上 下
43 / 48
侵入者

43

しおりを挟む
 リルとノラは一旦、白クラスの席に向かう。ロロに回復をしてもらうためだ。到着するとマグナが魔物に魔法を放ち、ラルクロが目を閉じていた。

「敵が多いですね……特に四人が危険です。魔物は……」

「まあ、その四人は視認できた……特に上のあいつがうぜー」

『残り464匹……闘技場に127、外に281、空に56だ。外のがどんどん入って来てるな。リルは地上の魔物狩りだ』


「あ、先生。治癒を終えたら魔物を倒しに行きます」

「……しかしですね、魔物の数を把握してない生徒を向かわせるのは危険かと」

「残り464匹ですよね!! 闘技場に127、外に281、空に56!!」

(あ……まあいいけど)

「ほう、思ったよりも少し多いですね。空と闘技場の外は広いですから……叡智ですねー」


 その数を聞いて、生徒たちはうろたえる。

「聞いてねぇぞ!!」

「嘘だろ……そんなにいるのかよッ」

「多すぎだろ!!」


 背後のノラが目を細めて言う。

「数は今把握しました。それじゃあ行きましょうか、リル」

「あれ? え?」

 ラルクロはニッコリとしていた。そこで別のクラスの教師が指令を伝えに来た。上の敵を倒せとのことだ。

「俺たちかよ……」


「さて皆さん、今の優先は何ですか?」

 皆さんと言いつつリルの方を向く。

「人命ですか? 戦闘が出来ない生徒を守る?」

「はい、正解です。魔物はノラ君とリルルナ君に任せても大丈夫でしょう」

「正直、アレと戦えば、お前たちを守れる余裕は無い。死ぬなよ」


 マグナたちは顔つきが変わる。そして、壁を蹴り、上へと昇って行く。ノラが指示を出した。

「私とリルは飛び込んで、積極的に魔物を狩る。他はロロを守れる数を選びなさい。彼女を中心に救護班を作る」

「分かった。けど、外から魔物がまだまだ来るってなら、中で集まった方がいいかもっしょ」

「そうね。戦えない人を集めて守りましょう。治療を終えた人も含め、戦えない人を集める場所を作るのもお願いするわ」

 ジェイクがうんうんと頷く。 

「なるほどな。それじゃあ、あいつらはどうするんだ?」


 30人近くいる者達の事だ。

「あれは上級生か先生に任せましょう……疲れ切った私たちでは足手まといになるだけ……」

「それをくぐり抜けて狙って来たらどうする?」

「その時は返り討ちにするしかないでしょうね……」

「へっ、了解だぜ!!」



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

傭兵アルバの放浪記

有馬円
ファンタジー
変わり者の傭兵アルバ、誰も詳しくはこの人間のことを知りません。 アルバはずーっと傭兵で生きてきました。 あんまり考えたこともありません。 でも何をしても何をされても生き残ることが人生の目標です。 ただそれだけですがアルバはそれなりに必死に生きています。 そんな人生の一幕

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

もう、いいのです。

千 遊雲
恋愛
婚約者の王子殿下に、好かれていないと分かっていました。 けれど、嫌われていても構わない。そう思い、放置していた私が悪かったのでしょうか?

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

処理中です...