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第六章 邪神の欠片を旬滅せよ
第38話 人狼の正体②
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ひょんな事から人狼退治を依頼された
聖騎士ハサン一行。
この里の近くにある『封印の洞窟』に
人狼は魔力を封じて追い詰めたのだと言う。
しかし、それでも人狼のパワーは
計り知れないので
聖騎士の力を持って
呪われた力を浄化して欲しい
と言うのが里の人達の願いだという。
お安い御用!まかせとけよ。
三鈷剣の手入れをして、
今日は早くに寝よう!
呑気に宿で就寝している聖騎士一行。
しかし、その様子は逐一監視され報告される。
この里ごと魔王の掌であったのだ。
村長や村人、里へ出入りする人々も全て
アヤカシが化けていた。
全ては、ハサン一行を封印の洞窟に誘うため、
聖騎士抹殺を謀る
女魔将軍アスタロットの一計だった。
一方その魔将軍アスタロットは、
暗がりの洞窟の中にいる。
封印の洞窟である。
ここは特別な結界で聖騎士だけじゃなく、
召喚士や従者の能力も封印する。
篝火に照らされた、その奥には
縛られた半人半獣の男が
生き絶え絶えに横たわっていた。
そこには、何故かカントン国
シンセイ地方に向かった筈の獣化し
狼の姿をしたシマジが捕らえられていた。
そして、その奥には第二の聖騎士ハデルと
召喚士メリーと従者も捕らえられていた。
あの聖騎士ハデルが成す術もなく。
力は出せなかった。
元より捕まる前に
邪神アドヴァンの欠片である
大魔司教ガリウスを倒して、
余力が無いところを
魔将軍アスタロットに狙われた。
油断していた。
そして魔将軍アスタロットが
1枚も2枚も上手だったのである。
シマジは一子相伝である秘拳
『ポックントン神拳』
をマスターしている強者である。
しかし、獣化が解けないまま泡を吹いてる。
それほど気を失う程、大魔司教は強敵だった。
狙いうちにされた上にハサンに、
この事を告げる方法が無い。
ハデルは空いた穴があれば
入りたい心境だった。
恥ずかしすぎる。
今までデキる男だと思ってたし、
正直ハサンなんかいなくてと、
俺一人で魔王も邪神も倒せるんじゃね?
なーんて思ってた。
それに今、ハデルにはハサンには無い
聖騎士ハデルに伝わる
奥の手を会得したのである。
負けるはずない。そう思っていたし、
今でもその自信は揺るがない。
だが隙が出来た。
油断大敵なんてよく言ったもんで
最後の詰めが甘かったと悔やむ。
せめて、ハサンにこの洞窟が罠だと
伝えられれば……。
聖騎士ハデルは異世界マーラに来て
初めて泣いた。
自分の不甲斐なさでパーティすら
危険な目に合わせているのだ。
そして、この小さな油断が
この世界の理を変えるかもしれない
希望であるはずの聖騎士ハサンのパーティまで追い込むことになるとは。
く、クソ!
聖騎士同士の念話も封印の洞窟には
遮られてしまうのである。
どうにかしてハサンに、この窮地を
伝える方法は無いのか?
召喚獣は?
駄目だ。喋ることが出来ない。
しかも、封印で出せないだろう。
メリーとの念話は?
※メリー聞こえるか?
駄目だ。同じ空間にいても
念話が封印されている。
なんて強力な結界なんだ。
この結界を発生してるのはどこだ?
見当たらない。
結界を作っている『何か』がある筈なのに……。
無情にも時だけが過ぎていく。
聖騎士のピンチが訪れる。
次回へ続く
聖騎士ハサン一行。
この里の近くにある『封印の洞窟』に
人狼は魔力を封じて追い詰めたのだと言う。
しかし、それでも人狼のパワーは
計り知れないので
聖騎士の力を持って
呪われた力を浄化して欲しい
と言うのが里の人達の願いだという。
お安い御用!まかせとけよ。
三鈷剣の手入れをして、
今日は早くに寝よう!
呑気に宿で就寝している聖騎士一行。
しかし、その様子は逐一監視され報告される。
この里ごと魔王の掌であったのだ。
村長や村人、里へ出入りする人々も全て
アヤカシが化けていた。
全ては、ハサン一行を封印の洞窟に誘うため、
聖騎士抹殺を謀る
女魔将軍アスタロットの一計だった。
一方その魔将軍アスタロットは、
暗がりの洞窟の中にいる。
封印の洞窟である。
ここは特別な結界で聖騎士だけじゃなく、
召喚士や従者の能力も封印する。
篝火に照らされた、その奥には
縛られた半人半獣の男が
生き絶え絶えに横たわっていた。
そこには、何故かカントン国
シンセイ地方に向かった筈の獣化し
狼の姿をしたシマジが捕らえられていた。
そして、その奥には第二の聖騎士ハデルと
召喚士メリーと従者も捕らえられていた。
あの聖騎士ハデルが成す術もなく。
力は出せなかった。
元より捕まる前に
邪神アドヴァンの欠片である
大魔司教ガリウスを倒して、
余力が無いところを
魔将軍アスタロットに狙われた。
油断していた。
そして魔将軍アスタロットが
1枚も2枚も上手だったのである。
シマジは一子相伝である秘拳
『ポックントン神拳』
をマスターしている強者である。
しかし、獣化が解けないまま泡を吹いてる。
それほど気を失う程、大魔司教は強敵だった。
狙いうちにされた上にハサンに、
この事を告げる方法が無い。
ハデルは空いた穴があれば
入りたい心境だった。
恥ずかしすぎる。
今までデキる男だと思ってたし、
正直ハサンなんかいなくてと、
俺一人で魔王も邪神も倒せるんじゃね?
なーんて思ってた。
それに今、ハデルにはハサンには無い
聖騎士ハデルに伝わる
奥の手を会得したのである。
負けるはずない。そう思っていたし、
今でもその自信は揺るがない。
だが隙が出来た。
油断大敵なんてよく言ったもんで
最後の詰めが甘かったと悔やむ。
せめて、ハサンにこの洞窟が罠だと
伝えられれば……。
聖騎士ハデルは異世界マーラに来て
初めて泣いた。
自分の不甲斐なさでパーティすら
危険な目に合わせているのだ。
そして、この小さな油断が
この世界の理を変えるかもしれない
希望であるはずの聖騎士ハサンのパーティまで追い込むことになるとは。
く、クソ!
聖騎士同士の念話も封印の洞窟には
遮られてしまうのである。
どうにかしてハサンに、この窮地を
伝える方法は無いのか?
召喚獣は?
駄目だ。喋ることが出来ない。
しかも、封印で出せないだろう。
メリーとの念話は?
※メリー聞こえるか?
駄目だ。同じ空間にいても
念話が封印されている。
なんて強力な結界なんだ。
この結界を発生してるのはどこだ?
見当たらない。
結界を作っている『何か』がある筈なのに……。
無情にも時だけが過ぎていく。
聖騎士のピンチが訪れる。
次回へ続く
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