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第四章 ハンター
4-20 パーティ
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「私はノクト地方のリラ出身で、ゲイルと言います」
この先に少し広い場所があるというので、行き倒れの男とともにゼフたちは移動した。そこでゲイルと名乗った男は、簡単な自己紹介をして、ハンターカードを差し出した。
ノクト地方は、鉱山都市の北の僻地、緑豊かな農村部である。リラというのは村の名前か、その土地を預かる長の家名だろう。
セインはなにか記憶の端に引っかかった気がしたが、すぐにゼフが話し出したので、そちらに意識を戻した。
「……ビギナー? 登録日からするとハンターになったばかりだな。それなのに、こんな階層まで一人で来たというのか?」
「あ、いえ……銀ランクのブルシュパーティに運よく入れてもらえまして。私は手先が器用なので、道具の整備や、札などの荷物の管理をさせてもらっていました」
確認したギルドのカードを返そうとして、ゼフは一度手を止めた。
「ん? まて、ブルシュと言ったか?」
「は、はい。その通りです」
ゼフは、腰ベルトにくくりつけているきんちゃく袋から、小さく折りたたんだメモを取り出した。
「銀ランクパーティ、リーダーブルシュ。他、マレ、ペイジ、ジョナスン……」
「あ、その通りです。そのブルシュさんのパーティに……」
「今回の捜索クエストは、そのブルシュから受けたものだ」
頷くゲイルに、しかしゼフは被せるように続けた。
「帰還予定を過ぎた場合、その三日後にクエストが有効となる。内容は、パーティの捜索及び、万一の場合は救出活動、また死亡の場合は遺品回収。ギルド預かりを含めパーティ資産を規定のとおり配分し、それらを遺族へ……とある」
「はい、私も資産である奴隷契約書を預けました」
彼は事業の失敗で多額の借金を負い、三人の家族は借金奴隷として奴隷商会に預けられている。その身柄を担保として借金を返し、利息を払うことで、一年に限っては家族を留め置く約束をしている。
ハンターとして危険な仕事をしていたのは、家族を買い戻すためだった。
「……そうか、気の毒だがゲイル、アンタの名前はパーティに入ってない」
「え?」
それまで呑気な顔をしていたゲイルだったが、そこへ来てようやく状況が飲み込めたのか、みるみる青ざめていった。
この先に少し広い場所があるというので、行き倒れの男とともにゼフたちは移動した。そこでゲイルと名乗った男は、簡単な自己紹介をして、ハンターカードを差し出した。
ノクト地方は、鉱山都市の北の僻地、緑豊かな農村部である。リラというのは村の名前か、その土地を預かる長の家名だろう。
セインはなにか記憶の端に引っかかった気がしたが、すぐにゼフが話し出したので、そちらに意識を戻した。
「……ビギナー? 登録日からするとハンターになったばかりだな。それなのに、こんな階層まで一人で来たというのか?」
「あ、いえ……銀ランクのブルシュパーティに運よく入れてもらえまして。私は手先が器用なので、道具の整備や、札などの荷物の管理をさせてもらっていました」
確認したギルドのカードを返そうとして、ゼフは一度手を止めた。
「ん? まて、ブルシュと言ったか?」
「は、はい。その通りです」
ゼフは、腰ベルトにくくりつけているきんちゃく袋から、小さく折りたたんだメモを取り出した。
「銀ランクパーティ、リーダーブルシュ。他、マレ、ペイジ、ジョナスン……」
「あ、その通りです。そのブルシュさんのパーティに……」
「今回の捜索クエストは、そのブルシュから受けたものだ」
頷くゲイルに、しかしゼフは被せるように続けた。
「帰還予定を過ぎた場合、その三日後にクエストが有効となる。内容は、パーティの捜索及び、万一の場合は救出活動、また死亡の場合は遺品回収。ギルド預かりを含めパーティ資産を規定のとおり配分し、それらを遺族へ……とある」
「はい、私も資産である奴隷契約書を預けました」
彼は事業の失敗で多額の借金を負い、三人の家族は借金奴隷として奴隷商会に預けられている。その身柄を担保として借金を返し、利息を払うことで、一年に限っては家族を留め置く約束をしている。
ハンターとして危険な仕事をしていたのは、家族を買い戻すためだった。
「……そうか、気の毒だがゲイル、アンタの名前はパーティに入ってない」
「え?」
それまで呑気な顔をしていたゲイルだったが、そこへ来てようやく状況が飲み込めたのか、みるみる青ざめていった。
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