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新たなる一歩
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【旧拠点】
佐久間は川を見つけた事を伝える。薪などは向こうで集めれば良いので必要最低限の物だけを持って行く。とはいっても衣類とペットボトル、木の実くらいだった。その他はポケットに入ってた雑貨と、少量の薪と木炭を持って行く。
ここを離れる時、皆名残惜しそうに見ていた。居たのは数日だけだったというのに不思議な感じだ。そして、36名の大移動を開始する。
ここから離れる前に一同で黙禱をした。
それから戦闘が出来る者は前後に、出来ない者は真ん中付近に集める。それと中央の両サイドに護衛も付けた。根元は中央に居た。暑苦しそうというか、嫌そうというか、兎に角げんなりしていた。
俺がその様子を見ているとふと目が合う。彼女はあの時の発言を思い出した様で睨み付けて来た。俺は速攻で目を反らして前を向く。そして、震えながら新拠点へと進むのであった。
因みに新拠点に移動してからも水源を探すのは継続する。季節や環境で川や周辺の食料が何時枯渇するか分からないからだ。
【新拠点】
移動が終わる頃には既に日が暮れかけていた。水分補給が出来るとは言え、まだ弱っている者も多かったことから何度も休憩を挟んだからだ。
獣と数回遭遇し、猪と兎の獣を採る事が出来たのは良かった。皆の前だからか、数人が張り切って獣を狩っていた。手早く血抜きなどの処理をすると再び歩き出す。新拠点に到着すると川がある事に皆が目を輝かせていた。
「よっしゃぁぁあああ!!」
田村とその仲間たちが川に走って行く。しかし、彼等は急に止まった。何か恐ろしい視線を感じたからだ。少し目線をずらすと、委員長が無言で睨み付けていた。
「……あ、遊びは後からだよな?」
「お、おう……近くに来ただけで、未来のためのイメージトレーニングだよな~。いやー楽しみだぁ!」
彼等は良く分からない事を言い出した。
「だなっ。良いイメージが出来たッ! さて、仕事に戻るか!?」
それを聞いた後藤はご満悦だった。
「ふむ! よろしい!」
遅れて参加しようと思っていた者達は危なかったと、冷や汗をかいていた。こうして皆、すぐに気を引き締めるのであった。後藤は満足した様子で仕事を始めようとした時、柔らかい表情で生徒を見つめる先生がいた。
「古川先生。どうしたんですか?」
「ちょっと皆の様子を見てました。元気そうで……嬉しいです、本当に……」
後藤もそれを聞いて嬉しい反面、苦笑いをした。
「デリカシーの無い問題児ばかりで大変ですよね……先生が支えてくれたおかげですよ。ありがとうございます」
先生もまたそれを聞いて嬉しそうだった。
「いいえ、そんな事はありません。優秀な生徒を持った私は幸せ者だと……常々、そう思ってます。後藤さん……皆の事を頼みますよ」
「もぉー先生。その言い方止めてくださいよ。何か後が無いみたいな雰囲気出てますってー」
「えっ、いえ! そういうつもりでは……」
先生がそう言いかけると、二人は目が合う。すると自然と笑ってしまう。暫く笑うと彼女たちは皆に合流して、仕事を開始するのであった。
佐久間は川を見つけた事を伝える。薪などは向こうで集めれば良いので必要最低限の物だけを持って行く。とはいっても衣類とペットボトル、木の実くらいだった。その他はポケットに入ってた雑貨と、少量の薪と木炭を持って行く。
ここを離れる時、皆名残惜しそうに見ていた。居たのは数日だけだったというのに不思議な感じだ。そして、36名の大移動を開始する。
ここから離れる前に一同で黙禱をした。
それから戦闘が出来る者は前後に、出来ない者は真ん中付近に集める。それと中央の両サイドに護衛も付けた。根元は中央に居た。暑苦しそうというか、嫌そうというか、兎に角げんなりしていた。
俺がその様子を見ているとふと目が合う。彼女はあの時の発言を思い出した様で睨み付けて来た。俺は速攻で目を反らして前を向く。そして、震えながら新拠点へと進むのであった。
因みに新拠点に移動してからも水源を探すのは継続する。季節や環境で川や周辺の食料が何時枯渇するか分からないからだ。
【新拠点】
移動が終わる頃には既に日が暮れかけていた。水分補給が出来るとは言え、まだ弱っている者も多かったことから何度も休憩を挟んだからだ。
獣と数回遭遇し、猪と兎の獣を採る事が出来たのは良かった。皆の前だからか、数人が張り切って獣を狩っていた。手早く血抜きなどの処理をすると再び歩き出す。新拠点に到着すると川がある事に皆が目を輝かせていた。
「よっしゃぁぁあああ!!」
田村とその仲間たちが川に走って行く。しかし、彼等は急に止まった。何か恐ろしい視線を感じたからだ。少し目線をずらすと、委員長が無言で睨み付けていた。
「……あ、遊びは後からだよな?」
「お、おう……近くに来ただけで、未来のためのイメージトレーニングだよな~。いやー楽しみだぁ!」
彼等は良く分からない事を言い出した。
「だなっ。良いイメージが出来たッ! さて、仕事に戻るか!?」
それを聞いた後藤はご満悦だった。
「ふむ! よろしい!」
遅れて参加しようと思っていた者達は危なかったと、冷や汗をかいていた。こうして皆、すぐに気を引き締めるのであった。後藤は満足した様子で仕事を始めようとした時、柔らかい表情で生徒を見つめる先生がいた。
「古川先生。どうしたんですか?」
「ちょっと皆の様子を見てました。元気そうで……嬉しいです、本当に……」
後藤もそれを聞いて嬉しい反面、苦笑いをした。
「デリカシーの無い問題児ばかりで大変ですよね……先生が支えてくれたおかげですよ。ありがとうございます」
先生もまたそれを聞いて嬉しそうだった。
「いいえ、そんな事はありません。優秀な生徒を持った私は幸せ者だと……常々、そう思ってます。後藤さん……皆の事を頼みますよ」
「もぉー先生。その言い方止めてくださいよ。何か後が無いみたいな雰囲気出てますってー」
「えっ、いえ! そういうつもりでは……」
先生がそう言いかけると、二人は目が合う。すると自然と笑ってしまう。暫く笑うと彼女たちは皆に合流して、仕事を開始するのであった。
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