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侵入者
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不気味な少女は闘技場の下。生徒会長と戦う女性を指さした。一瞬だけ気を反らした時を狙い、飛竜が襲い掛かる。二人は攻撃を避け、同時に水の魔法を使い迎撃する。
飛竜を何匹か打ち落とした。その衝撃は凄まじく、辺りに大きな水飛沫が地面に落ちた。さらにラルクロは木を急速に成長させて、黒い少女に攻撃をする。しかし、少女は笑うばかりで動かない。
当たるかと思われたが、木は少女に触れる直前で切り刻まれる。さらに雷が地を這い二人に襲い掛かる。それを跳んで回避する。少女の近くに黒髪の青年が着地した。
互いが睨み合う。僅かな隙に、先ほど飛竜の激しい攻撃の風圧により負傷した箇所を、マグナの淨の魔法で傷を癒す。
「遅くなり、申し訳ございません」
「怖かったわぁー。助けてくれなきゃ今頃もう少しで死んでたわね」
「……お戯れを」
青年は冷や汗をかいていた。その後ろでケタケタと笑う少女。
「それじゃー。皆で仲良く遊びましょうか」
生徒会長は魔物を操る女と戦っていた。この女は積極的に攻撃はせず、守りの戦いを選んでいた。防戦に追い込んでいるのではない。上手くいなされている。明らかな時間稼ぎ。
「生徒会長さん。私たちの仲間にならない? 貴方なら大歓迎」
「目的が分からない輩と組むとでも?」
「ウフフ、目的を言わせて断るのかしら?」
「話が早い。問答の余地無し」
さりげなく周辺を観察していた魔獣使いの女は、僅かに苛ついた顔を見せた。
「残念そうだな。今年の一年は思いの外、優秀らしい」
「所詮は子供、既に疲弊している状態で何処まで持つかしらねぇ」
「勝つまでに決まっている」
彼女はある一点を見て笑う。
「貴方の部下。死にかけているわよ。行かなくて良いの?」
「……必要ない」
「フフ、隠すのが下手くそね」
爪の武器を持つ男と副会長は対峙していた。短い呼吸、血だらけの体。副会長は苦戦していた。痛みに耐えながらも棒を構え睨み付ける。
「ハハハ! やっぱ女の肉だよなぁ!! 切るならよぉ!」
「……下衆な男」
「逃げてもいいぜぇ! その方が切りがいが増すってもんだ」
男は急に跳躍した。先ほどまでいた場所には金属の礫が地面に穴を開けた。
「魔物はかなり減らしました。加勢します」
「ノラ・カリオストロ……」
「ハハァッ。いいねぇ、また獲物が増えたぁ」
副会長とノラは連携をして攻撃を開始する。基本は一対一。これが初顔合わせだからである。しかし、それは上手くかみ合っていた。敵を休ませない、自身の体力の回復も兼ねて交代しながら戦う。鋭い攻撃には横から男に攻撃をし、フォローを入れる。
飛竜を何匹か打ち落とした。その衝撃は凄まじく、辺りに大きな水飛沫が地面に落ちた。さらにラルクロは木を急速に成長させて、黒い少女に攻撃をする。しかし、少女は笑うばかりで動かない。
当たるかと思われたが、木は少女に触れる直前で切り刻まれる。さらに雷が地を這い二人に襲い掛かる。それを跳んで回避する。少女の近くに黒髪の青年が着地した。
互いが睨み合う。僅かな隙に、先ほど飛竜の激しい攻撃の風圧により負傷した箇所を、マグナの淨の魔法で傷を癒す。
「遅くなり、申し訳ございません」
「怖かったわぁー。助けてくれなきゃ今頃もう少しで死んでたわね」
「……お戯れを」
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「それじゃー。皆で仲良く遊びましょうか」
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「目的が分からない輩と組むとでも?」
「ウフフ、目的を言わせて断るのかしら?」
「話が早い。問答の余地無し」
さりげなく周辺を観察していた魔獣使いの女は、僅かに苛ついた顔を見せた。
「残念そうだな。今年の一年は思いの外、優秀らしい」
「所詮は子供、既に疲弊している状態で何処まで持つかしらねぇ」
「勝つまでに決まっている」
彼女はある一点を見て笑う。
「貴方の部下。死にかけているわよ。行かなくて良いの?」
「……必要ない」
「フフ、隠すのが下手くそね」
爪の武器を持つ男と副会長は対峙していた。短い呼吸、血だらけの体。副会長は苦戦していた。痛みに耐えながらも棒を構え睨み付ける。
「ハハハ! やっぱ女の肉だよなぁ!! 切るならよぉ!」
「……下衆な男」
「逃げてもいいぜぇ! その方が切りがいが増すってもんだ」
男は急に跳躍した。先ほどまでいた場所には金属の礫が地面に穴を開けた。
「魔物はかなり減らしました。加勢します」
「ノラ・カリオストロ……」
「ハハァッ。いいねぇ、また獲物が増えたぁ」
副会長とノラは連携をして攻撃を開始する。基本は一対一。これが初顔合わせだからである。しかし、それは上手くかみ合っていた。敵を休ませない、自身の体力の回復も兼ねて交代しながら戦う。鋭い攻撃には横から男に攻撃をし、フォローを入れる。
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