55 / 58
55.雑談2
しおりを挟む
【魔王領】
玉座に腰を下ろす不遜な態度の男。大魔王はまずまずの成果に喜んだ。そして、部下たちに褒美を与えた。魔王の遺品を多く集まったからだ。
【八大罪】ガリアロス、【猛毒の王】ディリティオル、【破壊の】デストル、【死水の王】ラダヴィア、【嵐の】ムドヴィラ、【暗黒の】ビスディルズ、【業火の王】ルドザーグ、【荒地の】エグラフォス、そして、最初に手に入れた【原初の戦慄】ジェラスト。
それはかつて世界を恐怖に陥れた九滅の魔王。
流石に全てを集めることは出来なかったが……。集まったのは武器と防具が一式、指輪が二つ、それにローブなどだ。指輪以外は部下に渡した。
魔王軍は準備を整えつつあった。
【グリム一行】
リーパーが王宮から無事に戻って来た。王都付近に集まる。その際に唖然としていた。
クローディがミリウに突進しては、飛ばされを繰り返してた。地面に転がった時に「あーはいはいはい」、「なるほどね」、「もう全部分かった」、みたいな事を言って、突進して即飛ばされる。訓練? なのだろうか?
とにかく情報を皆に共有する。
「対策を?」
「ああ、最後にそう言ってたぞ」
「死体を……ネクロマンサーに近いスキル。遺体を飾っていたのか。それとも想像に近い産物なのか……」
「どっちにしろ。覚悟しておいた方が良いな」
「ブレスに触れただけで、耐性ない生物は溶けたっておじいちゃんが言ってた」
「今は別の魔法を作ってる。後でもっと聞かせてくれ」
「国王が脅迫されてるだけなら、少しは有利な状況を作れそうだが。それすらも芝居だった場合は最悪だな」
ロストが普通に訊く。
「そもそも大魔王に勝てるのか?」
「その死体が本物なら勝てると思うよ」
クローディが答えてくれた。
「じゃあ、挑ってことは本物の可能性の方が高いか。本人が狙われない限りはいけそうだな」
後は竜族の装甲を貫ける何かがいる。その辺の竜では無く、竜族の頂点に決定打を与えなくては勝てない。魔力の向上をしながら、威力重視の魔法を生成しなくてば。
(ククク、時間がまるで足りんな……)
「……」
肩にドシンと重みを感じた。脚が乗っている。サリナだ。グリムは無言でお風呂を作ると、お礼に数回、肩を叩いてくれた。彼女が立ち上がった時に聞く。
「なぁ、サリナ。魔力ってどうやって上げてる?」
「えー、グリムと同じだよー。思いっきり力入れて、魔法を使ってるー」
「え? 魔法を使ってる? サリナも?」
「んー。でもーじっくりじわーりと使って魔素も増やさないとー。眠ると回復が早いんだー」
(!!?)
衝撃の事実が発覚する。サリナは常に魔力強化をしていたらしい。リッスもショックを受けていた。つまり背中に乗りながら常に何か魔法を撃って。魔素がなくなりそうになったら寝るを繰り返していた。
「ええ! 自分だけズルイですよ!」
「リッスの背中とても乗り心地がいいー。それに速くてかっこいいー」
「え? そ、そうですか! ま、まあ。日頃から騎乗者の事を考えてますからねっ。それに毎日鍛えてますし!」
リッスはしたり顔になってそう言った。
「板を乗せたらもっといいかもー」
「板!?」
「一流は形に拘らないー」
「な、なるほどー」
(どんどんサリナ好みにされてるな……)
「三対の翼に板の羽、か……いけるのか……」
ミリウが何かボソっと呟いた。
「板は羽にはならないんじゃないか? 揚力を生み出せる翼にした方が良いかもな」
「ほう……筋肉に関係しているのか?」
(……加速に。いや……流石に無理があるか。やめておこう。きっと今回の最適解は素直に言うこと)
「分からない……その分野に詳しくなくてな」
「…………そうか……残念だ……」
(飛びたいのだろうか?)
「何にせよ。力を蓄えなければな。さあ、肉が焼けたぞ。今日は魚もある」
アノがそう言いながら、肉を渡たす。とてもいい焼き加減だった。
玉座に腰を下ろす不遜な態度の男。大魔王はまずまずの成果に喜んだ。そして、部下たちに褒美を与えた。魔王の遺品を多く集まったからだ。
【八大罪】ガリアロス、【猛毒の王】ディリティオル、【破壊の】デストル、【死水の王】ラダヴィア、【嵐の】ムドヴィラ、【暗黒の】ビスディルズ、【業火の王】ルドザーグ、【荒地の】エグラフォス、そして、最初に手に入れた【原初の戦慄】ジェラスト。
それはかつて世界を恐怖に陥れた九滅の魔王。
流石に全てを集めることは出来なかったが……。集まったのは武器と防具が一式、指輪が二つ、それにローブなどだ。指輪以外は部下に渡した。
魔王軍は準備を整えつつあった。
【グリム一行】
リーパーが王宮から無事に戻って来た。王都付近に集まる。その際に唖然としていた。
クローディがミリウに突進しては、飛ばされを繰り返してた。地面に転がった時に「あーはいはいはい」、「なるほどね」、「もう全部分かった」、みたいな事を言って、突進して即飛ばされる。訓練? なのだろうか?
