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入試試験

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 同時にリルは杖を振り、魔法を放つ。

「くらえッ、ドラゴンフレイム!!」


 まるでうどんのように細長い炎が魔物に向かって伸びていく。鞭の様にしなるとロロの脚に巻き尽く魔物の体を焼き切る。

 それは次第に魔物の体を縛り付ける。さすがに本体は焼ききれない。しかし、動きをしっかりと封じることに成功する。拘束が解かれ自由になったロロが褒める。

「やるじゃん、リル! 良い魔法ねっワームフレイム!!」

「え……? いやドラゴ」

「凄いですよ! スネイクフレイム!! そんな魔法初めて見ました!」

「違うよ、ドラ」

「フィンリー!! ひょろ長ワームであれを縛ってる内に!」

「はい!」


「……ぁ、ドラ……」


(芸術点低いんだよな……ルクスそっくり……)


 リングを上空に設置する。絶対に当たる様にかなり近づけた。魔物が体の一部を伸ばす。

「させない!」

 リルはさらに炎を伸ばしてそれすらも絡めとる。そして、空から凄まじい勢いの石が落下する。それは安全装置ごと魔物を貫いた。その瞬間に装置が爆発した。

「何とかなったね。ありがとロロ」

「いやいや! 二人のおかげっしょ」

「良かったです。お役に立ててー」


 傷を癒してもらった後、少し休憩していた。貰った地図を確認し、ルートを決めていた。大体道が決まった頃、リルが言う。

「さっきの魔法だけどね。ドラ」

「うわぁぁああ!!」

 男女混合組が走っていた。体力の限界だったのか、目の前で膝を付いて激しく呼吸をする。淨の魔法をかけながらロロが聞く。

「どうしたの?」

「あっちで炎竜が暴れて!」

「大丈夫、落ち着いて。安全装置がある」

「そ、それはだうだけど、違うんだ! 一歩間違えれば死んでいた! 早く助けを呼ばないとノラが危ない!」

「彼女が?」

「囮になってくれて、俺たちを逃がしてくれたんだっ。お、俺たちのせいで!」


『行くのか?』

(『当然だよ! 助けないと!』)

『なら、最低限そこの二人に許可を取った方が良い。最悪死ぬかもしれない。それにそこの三人だ。流石に異常事態は把握してるだろうから、遅かれ早かれ教員が来る。問題はそれまで耐えられるか、だ』

(『わ、分かった』)


「たぶん想定外の事態が起こってる。最悪死ぬかもしれない。……でも私は助けに行きたい。二人はどうする?」

「……私は……怖いけど……でも、私も助けたい」

 ロロの答えを聞いて嬉しそうにしていた。二人がフィンリーの方を向くと慌てて答えた。

「ぼ、ぼ、ぼ僕だって男です! かっこいい所を見せますよ!」


「「え?」」

 彼は腕を伸ばしたり曲げたりを繰り返し、全く盛り上がらない力こぶを、得意げな表情で見せつける。呆然としている二人の雰囲気に気が付いた。

「な、なんですか?」

「……なんでも。ね?」

「う、うん」


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