47歳のおじさんが異世界に召喚されたら不動明王に化身して感謝力で無双しまくっちゃう件!

のんたろう

文字の大きさ
上 下
104 / 119
第十二章 大波乱サシマ国

第90話 ブブキ

しおりを挟む
「おい!ブブキ!お前金持って来たんだろうな」
「おい!ブブキ!靴舐めろ」
「おい!ブブキ!パン買ってこい」

ドカッ!

今日も言われのない理不尽な暴力。

死にたい。
辛い。

俺の名は鏑木清方かぶらぎ きよたか

あまりに虐められすぎたので、
俺は死のうと思った。

アイツを道連れに。

ある日、ホームセンターで
刺し身包丁を購入した。

アイツらを殺して
俺も死ぬ。

俺は待ち伏せしていた。
刺し身包丁を忍ばせながら、
あいつを刺してやる。

死なばもろとも。

俺は学校の下駄箱に隠れる。

「おい!ブブキ!何だよ呼び出しやがって」

あいつの声だ。
もう少しであいつが来る。

リーダー格のアイツ。

目を閉じると、心臓がバクバクしてる。
俺は引き返せないどこまで来た。

☆★☆★☆★☆★☆★★☆

目を再び開くと、
見も知らない異界。

中世のヨーロッパみたいな雰囲気。

どこだ?

犬のような耳を付けた人間(?)などもいる。
甲冑や、鎧をつけたり……。

剣と魔法の世界だ!

俺は喜んだ!
アイツらがいない世界!

俺は特殊スキルや、チートスキルがあるはず!

異世界でモテまくり、ハーレムを作って英雄になるのだ。

しかし、お金が無い。
恐らく日本円は使えないだろう。

適当に近場の魔物でも倒すか。
 
俺は街を出た。
街道沿いを歩く。

街道沿いなら強いモンスターは出ないだろう。
 
ブーン……。 
ん?何?!

あっ!

人間と同じ大きさの蚊(か)が
俺をクチバシのような鋭い吸血口で
無慈悲に刺した!

グサッ!!!

ま、まさか蚊。
し、しかもデカい……。

血が急激に吸われていく。


チューー・・・・・・!


吸う度に化け物の蚊の目がグリグリ動いていく……。

意識が無くなる。
ああ、俺は死ぬんだ。

クソッタレの世界。
異世界でも、俺はヒーローになれなかっ……

☆★☆★☆★☆★☆★★☆

目を閉じたら、俺は生きていた。
でも、なんか変だ。

肥満で贅肉ぜいにくしか無いたるんだ身体の筈なのに、力がみなぎる。

青白い肌は黄色っぽい身体。
学生服だったのに、毛皮?

金持ちの女の人が切るような毛皮のコートみたいなのでは無い。

イノシシ?
熊?

何らかの獣の皮を身にまとってる。

手には|棍棒(こんぼう)だ。
しかも口に違和感がある。

視界にチラッと白い牙らしい物が見える。
いや、牙だ!

俺の牙だ!

直ぐ様近くの水辺で俺の顔を見ると……。

そこには豚顔のアヤカシ、
キングオークの姿をした姿が、
そこには映っていた。

あァァァァァァ!!

何なんだ!俺の人生は!

何時間泣いたことだろう。
俺は決めた。

キングオークとして生きることに。

生前の俺とは違う、桁違いな力。

俺は手始めに村を襲うことにした。
俺の圧倒的な力で復讐する!

女は犯し、それ以外は子供でも殺す!

俺は知らない村へ着いた。
キングオークの姿を見て、村人は皆逃げる。

「オークだ!」
「逃げろ!」

逃げ惑う人々の中に、
一人佇《たたず》むババアがいた。

こいつを殺す。
俺の人間性を、良心を殺す!

その婆さんは言った。
「なんて悲しい魂なの」

振り下ろす棍棒を止めた。

この婆さん目が見えないのか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

魔石と神器の物語 ~アイテムショップの美人姉妹は、史上最強の助っ人です!~

エール
ファンタジー
 古代遺跡群攻略都市「イフカ」を訪れた新進気鋭の若き冒険者(ハンター)、ライナス。  彼が立ち寄った「魔法堂 白銀の翼」は、一風変わったアイテムを扱う魔道具専門店だった。  経営者は若い美人姉妹。  妹は自ら作成したアイテムを冒険の実践にて試用する、才能溢れる魔道具製作者。  そして姉の正体は、特定冒険者と契約を交わし、召喚獣として戦う闇の狂戦士だった。  最高純度の「超魔石」と「充魔石」を体内に埋め込まれた不死属性の彼女は、呪われし武具を纏い、補充用の魔石を求めて戦場に向かう。いつの日か、「人間」に戻ることを夢見て――。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

強制フラグは、いりません! ~今いる世界が、誰かの二次小説の中だなんて思うかよ! JKと禁断の恋愛するなら、自力でやらせてもらうからっ!~

ハル*
ファンタジー
高校教師の俺。 いつもと同じように過ごしていたはずなのに、ある日を境にちょっとずつ何かが変わっていく。 テスト準備期間のある放課後。行き慣れた部室に向かった俺の目の前に、ぐっすり眠っているマネージャーのあの娘。 そのシチュエーションの最中、頭ん中で変な音と共に、俺の日常を変えていく声が聞こえた。 『強制フラグを、立てますか?』 その言葉自体を知らないわけじゃない。 だがしかし、そのフラグって、何に対してなんだ? 聞いたことがない声。聞こえてくる場所も、ハッキリしない。 混乱する俺に、さっきの声が繰り返された。 しかも、ちょっとだけ違うセリフで。 『強制フラグを立てますよ? いいですね?』 その変化は、目の前の彼女の名前を呼んだ瞬間に訪れた。 「今日って、そんなに疲れるようなことあったか?」 今まで感じたことがない違和感に、さっさと目の前のことを終わらせようとした俺。 結論づけた瞬間、俺の体が勝手に動いた。 『強制フラグを立てました』 その声と、ほぼ同時に。 高校教師の俺が、自分の気持ちに反する行動を勝手に決めつけられながら、 女子高生と禁断の恋愛? しかも、勝手に決めつけているのが、どこぞの誰かが書いている某アプリの二次小説の作者って……。 いやいや。俺、そんなセリフ言わないし! 甘い言葉だなんて、吐いたことないのに、勝手に言わせないでくれって! 俺のイメージが崩れる一方なんだけど! ……でも、この娘、いい子なんだよな。 っていうか、この娘を嫌うようなやつなんて、いるのか? 「ごめんなさい。……センセイは、先生なのに。好きに…なっちゃ、だめなのに」 このセリフは、彼女の本心か? それともこれも俺と彼女の恋愛フラグが立たせられているせい? 誰かの二次小説の中で振り回される高校教師と女子高生の恋愛物語が、今、はじまる。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

(仮)鏑木雄一の異世界マーラ放浪記〜新説ハサンの実〜

のんたろう
ファンタジー
ある日家族旅行に横浜に来ていた 鏑木雄一は怪異と出会う。 それは壮大な物語の始まりだった。 ハサン伝説の正統続編!

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

処理中です...