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第一章 空の島
怪鳥と格闘(2)
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【移動する人々】
起伏のが激しい山道。そこを長い行列が歩いていた。その先頭に立つ者は大きな荷物を抱えていた。
「も少ししたら休憩ネ。頑張るヨ」
茶髪のお団子ヘヤ。青い瞳を持つ豊満な女性。動き易さ重視のためか服がスリットになっていて、そこからチラリと、適度に発達した太腿が顔を覗かせる。
大移動で疲れ切った人々。その誰かが空を指さして言った。
「あぁ……空で巨大な鳥が戦っておる……」
「はー、大きい怪鳥ネ。グリフォン一杯……珍しいネ」
【上空】
アルフィーたちが大空を飛んでいると、影が重なった。珍しい光景に疑問を漏らす。
「ん? こんな晴天に雲?」
「違うわアルフィー!? 上よ!?」
エルナが焦った様子で叫んだ。上を見ると途轍もなく大きな鳥がグリフォンを引きつれ、大空を飛んでいた。その鳴き声は威圧を含んでおり、心地悪かった。レティシアが言う。
「縄張りに入ったみたい」
「説得出来ない?」
レティシアは精霊経由で怪鳥と対話を試みる。
「戦いに勝ったら一緒に来ても良いって」
「ぇぇ……」
アルフィーはとある姉妹をチラリと見た。
「何よ?」「何か言いたそうだな?」
「特には……」
「でもチャンスだぜ!」
「そうだな……あっこなら何とか戦えそうだ」
「アルフィー。降りて戦うの?」
「普通にここで戦って落とせば勝ちでしょ?」
「いや……それは駄目だ」
「おっ、アルフィー。拳か? 分かってるなッ」
「今拳って言わなかった?」
「私にもそう聞こえた気がします……」
着陸すると、改めて大きさに理解する。
「でけぇー!」「でかっ」
怪鳥の前ではクライヴが乗るグリフォンですらも子供の様に見える。しっかりと真正面から対峙するアルフィー。迷わず接近し、殴りに行く。怪鳥は特に反撃をせずにその攻撃を喰らう。
「よし! そのままラッシュで畳みかけてアルフィー!?」
「いや……駄目だ……」
「なんでっ!? チャンスなのよ!?」
クライヴがそれ見て感動する。
「わざと喰らっただとぉ!? この怪鳥……出来る!?」
効いてないアピールをする怪鳥が今度は翼を打ち付けると、アルフィーもそれを受けた。吹き飛ばされたが、すぐに立ち上がる。笑みで余裕を見せる。
「馬鹿な!? こんなご時世で! こんな戦いが見れるとは!? しかもっ異種別だぁ!?」
この二つの生物は暫くの間、真っ向から殴り合っていた。
「……?」
女性陣は顔を見合わせてハテナマークを浮かべていた。それを余所にクライヴのテンションが高まる。
「駄目か!? 鳥は見かけの割に軽いとは言え、あの巨体!? アルフィーの方が不利かぁぁあ」
「まだだ……ッ。見せてやる! 人族の気合と根性をなぁ!?」
さらに激しい殴り合いが始まる。それぞれのグリフォンたちが応援を始める。
「どっちだぁ!? 一体どっちが勝つんだ!?」
その時、黒い触手が怪鳥の足に絡みついた。そのまま持ち上がて地面に叩きつける。魔獣だ。怪鳥率いるグリフォンたちが慌てる。
「……」
無言でぶち切れたクライヴが戦斧を持ち上げた。そしてもう片方の腕で剣を投げた。
「アルフィー!」
彼は触手を切ると怪鳥を解放する。そして、癒しの魔法を使う。だが、特に変化はない。そこで魔獣に隙を付かれる。不気味に唸り声をあげ、触手を絡めようと素早く伸ばした。
「はぁぁああ!? ハッ!?」
触手が接触したのと同時、恐ろしい速度で参戦者が現れた。その女性は掌底を繰り出す。魔獣は凄まじい衝撃を一点に受け、あり得ない速度で吹き飛ばされた。
「真剣勝負、横槍良くないネ!?」
「誰!? これはどうするの!?
急な出来事の連続でエルナの思考がショートする。
「魔獣を倒す。レティシアは怪鳥を頼む」
「彼女の言う通りだッ。真剣勝負に横やり……絶対に許せん」
「それは良いけど彼女素手で魔獣に!?」
「問題ないネ。我が拳は何者にも砕けないヨ」
「……滅茶苦茶言ってる」
(……恐らくは癒しの魔法に似た何かを纏ってる。俺も魔獣に継続して触られるとやる方法。でも、あれは……彼女のはさらに攻撃に特化しているのか?)
