1 / 70
異世界転移と女神
1プロローグ
しおりを挟む
ブレザーを着ている男子二人が登校している。僅かに背の低い男が話しかける。
「今日も良い天気だな」
「だな。今週はずっと晴れるらしいぞ」
話しかけた方は城詰彰人、高校二年生。黒髪で顔は普通、成績も普通くらいの男である。
その何気ない言葉に反応したのは中学生の頃からの友人、宮本要。茶髪の男で顔はかなり整っており、運動神経が抜群。成績も上位である。
彼等はA組の教室に入ると鞄を置き、女子二人に近づいた。おはようと挨拶を交すと、城詰に気が付いたらしく、彼女等も笑顔で挨拶を返す。
黒髪ロング、大人しい性格の清水。もう一人は黒い髪をポニーテールにしている。活発な印象を受ける彼女は五鬼継未来。
五鬼継だけはこの学校で仲が良くなった。要は中学からの、清水和は小学校からの幼馴染だ。大体この四人で行動している。宮本が少し興奮気味に話を始める。
「昨日さ、面白い動画見つけたんだ」
「要の事だからどうせクイズ系か?」
「と、思うだろ?」
五鬼継も当てようとする。
「じゃあ、スポーツ?」
「それは未来の好みだからな」
「分かった。ペットとかか?」
「それは清水の好みだって!」
「ハハハ。だったら、もったいぶらずに早く言えって」
いつも通りの何の変哲もない会話だった。
そこで教室のドアが開いた。同時に長い髪に綺麗な藤色の髪をした、スタイルの良い大人の女性が入って来る。このクラスの担任の古川。
古川が席に着く様、生徒に促す。皆が席に着いた頃、ざわざわと声がした。突如、教室の床全体に魔法陣のような模様が浮かび上がったからだ。
そして、教室は不自然な静寂に包まれた。誰もいなくなったからである。
【地平線が広がる白い空間】
俺は気が付いたら辺りに何もない真っ白な空間で倒れていた。腕を突いて立ち上がると、クラスの皆も起き上がり始める。
「要……大丈夫か?」
「……彰人。一体何が……はっ! 未来と清水はっ」
「そこにいる」
急いで近づいて声をかけると、彼女等の意識が戻った。お互い何ともない様でほっと胸をなでおろす。
少し冷静さを取り戻した時、クラスの皆が大声で騒ぎ出す。それを先生や冷静さを保った数人の生徒がなだめていた。
そこから数分ほど経つとどこからともなく女性の声が聞こえて来た。それは落ち着いた声だった。
「おめでとうございます。貴方がたは選ばれました」
声のする方へ向くと、光が集まっていた。皆は不安と恐怖、疑問が混じった表情をしていた。その場所に目を凝らし、ジッと見ていると徐々に人形が現れた。それはこの世の者とは思えない程の美しい女性であった。
「今日も良い天気だな」
「だな。今週はずっと晴れるらしいぞ」
話しかけた方は城詰彰人、高校二年生。黒髪で顔は普通、成績も普通くらいの男である。
その何気ない言葉に反応したのは中学生の頃からの友人、宮本要。茶髪の男で顔はかなり整っており、運動神経が抜群。成績も上位である。
彼等はA組の教室に入ると鞄を置き、女子二人に近づいた。おはようと挨拶を交すと、城詰に気が付いたらしく、彼女等も笑顔で挨拶を返す。
黒髪ロング、大人しい性格の清水。もう一人は黒い髪をポニーテールにしている。活発な印象を受ける彼女は五鬼継未来。
五鬼継だけはこの学校で仲が良くなった。要は中学からの、清水和は小学校からの幼馴染だ。大体この四人で行動している。宮本が少し興奮気味に話を始める。
「昨日さ、面白い動画見つけたんだ」
「要の事だからどうせクイズ系か?」
「と、思うだろ?」
五鬼継も当てようとする。
「じゃあ、スポーツ?」
「それは未来の好みだからな」
「分かった。ペットとかか?」
「それは清水の好みだって!」
「ハハハ。だったら、もったいぶらずに早く言えって」
いつも通りの何の変哲もない会話だった。
そこで教室のドアが開いた。同時に長い髪に綺麗な藤色の髪をした、スタイルの良い大人の女性が入って来る。このクラスの担任の古川。
