かご喰らいの龍

刀根光太郎

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第五章 怪物

第12話 発情するリーゼ ※特殊性描写

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 深夜帯にリーゼがふと目を覚ました。しばらくボーっとし、考え事をしていた。何かと葛藤かっとうし、もだえていたと思えば彼女は動かなくなる。

 そして、こそっと魔法を発動させて茨を伸ばす。ルーベンの傍の床に刺すと、それをコントロールしてゆっくりこっそりと移動した。

 仰向けで寝ているルーベンに乗っかると悪戯いたずらの笑みを浮かべた。よだれが垂れるがすぐにふき取ると、大きく口を開ける。そこには鋭いきばがあった。

 そして、首元に顔を近づけて噛もうとした瞬間、ルーベンが目を覚ますと、同時に右手でリーゼの首をめた。

「ぁッ……ぐがぁ……」

 苦しそうな声を上げるリーゼ。ほとんど白目をむいて、必死に手足を動かして抵抗しようとするが歯が立たない。

 どうやっても振りほどけず、酸素が欠乏けつぼうすると茨魔法も消滅した。そして、股間から液体がなめらかに滴り落ちて来る。

「……リーゼか……脅かすな」

 そう言ってルーベンは手を離した。その瞬間、リーゼは床に落ちてゲホゲホと声と共にむせる。大きく呼吸をしながら彼の胸元に倒れ込む。

「何してんだお前……?」
「ぁ、ちょっと……我慢がまん出来なくて体が勝手に……ごめん、なさい」

「血を吸おうとしたのかよ。眷属にするつもりだったのか?」

「ち、違う! け、眷属にしようとした訳じゃなくてっ……えっと……」

 彼女は腕を使って起き上がりながらそう言った。しかし、彼女は信用を裏切ってしまった罪悪からなのか泣きそうな表情をしていた。

 それを上手く表現できない。でも、分かって欲しかった。彼女が言葉を絞り出す前に彼が言う。

「本能的なモノなら仕方ないか。まあ、直接は吸わせねーけど」

「怒ってないの?」

「あれは条件反射みたいなもんだ」
「……じゃ、じゃあさ……アレ頂戴……」

「アレ?」

 怒っていない事に表情を柔らげた彼女は、ルーベンの下半身を見つめた。まるで反省していなかった。というよりも初めての感覚に自分でも制御出来ないらしい。

「ずっと芳醇ほうじゅんな香りが気になってて……飲んでみたいなーって……だめ?」

 今まで言われた事が無いので、ジェヴィーノ特有の何かがあるのだろうと、彼は思った。

「弱ってるからか?」
「……うん!」

 ルーベンは少し考えていた。そして、結論を出す。横のルディを見ると、寝ているようで聞いている事に気が付く。

「……はぁー。外に行くぞ」
「いいの!」

 周りから見えずらい所に移動すると、彼は小さな鞄を置いた後にズボンを下ろし、地面に座った。ルーベンはこそっと防音と認識阻害の魔具を発動させる。

 地面に座った彼を見て、リーゼは少しだけ頬を赤く染めながらも、無邪気むじゃきな笑みでそれを凝視していた。

「い、頂きま~す」
「待て」

「なに?」
わきでやれ」

「なっ! なんでぇ!?」

「いや、噛むだろ?」
「……かっ、噛まないよッ」

「思い出したんだ。お前を襲ったリーダーらしき男……あいつ股間こかんが染みてたけど、よく見たら血だったぞ……」

 応急処置をしていたが、動いてしまったため出血していたのだろう。安静にしていても溢れて来ただろうが。

「あ、あれは。ち、違うのよ……その、つい……?」
「ついッ、で食い千切られてたまるかッ!?」

 ルーベンが珍しく取り乱す。

「……あっ、あの時はまた生えてくると思ってたし、逃げようとした時に……とにかく仕方なかったのっ」

「……そ、そうか……でも、まずは脇だな……」

 リーゼは手のひらが負傷中なので、太ももか二の腕、お尻の中から彼はとりあえずそれを選ぶ。

「ぇー、マッドには絶対にそんな事しないのに~」

 そう言いながらもリーゼが恐る恐る二の腕と脇で挟むと、ふにゃふにゃなのを感じた。ルーベンは柔らかく暖かさを感じた。

 彼女は好奇心こうきしんを抑えきれずに、すぐにいたずらをする。彼女は緩急かんきゅうをつけて圧力をかけた。

「出そう?」
「出ねーよ……そのまま上下に動かすんだ……」

「あ、もしかして無理やり頭動かされたのって……」
「お、正解だ……すじが良いな」

 彼女は理解が早かった。ルーベンの僅かに漏れる声を聞き分けて、上手く動かして行く。しばらく続けていると変化が起きる。

「凄い、少しづつっ……ぇッ……」
「どうした?」

「こ、こんなに大きくなるのっ……あの男の三倍はあるかも……それにぃー、すごくかたぃ♡」

 彼女は必死にそれをこすり続ける。ギュッと脇を締めて刺激を与える。

「中々上手いな。気持ちいい」

「……マッドが私で気持ち良くなってる……えへへ、うれしい♪」

 リーゼはもの欲しそうに、それを見ていた。

「透明のがたくさん出てる……」
「……絶対に噛まないなら……舐めていいぞ」

 それを聞いて彼女は喜んだ。最初は舌を少しだけ上品に出してペロペロと先の方を舐める。彼女は少ししょっぱいと感じた。そして、次第に下品に大きく舌を出して夢中でレロレロと、それを舐る。

「おいしい♪」

 ピチャ、ペチャと音を立て必死で舐めるが、さらに求める。

「ねぇ、だめぇ? おねがぁい……」
「絶対に噛むなよ」

「うん♪」

 次の瞬間、終に彼女は我慢できず、それを口に頬張ほうばった。ちゅぱちゅぱ、ちゅぽちゅぽと音を出して必死に吸い付く。舌を中で動かすと、彼が気持ちよさそうにするので色々試し始める。

「んぅ……ふっ……ぅぇそう?」
「もっと強く出来るか?」

「んっ……んぶ……っぅん……んんッ……ぅりふぁむりかも」

 上手く話せないので、仕方なく男性器からチュポンっと、音を鳴らして口を離す。

「この体だと難しーよー……」
「頭持って動かしてもいいか?」

「いぃよっ。マッドが気持ちよくなるように動かして……マッドのが欲しぃ……」

 その瞬間、彼は頭を掴んで口に性器を放り込むと、好きに動かした。

「むぐぅ……んんんー---っ!! ぶほっ……んっ……んっ……んぶぅ……んんっー」

 彼女の瞳に涙が浮かぶ。しかし、ルーベンの表情を見て、満足そうにしていた。そして、その媚びる様な表情を彼はそのまま射精する。

 大量の精子が頬を肥大化させた。余りの勢いに鼻からも白濁敵が漏れる。

 苦しそうな声を出すが、しばらくくわえたまま離さない。そこから全てを絞り出さんとする勢いで吸い付いてくる。

 リーゼがようやく口を離すと彼女は恍惚こうこつの表情をして、ルーベンの顔を愛おしそうに見ていた。

「しゅごい……♡」

 彼女はじっと彼を見つめたまま口を開けて、ザーメンを自慢するように見せつけて来た。続けて口をわざと大きく動かしながら咀嚼そしゃくして見せる。

 口を閉じたままグチャグチャと、口を開けてクチゃクチゃと嫌らしく口と舌を動かして見せる。

「ほらほら~♡」

 それを隅々まで吟味すると、一気にゴクリと飲み込んだ。そして、再び口を開けて、飲んだ事をしっかりと見せつける。ルーベンは彼女が初めだという事に畏怖を覚えた。

「リーゼ……お前才能あるわ……」
「ほんと? 嬉しい♡」

 彼女はそれに興味津々だ。何も言われずとも男性器を舐めて、残り物を吸い取り綺麗にしていた。

「凄く大きくなったらもう戻らないの?」
「満足したら戻るな」

 彼女は顔を真っ赤にして小さく呟く。おねだりしてきた。

「もっとしたぃ……」

 彼女は仰向けになって短い太ももを開いた。腰を掴めば折れそうな程細く、肋骨ろっこつ骨盤こつばんも薄っすらと浮き出ている。

 それでいて丸みを帯びていて触ると気持ち良さそうである。平らな胸にちょこんとある乳首が可愛らしい。そして、綺麗な淡い色の女性器からは透明な汁が溢れて、それが肛門を濡らしていた。

「お、やり方を知ってるのか?」
「し、知らないっ」

「でも200年生きてるんだろ?」
「まだ必要ないんだから、知らないのっ」

「じゃあ、リーゼはエロいジェヴィーノなんだな」
「だからちがうぅ……」

 腕で顔を隠せないので顔を思いっきり横に向ける。

「こんなにぐしょぐしょなのに?」
「ぅぅ……いじわるしないで……」

 ルーベンは指で、胸や太もも、腕など体全体を優しく愛撫する。彼女は目を瞑ぶり、口を開けて小さく喘いでいた。彼が手を離すと目を開けて寂しそうに見つめて来る。

「くちもっ。くちもして♡」

 リーゼは短い腕を彼に伸ばしてキスをせがんで来た。

「……唾液、危なくないか?」

「だ、大丈夫だよっ。そういうのじゃないからっ。ほら、息を吸う時と、食べる時ってちゃんと別れるでしょ? それみたいなものだよ」

「……噛んで血を吸う事が条件か?」
「うん」

 彼が顔を近づけるとリーゼは目を瞑ってそれを待つ。すると頭を撫でられた。よろこびの余り、彼女の頬と口元がとろける。そして、時間差で口が塞がれる。

 彼女は一瞬驚いた。しかし、すぐに力が抜けて手足がだらんと力なく垂れた。それに身を委ねていると、ペタンコの胸を揉まれる。それに激しく反応する。感度が良いようだ。続けていると乳首がピンと立ったので摘まんでグリグリといじる。

「あッ……あんっ♪ ぁんっん……だめっ……コリコリだぁめぇ♪」

「じゃあやめるか?」

「いやぁ♡ コリコリすきぃ♡ 止めないでぇ♡」

 同時に女性器をまさぐると、彼女はたまらずに大きな喘ぎ出す。

「あっ、あっ、あっ、ぁぁあああああッ! あん、あん、ぁあん♡ だめぇ! 来る! 来るっ! 来るぅ♡ ナニか来るぅぅううう♡」

 そして、頭が真っ白になり、リーゼは下の穴から大量に潮を吹き出した。

「ぁ……っ……あ……ぅ……」

 彼女は腰がビクビクと細かく痙攣する。それが理解出来ずにしばらく胸を大きく上下させるほどに息を荒げていた。そして、羞恥心と快楽を強く感じながらも呟く。

「ぁあん♡ そんな……おもらし、しちゃった……ごめんなぁさぃ」
「びしょびしょだな」

 彼女は言葉にされた事で頬を染める。しかし、恥ずかしがりながらも艶やかな声でおねだりを始める。手で広げる事が出来ない為、腰を振っておねだりする。

「はやくぅここにもぉ……」

 黒い髪が乱れている。赤い瞳が奥を見つめている様だ。彼は腰に触れて、そのまま持ち上げた。まるでお人形の小さくて軽い。

「ぃぃよぉ♪ 自由に使っても……私はジェヴィーノだから……」

 丈夫じょうぶだとアピールして来たが、彼はゆっくりと挿入していく。挿入はあさく止める。だが、リーゼは一瞬顔を歪めた。

 初めてだったようで血が出ていた。彼はしばらく動ごこうとせずに、彼女を持ち上げてギュッと抱きしめる。

「狭っ……凄い締め付けだっ」

 所謂、対面座位だ。その状態で頭を撫でていると、リーゼはほっとした表情に変わる。どうやら慣れて来たようだ。

「もぉ、わたしに優しぃんだからぁ♡ んっ。もう大丈夫だよぉ……」

 そこで彼はゆっくりと深く入れない様に腰を持って動き出した。それに合わせてリーゼも頑張って腰を動かす。

 そこで目と目が合う。そこでお互いが寄り合うと、またディープなキスを始める。膣がキュンと強く閉まったおかげで連動するように、お互いの快楽が強まった。

 汗だくになるまで絡み合った後に、彼のモノがさらに大きくなる。彼女は口淫の時を思い出しながら、よろこびの表情を見せた。彼等は同時に達した。

 リーゼが声を我慢できず、しかし、声にならない様子で艶やかに唸っていた。

「はぁはぁはぁ……ん。ん。ぅん。ぁん……」

 リーゼが激しく呼吸をしていた。だらしない表情で体が後ろにだらんとのけぞっている。ルーベンは背中に腕を回して彼女が倒れないように支えていた。防音にしているが、彼はいじわるを言う。

「今の声でみんな起きたかもな。誰か来るかも」

「ぇ……や、やだぁ、そんな……恥ずかしいぃよぉ……見られるのやだぁ……」

 彼女はそう言いながらも余韻に浸って動けない。そこで、リーゼはある事に気が付く。彼のモノはまだ中で堅いままだった。それに不安を覚えて聞いた。

「もしかして、気持ちよくない?」
「よかったよ」

「でも……かたいままだしぃ」
「俺はこういう体質なんだよ。リーゼが満足するまでしてやるから、そう辛そうにするな」

「え♡ うん。してぇ。もっときもちぃのぉしてぇ♡」

 彼は絶倫である。そして、彼はリーゼの腰を強く持ち、今度は挿入した。リーゼの小さな性器が大きく広がり、ミチミチと音を立てる。

「ひっ、んぎぃぃぃぃッ!! あ”あ”あ”……ふかぃっ! はぁッ。はぁはぁ……フュー……フゥー!」

「大丈夫か?」

「ぁ……大……丈夫……っ」

 激しく動かして突き始める。奥に入るたび、リーゼのお腹がプクっと盛り上がっていた。

「すごぃ……こんなのぉ……私の奥にコンコンって♡ 当たってるぅ♪」

 リーゼに腰を持ち前後左右、自在に動かして色々な角度から攻める。

「んんぁぁぁああああ! かき回されてるっ。マッドの棒が私の中で暴れてるのぉきもちぃイイぃぃ♡」

 彼女を上下にも動かして刺激を増やすと、顔を上に向けて気持ちよさそうによだれを垂らしていた。快楽に夢中でイクことしか考えてない様子であった。

「んんっ……あんっ……あひッ……ひっ。ひっ。ひんっ……っほお♡ いぃ♡ イィッ♡」

「声を小さくしないと見つかるぞ」

「いやっ! ぁん♡ らめぇ♡ そんなっ……むりっ……あぁん♡ 来るっ! またしゅごいのくるぅ♡」

「イきそうなのか?」

「イク? うん、イクゥ♡ イクよぉ♡ 気持ちィィ♡ イクっイクっイクっ♡ イクぅぅぅぅうううう!」

 同時に彼女の膣から勢いよく潮を吹き出す。持ち上げると頭も手足もだらんとしていた。

「はぁー……はぁー……はぁー……」

 リーゼは余韻が終わると、可愛らしい八重歯を見せながら笑いかけて来た。

「しよ♡」

 そうして彼等の夜が更けていく。

 数時間後、リーゼは顔に白濁液が付着したままで仰向けに倒れていた。華奢な体には骨が薄っすらと感じる事が出来るが、それでいてぷにぷにとして艶がある。そんな体も精子で白く染まっていた。

 彼女は深く呼吸をしており疲れ切っているが、表情は恍惚としていた。彼が、ぐったりと倒れている彼女に口元に性器を置く。すると迷わずに、それを美味しそうに銜える。

「ふぇニス♡ しゅきぃ♡ おいひぃ♡」
「……大丈夫か?」

「ごめ……なさぃ……もぉ……うごけにゃいない
「帰るか」

ひゃーぃはーい……」

 彼はそう言って魔具を取り出す。それは水の魔法陣と炎の魔法陣を組み合わせた魔具だ。さらに障壁魔法の応用の結界魔法、そこに地属性魔法を組み合わせた魔具で疑似的なお風呂を作る。便利だが、透明なのが欠点かもしれない。

 お湯で彼女を洗っていると、リーゼは幸せそうな表情でそれに身を委ねる。ほぼ初対面の男を信じ切っている。そこにあるのは艶やかさでは無く、安心しきった微笑みだ。その間、彼女が身を乗り出して彼の陰嚢いんのうぎ始めた。

「何してんだ?」
「そろそろ日が出るから、忘れない様にね♡」

「日が昇ると嗅覚きゅうかくが落ちるのか?」
「五感が人族くらいになるかも。身体能力とかは三割くらいしか出なくなる……」

 あっさりと自分の弱点をさらけ出した。歳はいっているが、見た目と変わらない無邪気さがあった。しかしそれは、気を許した相手にのみだ。赤い瞳のリーゼは簡単に人族を殺す頃が出来るのだから。

「大変だな」
「でも、私はまだ血が濃い方だからそんなに弱体化しないんだよ」

「……なるほどな」
「ねぇねぇ。レイジーのも欲しんだけど……無理かな?」

「不可能ではないな」
「本当!?」

「あくまで四肢の再生のためという名目でなら、もしかしたら……だな」
「うん、試して見る」

「それと、理由は分かると思うが、寝てる時は襲うなよ。不意打ち全般は危険だ。あいつは俺以上に容赦ない」

 顔が自然に引きつる。先ほどの出来事を思い出したのだ。

「……も、もちろん分かってる!」

 話ながらも手を動かして体中を洗って上げるルーベン。その時、リーゼは気持ち良くなって、プルプルと震え出す。

「ぁあ……ん……フゥー……」

 彼女は口を大きく開けて、幸せそうな表情をしていた。同時に、お湯に黄色い液体が混ざり出した。彼女が出し切ったのを確認すると、ルーベンは無言でお湯を入れ替える。

「ご、ごめんなさいぃ……」
「きっと生物はそんなもんだ」

 何だかんだで彼女を洗い終えると、自身の体を軽く洗い始めた。彼女は残念そうに見ていた。彼が洗い終わる頃に魔具にヒビが入り壊れた。

「あ……割れた」
「今回は結構持ったな」

「それって売ってるの?」
「売ってる。場所によって質は違うけどな」

「便利だねー」
「本家には勝てない」

「そっか~」

 最後に鞄から布を出して拭いた後にロングフードで体を覆って隠す。

「ふぁー。マッドの匂いだぁ」


【宿屋への移動】

 彼が防音と認識阻害の魔具を回収すると、黒い瞳のリーゼを持ち上げるとお姫様抱っこの状態で歩き出す。宿に着くとルディが既に起きていた。座って適当に朝飯を食べていた。彼は入って来たルーベン達に声をかける。

「帰って来たか、眷属けんぞく
「眷属じゃねぇよ」

「してないよぉ。むしろ私の方が支配しはいされちゃった♡」

 リーゼは彼の体に顔をスリスリを押し付けながらうっとりしていた。それとは反対に彼は淡々と返す。

「そんなつもりはねぇ。あくまで食事提供とその準備だ」

「証明のしようが無いのが面倒だな」
「まあな。あ、もう一回、出かけたいんだが」

「この辺の娼館しょうかんは閉まってるぞ」
「はぁ? 嘘だろっ」

「お前等が遊んでる間に情報収集に出かけたんだが。そこで何人かが勘違いしてな。そう聞いた」

「……仕方ない。適当に誘うか。と言う訳だからそいつ頼む」

 彼はリーゼをベッドに置くと、返事を待たずに出て行った。それを見てルディの方を見て聞いた。

「……召喚しょうかん魔法?」
「違う。人族が女と遊ぶ場所だ」

 彼女はそれを聞いて、頬を膨らませながら言う。

「浮気者ぉ……」

「寝ないのか?」
「……なんで?」

「話を聞きたい。長くなりそうだから、先に眠るか? という意味だ」

「……じゃあ先に寝る。お腹一杯だし、朝だもんね」

 ルディは彼女を持ち上げて、枕に頭をのせる様に寝かせた。そして、布団をかけた後、椅子に座った。その様子は怖くなどない。彼女はその一連の動作を見て、違和感があったのか。少し笑いながら眠りについた。


【一日中居なかった男の帰還】

 翌朝、日が昇ったばかりの時にルーベンが帰って来た。部屋に入った瞬間に、椅子に座って酒を嗜んでいるルディが見えた。そして、よく見ると奥のベッドにリーゼがいた。

 彼女の太ももからつま先の方向。性器から勢いよく出たであろう液体でびしょびしょになっている。リーゼはだらしない顔で何処かを見つめながら、お腹をビクンビクンと痙攣させていた。それに合わせて艶やかな声でずっと唸っていた。


「ぅ……ぁ……ぁ……ぁぁ……ぅぁ……しゅこぉ……しゅぎぃ……♡」

「ジェヴィーノって大変なんだな」
「みたいだな」

 ルディがルーベンも聞いた。

「動いたか?」

「いや、まったく」
「そうか」

 そこで、ルディが立ち上がった。

「出かけるのか?」
「買っていた酒がきれた」

 そう言って彼は出かけて行く。その瞬間、彼女はお小水を漏らした。痙攣が細かくなった。

「大丈夫か?」

「……もうみゅりむり……れぇもでもろっちゅもらいしゅきどっちもだい好き……♡」

「それは良かった」

 リーゼはそのまま失神した。

 ルーベンは彼女をテーブルに乗せると、風と炎を組み合わせた魔具を使用する。ベッドを温風で乾かす。その後、再び彼女を地魔法と結界で作ったお風呂に再び入れる。

 因みに水の魔具は新しい物を買って来た。

 しっかりとふき取った後にベッドに寝かしていると、リーゼが目を覚ました。しばらくボーっとしていた。その時、ルーベンも椅子に座って考え事をしていたので、彼女に話しかけない。

「……あれ? 私、一体…………ぁっ」

「思い出したか? まあ、今はこんな感じだが、絶対に故郷には届けるから安心しろ」

 彼女は次々と思い出し、頬を真っ赤に染めた。そして、感謝と同時に考えてしまった。里のみんなが今の自分を見たら、と。羞恥心が襲い掛かり悶えていた。

 するとルーベンが珍しく緊張しながら話を振って来た。

「で、どっちがデカかった?」

「……」

 リーゼは、ルーベンの珍しく真剣な眼差しを受けて、大人の対応をした。

「誤差の範囲だよ。どっちも素敵……♡」
「いや……どっちが……」

「……み、見た感じ分からないよ~ッ。誤差の範囲っ。どっちもかたいし! 互角だよ!」
「そうか……で、どっちが上手かった?」

「……そういう事は深く聴くんだね……」
「それは気になるだろ。男だぞ」

「そうね。テクニックならマッドが上手かったかも」
「だろ?」

「うん♪ またしてね♡」

 彼は嬉しそうな表情をしていた。リーゼもそれを見て嬉しそうにする。そこで、ルーベンにされるのを思い出してムラムラしていた。彼と何回もしたいと考えていると、もう一つの快楽を思い出す。

「でも、レイジーは魔法を使って……あぁん♡」

 彼女はそれを思い出して、身を震わせて喘いだ。

「ちっ。汚ねー奴だ」
「ち、違うのっ。彼はそもそも乗る気じゃなかったし、作業って感じで、兎に角仕方なく使ったのっ」

「かばうねぇ……」
「だって、喧嘩したら、私が損するしっ。どっちも好きだもん」

「……そうかよ」

「ねぇ。今度は二人からめちゃくちゃにされたい♡」
「ねーよ。永遠にな」

「えー-。ケチー」

「それより、手足の再生に専念しろよ……ん?」
「あ、気が付いた?」

 リーゼの腕を見せびらかす。少しだけ長くなっている感じがした。

「普通はもっと時間がかかるんだけど、マッドとレイジーが凄いみたい……」

「効果があって良かったよ」

 このようにして、彼等はリーゼの世話をしながらも敵に備えるのであった……。
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