レティシアが怪鳥の足を治癒しに動く。木が多く邪魔なのでグリフォンだけを飛ばし、地上での戦闘になった。
魔獣も巨大だった。球体の獣。前に会ったのは同じ球体でも液体よりだったが、こちらは毛深く柔らかそうだ。ここは精霊が多いと言っていた。それを喰らって育ってしまったのだろう。
魔獣は自らの弾力を活かして空高く跳ぶと、そのまま落下して来た。皆が慌てて離れる中、格闘家は真ん中で力を溜めていた。
「それ悪い手ネ」
そして、タイミングを合わせ、勢いよく脚を真上に蹴り上げる。柔軟な体から繰り出されるそれは魔獣を受け止めた。しかし、衝撃は凄まじく同時に地面にヒビが入った。
だが、弱った魔獣は最後の抵抗を見せる。触手を伸ばして彼女を捕獲しようとする。彼女の脚は皮膚を貫いたため、瞬時に動けなかった。
「アャー……しまたネ」
急いで抜こうと頑張る。間に合わないと冷や汗をかいていると。先ほど邪魔されたアルフィーたちが仕返しとばかりに、触手と本体を切り刻んだ。
「オオ……驚いたヨ」
怪鳥を治療が終わり、レティシアが言う。
「いいの!? 皆、怪鳥さん。一緒に来てくれるって!」
「よっし! よろしくな!?」
「旅しているカ? 一緒に来ないカ? 一緒だと頼もしいネ」
「旅をしているというか」
「遅れたヨ。私ユイネ」
「ユイネさん、俺たちは」
「違うヨ。私ユイ、ネ」
「あー、ユイさん。俺たちは空の島に住んでて」
「ォォ……ソラノシマ。一緒いいカ?」
ユイは後ろを指さす。長い行列がもうじきここに着こうとしていた。彼女は魔獣を察知し、先行して来ていたらしい。
アルフィーたちは顔を見合わせる。
「俺は良いと思うぜ。魔獣に真っ先に突っ込んでくる何て中々出来ねぇ。真剣勝負に水を差すのに怒るとこも気に入った」
クライヴは即答した。特に反対意見も出なかったので彼女を加える事にした。
少し開けた場所を探し、島を呼ぶ。
「アャー……空島だたネ……まさかヨ……」
驚く人々をそこから怪鳥に乗せ、往復する。怖がっていた人はグリフォンで縄を使い二人乗りで運ぶ。時間はかかったが皆無事に移動は完了した。
こうしてまた人々と怪鳥とグリフォンが加わったのであった。
起伏のが激しい山道。そこを長い行列が歩いていた。その先頭に立つ者は大きな荷物を抱えていた。
「も少ししたら休憩ネ。頑張るヨ」
茶髪のお団子ヘヤ。青い瞳を持つ豊満な女性。動き易さ重視のためか服がスリットになっていて、そこからチラリと、適度に発達した太腿が顔を覗かせる。
大移動で疲れ切った人々。その誰かが空を指さして言った。
「あぁ……空で巨大な鳥が戦っておる……」
「はー、大きい怪鳥ネ。グリフォン一杯……珍しいネ」
【上空】
アルフィーたちが大空を飛んでいると、影が重なった。珍しい光景に疑問を漏らす。
「ん? こんな晴天に雲?」
「違うわアルフィー!? 上よ!?」
エルナが焦った様子で叫んだ。上を見ると途轍もなく大きな鳥がグリフォンを引きつれ、大空を飛んでいた。その鳴き声は威圧を含んでおり、心地悪かった。レティシアが言う。
「縄張りに入ったみたい」
「説得出来ない?」
レティシアは精霊経由で怪鳥と対話を試みる。
「戦いに勝ったら一緒に来ても良いって」
「ぇぇ……」
アルフィーはとある姉妹をチラリと見た。
「何よ?」「何か言いたそうだな?」
「特には……」
「でもチャンスだぜ!」
「そうだな……あっこなら何とか戦えそうだ」
「アルフィー。降りて戦うの?」
「普通にここで戦って落とせば勝ちでしょ?」
「いや……それは駄目だ」
「おっ、アルフィー。拳か? 分かってるなッ」
「今拳って言わなかった?」
「私にもそう聞こえた気がします……」
着陸すると、改めて大きさに理解する。
「でけぇー!」「でかっ」
怪鳥の前ではクライヴが乗るグリフォンですらも子供の様に見える。しっかりと真正面から対峙するアルフィー。迷わず接近し、殴りに行く。怪鳥は特に反撃をせずにその攻撃を喰らう。
「よし! そのままラッシュで畳みかけてアルフィー!?」
「いや……駄目だ……」
「なんでっ!? チャンスなのよ!?」
クライヴがそれ見て感動する。
「わざと喰らっただとぉ!? この怪鳥……出来る!?」
効いてないアピールをする怪鳥が今度は翼を打ち付けると、アルフィーもそれを受けた。吹き飛ばされたが、すぐに立ち上がる。笑みで余裕を見せる。
「馬鹿な!? こんなご時世で! こんな戦いが見れるとは!? しかもっ異種別だぁ!?」
この二つの生物は暫くの間、真っ向から殴り合っていた。
「……?」
女性陣は顔を見合わせてハテナマークを浮かべていた。それを余所にクライヴのテンションが高まる。
「駄目か!? 鳥は見かけの割に軽いとは言え、あの巨体!? アルフィーの方が不利かぁぁあ」
「まだだ……ッ。見せてやる! 人族の気合と根性をなぁ!?」
さらに激しい殴り合いが始まる。それぞれのグリフォンたちが応援を始める。
「どっちだぁ!? 一体どっちが勝つんだ!?」
その時、黒い触手が怪鳥の足に絡みついた。そのまま持ち上がて地面に叩きつける。魔獣だ。怪鳥率いるグリフォンたちが慌てる。
「……」
無言でぶち切れたクライヴが戦斧を持ち上げた。そしてもう片方の腕で剣を投げた。
「アルフィー!」
彼は触手を切ると怪鳥を解放する。そして、癒しの魔法を使う。だが、特に変化はない。そこで魔獣に隙を付かれる。不気味に唸り声をあげ、触手を絡めようと素早く伸ばした。
「はぁぁああ!? ハッ!?」
触手が接触したのと同時、恐ろしい速度で参戦者が現れた。その女性は掌底を繰り出す。魔獣は凄まじい衝撃を一点に受け、あり得ない速度で吹き飛ばされた。
「真剣勝負、横槍良くないネ!?」
「誰!? これはどうするの!?
急な出来事の連続でエルナの思考がショートする。
「魔獣を倒す。レティシアは怪鳥を頼む」
「彼女の言う通りだッ。真剣勝負に横やり……絶対に許せん」
「それは良いけど彼女素手で魔獣に!?」
「問題ないネ。我が拳は何者にも砕けないヨ」
「……滅茶苦茶言ってる」
(……恐らくは癒しの魔法に似た何かを纏ってる。俺も魔獣に継続して触られるとやる方法。でも、あれは……彼女のはさらに攻撃に特化しているのか?)
レティシアが怪鳥の足を治癒しに動く。木が多く邪魔なのでグリフォンだけを飛ばし、地上での戦闘になった。
魔獣も巨大だった。球体の獣。前に会ったのは同じ球体でも液体よりだったが、こちらは毛深く柔らかそうだ。ここは精霊が多いと言っていた。それを喰らって育ってしまったのだろう。
魔獣は自らの弾力を活かして空高く跳ぶと、そのまま落下して来た。皆が慌てて離れる中、格闘家は真ん中で力を溜めていた。
「それ悪い手ネ」
そして、タイミングを合わせ、勢いよく脚を真上に蹴り上げる。柔軟な体から繰り出されるそれは魔獣を受け止めた。しかし、衝撃は凄まじく同時に地面にヒビが入った。
だが、弱った魔獣は最後の抵抗を見せる。触手を伸ばして彼女を捕獲しようとする。彼女の脚は皮膚を貫いたため、瞬時に動けなかった。
「アャー……しまたネ」
急いで抜こうと頑張る。間に合わないと冷や汗をかいていると。先ほど邪魔されたアルフィーたちが仕返しとばかりに、触手と本体を切り刻んだ。
「オオ……驚いたヨ」
怪鳥を治療が終わり、レティシアが言う。
「いいの!? 皆、怪鳥さん。一緒に来てくれるって!」
「よっし! よろしくな!?」
「旅しているカ? 一緒に来ないカ? 一緒だと頼もしいネ」
「旅をしているというか」
「遅れたヨ。私ユイネ」
「ユイネさん、俺たちは」
「違うヨ。私ユイ、ネ」
「あー、ユイさん。俺たちは空の島に住んでて」
「ォォ……ソラノシマ。一緒いいカ?」
ユイは後ろを指さす。長い行列がもうじきここに着こうとしていた。彼女は魔獣を察知し、先行して来ていたらしい。
アルフィーたちは顔を見合わせる。
「俺は良いと思うぜ。魔獣に真っ先に突っ込んでくる何て中々出来ねぇ。真剣勝負に水を差すのに怒るとこも気に入った」
クライヴは即答した。特に反対意見も出なかったので彼女を加える事にした。
少し開けた場所を探し、島を呼ぶ。
「アャー……空島だたネ……まさかヨ……」
驚く人々をそこから怪鳥に乗せ、往復する。怖がっていた人はグリフォンで縄を使い二人乗りで運ぶ。時間はかかったが皆無事に移動は完了した。
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