古川が席に着く様、生徒に促す。皆が席に着いた頃、ざわざわと声がした。突如、教室の床全体に魔法陣のような模様が浮かび上がったからだ。
そして、教室は不自然な静寂に包まれた。誰もいなくなったからである。
【地平線が広がる白い空間】
俺は気が付いたら辺りに何もない真っ白な空間で倒れていた。腕を突いて立ち上がると、クラスの皆も起き上がり始める。
「要……大丈夫か?」
「……彰人。一体何が……はっ! 未来と清水はっ」
「そこにいる」
急いで近づいて声をかけると、彼女等の意識が戻った。お互い何ともない様でほっと胸をなでおろす。
少し冷静さを取り戻した時、クラスの皆が大声で騒ぎ出す。それを先生や冷静さを保った数人の生徒がなだめていた。
そこから数分ほど経つとどこからともなく女性の声が聞こえて来た。それは落ち着いた声だった。
「おめでとうございます。貴方がたは選ばれました」
声のする方へ向くと、光が集まっていた。皆は不安と恐怖、疑問が混じった表情をしていた。その場所に目を凝らし、ジッと見ていると徐々に人形が現れた。それはこの世の者とは思えない程の美しい女性であった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
追放シーフの成り上がり
白銀六花
ファンタジー
王都のギルドでSS級まで上り詰めた冒険者パーティー【オリオン】の一員として日々活躍するディーノ。
前衛のシーフとしてモンスターを翻弄し、回避しながらダメージを蓄積させていき、最後はパーティー全員でトドメを刺す。
これがディーノの所属するオリオンの戦い方だ。
ところが、SS級モンスター相手に命がけで戦うディーノに対し、ほぼ無傷で戦闘を終えるパーティーメンバー。
ディーノのスキル【ギフト】によってパーティーメンバーのステータスを上昇させ、パーティー内でも誰よりも戦闘に貢献していたはずなのに……
「お前、俺達の実力についてこれなくなってるんじゃねぇの?」とパーティーを追放される。
ディーノを追放し、新たな仲間とパーティーを再結成した元仲間達。
新生パーティー【ブレイブ】でクエストに出るも、以前とは違い命がけの戦闘を繰り広げ、クエストには失敗を繰り返す。
理由もわからず怒りに震え、新入りを役立たずと怒鳴りちらす元仲間達。
そしてソロの冒険者として活動し始めるとディーノは、自分のスキルを見直す事となり、S級冒険者として活躍していく事となる。
ディーノもまさか、パーティーに所属していた事で弱くなっていたなどと気付く事もなかったのだ。
それと同じく、自分がパーティーに所属していた事で仲間を弱いままにしてしまった事にも気付いてしまう。
自由気ままなソロ冒険者生活を楽しむディーノ。
そこに元仲間が会いに来て「戻って来い」?
戻る気などさらさら無いディーノはあっさりと断り、一人自由な生活を……と、思えば何故かブレイブの新人が頼って来た。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
Fairy Song
時雨青葉
ファンタジー
妖精たちが飛び交う世界。
ここでは皆、運命石と呼ばれる石を持って生まれてくる。
この運命石は、名のとおり自分の運命の相手へと繋がっているのだという。
皆いずれ旅立つ。
対になる運命石を持つ、運命の相手を捜して。
―――しかし、そんなロマンチックな伝承に夢を見れない者がここに一人。
自分は生まれながらの欠陥品。
だからどうせ、運命の相手なんて……
生まれ持った体質ゆえに、周囲との価値観の差に壁を感じずにいられないシュルク。
そんな彼に、とある夜の出会いが波乱を巻き起こす。
「恨むなら、ルルーシェを恨みなさい。」
唐突に振り上げられる刃は、退屈でも平和だった日常を打ち砕く。
運命石を中心に繰り広げられる、妖精世界の冒険譚!!
運命の出会いを、あなたは信じますか…?
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる