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そんな事もある

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【辺りが夜の闇に染まる頃】

 焚火は大きなモノが一つ。グループで集まりたい者、個人で居たい者、それぞれで小さな焚火が周辺に数カ所ある。

 先生と佐久間たちは大きい焚火に待機していて、そこに何人か集まっていた。俺は要たちと小さな焚火を作って集まる。同じように個々で焚火をしている者もちらほら居た。最初は皆一緒にという雰囲気が出ていたが今の形が出来上がる。

 武勇伝を聞いて評価が上ったのか、男女数人が鳳に話しかけていた。

「鳳、俺たちの所に来いよ」

「ふっ。誘いは嬉しいが遠慮させてもらうでござる」

「なんでだよー」

「我は《かまいたち》の使用者。選ばれし者……拙者が誰かと組むのは平等ではないでござるからな。そう、拙者は孤高の存在。元より群れる気は無いでござる」

「何言ってんだお前……?」

「しかし、安心するでござるよ。独自のやり方でこのキャンプ地を……必ず皆を守るでござるッ」

「ん~、よく分からんが、守ってくれるなら良かった。期待してるぞ鳳~」

「ふむ、任せ給え」

 それを確認すると彼等は各自解散していった。


 俺は要たちが怪我も無く無事に帰って来て喜んでいた。それにしても探索組に志願するなんて。余程自信があるのか?

「要の能力ってどんなのだ?」

 それを聞いた要はニヤリと笑った。

「知りたいか?」

「お、おう! 正直、気になりすぎてずっと聞こうと思ってた!」

「ふふっ、教えねーよ!」

「はぁ~何だよ~」

「プっ。冗談だよ、冗談。そんなに怒るなって」

「いや、別に怒ってねーし!」

 そこでみーちゃんも参加して来た。

「じゃあさ。じゃあさ。皆で見せ合いッこするぅ?」

 みーちゃんとは五鬼継ごきつぐ未来みく。本人が苗字がごつくいのが嫌だと言っていたので、少し親しい人ならあだ名か、名で呼んでいる。清水の方は俺と幼馴染なので、名で呼んでる。

「いいねぇ。和も大丈夫か?」

「うん、私も良いよ」

 そして、俺たちはせーので見せ合った。ステータスボードは傾けたりも出来る。要なんかは設定を見つけたらしく、色を変えていた。デフォルトは半透明の青よりの色だ。

 みーちゃんもやり方を教わったらしく桃色になっていた。こいつら、何時の間に。

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名前:宮本要
職:民

能力:身体強化
MP:100
クールタイム:0秒

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名前:五鬼継未来
職:民

能力:時間停止
クールタイム:0秒

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名前:清水和
職:民

能力:ヒーリング
MP:100

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(俺だけ職無しか……)

「え? 《時間停止》って?」

「ふふん! 驚いた? 要も凄い驚いてたよ~。でも五秒しか止めれないし、クールタイムが八秒であんまりって感じ」

「いや、凄いだろ……何言ってんだ、チートだろ」

「ほら、彰人も同じ反応しただろ?」

「えー、何でぇ?」

「ところで……何で止めれる時間分かるの?」

「詳細に書いてるよ。ほら」

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