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第四章 トホカミエミタメ
第21話 魔獣ヒババンゴ
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マヨールの街、冒険者ギルド。
ここはミャーギ地方の歴戦の猛者が集まる
洗練されたギルドで名高い。
ギルドマスターのタンレンは言う。
「何の用だ?」
歳の功は50代前半といったところか?
昔は冒険者で名を轟かせた
と言われる鋭い眼光。
厳つい筋肉の盛り上がりと幾多の傷跡が、
歴戦の勇士であると物語っている。
「魔獣ヒババンゴを征伐する。
冒険者を募りたい」
セシアはタンレンに
掴みかかるように申し出る。
タンレンの目の奥で眼光がキラリと光る。
しかしタンレンの様相とは反面、
ヒババンゴの名を聞いた途端、
周囲の冒険者の会話がピタッと止む。
そして、タンレンとセシアのやり取りを、
聞き耳を立てて伺っている。
その沈黙を破り、一人の冒険者がセシアを口汚く罵る。
「魔獣ヒババンゴなんて勝てっこねぇだろ!
お前はバカか。ここいらの冒険者で、魔獣ヒババンゴとやり合う命知らずはいねーよ!」
魔獣ヒババンゴと云えば、
悪名高く、村や里から女だけを攫い、
手籠にされた挙げ句
喰われるという噂で持ちきりだった。
魔獣ヒババンゴの性欲は、
途方も無く朝も昼も夜も性交に明け暮れて、
何度射精しても数秒後にまた復活、
失神したら最期。
失神した後は、腸を出されて
喰われるというので、女冒険者は当然だが、
男も怖がって誰も討伐に行かない。
何故かと言うと、男は肛門に挿入するという。
穴ぼこなら何でもいいと言わんばかりで、
お尻は血だらけになり、
腹から陰茎が突き破るのだと噂だ。
それだけではなく、飽きたら棒で肛門から串刺にすると、専らの噂も出たからだ。
村人の中では串刺しの頭蓋
を見た者もいると言われている。
聖獣ならぬ性獣ヒババンゴ。
当然ながら、誰も手を挙げる者はいない。
そりゃそうだ。
そんな噂のある野獣に立ち向かう
命知らずは皆無だった。
「我は聖騎士ハサンの召喚者セシアである。
聖騎士は必ず復活を遂げる!
聖騎士に同行するという剛の者はいないか!」
堪らずセシアも叫ぶ。
冒険者達はブツブツ言いながら、
時にはお尻を押さえながらセシアから視線を外す。
「聖騎士は死んだんだよ!」
「そもそも聖騎士が弱いからだろ!」
どこからともなく野次が飛ぶ。
「くっ。こうなったらアタイ一人で行くしかない。
根性無しが!」
ここには、酒で暇を弄ぶしか能が無い輩しかいない。
出直しだ!
ギルドの扉を開けた矢先、
後ろからタンレンが声をかけた。
「姉ちゃん、あんた根性あるな。
見直したよ。魔獣ヒババンゴに立ち向かうとはね。
俺は行けねえが、息子を共に付けよう」
タンレンの後ろから華奢な男が、
オドオドしながら前へ出る。
「初めまして。私はジンタン。
これでも、剣士です。
聖騎士様の従者セシア様に
同行できるなんて光栄です。
宜しくお願い致します!」
おいおい、こんな細い体で
どこまでやれんの?
セシアは尋ねる。
「大丈夫なのか?タンレン。
なんか頼りないぞ」
タンレンは言った。
「俺の剣捌きは全て伝受してるよ。
こいつは天才だ。大丈夫。」
ほんとかよー。
最悪、こいつの肛門に棒を刺されてる間に
三鈷剣を持ってずらかろうなんて
とってもコスい事を考えるセシア。
「それでは、明日討伐に向かう。
今日は宿に早く帰って寝るぞ。
そして朝作戦会議だ」
いよいよハサン復活は近い。
そして、その高い壁に
魔獣ヒババンゴとの対決があった。
次回へ続く
ここはミャーギ地方の歴戦の猛者が集まる
洗練されたギルドで名高い。
ギルドマスターのタンレンは言う。
「何の用だ?」
歳の功は50代前半といったところか?
昔は冒険者で名を轟かせた
と言われる鋭い眼光。
厳つい筋肉の盛り上がりと幾多の傷跡が、
歴戦の勇士であると物語っている。
「魔獣ヒババンゴを征伐する。
冒険者を募りたい」
セシアはタンレンに
掴みかかるように申し出る。
タンレンの目の奥で眼光がキラリと光る。
しかしタンレンの様相とは反面、
ヒババンゴの名を聞いた途端、
周囲の冒険者の会話がピタッと止む。
そして、タンレンとセシアのやり取りを、
聞き耳を立てて伺っている。
その沈黙を破り、一人の冒険者がセシアを口汚く罵る。
「魔獣ヒババンゴなんて勝てっこねぇだろ!
お前はバカか。ここいらの冒険者で、魔獣ヒババンゴとやり合う命知らずはいねーよ!」
魔獣ヒババンゴと云えば、
悪名高く、村や里から女だけを攫い、
手籠にされた挙げ句
喰われるという噂で持ちきりだった。
魔獣ヒババンゴの性欲は、
途方も無く朝も昼も夜も性交に明け暮れて、
何度射精しても数秒後にまた復活、
失神したら最期。
失神した後は、腸を出されて
喰われるというので、女冒険者は当然だが、
男も怖がって誰も討伐に行かない。
何故かと言うと、男は肛門に挿入するという。
穴ぼこなら何でもいいと言わんばかりで、
お尻は血だらけになり、
腹から陰茎が突き破るのだと噂だ。
それだけではなく、飽きたら棒で肛門から串刺にすると、専らの噂も出たからだ。
村人の中では串刺しの頭蓋
を見た者もいると言われている。
聖獣ならぬ性獣ヒババンゴ。
当然ながら、誰も手を挙げる者はいない。
そりゃそうだ。
そんな噂のある野獣に立ち向かう
命知らずは皆無だった。
「我は聖騎士ハサンの召喚者セシアである。
聖騎士は必ず復活を遂げる!
聖騎士に同行するという剛の者はいないか!」
堪らずセシアも叫ぶ。
冒険者達はブツブツ言いながら、
時にはお尻を押さえながらセシアから視線を外す。
「聖騎士は死んだんだよ!」
「そもそも聖騎士が弱いからだろ!」
どこからともなく野次が飛ぶ。
「くっ。こうなったらアタイ一人で行くしかない。
根性無しが!」
ここには、酒で暇を弄ぶしか能が無い輩しかいない。
出直しだ!
ギルドの扉を開けた矢先、
後ろからタンレンが声をかけた。
「姉ちゃん、あんた根性あるな。
見直したよ。魔獣ヒババンゴに立ち向かうとはね。
俺は行けねえが、息子を共に付けよう」
タンレンの後ろから華奢な男が、
オドオドしながら前へ出る。
「初めまして。私はジンタン。
これでも、剣士です。
聖騎士様の従者セシア様に
同行できるなんて光栄です。
宜しくお願い致します!」
おいおい、こんな細い体で
どこまでやれんの?
セシアは尋ねる。
「大丈夫なのか?タンレン。
なんか頼りないぞ」
タンレンは言った。
「俺の剣捌きは全て伝受してるよ。
こいつは天才だ。大丈夫。」
ほんとかよー。
最悪、こいつの肛門に棒を刺されてる間に
三鈷剣を持ってずらかろうなんて
とってもコスい事を考えるセシア。
「それでは、明日討伐に向かう。
今日は宿に早く帰って寝るぞ。
そして朝作戦会議だ」
いよいよハサン復活は近い。
そして、その高い壁に
魔獣ヒババンゴとの対決があった。
次回へ続く
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