47歳のおじさんが異世界に召喚されたら不動明王に化身して感謝力で無双しまくっちゃう件!

のんたろう

文字の大きさ
上 下
4 / 119
第一章 異世界マーラへようこそ

第3話 聖騎士の条件

しおりを挟む
どうやら、英雄ハサンは
何度か召喚されているらしい。

って事は私は何代か目の
『ハサン』という事になる。

セシアはこう続けた。
「ハサンとして召喚されるのには
条件があるんです。」

ハサンとして召喚されるには、
●自己破産している
●歯が出ている
●アレルギー性鼻炎だ

という特徴を兼ね備えていなければならない
のだという。

なんで?
出っ歯?
自己破産?
アレルギー?

おおよそネガティブな理由だよな。
これって特徴?

それよりさ!
ちょ、ちょ待てよ。
歯が出ているのと、アレルギー性鼻炎は
当てはまっているけど、
自己破産はしてないぞ!

借金を作ったが払っていないだけ。
踏み倒してるだけ。
自己破産はしていない。

私はセシアにこの事を告げた。
すると彼女は取り乱し、
「失敗だ!私は何て事をしたのだ!」
と錯乱したかのように泣き叫んだ。

どうやら、条件に合わない魂を召喚した場合、
神の摂理に背くとの事で、
召喚者に大きな罰が当たると言われている。

それが理由で、
ここまで取り乱しているとのこと。

神の摂理に反するバツとは何だろう?
ちょっとこちらも恐ろしくなってきた。

この事は冷静を取り戻したセシアに
後日談として、聞かされるのだが、
その時の私は知る由もなかったのである。

ただ、ただ、セシアの激情を
収まるのが過ぎるのを待つことしか出来なかった。

※※※※※※※※※※※※※※※※
数分だろうか?
物凄い時間たったかに思えたよね。

急にだよ、急に、

ドーーーーーーーン!!!!!

雷雲が轟き、黒雲が立ち込め、
その瞬間!

稲妻なのか、光なのか、
青い光がセシアの全身を貫いた。

うぉ!
びっくりして思わず、目を伏せた。

一方、ミャーギ地方の領主であり、
王都センダーの王カンデンブルグ8世は、
オーサキ村の召喚について
動きを掴みつつあった。

直ぐ様、影(※忍びのような役割)
を呼び出し、聖騎士と召喚者を
見張るように命ずる。

カンデンブルグは呟く。

「己、聖騎士の好きなようにはさせぬ」

その額には脂汗がじんわりと滲んでいた。

影は走る。オーサキ村まで
100キロの道のりを。

転移魔法を使えば、一瞬で移動できるが、
転移魔法では魔法力の動きを
悟られる可能性がある。

影である彼女は、右手と左手を
左右に広げて「キーーン」と叫んだ。

すると、超音速で砂埃を巻き上げながら、
超スピードが出るのであった。

モクモク、モクモク。

これだけ砂埃を巻き上げれば、
誰が誰やら気付かれない。

忍びである彼女の18番、キーンの術。
あと30分もあれば着いてしまうだろう。

しかし、またあの戦乱の世が来るのか。
耐え難きを耐えてきたあの時代に逆戻りか。

影=シローネは肩を落としながら、
腕を上げて走るのだった。
聖騎士を見張る、場合によっては消すことも
視野に入れながら。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
どれくらい時が過ぎたろう。

セシアは青い光に打たれて気を失っていた。

アタイは誰?
ここはどこ?

心配そうに見つめるハサン。
「だ、大丈夫?」

「聖騎士殿! これは!」
爽やかな風がセシアの頬を撫でる。

今は農作物の収穫の時期、
パンレン(梨のような)の薫りが
微かに鼻孔をくすぐる。

あー、いい匂い。
まだハッキリとしない意志が朦朧とした状態で、
パンレンの微かな匂いと、
爽やかな春風を感じていた瞬間に、
違和感に気付いた。

な、ない!
アタイの鼻が!

そう。セシアの立派な長鼻は
人の物と遜色ないくらいに縮んでいた。

セシアは理解した。
神の摂理に反したのだと。
これがバチであると。

聖騎士召喚の3つの条件は
①アレルギー性鼻炎がある
②歯が出ている
③破産者である

というのが条件だ。
アレルギーがあるというのは精霊たる
スピリットによく反応していること。

歯が出ているのは、口呼吸であり
ガイア(大地)の息吹を
ダイレクトに受けていること。

自己破産するほどに、
欲求が強く理性を捨てれること。

この三要素が必須であり、
術者である召喚者は
聖騎士を意のままに操り
服従させるのが可能だった。

しかし、凝流は自己破産はしていなかった。
つまり、三要素の条件が崩れたのだ。

その為、術の反作用にて
術者が一番恐れている事実を
体現してしまった。

これを神の摂理に反したと
彼女は言うのである。

セシアは泣いた。
声を上げて泣いた。

いつも、こうだ。
大事ときこそシクッちまう。

アタイっていつもダメダメだー。
ストレスでお腹がゴロゴロ言った。

豊満な体付きだからなのか、
ハサンは思う。
ちょっとエロいな。

ゴロゴロ……。
お腹なのか、雷雲なのか。

次回へ続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

(仮)鏑木雄一の異世界マーラ放浪記〜新説ハサンの実〜

のんたろう
ファンタジー
ある日家族旅行に横浜に来ていた 鏑木雄一は怪異と出会う。 それは壮大な物語の始まりだった。 ハサン伝説の正統続編!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...