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侵入者

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 無警戒に歩く女性がいた。長く黒い髪と瞳。右手には鞭を握っている。制服を着ておらず、黒いローブを纏っていた。明らかに外部の者だ。高笑いで生徒に魔物をけしかける。

「ほらほら! 無様にお逃げなさい!!」

 教師が二人。目の前に立塞がる。

「この魔物たちはお前が操っているな?」

「ウフフ……だとしたら?」

「何とも間抜けな……お前を倒せば良いだけの事だ」


 二人は同時に攻撃する。火、地、雷、光の属性魔法を放つ。しかし、手ごたえが無い。

「幻影……ッ」

 気が付いた瞬間、背後から斬撃を浴びせられ、教師は倒れた。爪を付けた男がそこにはいた。魔法が当たったすぐ隣から鞭女が現れた。

「……余計な事を」

「ハハっ!! これで15人目ぇッ」

「で、教師は何人やったの?」

「教師ぃ? ハハハっ!!」

「分かってると思うけど、アレは駄目よ」

「大丈夫だっ。髪の色は覚えてる!!」

「何色?」

 そうやら物足りないらしく、質問に答える間もなく次の獲物を探しに去って行く。

「……止め。刺し忘れてるわよ」

 邪悪な笑みを浮かべる。だが、魔法を放つのを止め、後ろに跳んだ。

「今度は生徒さん……あらイケメン」

「貴様等の目的はなんだ?」

 茶色の髪。青く鋭い眼光。殺意を込めた剣を構える。


「そうね……大暴れ、かしら?」

「そうか。処罰する」

「会長ッ。加勢します」

 何処からともなく現れたのは水色の髪を持つ女性。

「いや、お前はあの馬鹿みたいに暴れてる爪を抑えろ」

「分かりました……ご武運をっ」

 背を向ける女子生徒に魔物を大量に放つ。しかし、彼女は振り向かない。それは全て切り伏せられた。

「あら……さっきの教師よりも厄介そうね……」


 学園長は特別席で全体の様子を観察していた。最悪の事態にならないように魔物を出来る限り減らしながら。その部屋に誰かが入って来た。

「状況は?」

「はい、敵は34人と400以上の魔物……危険なのは4人」

「アレだけは私が見張っているが……」

 学園長は目線を上にあげた。

「どうされますか?」

「何時までも睨み合いはしたくない。マグナとラルクロを早急に向かわせろ」

「承知しました」



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