10 / 27
1章-2 欠けて満ちてそれからカプト様の右腕
毒魚を貪る
しおりを挟む
「魚、おいしい、魚、おいしい、魚」
「おい、落ち着いて食べろ。骨もあるし喉に詰まらせるだろ?」
「大丈夫大丈夫。これまでいろいろ刺さったり詰まったけど大丈夫だったから」
お店のお兄さんが心配そうに見ているけれど、本当に大丈夫なの。
「……お主の物理耐性と窒息耐性はそれか……」
目の前にはたくさんのお皿が積み重なっている。ごはんは出来立てが美味しいんだ。だからいっぺんに頼まずに順番に頼むんだ。まあお店の人も一種類ずつしか出してくれなかったけど。
編集長に到着の連絡をしたら、船は明日の朝出港の切符を用意したらしい。だから僕はハラ・プエルトで一泊する。村を出てから初めてまともにご飯が食べれるし、ベッドで寝られる。わーい。
先に宿を取ろうというカプト様を諦めさせて、先に昼ごはんにすることにした。だって町中からめっちゃお魚の匂いがするんだもん! 無理に決まってる!
けれどもバスだと昼飯時に着くはずなのに、歩いてきたから絶妙にランチタイムを過ぎていて、飲食店はほとんど閉まっていた。開いてるのはカフェとか、わりと代わり映えしないメニューなものばかり。途方に暮れる。お魚食べたい!
「編集長!」
「今度はなんだ!」
「お昼ご飯時すぎちゃったからご飯屋さん全部閉まっちゃったじゃないですか! 編集長のせいで!」
「なんで俺のせいなんだ、店のせいだろ! 飯屋は開いてなくてもパン屋とかは空いてるだろ」
「嫌です! 昨日からろくに食べてないんです! だから開いてる店教えてください! 旅行の会社なんだから知ってるでしょ⁉︎」
スマホの向こうからはとても面倒臭そうな声がした。けれども僕も引けない。なにせご飯がかかっている。
「チッ。知ってるっつってもうちは『その他』の第五分室だぞ⁉︎ 妙な店しか……。まて、お前毒大丈夫なんだよな」
「はい。でも美味しいのがいいです」
「美味い、とは聞くんだがうちの誰もトライできてない店があるんだ。飯代は追加で出すから取材してみないか?」
「取材、ですか?」
「そうだ。スマホで食ったもんの写真を撮って感想と一緒に送れ。内容次第だがギャラも出してやる」
それで教えてもらった店が『ノモゲテ・フィッシュ』。毒魚料理専門店。
「てめぇみてえな餓鬼の来るところじゃねェ! とっとと帰れ!」
いきなり厳つめな魚人族の店員のお兄さんに追い払われそうになったけど、ここまできて帰れない。その店は漁港の奥の奥、ものすごく辺鄙なところにあって、なんだか街中に漂っていたお魚の香りと少し違う、ちょっと異国情緒あふれる香りがした。
カプト様は瘴気っていってたけどこれはこれで美味しそうじゃない?
「ここは毒料理専門なんでしょう?」
「そうだ。だから耐性持ってねぇと話になんねェ! 倒れるぐれぇならかまわねぇが、死なれちゃ店が潰れるんだよッ!」
「だから大丈夫なんです!」
「何? ステータスカードがどうしただって……まじか。ちょっと待ってろ」
僕の耐性を確認してギョッとしたお兄さんが、僕の目の前に飴玉のようなものを突きつけた。雪みたいに白っぽい。
「これを食って味を当てろ」
「ううん……ぅぇ」
「お、おい大丈夫か? だがこれの味が分からなきゃこの店では話にならん」
「え? 味ってこれただの塩じゃないの? しょっぱい」
「……他に味はしないのか?」
「ううん……塩の味。他はないような。だめですか?」
僕の答えにお兄さんは目を丸くした。ダメかな。
「すげェ! 当たりだ。白玉は誰も正確に当てたことのない一番難しいやつなんだが本当に大丈夫な……のか」
「大丈夫じゃない……すごくしょっぱいです……」
味当て自体はそんな難しいかな? と思ったけど、難しいらしい。
これまで考えたことはなかったけど、毒で体に異常が出ると味覚は変わるし、幻覚系の毒は正しい味がわからなくなる。麻痺系は舌が痺れて味がわからない。そういわれればそんな気もするけど。
