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第三章 鉱山都市マリザン
3-8 マリーの案内
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翌日、改めてハンターギルドを訪れた。
今度は朝の早い時間だったので、昨日とは違ってハンターたちで賑わっていた。本当は空いている午後がよかったが、また昨日のように時間切れになってはいけない。今日は、サキの手続きもたくさんあるのだ。
できたら一つくらいは依頼の目星もつけたい。
ちょうど空いた窓口に、セインは滑り込んだ。
「登録の手続きをしたいのですが……あ、昨日の」
「これは、セイン様。昨日おっしゃっていたハンター登録のお手続きですね」
「忙しいところすまない。できたらサキの、この子の登録もしたいので……」
「かしこまりました」
運よくマリーが対応してくれたので、すべてが万事滞りなく手続きが終わった。
もとより、保証人がこの都市の主であるデオルなのだ。身元は問題なしである。犯罪奴隷のサキも、無事に準ハンター扱いで登録できた。
セインが指輪の主である限り、彼女は準ハンターとしての身分を得たわけだ。
「マリーさん、このあたりでおすすめの宿屋とかありますか?」
「え? デオル様の屋敷に滞在されないのですか」
マリーは驚いたが、セインが望むとおりの宿の手配をしてくれた。ギルドからほど近い、そこそこ安くて信用がある宿屋を。
「おかみさんのお料理が自慢の、いい宿ですよ」
二つ返事でそこに決めて、あとは依頼の受け方や、戦利品の取り扱いなど、こまごまとしたことを教えてもらった。
「そうそう、ハンターには階級もありますよ。階級が上がれば、いろいろ対応もよくなりますし、割のいい依頼も回ってきます。ただ、危険度も増しますけれど」
――もっともだ。だけど、とりあえずは、実入りは悪くても安全第一で行こう。
「あ、忘れるところだった。セイン様におすすめの依頼書があるんです。本来、セイン様はまだ指名依頼はできませんが、初めてのお仕事なので、得意分野がいいだろうってギルドマスターがおっしゃってたので」
――なんか気を使われてしまった。本来、こういう特別扱いはダメなんだろうけど、人のつながりや伝手みたいなものも、利用できるものはした方がいい。潔癖になりすぎるのも、世渡りが下手になるからな。
「ギルバートさんのご厚意だし、ありがたく甘えることにするよ」
今度は朝の早い時間だったので、昨日とは違ってハンターたちで賑わっていた。本当は空いている午後がよかったが、また昨日のように時間切れになってはいけない。今日は、サキの手続きもたくさんあるのだ。
できたら一つくらいは依頼の目星もつけたい。
ちょうど空いた窓口に、セインは滑り込んだ。
「登録の手続きをしたいのですが……あ、昨日の」
「これは、セイン様。昨日おっしゃっていたハンター登録のお手続きですね」
「忙しいところすまない。できたらサキの、この子の登録もしたいので……」
「かしこまりました」
運よくマリーが対応してくれたので、すべてが万事滞りなく手続きが終わった。
もとより、保証人がこの都市の主であるデオルなのだ。身元は問題なしである。犯罪奴隷のサキも、無事に準ハンター扱いで登録できた。
セインが指輪の主である限り、彼女は準ハンターとしての身分を得たわけだ。
「マリーさん、このあたりでおすすめの宿屋とかありますか?」
「え? デオル様の屋敷に滞在されないのですか」
マリーは驚いたが、セインが望むとおりの宿の手配をしてくれた。ギルドからほど近い、そこそこ安くて信用がある宿屋を。
「おかみさんのお料理が自慢の、いい宿ですよ」
二つ返事でそこに決めて、あとは依頼の受け方や、戦利品の取り扱いなど、こまごまとしたことを教えてもらった。
「そうそう、ハンターには階級もありますよ。階級が上がれば、いろいろ対応もよくなりますし、割のいい依頼も回ってきます。ただ、危険度も増しますけれど」
――もっともだ。だけど、とりあえずは、実入りは悪くても安全第一で行こう。
「あ、忘れるところだった。セイン様におすすめの依頼書があるんです。本来、セイン様はまだ指名依頼はできませんが、初めてのお仕事なので、得意分野がいいだろうってギルドマスターがおっしゃってたので」
――なんか気を使われてしまった。本来、こういう特別扱いはダメなんだろうけど、人のつながりや伝手みたいなものも、利用できるものはした方がいい。潔癖になりすぎるのも、世渡りが下手になるからな。
「ギルバートさんのご厚意だし、ありがたく甘えることにするよ」
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