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第十一章 六道輪廻編

第79話 コロッセオ①

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「え?お嬢ちゃん、あんたが出るの?」

ステルトの街郊外にある
コロッセオの受付のおじさんが、驚く。

「おいおい。今回戦うのはアヤカシだぜ。
もし死んだらアヤカシになるよ?
それに『キングゴロリ』だよ?今回。」

キングゴロリ!?
あのキングゴロリか。

ゴロリはイモムシ型のアヤカシなんだけど、キングゴロリは体躯がゴロリの5倍はあって二本の角が特徴の強力なアヤカシ。

ちなみに、ゴロリは焼いたら美味しんだけどキングゴロリは、臭みとエグミが強くて美味しくない。

一度倒して浄化する前に食べてみたんだけど。一口で吐き捨てた。

しかもダンゴムシ状に丸まって突進してくるんだよな。

背中にトゲトゲがあるから、刺さったら痛いよ。

大丈夫かな?
ちょっと条件厳しすぎたか?

そうこう考えている矢先に

「やるよ!任して!」
フィットはおじさんに前のめりで参加を申請する。

「わ~ったよ。そしたら一応前哨戦で勝ったらキングゴロリだよ。分かったね。前哨戦はアヤカシじゃない。対人戦だから安心おし。はいっ次の方。」

☆★☆★☆★☆★☆★★☆

コロッセオの熱気が高くなる。

「皆様!長らくお待たせしましたぁ!
それではコロッセオ前哨戦始まります!」

一通り長い訓示と、領主の挨拶を終え、
いよいよコロッセオの開幕である。

歓声が上がる。

前哨戦第一試合は
北の剣士と言われている
『ガストン公爵』。

公爵自らがお出ましだ!
とアナウンスされたが、

北の剣士も、ガストン公爵も知らん(笑)。
誰だよ!

対するは、3000のアヤカシを屠ったと言われる伝説の娼婦プッシーキャッツ『レディ』。

妖艶な薄い透け透けのドレスで
ガストン公爵と対峙している。

ガストン公爵は剣に対し、
レディは扇子せんす

どうやって勝つのか?
娼婦?勝負になるの?

「始め!」
審判の号令で試合、いや死合が始まる。

負けを認めた敗者は親指を立てる。
それで死合は決まる。

鋭い居合で、ガストンは剣を抜く。

ところがレディは動かない。
レディの周りに蝶々が飛んでいく。

幻覚??

いや、本当に飛んでる。
蝶々の周りの空気がゆがんで見える。

鱗粉りんぷんによる幻覚か?

ガストンはフラフラしながら、
目は虚ろでヘラヘラしてる。

直ぐ様レディは扇子でガストンの頭をポンと叩く。

「なんだよ!あの攻撃」
「まともにやれー!」

そんな野次が飛んでくる。

レディはニヤリと笑いながら
きびすを返して闘技場の入り口に帰っていく。

すると、ガストンの脳天から血飛沫が上がり、ガストンの鼻からも鼻血が滴る。

笑いながらガストンは気を失う。

静寂に包まれた後、
「えー。この試合はガストン公爵の戦意喪失により勝者はレディ選手!!」

ウォォォウォォォ!!
怒号のような歓声と、

えー!?
みたいな驚嘆の声が交じる。

なんじゃこりゃ。
こんなんとフィットは勝てるの?

第2試合は、
女盗賊フィットだ。武器はナイフ。

結局ジンタンの回想でしか聞いてないから、フィットは強いのか弱いのか分からない。

対するは全身を巨大な甲冑とモーニングスターを振り回す戦士「ゴッサム」。

見るからに脳筋野郎。
マズイな。カワイイ顔に傷が付くんじゃないかな。

ちょっとやり過ぎかなと今更後悔。
最悪ヤバイ時は助けに入ろう。


「さあ!第2試合開始ィィ!」
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