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幕間4:アレンとルーク、北国にて

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北国の貴族との商談を終え、アレンとルークは宿でくつろいでいた。

「いやー、売れた売れた!これで品評会での負けを多少は取り戻せたかな?」

「まあ、そうですね。思っていた以上に上手くいきましたね」

結論をいうと、商談は大成功だった。

サンプルとして持ってきた宝飾品はその場で買われ、追加の納品の契約まで結ぶことができた。

アレンの上機嫌も道理である。

しかし北国特有のアルコール度数の高い酒をあおり上機嫌なアレンとは対照的にルークの口調は重い。


「どうしたんだいルーク、あまり嬉しくなさそうだけど?」

「商談がうまくいったのは俺もうれしいですよ、俺が心配なのはアレンさまの体ですよ」

「僕の体がどうしたのかい?」

「体調悪いの隠してるでしょう? 他の人間ならともかく俺にはわかりますよ。何年そばで仕えてると思ってるんですか?」

「ばれちゃってたか・・・」

アレンは悪戯がばれた子供のようにばつの悪い表情を浮かべた。

「アレンさまは子供のころから冬になるとよく寝込んでたでしょう。馬車を借りて、先に屋敷に帰ってください。後の仕事は俺でもできるものばかりですから」

「いや、ルークに任せっきりにするのは・・・それに屋敷に帰ってもやることが・・・」

「ふーん、エミリーさまに次の品評会に同行してくれるように話はつけたんですね?」

「あ、いや・・・それはまだ・・・」

口ごもるアレン。

「それでどうするんです? 次はエミリーさまを連れて行くようにエスクワイア夫人に言われましたよね?あのご婦人の機嫌を損ねたら貴族界隈での商売はできなくなりますよ、それでいいんですか?」

「・・・・・・」

立て板に水のルークに返す言葉もなくアレンは押し黙ってしまう。

「わかったら先に帰ってください。いいですね?」

アレンからの反論は無い。

翌日ルークは御者と馬車を呼んで、アレンを無理やりに帰路につかせたのであった。
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