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【狩猟組】
宝剣をリーダーとして狩りへと行く者達。八名で構成されている。すぐに出発と行きたいが、その前に狩猟組の白竜と探索組の不死原には別の仕事がある。愛丘からの細かい指示を受け、能力で木を切り倒す作業だ。二人で作業することでMP消費を分散させる。
回収は拠点組の仕事。それを終えると狩りや探索に出発する。皆は木の棒を武器として持っている。能力が狩りに特化している訳では無いので、臨機応変に使い分けている。
最初の頃は先手を取られ能力を無駄に使って疲れ果てて帰っていた。今では森を歩くのが苦では無くなっている。余裕を持って拠点に帰っている。
獣道を探す途中、田村が要に話かける。
「なぁ、宮本」
「何だ?」
「お前、五鬼継と付き合ってるって本当か?」
「何ぃ!」
皆が驚きの声をあげた。
「まあ、付き合ってるけど? 何でだ?」
田村と清時がハイテンションになった。
「ヒュ~、やるじゃん!」
「で、何処までやった?」
「……最後まで」
鮫島がそれに喰いついた。
「最後って何だよ! 最後って! 最後とはどういう最後だッ」
「ハハハ、想像にお任せするよ」
「何だよそれ! 最後まで言えよ~」
そこで田村が羨ましそうに言う。
「くぅ~。俺も彼女欲しいなぁ~」
不思議そうに要が聞き返した。
「お前と清時は居そうなもんだけどな」
「いるけど他クラス何だよっ。由良もなっ」
「俺もだ」
白竜も入って来た事に一同は驚く。スペックはほぼ佐久間と同等だが、性格が真反対。口少ないクールな男で、そう言うのに興味が無いと思っていたからだ。特に宝剣が口をパクパクさせていた。
「裏切ったか龍人!」
「だから白竜と呼べと言ってるだろ……政宗……」
その親しそうに呼び合う姿から疑問を投げかける。
「何? 実はお前等仲良いの?」
「幼馴染だよ。お互い苗字の方が気に入ってるから、そっちで呼び合ってるだけだ」
皆が感嘆の声を漏らす。そんな時鮫島が言う。
「清水とか狙ってみようかなー。癒し系で良いよな、あいつ」
要が笑いながら言う。
「先客がいるから無理だって」
「ちぇー。やっぱり、城詰か?」
「そういうこと」
それを聞いた清時が驚いていた。
「はぁ~? 円城寺か巫にも言い寄られて無かったか? 何であいつばっか」
宝剣が少し嬉しそうな表情で言う。
「そうえば由良はあいつと組んだ事無かったな。城詰はああ見えて根性がある」
「へ~。結構凄いんだ、あいつ」
「三人組で探索の初日、獣に真っすぐ突っ込んで来た。後から分かったが、対獣用の能力じゃないのにな。そのおかげで俺等も一度助けられた」
武田と萩原も納得しながら言う。
「あ~、それがあの肉か。焼いた肉も美味しかったしなー。最初のあの衝撃は忘れられん。食って大事だ」
「あの知識にも何度助けられたか」
白竜もそれらを聞いて頷きながら言う。
「予想以上の大物とはいえ、気圧されてた……不覚だ」
「ああ、能力の有無じゃない。あれこそが勇気だな」
「それに他人の心配ばっかりする男だ。一部の女子からすればほっとけないんだろう」
それを聞いていた鮫島が、パズルを解いた時の様なスッキリとした顔で言う。
「なるほどな……俺も走って突っ込もうかなッ。お前等、俺の突撃武勇伝を女子に広めておいてくれ!!」
「さては分かってねぇな、お前……」
宝剣をリーダーとして狩りへと行く者達。八名で構成されている。すぐに出発と行きたいが、その前に狩猟組の白竜と探索組の不死原には別の仕事がある。愛丘からの細かい指示を受け、能力で木を切り倒す作業だ。二人で作業することでMP消費を分散させる。
回収は拠点組の仕事。それを終えると狩りや探索に出発する。皆は木の棒を武器として持っている。能力が狩りに特化している訳では無いので、臨機応変に使い分けている。
最初の頃は先手を取られ能力を無駄に使って疲れ果てて帰っていた。今では森を歩くのが苦では無くなっている。余裕を持って拠点に帰っている。
獣道を探す途中、田村が要に話かける。
「なぁ、宮本」
「何だ?」
「お前、五鬼継と付き合ってるって本当か?」
「何ぃ!」
皆が驚きの声をあげた。
「まあ、付き合ってるけど? 何でだ?」
田村と清時がハイテンションになった。
「ヒュ~、やるじゃん!」
「で、何処までやった?」
「……最後まで」
鮫島がそれに喰いついた。
「最後って何だよ! 最後って! 最後とはどういう最後だッ」
「ハハハ、想像にお任せするよ」
「何だよそれ! 最後まで言えよ~」
そこで田村が羨ましそうに言う。
「くぅ~。俺も彼女欲しいなぁ~」
不思議そうに要が聞き返した。
「お前と清時は居そうなもんだけどな」
「いるけど他クラス何だよっ。由良もなっ」
「俺もだ」
白竜も入って来た事に一同は驚く。スペックはほぼ佐久間と同等だが、性格が真反対。口少ないクールな男で、そう言うのに興味が無いと思っていたからだ。特に宝剣が口をパクパクさせていた。
「裏切ったか龍人!」
「だから白竜と呼べと言ってるだろ……政宗……」
その親しそうに呼び合う姿から疑問を投げかける。
「何? 実はお前等仲良いの?」
「幼馴染だよ。お互い苗字の方が気に入ってるから、そっちで呼び合ってるだけだ」
皆が感嘆の声を漏らす。そんな時鮫島が言う。
「清水とか狙ってみようかなー。癒し系で良いよな、あいつ」
要が笑いながら言う。
「先客がいるから無理だって」
「ちぇー。やっぱり、城詰か?」
「そういうこと」
それを聞いた清時が驚いていた。
「はぁ~? 円城寺か巫にも言い寄られて無かったか? 何であいつばっか」
宝剣が少し嬉しそうな表情で言う。
「そうえば由良はあいつと組んだ事無かったな。城詰はああ見えて根性がある」
「へ~。結構凄いんだ、あいつ」
「三人組で探索の初日、獣に真っすぐ突っ込んで来た。後から分かったが、対獣用の能力じゃないのにな。そのおかげで俺等も一度助けられた」
武田と萩原も納得しながら言う。
「あ~、それがあの肉か。焼いた肉も美味しかったしなー。最初のあの衝撃は忘れられん。食って大事だ」
「あの知識にも何度助けられたか」
白竜もそれらを聞いて頷きながら言う。
「予想以上の大物とはいえ、気圧されてた……不覚だ」
「ああ、能力の有無じゃない。あれこそが勇気だな」
「それに他人の心配ばっかりする男だ。一部の女子からすればほっとけないんだろう」
それを聞いていた鮫島が、パズルを解いた時の様なスッキリとした顔で言う。
「なるほどな……俺も走って突っ込もうかなッ。お前等、俺の突撃武勇伝を女子に広めておいてくれ!!」
「さては分かってねぇな、お前……」
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