47歳のおじさんが異世界に召喚されたら不動明王に化身して感謝力で無双しまくっちゃう件!

のんたろう

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第一章 異世界マーラへようこそ

序章 異世界召喚

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『ノウマクサンマンダー、
バーザラダンセンダー、マーカロシャーダー、
ソワタヤウンタラターカンマン!!

出でよ!不動明王神大降臨!
大いなる慈悲で、彼の者を滅せよ!』
大いなる光が全てを照らす。

不動明王神に化身した聖騎士ハサンが、
魔王と対峙する。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「今日も仕事だ。」

毎日憂鬱の日々。13年毎日毎日同じ日々。
子供達を学校へ送り出し、皿を洗い、
洗濯して、洗濯物を畳む日々。

嫁は「四の五の言う暇があれば
皿を一枚でも多く洗え」
と責立てる。

私の名は『鏑木かぶらぎ 凝流しこる』。
47歳。二次の父である。

遅番出勤なので、昼はゆっくり目の出勤
なのだが夜が遅い。
帰りはいつも午前様なのである。

サラリーマンで終わりたくない、
私は億万長者になって世間を

あっと言わせるんだ!
なんて考えは20代のうちに捨てた。

65歳まで働くのだ。
公的年金を心から信頼するのだ。

それまでに、本業だけでなく、
動画投稿などの副業も始めた。
最近では余暇を利用して、
小説まで投稿し始めた。

副業は月10万円を、目標だ。

実は動画投稿は一時期軌道に乗っていた。
世界中で一つの動画が視聴されたのだ。

正に奇跡。

動画再生回数は1億回を超えて、
奇跡の動画人などと言われたりもしたもんだ。

月の収益は多い時で30万を超えた。
私は有頂天だった。

関東一円の高級ホテルを泊まりまくったりした。

ところが、その有頂天ホテルは
長くは続かなかった。
米国の法律が変わり、
一気に収益は1/100に冷え込んだのだ。

しかし、私は焦らなかった。

『どうせ水物なんだから、
無くなったら、その時はその時なんだ』

若い頃ならば、焦って無駄なこともしたろう。
狼狽して、もしかしたら
自暴自棄になったかもしれない。

しかし、これには私の47年間の
学びが活かされているとも言える。

『全てにYESと言おう』

これは先の大戦で悪名高い
某収容所を生き抜いた精神科医の言葉である。

全肯定の極意と私は呼んでいる。
これがなかったら流石に当てにしていた収入が、
これだけ減ったんだから、凹んだことだろう。

この全肯定の極意は
後にも生きてくるのだった。

時を戻そう。

いつも通り、私は最寄りの駅から
会社へ向かう。
それは、何気ない、そう、
いつもの日の通勤の光景の筈だった。

「いやー!」

けたたましい悲鳴が聞こえた。
隣の車両からだ。

そこには、倒れた女性と
サラリーマンらしき男性が
うつ伏せで倒れていた。

その腹部からは真っ赤な血が染み渡っていた。

ゆっくりと男は近づいてくる。
身の丈2メートルはあろう大男。

車内はパニックとなった。

「だせー!」
「緊急停止だ」
「あいつを取り押さえろ」

次々と残りの乗客が、
こちらの車両に押し寄せてくる。

な、なんだよこれ。
ドラマや漫画や小説の世界でしか
見たこともない光景が、今眼の前でリアルに広がっていた。

怒号とも、叫びとも似た阿鼻叫喚あびきょうかん……。

う、う、うぁぁー!
私も焦り、奴に背中を向けて走り出す。

その瞬間、
い、いでぇ!いでぇ!
背中に一瞬熱いモノを感じた。

直ぐに私は理解した。
刺されたのだ。

あ、あぁ。子供達はまだ小さい。
嫁は一人でどうこの世界を生きるのか。

私はまだ死ねない。
あぁ、神様。私の命をまだ消さないで……。

どれくらい時間が経ったのだろうか。
混沌とした暗闇の世界。

永遠と思える暗い世界から
温かな光の調和の世界が見えた。

死んだんだな。
そうか。呆気なかったな。

再びお酒でも飲んだかのような
ボーっとした状態となり、
やがてだんだん眠くなってきた。

薄れゆく意識のなか

「起きて」
「おじさん、起きて」

誰かの声が聞こえた。
聞覚えのあるような、無いような
そんな声に呼応するかのように
私は目を覚ました。

そこは広大な平原。
その平原にある一本の樺の木。

そこで私は目を覚ました。
そして、私を起こす女性こそ、
運命を変えたセシアとの出会いだった。

次回へ続く


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
【あとがき】
アルファポリスの皆様
のんたろうです。
どうぞ古い感じの
ファンタジーとは思いますが
好きなように記していきます。

どうぞ末永く宜しく
お願い致します
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