約2935回の呪いをかけられた最弱女剣士。ヒロインと出会い最強無双の魔法剣士へ~暗殺を企てておいて、今更助けを求められてもね~

刀根光太郎

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11話 因果応報

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 シビルは街の人に姿を見られる度にひそひそ話をされる。
それが苦痛で裏路地を好んで使うようになった。

 ある日、日頃から通っている道を歩いている時、
腕を掴まれ地面に放り投げられた。

「な、何をするんですか!?」

 嫌らしい笑みを浮かべている男たちが居た。
シビルは驚いた。知っている面々だったからだ。
慌てて立ち上がると戦闘態勢に入る。


「聞いたぞ……お前、解呪に高額の値段を取ってたらしいじゃねぇか」

「は、はぁ!? 何を証拠にそんな事を言うのですか!? 
貴方たちはもう解呪された。教会でもそれを正面する事は不可のぅがっ」

「黙れ屑ビッチが!?」

 シビルは顔面を殴られ、吹き飛ばされると壁に激突し、地面に崩れ落ちた。
鼻血を出しながら必死に訴える。

「こ、こんな事をして教会が黙っていると思いですか……重罪……ですよ」

「知るかよ。こっちは金がないせいで妻には逃げられるわ、散々だったんだッ」

 男たちは服を丁寧に脱がし始めた。


「それは売るから破るなよ。こいつ顔だけは良いからな」

「や、やめなさい! あぶぅっ」

 男たちはもう一回顔を殴る。

「やめっ」

「ああ? そんな口の聞き方で良いのか?」

「ひぃっ! や、止めて下さい……お願いしますっ」


「じゃあそれなりの誠意が合っても良いんじゃないか?」

「今まで騙して来て申し訳ございません」


「地面に両手と頭を擦り付けて、尻上げろ。それと自分の愚かさを口にしろ」

「そ、そんな事出来るはずないじゃないですか! 私は神官ですよ!」

 髪を掴んでもう顔面と腹部に一発ずつ入れると、シビルは大人しく従う。

「わ、私は散々嘘をついて来た最低のくそビッチ女です。
何でもしますので、どうぞ今までの罪をお許しください」

「分かった」

「ありがとうございます!」

「俺たちが全員満足したらな」

「え? い、今謝ったじゃないですか!」


「何でもって言っただろうがよ!」

「うぐぅむぅぅう」

 男は一物で口を塞いだ。

「俺は前をもらうぜ」

「じゃあ俺は後ろだな」

 シビルは一物から口を一瞬離した。

「う、後ろ何て絶対に無理です! 謝りますッお願いですから、やめてください! 
本当にごしょうでぁぃいぎゃぁぁぁぁあああぁ!!!!!」

「くはぁー、良い顔で漏らすねぇー」

 彼等は問答無用で突っ込んだ。
激しく腰を振る。獣の様な悲鳴をある程度聞いて、
満足した男は再び一物を口に放り込む。
幾ら泣き叫ぼうとも終わる事は無かった。




 一晩中、ひたすら犯されたシビル。
静寂になった路地裏で一人、回復魔法で治療していた。
恨みつらみを言う気力もない。
何とか立ち上がると、布を被され取り押さえられた。

「な、なに! 誰ですかぁ」

 腹を殴られて意識を失った。
目が覚めるとそこは教会だった。

「大司教様! た、助けに来てくれたのですね!」

「シビル……お前は誰よりも才能があり、努力を惜しまない、誠に優秀な神官であった」

「はい! 私は敬虔なるっ…………大司教様……?」

 シビルは途中で違和感に気が付いた。
異様な雰囲気。心なしか大司教が恐ろしく感じたのだ。

「禁忌を侵したな、シビルよ……」

「!?」

 驚きの余り言葉を失う。
だが何か言わなければ肯定ととらえられてしまう。


「そ、それは何かの間違えでは無いでしょうか……」

「神に誓ってか?」


「……と、当然です」


「とても悲しい答えだ」

「え……?」

「その言葉は聞きたく無かった……シビルよ。もう、お前を救う事は出来ない」

「大司教……様?」


「アルマの呪いは解呪した。もうお前たちに力が戻る事は……永遠に無い」

「な! あり得ません! そんな事は不可能! 大司教様ですらもあれを解呪する事は……ぁッ……」


「今更隠す事ではあるまいよ。なんせもう調べはついておる。刑も確定した」

「うッ……嘘ですよねっ!! ……今まで散々ッ、神に仕えて来た私をッ!」


「人には超えてはならぬ一線がある……お前はやりすぎた……」

「ぁ……ぁ……たす……けて……助けて!?」

「達者でな……誰よりも気高く、純粋。才能に恵まれた神官。シビルよ」


 シビルが立ち上がり逃げ出そうとした時、
魔法陣が発生した。大司教に称賛されたシビルは、その場から消えた。



 シビルは隔離された地域に飛ばされていた。
そこには呪いに苦しむ男たちがうごめいていた。
動ける者が反応する。

 彼等は隔離されているだけで、それなりの生活を保障されている。
せめて死ぬまでになるべく苦しまないとの処置。


「おお! 久しぶりの女だぁ!」

「数十年ぶりか?」


「こ、来ないで!」


「はは、威勢が良いな。楽しみだ。今度は長く持ってくれよ」

「お嬢ちゃん……回復魔法は使えるかな? 良い訓練になるよぉ」

「俺は雷の魔法……得意だぜぇ」

「おっ、こいつ洩らしやがった。
神官の癖に今から何されんのか分かってんのか? おもしれー」

 そして、その場にはこの世のものとは思えない叫び声が響いたという。

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