「なんで僕、味がわかるんですか?」
「お前さんの耐性が毒の効力を低下させてるか無効化してるからだろうよ。うちは毒料理専門だからさ、興味本位で食いに来ても味がわからねぇとツマンネェじゃん。安くもないしよ」
味がわからないとか、生きてる意味がないじゃない。
「だからうちでは本当に味がわかるのか、最初にテストする。シンプルな奴ほど難しい。このあたりの匂いに釣られて白玉に塩っぱい魚の味とか塩っぱい海藻の味とか頓珍漢なことをいう奴はよくいるが、正確に味が塩だけど当てたのはお前さんが初めてだ」
「へぇ」
よくわからないけど食べていいらしく、やっと店内に案内された。内装はわりと普通のレストランに、壁一面に魚の骨が飾られている。
メニューもあったけど、お魚の名前はよくわからないからおまかせで。
「やった! 念願のお昼ご飯だ!」
最初は軽くバターソテーのラヒーニャ。なんだか細長くて蛇っぽいお魚。ふうわりとしたバターと生クリームの香りが鼻腔をくすぐり、噛むとふっくらと脂ののった魚の身からは少し蓼みたいな風味も漂って、熟成されたバターの香りが踊りだす。そして舌先をピリリと痺れさせる毒味の刺激。ヤバい堪らない。
「本当に大丈夫か?」
感無量でじーんとしてると心配された。
「はい。ちょっと舌が痺れるけど本当に美味しいです。お魚も蓼みたいな不思議な香り」
「そこまでわかるのか」
店員さんは目をパチクリさせる。本当に美味しいんだけど。
「よ、よし、それじゃこれはどうかな。身だけ食って汁は残せ。身だけならそこまでの毒性でもない、というか耐性がなきゃそれだけでも死んじまうレベルだが、内臓の溶けた汁は竜殺しの原材料だ。やばかったら身だけでも吐き出せっておいッ!」
次に出てきたのはシルブゲリの壺焼き。
大人の握り拳大の巻貝で、よほどの高熱で焼かれたのか、蓋の乗った口は沸騰した煮汁でくつくつと動いている。その蓋をアチチと取って汁をチュウと吸えば、濃縮された磯の香りとともに優しいミルクみたいな風味がした、ところでお兄さんに揺さぶられて、帽子からカプト様の僕にだけ聞こえるくらいの小さな声がした。
「お主は本当に人の話を聞かんのう」
その勢いでシルブゲリが倒れて汁が漏れちゃった。勿体ない。
「え、美味しいですよ?」
「そうじゃなくて! 汁は飲むなといっただろう⁉︎ 本当に大丈夫なのか⁉︎」
「あ、そういえば汁。磯の風味がしてほんのり甘くて」
「ほんのり甘い……? 体に異常はないのか?」
「はい。ちょっとお腹があったかくなったくらいで」
店員さんは信じられないものを見たような表情をして、奥に駆け込んて、もっと厳ついおじさんを連れて帰ってきた。
「おい、落ち着いて食べろ。骨もあるし喉に詰まらせるだろ?」
「大丈夫大丈夫。これまでいろいろ刺さったり詰まったけど大丈夫だったから」
お店のお兄さんが心配そうに見ているけれど、本当に大丈夫なの。
「……お主の物理耐性と窒息耐性はそれか……」
目の前にはたくさんのお皿が積み重なっている。ごはんは出来立てが美味しいんだ。だからいっぺんに頼まずに順番に頼むんだ。まあお店の人も一種類ずつしか出してくれなかったけど。
編集長に到着の連絡をしたら、船は明日の朝出港の切符を用意したらしい。だから僕はハラ・プエルトで一泊する。村を出てから初めてまともにご飯が食べれるし、ベッドで寝られる。わーい。
先に宿を取ろうというカプト様を諦めさせて、先に昼ごはんにすることにした。だって町中からめっちゃお魚の匂いがするんだもん! 無理に決まってる!
けれどもバスだと昼飯時に着くはずなのに、歩いてきたから絶妙にランチタイムを過ぎていて、飲食店はほとんど閉まっていた。開いてるのはカフェとか、わりと代わり映えしないメニューなものばかり。途方に暮れる。お魚食べたい!
