もし空が青だったら .

りう .

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𝒇𝒐𝒖𝒓

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全校生徒がざわついている体育館。
ステージに入れば一瞬だけしんとなり、女子たちが歓声をあげる。
「静かに」
蒼月が落ち着いた低い声で言う。……そう、蒼月はギャップがすごい。
全員の声が一瞬にして消える。
「今日から生徒会委員を募集します。入りたい人は職員室前のこの募集箱に。以上、解散」
そう言ってステージをおり、体育館を出る。


(ッ、誰か、誰か助けてっ、うっ)


「……ん、?」
「どーした?」
「ちょっと行ってくる」
「え、……いってらっしゃい」

「パチン」と指を鳴らして、脳(?)の元へテレポーテーションで向かう。


ヤンキー「おいおい、こんなもんかよ面白くねぇ」
「……ッ、」
ヤンキー「あーこんなところにガラスがある~w」
ヤンキー「耐えられるかなぁ、黒木くーん??w」
「…え、やめっ」
ヤンキー「がんばれ~w」

はいそこで、俺の登場。

「おい」
ヤンキー「あ"?」
ヤンキー「あらあら、生徒会長じゃーん」
ヤンキー「会長だからってお前2年だろー?俺ら3年、先輩なの~ww」
「あぁ、それがどうした」
ヤンキー「は?調子乗ってんじゃねーよっ!!!」

……普通なら、この衝撃を受けると顔が真っ赤に腫れるところだが、俺は無傷。
蚊が手に止まったくらいの衝撃、という感じだ。

「お返し、あげます」

そう言って、頬を軽く殴る。
遠くの方にあるフェンスにすごい音を立ててぶつかったそいつをみて、
他の奴らは目を大きくして俺を見る。

「…舐めんなよ」

そう一言を置いて、フェンスに寄りかかって座っていた先輩ほうに手を伸ばす。
ひどい怪我だ。白い肌にいくつも絆創膏が貼ってあり、痛々しい。
「え、?」
「立てますか?」
「あ、…ありがとう」
「肩貸します。」
「いや、いいよっ」
「はぁ、じゃあ浮きますか?」
「え、浮く…?」

右手を上げて、先輩を浮かせる。

「へ!?えっ、!?」
「行きますよ、保健室」
「ちょ、待ってどういうこと、!?僕、浮いてるっ、!?」

かくかくしかじか

「超能力者って本当にいるんだ…」
「あ、先輩の名前聞いてない」

ᴋᴜʀᴏᴋɪ sᴇɪ
「黒木星」

「俺は西寺r」
「麗央くん!」
「え、なんで知って…」
「だって有名人じゃん、へへ」
「はあ……あ、そうだ、先輩虐めてる奴らどうしますか?」
「え、どうするって…」
「やり返すか、我慢するか」
「………やり返すんじゃなくて、やめてほしい。」
「…そうですか」
「でも、『やめて』って言っても『黙れ』って殴られるんだ。」
「なんで虐められてるとか分かりますか?」
「わかんないよ、……」
「じゃあ聞いてくるんで安静にしててくださいねー」
「うん…、え!?」
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