40 / 119
第六章 邪神の欠片を旬滅せよ
第38話 人狼の正体②
しおりを挟む
ひょんな事から人狼退治を依頼された
聖騎士ハサン一行。
この里の近くにある『封印の洞窟』に
人狼は魔力を封じて追い詰めたのだと言う。
しかし、それでも人狼のパワーは
計り知れないので
聖騎士の力を持って
呪われた力を浄化して欲しい
と言うのが里の人達の願いだという。
お安い御用!まかせとけよ。
三鈷剣の手入れをして、
今日は早くに寝よう!
呑気に宿で就寝している聖騎士一行。
しかし、その様子は逐一監視され報告される。
この里ごと魔王の掌であったのだ。
村長や村人、里へ出入りする人々も全て
アヤカシが化けていた。
全ては、ハサン一行を封印の洞窟に誘うため、
聖騎士抹殺を謀る
女魔将軍アスタロットの一計だった。
一方その魔将軍アスタロットは、
暗がりの洞窟の中にいる。
封印の洞窟である。
ここは特別な結界で聖騎士だけじゃなく、
召喚士や従者の能力も封印する。
篝火に照らされた、その奥には
縛られた半人半獣の男が
生き絶え絶えに横たわっていた。
そこには、何故かカントン国
シンセイ地方に向かった筈の獣化し
狼の姿をしたシマジが捕らえられていた。
そして、その奥には第二の聖騎士ハデルと
召喚士メリーと従者も捕らえられていた。
あの聖騎士ハデルが成す術もなく。
力は出せなかった。
元より捕まる前に
邪神アドヴァンの欠片である
大魔司教ガリウスを倒して、
余力が無いところを
魔将軍アスタロットに狙われた。
油断していた。
そして魔将軍アスタロットが
1枚も2枚も上手だったのである。
シマジは一子相伝である秘拳
『ポックントン神拳』
をマスターしている強者である。
しかし、獣化が解けないまま泡を吹いてる。
それほど気を失う程、大魔司教は強敵だった。
狙いうちにされた上にハサンに、
この事を告げる方法が無い。
ハデルは空いた穴があれば
入りたい心境だった。
恥ずかしすぎる。
今までデキる男だと思ってたし、
正直ハサンなんかいなくてと、
俺一人で魔王も邪神も倒せるんじゃね?
なーんて思ってた。
それに今、ハデルにはハサンには無い
聖騎士ハデルに伝わる
奥の手を会得したのである。
負けるはずない。そう思っていたし、
今でもその自信は揺るがない。
だが隙が出来た。
油断大敵なんてよく言ったもんで
最後の詰めが甘かったと悔やむ。
せめて、ハサンにこの洞窟が罠だと
伝えられれば……。
聖騎士ハデルは異世界マーラに来て
初めて泣いた。
自分の不甲斐なさでパーティすら
危険な目に合わせているのだ。
そして、この小さな油断が
この世界の理を変えるかもしれない
希望であるはずの聖騎士ハサンのパーティまで追い込むことになるとは。
く、クソ!
聖騎士同士の念話も封印の洞窟には
遮られてしまうのである。
どうにかしてハサンに、この窮地を
伝える方法は無いのか?
召喚獣は?
駄目だ。喋ることが出来ない。
しかも、封印で出せないだろう。
メリーとの念話は?
※メリー聞こえるか?
駄目だ。同じ空間にいても
念話が封印されている。
なんて強力な結界なんだ。
この結界を発生してるのはどこだ?
見当たらない。
結界を作っている『何か』がある筈なのに……。
無情にも時だけが過ぎていく。
聖騎士のピンチが訪れる。
次回へ続く
聖騎士ハサン一行。
この里の近くにある『封印の洞窟』に
人狼は魔力を封じて追い詰めたのだと言う。
しかし、それでも人狼のパワーは
計り知れないので
聖騎士の力を持って
呪われた力を浄化して欲しい
と言うのが里の人達の願いだという。
お安い御用!まかせとけよ。
三鈷剣の手入れをして、
今日は早くに寝よう!
呑気に宿で就寝している聖騎士一行。
しかし、その様子は逐一監視され報告される。
この里ごと魔王の掌であったのだ。
村長や村人、里へ出入りする人々も全て
アヤカシが化けていた。
全ては、ハサン一行を封印の洞窟に誘うため、
聖騎士抹殺を謀る
女魔将軍アスタロットの一計だった。
一方その魔将軍アスタロットは、
暗がりの洞窟の中にいる。
封印の洞窟である。
ここは特別な結界で聖騎士だけじゃなく、
召喚士や従者の能力も封印する。
篝火に照らされた、その奥には
縛られた半人半獣の男が
生き絶え絶えに横たわっていた。
そこには、何故かカントン国
シンセイ地方に向かった筈の獣化し
狼の姿をしたシマジが捕らえられていた。
そして、その奥には第二の聖騎士ハデルと
召喚士メリーと従者も捕らえられていた。
あの聖騎士ハデルが成す術もなく。
力は出せなかった。
元より捕まる前に
邪神アドヴァンの欠片である
大魔司教ガリウスを倒して、
余力が無いところを
魔将軍アスタロットに狙われた。
油断していた。
そして魔将軍アスタロットが
1枚も2枚も上手だったのである。
シマジは一子相伝である秘拳
『ポックントン神拳』
をマスターしている強者である。
しかし、獣化が解けないまま泡を吹いてる。
それほど気を失う程、大魔司教は強敵だった。
狙いうちにされた上にハサンに、
この事を告げる方法が無い。
ハデルは空いた穴があれば
入りたい心境だった。
恥ずかしすぎる。
今までデキる男だと思ってたし、
正直ハサンなんかいなくてと、
俺一人で魔王も邪神も倒せるんじゃね?
なーんて思ってた。
それに今、ハデルにはハサンには無い
聖騎士ハデルに伝わる
奥の手を会得したのである。
負けるはずない。そう思っていたし、
今でもその自信は揺るがない。
だが隙が出来た。
油断大敵なんてよく言ったもんで
最後の詰めが甘かったと悔やむ。
せめて、ハサンにこの洞窟が罠だと
伝えられれば……。
聖騎士ハデルは異世界マーラに来て
初めて泣いた。
自分の不甲斐なさでパーティすら
危険な目に合わせているのだ。
そして、この小さな油断が
この世界の理を変えるかもしれない
希望であるはずの聖騎士ハサンのパーティまで追い込むことになるとは。
く、クソ!
聖騎士同士の念話も封印の洞窟には
遮られてしまうのである。
どうにかしてハサンに、この窮地を
伝える方法は無いのか?
召喚獣は?
駄目だ。喋ることが出来ない。
しかも、封印で出せないだろう。
メリーとの念話は?
※メリー聞こえるか?
駄目だ。同じ空間にいても
念話が封印されている。
なんて強力な結界なんだ。
この結界を発生してるのはどこだ?
見当たらない。
結界を作っている『何か』がある筈なのに……。
無情にも時だけが過ぎていく。
聖騎士のピンチが訪れる。
次回へ続く
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
女神様の使い、5歳からやってます
めのめむし
ファンタジー
小桜美羽は5歳の幼女。辛い境遇の中でも、最愛の母親と妹と共に明るく生きていたが、ある日母を事故で失い、父親に放置されてしまう。絶望の淵で餓死寸前だった美羽は、異世界の女神レスフィーナに救われる。
「あなたには私の世界で生きる力を身につけやすくするから、それを使って楽しく生きなさい。それで……私のお友達になってちょうだい」
女神から神気の力を授かった美羽は、女神と同じ色の桜色の髪と瞳を手に入れ、魔法生物のきんちゃんと共に新たな世界での冒険に旅立つ。しかし、転移先で男性が襲われているのを目の当たりにし、街がゴブリンの集団に襲われていることに気づく。「大人の男……怖い」と呟きながらも、ゴブリンと戦うか、逃げるか——。いきなり厳しい世界に送られた美羽の運命はいかに?
優しさと試練が待ち受ける、幼い少女の異世界ファンタジー、開幕!
基本、ほのぼの系ですので進行は遅いですが、着実に進んでいきます。
戦闘描写ばかり望む方はご注意ください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
転移したら女神さまと暮らすことになった件
月城 夕実
ファンタジー
僕は立河颯太15歳だ。学校の帰り道、突然異世界召喚される。女神に心配されしばらく一緒に暮らすことになった。冒険者ギルドで少女と知り合い、一緒のパーティを組むことになる。彼女は鑑定スキル持ちで僕が異世界転移者だとバレてしまって・・・。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる