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新たなる一歩

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 俺たちは話し合う。やはり、安全に飲める水の確保は大事という話になる。この川の水を《毒見》で確かめると、そこそこ綺麗な水ではあるが、お腹を壊す可能性があるらしい。

 ペットボトルを一つだけ使って、簡易なろ過装置を作る事にした。幸い女子のほとんどがハンカチを持っていた。木炭もある。

 次に狩りのチームと、別の水源や人里を探すチームを作ろうとなった。それに定住するなら農耕のうこうが必須だろう。後は住居。愛丘と鎧塚か協力すれば前より良い家になりそうで楽しみだ。

 その時、かんなぎが話しかけて来る。

「何かもっと現代に近い料理とか出来ないの?」

 愛丘がそれに即答する。

「んー、贅沢出来る余裕がないからな。それに調味料も必要だし、当分は無理かな。三年かけても厳しいと思う」

「そっかー……」

「うんでも、煮込み料理は一つの目標にしてるけどな」

「城詰君っ、それほんと?」

「蒸発を利用して水分を集めるのは時間がかかるし、ろ過の後、本当なら煮沸させたいからな」

 ペットボトルや袋も物である以上、老朽化して穴が開く可能性もある。水を貯める事の出来たり、沢山物を運べる籠の様な入れ物は必ず必要になる。

「おいおい、煮沸って。金属何て何処にあるんだ? 仮に人里が上手く見つかったとしても、文明次第では無理だ」

 石器時代かもしれないし、科学文明かもしれない。また白竜の能力を参考にすると、魔法が発達した文明かもしれないし。現地人が凶暴である可能性もある。

 歴史はそれを知っている。生きるとはそういう事なのだろう。


「土器だよ。幸い水は大量にある。粘土さえ見つければ、何か器を作れるはずだ……多分」

 彼は何か考え事をしながら呟く。

「……その手があったか」

 佐久間が納得したように言う。

「なるほど……本当に水というものは素晴らしいな。川の傍で文明が発展する訳だ……」

 日頃は意識しない水。彼は改めて大切な物だと実感する。宝剣が気合を入れた声を出した。

「料理にバリュエーションが増えるなら俺たちも獣を狩るのが楽しくなりそうだッ」

 俺たち期待に胸を躍らせながら次にステップへと進む。





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※配分は個人の意思を尊重・場合によっては再配置あり

★狩猟(戦闘が得意な者達)

宝剣 正宗
白竜 龍人  魔法だと口走る
宮本 要  《身体強化》
萩原 哲平  獣を石化させたのを目撃
武田 右京  腐敗系統の何か
清時 由来 
田村 恭介
鮫島 真

★採取(ベリーや粘土、その他山菜などを集める人達・若干戦闘要員あり)

城詰 彰人  《無力》
佐久間 冬也 《ミニマム》
天羽 凪
今泉 莉々衣
大神 月乃
内藤 結芽
田中 日菜乃

★周辺探索
(新たな居住地の探索。人里の探索。現在、狩り採取と拠点作りが優先のため、少数になった。今は無理をしない方針)

不死原 風我 能力不明。戦闘に自信があり
五鬼継 未来 《時間停止》

★研究(拠点の構想を考える人達)

愛丘 千   まだ内緒らしい
鎧塚 こよみ 《通信》
古川 静香  先生

★拠点防衛・拠点作り(防衛と言う名の雑用係)

後藤 彩夏  風紀委員
秋元 狂
一条 大和
鉄 豪危
佐野 徹平   
円城寺 叶  《炎術士》
大橋 凛嘉
巫 蛍    《毒見》
北川 紫音
水谷 玲奈
清水 和   《ヒールング》
根本 初   《センサー》
松本 岬  
刀野 霧
原樹 淡
間  供音

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死亡:五名


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