15 / 119
第三章 聖騎士ハデル
第14話 あたりめじゃねーからな!
しおりを挟む
「パパ?なんか、あたりめの臭いがする」
ついついエロい動画で一発抜いた後に、
子供とお風呂に入った時に言われたセリフ。
え?おかしいな。
なんてしどろもどろになった記憶を思い出した。
あー、もう娘に会えないのかな?
もっと色々楽しい思い出がある筈なのに、
なんで「あたりめ」のエピソード?
もっとあんだろー苦笑
薄れゆく意識の中で、
あー俺は死ぬんだ。
そう思った。
ハサンと魔将軍ザンが死闘を繰り広げている頃、
二人目の聖騎士が召喚されようとしていた。
冠城 武徳35歳。
大手ゼネコンに勤める若きビジネスパーソン。
武徳は、後輩と後輩の彼女と歩いているところに
暴漢に襲われ死んだ。
彼の魂は死して逝くべき場所に行く筈だった。
その時、刻の理を曲げて世界が開ける。
混沌の闇を抜けて、
マーラの世界へまた一人の
聖騎士が召喚された。
被召喚者の名はハサンではなく、ハデル。
元来、同じ時代に二人と生まれ出ることは無い。
がしかし、何の因果か、はたまた奇跡なのか?
聖騎士が又陰我の下に誕生したのである。
召喚者は首長族のメリー。
メリーも又陰我の下にミスを冒した。
武徳も又、凝流同様に『自己破産』していなかった。
聖騎士の三要素の内一つでも欠けていれば、
聖騎士として召喚されないのが通例の筈。
ところが、武徳のパターンも同じく
聖騎士として召喚されたのであった。
しかし、神の摂理に反した見返りとして、
神の雷をセシア同様にメリーは受け、
自慢の長首は短くなった。
首が短いのは美の欠落。
(とはいえ、ぱっと見超美人になった)
しかしメリーの心は折れなかった。
何故二人目の聖騎士が召喚できたのかを
肌で知っていたから。
一人目の聖騎士ハサンが、
召喚した『この今』死んだのである。
「一人目の聖騎士が死んだ。
アヤカシを根絶やしにするには、私がやるしかない」
メリーも又両親を、首長族の里をアヤカシによって殺されていた。
幼いメリーは、生きるために何でもしてきた。
絵描き、靴磨き、洗濯屋、盗人、
立ちんぼ、サクラ、打ち子……。
殺し以外は何でもやった。
売春宿に売られたメリーが、数年後に客として知り合ったのが賢者パティーンだった。
賢者が売春宿に行くのかって?
賢者だろうが人の子だろう。
溜まるものは溜まるのさね。
(しかし、首長族の彼女は需要が無かったのでずっと
バックヤードで雑務だった)
バックヤードにいたにも関わらず、
パティーンはメリーを見つけた。
そして客としてではなく話し相手として
メリーをいつも指名した。
パティーンはメリーと出会うために、
その宿に通っていたのだ。
賢者パティーンに身請けされたメリーは、
パティーンの元で一通り魔法を修行し覚えた。
そして世界の理と秘伝とされた聖騎士の召喚術さえも会得したのである。
パティーンは晩年、メリーにこう言い遺しこの世を去った。
『7の年に災いと聖騎士が召喚される。
お前が2の月の3の日に聖騎士を召喚するのだ。百年に一度の聖騎士が二人召喚される年。呪いと災に満ちたアヤカシの陰我を屠るのは、二人の聖騎士だ』
でも、聖騎士ハサンは死んだ。
元来、次の聖騎士もハサンと呼ばれる筈。
しかし、初代聖騎士ハサンの従者であり、
実の弟であったハデルの名を武徳に与えたのである。
ハサンと違い、武徳は35歳。
世間一般では35歳はオジサンかもしれないが、45歳以上の人間から言わせたらまだまだ若い。
メキメキと剣術や魔法も覚え、名を成していくのである。
次回へ続く
ついついエロい動画で一発抜いた後に、
子供とお風呂に入った時に言われたセリフ。
え?おかしいな。
なんてしどろもどろになった記憶を思い出した。
あー、もう娘に会えないのかな?
もっと色々楽しい思い出がある筈なのに、
なんで「あたりめ」のエピソード?
もっとあんだろー苦笑
薄れゆく意識の中で、
あー俺は死ぬんだ。
そう思った。
ハサンと魔将軍ザンが死闘を繰り広げている頃、
二人目の聖騎士が召喚されようとしていた。
冠城 武徳35歳。
大手ゼネコンに勤める若きビジネスパーソン。
武徳は、後輩と後輩の彼女と歩いているところに
暴漢に襲われ死んだ。
彼の魂は死して逝くべき場所に行く筈だった。
その時、刻の理を曲げて世界が開ける。
混沌の闇を抜けて、
マーラの世界へまた一人の
聖騎士が召喚された。
被召喚者の名はハサンではなく、ハデル。
元来、同じ時代に二人と生まれ出ることは無い。
がしかし、何の因果か、はたまた奇跡なのか?
聖騎士が又陰我の下に誕生したのである。
召喚者は首長族のメリー。
メリーも又陰我の下にミスを冒した。
武徳も又、凝流同様に『自己破産』していなかった。
聖騎士の三要素の内一つでも欠けていれば、
聖騎士として召喚されないのが通例の筈。
ところが、武徳のパターンも同じく
聖騎士として召喚されたのであった。
しかし、神の摂理に反した見返りとして、
神の雷をセシア同様にメリーは受け、
自慢の長首は短くなった。
首が短いのは美の欠落。
(とはいえ、ぱっと見超美人になった)
しかしメリーの心は折れなかった。
何故二人目の聖騎士が召喚できたのかを
肌で知っていたから。
一人目の聖騎士ハサンが、
召喚した『この今』死んだのである。
「一人目の聖騎士が死んだ。
アヤカシを根絶やしにするには、私がやるしかない」
メリーも又両親を、首長族の里をアヤカシによって殺されていた。
幼いメリーは、生きるために何でもしてきた。
絵描き、靴磨き、洗濯屋、盗人、
立ちんぼ、サクラ、打ち子……。
殺し以外は何でもやった。
売春宿に売られたメリーが、数年後に客として知り合ったのが賢者パティーンだった。
賢者が売春宿に行くのかって?
賢者だろうが人の子だろう。
溜まるものは溜まるのさね。
(しかし、首長族の彼女は需要が無かったのでずっと
バックヤードで雑務だった)
バックヤードにいたにも関わらず、
パティーンはメリーを見つけた。
そして客としてではなく話し相手として
メリーをいつも指名した。
パティーンはメリーと出会うために、
その宿に通っていたのだ。
賢者パティーンに身請けされたメリーは、
パティーンの元で一通り魔法を修行し覚えた。
そして世界の理と秘伝とされた聖騎士の召喚術さえも会得したのである。
パティーンは晩年、メリーにこう言い遺しこの世を去った。
『7の年に災いと聖騎士が召喚される。
お前が2の月の3の日に聖騎士を召喚するのだ。百年に一度の聖騎士が二人召喚される年。呪いと災に満ちたアヤカシの陰我を屠るのは、二人の聖騎士だ』
でも、聖騎士ハサンは死んだ。
元来、次の聖騎士もハサンと呼ばれる筈。
しかし、初代聖騎士ハサンの従者であり、
実の弟であったハデルの名を武徳に与えたのである。
ハサンと違い、武徳は35歳。
世間一般では35歳はオジサンかもしれないが、45歳以上の人間から言わせたらまだまだ若い。
メキメキと剣術や魔法も覚え、名を成していくのである。
次回へ続く
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
魔石と神器の物語 ~アイテムショップの美人姉妹は、史上最強の助っ人です!~
エール
ファンタジー
古代遺跡群攻略都市「イフカ」を訪れた新進気鋭の若き冒険者(ハンター)、ライナス。
彼が立ち寄った「魔法堂 白銀の翼」は、一風変わったアイテムを扱う魔道具専門店だった。
経営者は若い美人姉妹。
妹は自ら作成したアイテムを冒険の実践にて試用する、才能溢れる魔道具製作者。
そして姉の正体は、特定冒険者と契約を交わし、召喚獣として戦う闇の狂戦士だった。
最高純度の「超魔石」と「充魔石」を体内に埋め込まれた不死属性の彼女は、呪われし武具を纏い、補充用の魔石を求めて戦場に向かう。いつの日か、「人間」に戻ることを夢見て――。
【明けぬ獄夜に縋る糸】~少女の愛が届かない 異世界と繋がる現代暗躍復讐譚~
三十三太郎
ファンタジー
10月31日 23:00 虹のように光る流星が夜空に流れる。異世界との世界間接続魔法による魔力流入の光を、人々が流星と錯覚したのだ。こうして異世界と繋がった平行世界の日本にて、魔法により居場所を得た男、墨谷七郎。仲間、かけがえのない友、その全てをある長い夜の中失ってしまう。後悔と憎悪を引きずりながら、狂気的な方法で失ったモノを取り戻そうとする七郎。その彼を慕う少女や彼に許しを請う者、彼女達が突き放され「もう手遅れだった。愛されない。許されない」と理解させられてゆく。明けない夜の中、幽かな光に縋りついた男の物語。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる