走る。ドナの元へ。
「ああ、ありがとう……。ありがとう……。いや、侵略しておきながら敵将に命を助けられるとは。
武人としての誇りを私は失った。
もう、魔王軍には戻れまい。
ドナと共にひっそりと暮らす。
ありがとう、ジンタン。」
ジンタンは語りかける。
「これもハサン様の御心だ。
しかし、何故ブブキの村を襲ったのだ?」
パサージュはブブキの村を襲撃の真相を話すことにした。
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