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50.寄り道
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リーパーとリッスが戻って来た。斥候をしていたのだ。この先は警備が厳しくなっていて、無理に進むと魔族との戦いになるらしい。
リッスの方は先日の近藤たちの話を盗み聞きしてきた。どうやら彼女は地形を調べているらしく、まだ大魔王に挑む様子では無いらしい。それに彼女等以外にも偵察に来ていて、八合わせると再び戦いになる。
英雄たちも人族も魔王軍も皆、最終決戦に備えて動いている模様だ。
下手に暴れて彼女等の計画を潰すのも嫌なので、一旦ここは撤退することにした。人生はままならないものだ。
このまま西に行くと海があり、そこを越えると王都がある。人族の動向を知っておきたいので、向かう事にした。
その途中で魔族の小さな村があった。少し悩んだが、魔族に化けたリーパーと捕まった振りをしたグリムで様子を見る事にした。
肌の色は緑と青い者が殆ど。獣人は動物が進化している感じだが、魔物と混ざっている感じだ。子供が楽しそうに遊んでおり、食べるために魔物狩りや農作をしている。人族と変らない。
皆は最初はギョっとしていたが、状況を理解するとリーパーに挨拶をしていた。人族を軍に引き渡すために立ち寄った事にしたら、おばあちゃんの家に泊めてもらえる事になった。
グリムが恐る恐る話しかける。以外にも普通に答えてくれた。小さな村なのが幸いしたのか。その幸運に感謝した。
魔族は3500年ほど前に現れたらしい。神と邪神が戦った末に人類が発生したものだと。魔族に伝わる神話だ。人類とは人族、魔族、竜族、その他の種族の全てだ。
神々が隠れ、その内人類同士で争う様になった。長い戦いの末、人族が禁忌に手を出し、英雄を召喚した。その行いが七災害を発生させたのだと信じられているそうだ。そして、今に至るとの事だ。
竜族の言っていたのと少し違うが、それが神話と言うもの。
そして、機会があれば王都で陛下にも話を聞きたい。3500年の因縁に、たかが十数年しか生きてない異世界人が割り込むのは、自惚れが過ぎる事は分かっている。
でも何の因果か、それに関わってしまった。
自分ではどうする事も出来ない、巨大な力の渦に飲み込まれているだけ。
動けない。最初から何もしなければ。でも何も考えずに動いてしまった。人族の為に。魔族の為に。世界の為に。誰かの為に。力があるのなら助けるべき。余計な事をしなければ。など自分の考えがまとまらない。頭が痛くなる。
分からないけど、せめて納得して動きたい。今更そう考えてしまうのは、きっとここに来た当初よりも、この世界が好きになっているだろう。
六災害とは違う魔族や他種族との問題。英雄とは何だ。楽観的な部類であるはずのグリムは珍しくそれに答えを出せずにいた。
翌日、グリムたちは王都へと向かう。その時に、立派になった白き竜が言った。
「竜の血で魔素が大幅に増えた俺が、皆を運んでやる」
彼等は一人一人が自分たちの進化を理解していた。だからこそ、その言葉を信じたのである。皆、とても良い表情をしていた。
リッスの方は先日の近藤たちの話を盗み聞きしてきた。どうやら彼女は地形を調べているらしく、まだ大魔王に挑む様子では無いらしい。それに彼女等以外にも偵察に来ていて、八合わせると再び戦いになる。
英雄たちも人族も魔王軍も皆、最終決戦に備えて動いている模様だ。
下手に暴れて彼女等の計画を潰すのも嫌なので、一旦ここは撤退することにした。人生はままならないものだ。
このまま西に行くと海があり、そこを越えると王都がある。人族の動向を知っておきたいので、向かう事にした。
その途中で魔族の小さな村があった。少し悩んだが、魔族に化けたリーパーと捕まった振りをしたグリムで様子を見る事にした。
肌の色は緑と青い者が殆ど。獣人は動物が進化している感じだが、魔物と混ざっている感じだ。子供が楽しそうに遊んでおり、食べるために魔物狩りや農作をしている。人族と変らない。
皆は最初はギョっとしていたが、状況を理解するとリーパーに挨拶をしていた。人族を軍に引き渡すために立ち寄った事にしたら、おばあちゃんの家に泊めてもらえる事になった。
グリムが恐る恐る話しかける。以外にも普通に答えてくれた。小さな村なのが幸いしたのか。その幸運に感謝した。
魔族は3500年ほど前に現れたらしい。神と邪神が戦った末に人類が発生したものだと。魔族に伝わる神話だ。人類とは人族、魔族、竜族、その他の種族の全てだ。
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竜族の言っていたのと少し違うが、それが神話と言うもの。
そして、機会があれば王都で陛下にも話を聞きたい。3500年の因縁に、たかが十数年しか生きてない異世界人が割り込むのは、自惚れが過ぎる事は分かっている。
でも何の因果か、それに関わってしまった。
自分ではどうする事も出来ない、巨大な力の渦に飲み込まれているだけ。
動けない。最初から何もしなければ。でも何も考えずに動いてしまった。人族の為に。魔族の為に。世界の為に。誰かの為に。力があるのなら助けるべき。余計な事をしなければ。など自分の考えがまとまらない。頭が痛くなる。
分からないけど、せめて納得して動きたい。今更そう考えてしまうのは、きっとここに来た当初よりも、この世界が好きになっているだろう。
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翌日、グリムたちは王都へと向かう。その時に、立派になった白き竜が言った。
「竜の血で魔素が大幅に増えた俺が、皆を運んでやる」
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