「編集長!」
「今度はなんだ!」
「お昼ご飯時すぎちゃったからご飯屋さん全部閉まっちゃったじゃないですか! 編集長のせいで!」
「なんで俺のせいなんだ、店のせいだろ! 飯屋は開いてなくてもパン屋とかは空いてるだろ」
「嫌です! 昨日からろくに食べてないんです! だから開いてる店教えてください! 旅行の会社なんだから知ってるでしょ⁉︎」
スマホの向こうからはとても面倒臭そうな声がした。けれども僕も引けない。なにせご飯がかかっている。
「チッ。知ってるっつってもうちは『その他』の第五分室だぞ⁉︎ 妙な店しか……。まて、お前毒大丈夫なんだよな」
「はい。でも美味しいのがいいです」
「美味い、とは聞くんだがうちの誰もトライできてない店があるんだ。飯代は追加で出すから取材してみないか?」
「取材、ですか?」
「そうだ。スマホで食ったもんの写真を撮って感想と一緒に送れ。内容次第だがギャラも出してやる」
それで教えてもらった店が『ノモゲテ・フィッシュ』。毒魚料理専門店。
「てめぇみてえな餓鬼の来るところじゃねェ! とっとと帰れ!」
いきなり厳つめな魚人族の店員のお兄さんに追い払われそうになったけど、ここまできて帰れない。その店は漁港の奥の奥、ものすごく辺鄙なところにあって、なんだか街中に漂っていたお魚の香りと少し違う、ちょっと異国情緒あふれる香りがした。
カプト様は瘴気っていってたけどこれはこれで美味しそうじゃない?
「ここは毒料理専門なんでしょう?」
「そうだ。だから耐性持ってねぇと話になんねェ! 倒れるぐれぇならかまわねぇが、死なれちゃ店が潰れるんだよッ!」
「だから大丈夫なんです!」
「何? ステータスカードがどうしただって……まじか。ちょっと待ってろ」
僕の耐性を確認してギョッとしたお兄さんが、僕の目の前に飴玉のようなものを突きつけた。雪みたいに白っぽい。
「これを食って味を当てろ」
「ううん……ぅぇ」
「お、おい大丈夫か? だがこれの味が分からなきゃこの店では話にならん」
「え? 味ってこれただの塩じゃないの? しょっぱい」
「……他に味はしないのか?」
「ううん……塩の味。他はないような。だめですか?」
僕の答えにお兄さんは目を丸くした。ダメかな。
「すげェ! 当たりだ。白玉は誰も正確に当てたことのない一番難しいやつなんだが本当に大丈夫な……のか」
「大丈夫じゃない……すごくしょっぱいです……」
味当て自体はそんな難しいかな? と思ったけど、難しいらしい。
これまで考えたことはなかったけど、毒で体に異常が出ると味覚は変わるし、幻覚系の毒は正しい味がわからなくなる。麻痺系は舌が痺れて味がわからない。そういわれればそんな気もするけど。
「なんで僕、味がわかるんですか?」
「お前さんの耐性が毒の効力を低下させてるか無効化してるからだろうよ。うちは毒料理専門だからさ、興味本位で食いに来ても味がわからねぇとツマンネェじゃん。安くもないしよ」
味がわからないとか、生きてる意味がないじゃない。
「だからうちでは本当に味がわかるのか、最初にテストする。シンプルな奴ほど難しい。このあたりの匂いに釣られて白玉に塩っぱい魚の味とか塩っぱい海藻の味とか頓珍漢なことをいう奴はよくいるが、正確に味が塩だけど当てたのはお前さんが初めてだ」
「へぇ」
よくわからないけど食べていいらしく、やっと店内に案内された。内装はわりと普通のレストランに、壁一面に魚の骨が飾られている。
メニューもあったけど、お魚の名前はよくわからないからおまかせで。
「やった! 念願のお昼ご飯だ!」
最初は軽くバターソテーのラヒーニャ。なんだか細長くて蛇っぽいお魚。ふうわりとしたバターと生クリームの香りが鼻腔をくすぐり、噛むとふっくらと脂ののった魚の身からは少し蓼みたいな風味も漂って、熟成されたバターの香りが踊りだす。そして舌先をピリリと痺れさせる毒味の刺激。ヤバい堪らない。
「本当に大丈夫か?」
感無量でじーんとしてると心配された。
「はい。ちょっと舌が痺れるけど本当に美味しいです。お魚も蓼みたいな不思議な香り」
「そこまでわかるのか」
店員さんは目をパチクリさせる。本当に美味しいんだけど。
「よ、よし、それじゃこれはどうかな。身だけ食って汁は残せ。身だけならそこまでの毒性でもない、というか耐性がなきゃそれだけでも死んじまうレベルだが、内臓の溶けた汁は竜殺しの原材料だ。やばかったら身だけでも吐き出せっておいッ!」
次に出てきたのはシルブゲリの壺焼き。
大人の握り拳大の巻貝で、よほどの高熱で焼かれたのか、蓋の乗った口は沸騰した煮汁でくつくつと動いている。その蓋をアチチと取って汁をチュウと吸えば、濃縮された磯の香りとともに優しいミルクみたいな風味がした、ところでお兄さんに揺さぶられて、帽子からカプト様の僕にだけ聞こえるくらいの小さな声がした。
「お主は本当に人の話を聞かんのう」
その勢いでシルブゲリが倒れて汁が漏れちゃった。勿体ない。
「え、美味しいですよ?」
「そうじゃなくて! 汁は飲むなといっただろう⁉︎ 本当に大丈夫なのか⁉︎」
「あ、そういえば汁。磯の風味がしてほんのり甘くて」
「ほんのり甘い……? 体に異常はないのか?」
「はい。ちょっとお腹があったかくなったくらいで」
店員さんは信じられないものを見たような表情をして、奥に駆け込んて、もっと厳ついおじさんを連れて帰ってきた。
10
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
魔法少女の食道楽
石田空
大衆娯楽
実家の事情で一番食欲旺盛だった頃、まともに食道楽を楽しめなかった過去を持つ一ノ瀬奈々。過労で食が細くなりがち。
そんな中、突然妖精のリリパスに魔法少女に選ばれてしまう。
「そんな、アラサーが魔法少女なんて……あれ、若返ってる。もしかして、今だったら若い頃食べられなかったようなご飯が食べられる?」
かくして昼は会社で働き、夜は魔法少女として闇妖精討伐をしながら帰りにご飯を食べる。
若い頃には食べられなかったあれやこれを食べるぞと張り切る奈々の、遅れてやってきた食道楽。
サイトより転載になります。

伝説の魔術師の弟子になれたけど、収納魔法だけで満足です
カタナヅキ
ファンタジー
※弟子「究極魔法とかいいので収納魔法だけ教えて」師匠「Σ(゚Д゚)エー」
数十年前に異世界から召喚された人間が存在した。その人間は世界中のあらゆる魔法を習得し、伝説の魔術師と謳われた。だが、彼は全ての魔法を覚えた途端に人々の前から姿を消す。
ある日に一人の少年が山奥に暮らす老人の元に尋ねた。この老人こそが伝説の魔術師その人であり、少年は彼に弟子入りを志願する。老人は寿命を終える前に自分が覚えた魔法を少年に託し、伝説の魔術師の称号を彼に受け継いでほしいと思った。
「よし、収納魔法はちゃんと覚えたな?では、次の魔法を……」
「あ、そういうのいいんで」
「えっ!?」
異空間に物体を取り込む「収納魔法」を覚えると、魔術師の弟子は師の元から離れて旅立つ――
――後にこの少年は「収納魔導士」なる渾名を付けられることになる。

世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
公爵令嬢の私に騎士も誰も敵わないのですか?
海野幻創
ファンタジー
公爵令嬢であるエマ・ヴァロワは、最高の結婚をするために幼いころから努力を続けてきた。
そんなエマの婚約者となったのは、多くの人から尊敬を集め、立派な方だと口々に評される名門貴族の跡取り息子、コンティ公爵だった。
夢が叶いそうだと期待に胸を膨らませ、結婚準備をしていたのだが──
「おそろしい女……」
助けてあげたのにも関わらず、お礼をして抱きしめてくれるどころか、コンティ公爵は化け物を見るような目つきで逃げ去っていった。
なんて男!
最高の結婚相手だなんて間違いだったわ!
自国でも隣国でも結婚相手に恵まれず、結婚相手を探すだけの社交界から離れたくなった私は、遠い北の地に住む母の元へ行くことに決めた。
遠い2000キロの旅路を執事のシュヴァリエと共に行く。
仕える者に対する態度がなっていない最低の執事だけど、必死になって私を守るし、どうやらとても強いらしい──
しかし、シュヴァリエは私の方がもっと強いのだという。まさかとは思ったが、それには理由があったのだ。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる