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第三章 ギルドの厄介ごと
第5話 交渉
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その後、すぐに準備をして馬に乗る。彼等は件の森にやって来た。もう少し踏み込めば魔物の巣窟となっているだろう。
「さあー早く帰って、ナディアさんにこの件を口実に、デートに誘おっと」
「うわっ……こいつ……聞いたかプリシラ?」
「うん。私が言うのも何だけど……やっはり君、最低だね!」
「あ~デートしてぇ。デートしてぇー」
ルディは訝しげにその発言を聞いていた。いやに五月蠅い、と思っていた。そんな時プリシラが名案を思い付いた、というような高いテンションになる。
「そうだぁ! ここでチームを分けて、勝ったチームがコール様とデートって言うのはどうかなっ?」
「却下だ」「そうだ、それだ! 天才かよ!」
ルディの声をかき消すようにルーベンが即答した。彼の狙いに気が付いて睨み付ける。
「なるほどねぇ……じゃあチーム分けは私とコールだな」
「ねぇ、私紫だよ? お姉ちゃんは一番強い事になってるんだから、一番弱い人と組むのが筋じゃないかな?」
姉妹が争っているのを止めようと、正論で諭そうとする。
「おい……危険だ。冗談を言ってないで、皆で協力して」
しかしここで、ルーベンが火に油を注ぐ。
「いや……俺はコール君が君達姉妹に負けたのを見た事は無いし、誰かからそれを聞いた事もない……」
「実際に勝った事ねーよ」
「つまり最強はコール君じゃないか? なら最弱の俺とコール君が組むべきだ! 勝ったチームは一人一人が一回のデート権を得る。これなら喧嘩は起こらな~い」
「コールと雑草が一緒か……足枷になるな。おい、こいつ……ただの馬鹿じゃないぞ」
「お姉ちゃん……初めてこのゴミ屑の事をゴミだと思ったよ……」
この日、ルーベンの評価は爆上がりした。
「待て……その理屈はおかしい……それに、そんな事をしている場合じゃ……」
「くぅー。何時も自信ありげなコールは何処に行ったよ? コールは臆病者じゃあないよなー」
「私の知ってるコール様ならこの程度、簡ったーんにこなすよ~♪」
自分達の利益のためならば平気で想い人を煽る姉妹なのであった。普段はこの程度の煽りには乗らないが、彼も良い事を思いついた。
「良いだろう……俺がクロウと組む。そっちは姉妹チーム。先にアースドラゴンを討伐したチームの勝ちだ」
「おっ、ノって来たなコール!」
「アハハ♪ 流石コール様ぁん♡」
「目標の竜は、ここから北西付近を住みかにしているらしい。さあクロウ、彼女達に必要な道具を渡せ」
魔素を回復させる電池の様な魔具や飲み物と傷を癒す魔具を色々とある。姉妹は個人的によく使うモノを選んで持って行く。
「あ~! 同時にドラゴンちゃんに接触したらどうする?」
「その時は、最後に止めを刺した方が勝ちだ」
「いいねぇ。分かり易い」
必要な道具をルーベンからもらう姉妹。彼女達はニヤニヤとしていた。この姉妹は普段から一緒に居るので、連携はお手の物だ。そこで、ヘシカが合図を出した。
「良し! じゃあ……今から開始だ!」
彼女達は走り出した。彼女達が見えなくなった頃、ルーベンが煽る。
「ははははは! 楽しい試合の始まりだな! いやー愉快、愉快っ」
彼はこの地点から動くつもりがなさそうだ。クロウを演じるつもりなのだろう。それを察したルディが凄く怖い顔をしていた。しかし、彼は怒らずに平然と言う。
「おい、ルーベン……金貨一枚でどうだ?」
「……え、いや、それはずるくないか、ルディ……?」
「何を言っているか分からない。見破れない方が悪い」
「……」
「……他に言いたい事は?」
「え~、じゃあ金貨三枚だ」
「良いだろう」
「嘘だろっ。どんだけデートしたくないんだよ……それならやっぱり」
「五月蠅い。もう金貨三で確定だ」
「本気すぎだろ……」
「黙れ」
「まっ、それならやるか。アースドラゴンの子供……とは言え、面倒だから久々にあれやるか」
「子供にか?」
「たまには使わないとな。どうせなら競争しようぜ」
「……まあ、一理ある……手加減はなし。瞬殺だ」
「お、ノって来たな」
こうして彼等は楽しそうに走り出した。
「さあー早く帰って、ナディアさんにこの件を口実に、デートに誘おっと」
「うわっ……こいつ……聞いたかプリシラ?」
「うん。私が言うのも何だけど……やっはり君、最低だね!」
「あ~デートしてぇ。デートしてぇー」
ルディは訝しげにその発言を聞いていた。いやに五月蠅い、と思っていた。そんな時プリシラが名案を思い付いた、というような高いテンションになる。
「そうだぁ! ここでチームを分けて、勝ったチームがコール様とデートって言うのはどうかなっ?」
「却下だ」「そうだ、それだ! 天才かよ!」
ルディの声をかき消すようにルーベンが即答した。彼の狙いに気が付いて睨み付ける。
「なるほどねぇ……じゃあチーム分けは私とコールだな」
「ねぇ、私紫だよ? お姉ちゃんは一番強い事になってるんだから、一番弱い人と組むのが筋じゃないかな?」
姉妹が争っているのを止めようと、正論で諭そうとする。
「おい……危険だ。冗談を言ってないで、皆で協力して」
しかしここで、ルーベンが火に油を注ぐ。
「いや……俺はコール君が君達姉妹に負けたのを見た事は無いし、誰かからそれを聞いた事もない……」
「実際に勝った事ねーよ」
「つまり最強はコール君じゃないか? なら最弱の俺とコール君が組むべきだ! 勝ったチームは一人一人が一回のデート権を得る。これなら喧嘩は起こらな~い」
「コールと雑草が一緒か……足枷になるな。おい、こいつ……ただの馬鹿じゃないぞ」
「お姉ちゃん……初めてこのゴミ屑の事をゴミだと思ったよ……」
この日、ルーベンの評価は爆上がりした。
「待て……その理屈はおかしい……それに、そんな事をしている場合じゃ……」
「くぅー。何時も自信ありげなコールは何処に行ったよ? コールは臆病者じゃあないよなー」
「私の知ってるコール様ならこの程度、簡ったーんにこなすよ~♪」
自分達の利益のためならば平気で想い人を煽る姉妹なのであった。普段はこの程度の煽りには乗らないが、彼も良い事を思いついた。
「良いだろう……俺がクロウと組む。そっちは姉妹チーム。先にアースドラゴンを討伐したチームの勝ちだ」
「おっ、ノって来たなコール!」
「アハハ♪ 流石コール様ぁん♡」
「目標の竜は、ここから北西付近を住みかにしているらしい。さあクロウ、彼女達に必要な道具を渡せ」
魔素を回復させる電池の様な魔具や飲み物と傷を癒す魔具を色々とある。姉妹は個人的によく使うモノを選んで持って行く。
「あ~! 同時にドラゴンちゃんに接触したらどうする?」
「その時は、最後に止めを刺した方が勝ちだ」
「いいねぇ。分かり易い」
必要な道具をルーベンからもらう姉妹。彼女達はニヤニヤとしていた。この姉妹は普段から一緒に居るので、連携はお手の物だ。そこで、ヘシカが合図を出した。
「良し! じゃあ……今から開始だ!」
彼女達は走り出した。彼女達が見えなくなった頃、ルーベンが煽る。
「ははははは! 楽しい試合の始まりだな! いやー愉快、愉快っ」
彼はこの地点から動くつもりがなさそうだ。クロウを演じるつもりなのだろう。それを察したルディが凄く怖い顔をしていた。しかし、彼は怒らずに平然と言う。
「おい、ルーベン……金貨一枚でどうだ?」
「……え、いや、それはずるくないか、ルディ……?」
「何を言っているか分からない。見破れない方が悪い」
「……」
「……他に言いたい事は?」
「え~、じゃあ金貨三枚だ」
「良いだろう」
「嘘だろっ。どんだけデートしたくないんだよ……それならやっぱり」
「五月蠅い。もう金貨三で確定だ」
「本気すぎだろ……」
「黙れ」
「まっ、それならやるか。アースドラゴンの子供……とは言え、面倒だから久々にあれやるか」
「子供にか?」
「たまには使わないとな。どうせなら競争しようぜ」
「……まあ、一理ある……手加減はなし。瞬殺だ」
「お、ノって来たな」
こうして彼等は楽しそうに走り出した。
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