とにかく情報を皆に共有する。
「対策を?」
「ああ、最後にそう言ってたぞ」
「死体を……ネクロマンサーに近いスキル。遺体を飾っていたのか。それとも想像に近い産物なのか……」
「どっちにしろ。覚悟しておいた方が良いな」
「ブレスに触れただけで、耐性ない生物は溶けたっておじいちゃんが言ってた」
「今は別の魔法を作ってる。後でもっと聞かせてくれ」
「国王が脅迫されてるだけなら、少しは有利な状況を作れそうだが。それすらも芝居だった場合は最悪だな」
ロストが普通に訊く。
「そもそも大魔王に勝てるのか?」
「その死体が本物なら勝てると思うよ」
クローディが答えてくれた。
「じゃあ、挑ってことは本物の可能性の方が高いか。本人が狙われない限りはいけそうだな」
後は竜族の装甲を貫ける何かがいる。その辺の竜では無く、竜族の頂点に決定打を与えなくては勝てない。魔力の向上をしながら、威力重視の魔法を生成しなくてば。
(ククク、時間がまるで足りんな……)
「……」
肩にドシンと重みを感じた。脚が乗っている。サリナだ。グリムは無言でお風呂を作ると、お礼に数回、肩を叩いてくれた。彼女が立ち上がった時に聞く。
「なぁ、サリナ。魔力ってどうやって上げてる?」
「えー、グリムと同じだよー。思いっきり力入れて、魔法を使ってるー」
「え? 魔法を使ってる? サリナも?」
「んー。でもーじっくりじわーりと使って魔素も増やさないとー。眠ると回復が早いんだー」
(!!?)
衝撃の事実が発覚する。サリナは常に魔力強化をしていたらしい。リッスもショックを受けていた。つまり背中に乗りながら常に何か魔法を撃って。魔素がなくなりそうになったら寝るを繰り返していた。
「ええ! 自分だけズルイですよ!」
「リッスの背中とても乗り心地がいいー。それに速くてかっこいいー」
「え? そ、そうですか! ま、まあ。日頃から騎乗者の事を考えてますからねっ。それに毎日鍛えてますし!」
リッスはしたり顔になってそう言った。
「板を乗せたらもっといいかもー」
「板!?」
「一流は形に拘らないー」
「な、なるほどー」
(どんどんサリナ好みにされてるな……)
「三対の翼に板の羽、か……いけるのか……」
ミリウが何かボソっと呟いた。
「板は羽にはならないんじゃないか? 揚力を生み出せる翼にした方が良いかもな」
「ほう……筋肉に関係しているのか?」
(……加速に。いや……流石に無理があるか。やめておこう。きっと今回の最適解は素直に言うこと)
「分からない……その分野に詳しくなくてな」
「…………そうか……残念だ……」
(飛びたいのだろうか?)
「何にせよ。力を蓄えなければな。さあ、肉が焼けたぞ。今日は魚もある」
アノがそう言いながら、肉を渡たす。とてもいい焼き加減だった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
トレジャーキッズ
著:剣 恵真/絵・編集:猫宮 りぃ
ファンタジー
だらだらと自堕落な生活から抜け出すきっかけをどこかで望んでいた。
ただ、それだけだったのに……
自分の存在は何のため?
何のために生きているのか?
世界はどうしてこんなにも理不尽にあふれているのか?
苦悩する子どもと親の物語です。
非日常を体験した、命のやり取りをした、乗り越える困難の中で築かれてゆくのは友情と絆。
まだ見えない『何か』が大切なものだと気づけた。
※更新は週一・日曜日公開を目標
何かございましたら、Twitterにて問い合わせください。
【1】のみ自費出版販売をしております。
追加で修正しているため、全く同じではありません。
できるだけ剣恵真さんの原文と世界観を崩さないように直しておりますが、もう少しうまいやり方があるようでしたら教えていただけるとありがたいです。(担当:猫宮りぃ)
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。
破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。
小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。
本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。
お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。
その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。
次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。
本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す
エルリア
ファンタジー
【祝!第17回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞!】
転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた!
元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。
相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ!
ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。
お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。
金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる