13歳の狼族の獣人シマジは聖騎士ハサンの従者になりたい!

のんたろう

文字の大きさ
上 下
6 / 11

御陀仏

しおりを挟む
ポックントン拳は一子相伝の秘拳が故に
前伝承者は記憶を奪わるか、
拳を破壊される非情の歴史があった。

シマジの父は自らの結婚により、
師匠であるプロットの元を去った。

形式上は破門である。 
ポックントン拳を名乗ることは出来ず、
当然息子にも伝承は出来ない。

プロットは、敢えてシマジに
討たれる事を望んだ。

な、何でだよ。
お師さん!

もっと俺を導いてくれよ!

お師さんは既に事切れていたが、
その顔は安らかで
穏やかな笑みを浮かべていた。

プロットには身寄りは無く、
プロットの家の裏に埋葬することにした。

「お師さんが好きだった
クロハコベを一輪置いていくよ。
ありがとう。お師さん。」

シマジは、祈る。
プロットは5次元に導かれるように
昇華し天に召されただろう。

先ずはプロットは、ミャーギ地方ではなく、
南下してカントン国の
シンセイ地方に向かうことにした。

理由は、第二の聖騎士ハデルに
会うためである。

ハサン死亡後に、第二の聖騎士召喚の報が届いた。ハサンが死んで直ぐに?

何か陰謀めいた物も感じたが、
とにかくハデルに会おう、
そして従者に加えてもらおうと思ったのだ。

道中、アヤカシを沢山倒した。
以前とは違う、流れるような
『体(たい)』で敵の気(オド)を読む。

空中技はポックントン拳の真価。
バットンやバーチといった空飛ぶ
アヤカシも拳で粉砕していく。

ポックントン拳はただ破壊するのではない。
その拳に自らの神を宿すのである。

つまり、浄化であり、ハサン達聖騎士の武器に宿る波動や化身の術と同じ効果なのだ。

生前プロットは諭すように話す。

アヤカシは破壊ではない。
元はマーラの人の悲しい魂である。
愛を拳に宿すのだと。

ポックントン拳の使い手は拳に波動を宿す。
その手は青白く光る事から
神拳とも言われる。

ポックントン神拳と言われる所以なのである。

必ず、アヤカシと対峙するときに
シマジはこう言い放つ。

『今日がお前の命日だ。御陀仏!』

シマジが殴ると、アヤカシは笑顔と涙を浮かべて天に召されるのだ。

バットンを頭から『バコッ』
目が飛び出るも笑いながら浄化される。

ドテチンを横から『バキッ』
目が飛び出て口から血を吐くも
笑いながら浄化される。

レオナルドの顎を『ドカッ』と
アッパーカットすると、
やっぱり目が飛び出るも
笑いながら昇華し天国へ。

一つ目タイタンの頭を両手で『ドゴン!』
一つ目が飛び出ちゃうけど、
やっぱり笑顔で天国へ。

シンセイ地方に渡る頃には、
シマジのレベルは15になっていた。

シマジは武闘家なので魔法は覚えないのだが、
点穴や気の流れを読むことで、
体力増加、気力回復、傷口を塞ぐなどの
特技を身に着けることが出来た。

そう云えば、風の噂で、ハデルと言う別の聖騎士が召喚したみたい。

ハデルはカントン国にいるみたいなので、
会いに行ってみよう。

運命は刻々と動き出していく。

次回へ続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

処理中です...