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第七章 邪神の秘密を追え

第46話 盾と矛

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パサージュと激闘を演じる少し前の話に戻ろう。時系列は、ハナサカ村最後の夜の話。

さあ、温泉宿で英気を養った。
後はエギョマ跡地に旅立とうとした矢先、
シマジがぽつんと言った。

「ハデルさんとハサンさんは、
どちらが強いんですか?」

そうだなー。若いからハデルかな?
もうどちらが強いとか、弱いとか関係ないよ、俺達は聖騎士としてオンリーワンなんだからとシマジに言いかけた時、

「俺がハサンさんに負けるはずないでしょう。年もこちらが若いですしね。」
と言いのけやがるハデル。

その瞬間久々に熱くなった。

「こらこらハデルよ。人間の年齢はこのマーラでは何の指標にもならんぞ。
魂の力=ソウルパワーの強さだ」
ついつい売言葉に買い言葉、流せば良かったなと後で思い返したが丁度よい、

どちらが強いか勝負だ!

あまりフルパワーでやると村に被害が出てしまう。

村から、少し離れた笹原がある。
ここなら持ってこいだ。

「ハデルよ、真の聖騎士がどちらか教えてやんよ」
こめかみをピキピキさせながら印を組む。

「おっさん、いい年こいて無理すんなよ。引導を渡してやるよ。勝ったら俺をハデル様と呼べよ!」
負けじと印を組むハデル。

ウォぉッッッッッッ!!!!!


大地が揺らぐ。地響きと周囲の地場で小石やら土やらが地面から空中に舞う。

『ノウマクサーマンダー、バーサラダンセンダー、マーカロシャーナー、ソワタヤウンタラターカンマン!
降臨せよ!金剛夜叉明王神!』

大いなる光が当たりに満ち満ちる!
金剛夜叉明王が大降臨。

ハデルも白明の大いなる光を、携えて『貴皇帝』の鎧を呼び出す。

『ハァァーーー!聖騎士ハサンが理を持って命ずる!出でよ貴皇帝ィィィィッッ!』

貴皇帝は0.05秒で瞬着する。
ではそのプロセスをもう一度見てみよう。

灼熱のソウルパワーがハデルの心内でスパーク。増幅されたソウルパワーから貴皇帝のソウルスーツが0.05秒でハデルへ赤射瞬着されるのだ。

いくぞ!ハデル!

三鈷剣を構え最大の奥義をぶつける。

ハデルも、破邪の剣を構えて、
最大奥義の構えを見せる。

『ソウルブレード!』
二人の聖騎士の声が辺りに木霊する。

三鈷剣と破邪の剣は白炎を纏いながら、やがてその青白い炎は激しさを増す。

「ハデルダイナミック!」
「ハサンクラッシュ!」

大地を走り、雷光を携えながら
とてつもないエネルギーの衝撃波が互いに迫る!


ドッゴゴォォォォォォォォォォォン!!

お互いの真後ろにある山々が粉々に砕け散る。

砂煙が立ち込め二人の姿は見えなくなる。

どちらが立ってるのか?
下手したら大怪我、いや死んでるんじゃないか。

あんぐり見守るハサンとハデルの従者たち。

思わずシマジは、泣き叫ぶ。
「す、すいませんでした。親分たち!
もうやめてください!ちょっとした好奇心でした。すいません」

砂煙が収まると笹原が丸ごと二人の周囲から消えている。

笹原ごと浄化したのだ。

「やるじゃねーか!ハデル!
口だけだと思ってたよ。」

「ハサンさん。矢張り強ぇー!
胸を借りて良かったです!」

二人は何もなかったように肩を叩きながら笑い合っている。

怖っ!この人達に逆らうのはやめとこう。
一子相伝のポックントン神拳をマスターしたシマジでさえ恐怖を覚える圧倒的ソウルパワーを得た聖騎士二人の姿を垣間見た瞬間だった。

次回へ続く
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