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第七章 邪神の秘密を追え

第43話 束の間の休息を

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封印の洞窟とは暗示なだけであった。
暗示の力が、ここまでリアリティを持って
作用するのが魂の世界。

まんまと、魔将軍アスタロットの策略に踊らされていた。

ハデルはサマンサに問う。

何故、古代語の封印呪文が使えたのか?

古代語の封印呪文とは、
聖騎士ハデルが邪神アドヴァンの欠片である大魔司教ガリウスとの一戦で使った対邪神用の魔法である。

まさか?!

ハデルは思った。
蹂躙され壊滅したトッポイ国の首都エギョマの王女が行方不明だと聞いていた。

もしや?!と思った。

サマンサは、答える。

『私はトッポイ国の王女ミーシャです。
我が国は、邪神へ唯一対抗出来る封印呪文を継承する一族です。

よって魔王軍に、攻め込まれたのです。』

ミーシャ王女は腹心ドーマと共に落ち延び、やがてドーマが亡くなった後に剣士サマンサとして生きてきたのだった。

「何はともあれ皆無事で良かった。」
ハサンは労いの言葉をかける。

心底今回の戦いは、ギリギリの勝負だった。

そうだ!シローヌは?!
あの言葉が無ければ我々は全滅していた!

シローヌを、探す。
しかし、シローヌは影も形も見えなくなっていた。

いつか、しっかりお礼を言おう。
そして魔王を邪神を倒すのだと
心に誓うハサン。

ハナカサ村に辿り着き、
久方振りの温泉に浸かり、

そして夜は泥のように眠る
ハサンたちであった。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「疲れは直ぐに取れない。
だから、しばらく10日程休養日にしようと思う。
各人先ずは体を休ませ、
しっかり休息するように」

ハサンは朝食を食べ終わると、
皆に伝える。

ハサンとハデル一行は、別ルートで
シッポリ国の首都シケコムへ、向かう方針でいたが、休養が必要と言う点が一致した。

その間に、ハデルとハサンは召喚前の日本のことや、同じカブラギ姓であると言う事実に大変驚いた。

メリーは、呪文や薬草の採取と研究に、
ジンタンは瞑想と剣技の鍛錬に、
シマジも自らの拳の修行に、
セシアはハサンとこれからの事について

各人のハナカサ村での過ごし方が始まる。

ハナカサ村は、聖騎士が二人宿泊している希有な村だと近隣の噂になった。

数百年続く聖騎士対魔王の戦い、
本当に終止符が打てるのか?

新しい時代が来るのではないのか?!
とマーラの人々の期待も弾む。

かつて聖騎士は魔王を倒した者もいた。
ところが、魔王スマターは数年後には復活するのである。

聖騎士以外にも討伐隊が組まれたが、
生きて帰ってくる者は当然いなかった。

人の力では、超えられぬ人知の力を超えた魔王軍は圧倒的な力で討伐隊を、時には歴代の聖騎士を、退けたのである。

しかし、魔王スマターはどこにいるのか?

ヒントすら掴めていない状態。

ハサンは悩む。
本当に一体どこに奴はいるのか?

そして、邪神の存在。
邪神の欠片=邪神の分霊はマーラの世界に、
溶け込んで入る。

魔王を倒すとの、邪神を倒すのを並行して行わなければならない。

骨が折れる作業である。

「ハデル。お前は何か掴んでるか?
邪神や魔王の居場所は。」

ハサンはハデルに問う。

ハデルは言う。
「旧トッポイ国の首都エギョマの跡地に、
何か手がかりがあると思う」

確かに。王都の城跡には
何か文献などが残っているかもしれない。

先ずは予定通りではあるが、
エギョマ跡地に向かう。

そして、邪神や魔王を倒す
ヒントを得るのだ。
行先は決まった。

先ずはゆっくりと温泉に浸かって
色んなこと忘れようっと!

束の間の休息を楽しむ
ハサン達であった。
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