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新たなる一歩
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【新天地に興奮する者たち】
急いで薪を集めて野営の準備をする。要領が分かってる分、初日に比べて圧倒的に早かった。場所は川から少し離れた平地だ。先日の雨で川が増水した形跡があったのでそれを参考にする。その内、簡易な堤防も作る予定だ。
直ぐ傍には俺たちがお世話になってる森もある。遠くにも森や山は見えるが、そこは後回しだ。獣の調理はいつの間にか巫と円城寺が担当になっていた。元々料理は好きなようだ。この分だとナイフは鉄の手に戻る事はないだろう。
俺の方は佐久間に呼ばれた。要を誘ったが、みーちゃんとの会話に夢中でやんわりと断られた。愛丘と先生は何時も通り。さらに今回は宝剣、白竜。そして、委員長も居た。
そのメンツを見て一言。
「怖いんだけど」
「城詰……何で私を見た?」
(ほら怖い……何時もの委員長だ)
「違うってッ。ほらあれだよ。何か深刻な会議っぽいなって!」
「まあ、間違っては無いよ。これからどう生活するか、だ」
「鉄は?」
「一応呼んだけど……」
「来てないな」
ここからは愛丘が主に話を進めるようだ。大勢の前での指示は佐久間にやらせるのが愛丘のやり方だ。
「あー、ちょっと待っててもらってもいいか?」
「ん? どうした?」
「参加させたい人がいるんだけど、色々厄介で」
「余り時間がかからないなら」
俺はその場を離れると、鉄と話をした。今の生活から発展するなら良い、と了承を貰えた。その後に鎧塚の所に向かうと、事情を説明して彼女の意志を聞く。そして、ついに彼女と一緒に戻る。
その途中、悪寒がしたので振り向くと不死原が立っていた。
「うわ!! ……何だ不死原か……脅かすなよ」
「……俺もその会議に出ても?」
「え?」
「なぁ、勿論良いよなぁ?」
「あ、ああ……」
圧が強かったので断れなかった。戻ると愛丘が尋ねて来る。
「不死原君……に、鎧塚君? 何でまたこの二人を?」
「いや、呼んだのは鎧塚だ」
「それじゃあ不死原君は?」
「何だ二人とも? 俺がいちゃー悪いか?」
「いやぁ……何て言うか」
「まあ、邪魔しないなら」
「しねぇよ!」
(はっきり言うなよな、愛丘……)
それを見ていた委員長が嫌らしい笑みを浮かべていた。どうやら頭文字に気が付いたらしい。
「ええ~、もしかしてあんた~……」
「うるせぇ! 俺は良いから早く始めろって!」
「……それじゃあ先に鎧塚を呼んだ理由を聞いても?」
そこで愛丘が彼女の方を見る。
「あ、私の能力は《通信》。地球のネット情報を検索出来るの……」
「素晴らしい……ッ」
愛丘が即効で握手をした。彼女は動揺しながら補足する。
「余り期待されると困るかも。使うと頭に映像が流れるんだけど、その時間が短いの。その文字や絵を私が記憶する。だから、伝える方法が模写に近い感じだよ。それにMPを使うからずっとは無理……」
「十分だよ。僕も協力する」
「俺も居るぞっ。鎧塚!」
「不死原君は主に戦闘を頼む」
愛丘が淡々と言う。
「……冷たい奴ー」
「適材適所だよ」
急いで薪を集めて野営の準備をする。要領が分かってる分、初日に比べて圧倒的に早かった。場所は川から少し離れた平地だ。先日の雨で川が増水した形跡があったのでそれを参考にする。その内、簡易な堤防も作る予定だ。
直ぐ傍には俺たちがお世話になってる森もある。遠くにも森や山は見えるが、そこは後回しだ。獣の調理はいつの間にか巫と円城寺が担当になっていた。元々料理は好きなようだ。この分だとナイフは鉄の手に戻る事はないだろう。
俺の方は佐久間に呼ばれた。要を誘ったが、みーちゃんとの会話に夢中でやんわりと断られた。愛丘と先生は何時も通り。さらに今回は宝剣、白竜。そして、委員長も居た。
そのメンツを見て一言。
「怖いんだけど」
「城詰……何で私を見た?」
(ほら怖い……何時もの委員長だ)
「違うってッ。ほらあれだよ。何か深刻な会議っぽいなって!」
「まあ、間違っては無いよ。これからどう生活するか、だ」
「鉄は?」
「一応呼んだけど……」
「来てないな」
ここからは愛丘が主に話を進めるようだ。大勢の前での指示は佐久間にやらせるのが愛丘のやり方だ。
「あー、ちょっと待っててもらってもいいか?」
「ん? どうした?」
「参加させたい人がいるんだけど、色々厄介で」
「余り時間がかからないなら」
俺はその場を離れると、鉄と話をした。今の生活から発展するなら良い、と了承を貰えた。その後に鎧塚の所に向かうと、事情を説明して彼女の意志を聞く。そして、ついに彼女と一緒に戻る。
その途中、悪寒がしたので振り向くと不死原が立っていた。
「うわ!! ……何だ不死原か……脅かすなよ」
「……俺もその会議に出ても?」
「え?」
「なぁ、勿論良いよなぁ?」
「あ、ああ……」
圧が強かったので断れなかった。戻ると愛丘が尋ねて来る。
「不死原君……に、鎧塚君? 何でまたこの二人を?」
「いや、呼んだのは鎧塚だ」
「それじゃあ不死原君は?」
「何だ二人とも? 俺がいちゃー悪いか?」
「いやぁ……何て言うか」
「まあ、邪魔しないなら」
「しねぇよ!」
(はっきり言うなよな、愛丘……)
それを見ていた委員長が嫌らしい笑みを浮かべていた。どうやら頭文字に気が付いたらしい。
「ええ~、もしかしてあんた~……」
「うるせぇ! 俺は良いから早く始めろって!」
「……それじゃあ先に鎧塚を呼んだ理由を聞いても?」
そこで愛丘が彼女の方を見る。
「あ、私の能力は《通信》。地球のネット情報を検索出来るの……」
「素晴らしい……ッ」
愛丘が即効で握手をした。彼女は動揺しながら補足する。
「余り期待されると困るかも。使うと頭に映像が流れるんだけど、その時間が短いの。その文字や絵を私が記憶する。だから、伝える方法が模写に近い感じだよ。それにMPを使うからずっとは無理……」
「十分だよ。僕も協力する」
「俺も居るぞっ。鎧塚!」
「不死原君は主に戦闘を頼む」
愛丘が淡々と言う。
「……冷たい奴ー」
「適材適所だよ」
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