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4章 藤原種継の暗殺
side桓武 急報
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「何!? 何だと!? もう一度言ってみろ!!!!」
「ですから、ですから種継様が昨夜、何者かに襲撃されました」
「何故だ!? 何故なのだ!? 様態は!? 命に別条はないのか!?」
「詳細はわかりませぬ!」
平身低頭する官吏を怒鳴りつけても意味がない、そんなことはわかっていた。わかていたが自らの口が声を荒げるのを止められぬ。
その深夜の急報が呪いの先鞭だった。
俺はその報を平城近くの野で聞いた。
それは異国の暦で785年、9月23日。
まさに寝耳に水だった。俺はその時、ちょうど長岡を離れていた。そう、『ちょうど』。
第一皇女朝原内親王が伊勢に斎王として向かう折、大和国境まで見送りに来たのだ。朝原は俺と酒人内親王の娘だ。つまり、井上の孫で天武様の血を引いている。酒人を引き継ぎ、井上の祟りを鎮めるには最適だ。
だからこのことは3年前から決められていた。
「酒人よ。朝原を斎王にしたい」
「嫌です。斎王は家族が死なぬ限り都に戻れません。私はあなたが母と弟を殺すというからお受けいたしましたが、私もあなたもそうそうは死なないでしょう? 一体あなたは朝原をどのように考えているのですか。朝原はもはや私の唯一の身内です」
「そこは曲げよう。必ず適切な時期が来れば戻るようにする」
「お断りします」
「しかしお前は男子を生んでいない。だからお前は皇后にはならぬ。朝原に伊勢という後ろ盾があれば力となることはお前も理解しておろう」
「それは……」
即位して間もない俺の子は男子の安殿と女子の朝原しかいなかった。政権の安定を示さなければならぬ。だからこそ男子の母である乙牟漏を皇后とする予定だ。そして今は早良が太子となっているが、政権が落ち着けば早良は寺に戻り、安殿を太子とする。皇后の生んだ子だ。その立太子は確実だ。
しかし安殿は井上に未だ祟られ、病に臥せっている。
「朝原が適齢となったときに都に戻し、安殿の正室とする。そうすれば井上の祟りから安殿も免れ、朝原の身も盤石だ。お前と同様に」
「朝原はまだ3歳なのですよ」
「今だからこそよい。本格的に都を移せば再び大きな反発があるだろう。朝原は有象無象に狙われよう。だからこそ今なのだ。今卜定して潔斎に入ればもはやどうしようも無い。妙な輩に背後をうろつかれることはないだろう」
「しかし……」
「俺を信用できないのか」
「えぇ。あなたはそのような人です」
きっぱりと告げる酒人の声にぐうの根も出なかった。酒人は俺の所業を知っている。俺と百川が酒人の母と弟を嵌め殺したことを。これは酒人の同意の有無など無関係だ。俺は酒人が拒否できない状況を整えて話を持ちかけた。その自覚はあった。
俺も俺が生き残るため、そうせざるをえなかったのだ。けれどもそれは酒人にとっては関係のない事情だ。
「どのようにすれば信用してもらえるのか」
「朝原があなたにとって大切であることを示してください」
「どのように」
「朝原が伊勢に向かう折、あなたご自身で盛大な見送りを」
「馬鹿な。これまでそのような前例はない」
「あなたは朝原を適切な時に戻すと仰いました。それは前例のないことです。ではその前例の無いことをまずご自身で行ってください。それすらできないのでしたらあなたの話など信用できるものですか」
「……わかった」
だから今回の行幸は仕方がないことだった。
朝原は3歳の時に斎王に卜定し、初斎院に入り祈りの暮らしが始まった。
そして遷都の事実を隠すため、朝原は酒人とともにずっと平城に留まり続けた。そして6歳の折、伊勢に向けて朝原は出発する。100名ほどの官吏が俺とともに大和国の国境まで見送った。斎王を天皇が見送る。このような事例はこれまでない。
そうしてこれほどの動員なのだから、俺がこの日この時、大和に向かうことは誰もが知っていた。
つまり種継の暗殺は俺が不在のその隙を狙われたのだ。だからこれは計画的だ。謀られたのだ。
けれどもまさか。
何ということだ。
一体誰が種継を襲ったのだ。種継は早良と共に俺の右腕だ。
遷都に反発が強いことはわかっていた。副都ではなく正式に遷宮とすることを公表してからの反応は激しかった。誰も彼もが怒号をあげて喚き散らした。
平城京に巣食う貴族どもの地盤は大凡が平城京のある大和だ。長岡に近い摂津や山城には地盤がない。そして寺社勢力に対しては許可がなければ新規の寺社建立を禁止する詔を出していた。
平城の都はすでに寺社で溢れかえり、その荘園を作るにも限界もある。だから寺社としても新規の寺社を増やすのは望んでいない。早良はその辺をうまく説明していた。そして長岡の宮ではもともとこの地にある寺社以外に新規寺社は建てさせぬ。寺社勢力も立ち入らせぬ。
だまし討ちといえるがそれ以外に寺社を物理的に政治と切り離す方法はなかった。遷ってしまえばどうしようもないだろう、そう思っていた。
抗議のためか平城京内で放火や殺人が頻発していたことも知っていた。
警戒? 警戒か。
警戒はしていたさ、もちろん。
都の警備は厳重にしていた。とはいえ長岡宮内には俺が居住を許した者しか立ち入れぬ。だから仮に乱が起きても、まず警護の詰めている宮門で阻まれる。たいていのことであればなんとかなるはずだった。
それに万一何かあったとしても、川を挟んだ百済王氏や長岡に鎮座する秦氏に動いてもらえる。だから宮は万全の、はずだった。
けれども確かに今日この時、信頼の置ける近侍の護衛は俺について平城に来ていた。その分、種継の身辺で直接警護を行う兵は減っていたのかもしれない。
けれども。
けれどもよりにもよって暗殺を謀るだと!?
そんなことがあってたまるものか。
せっかくの新しい都にそのような穢れた行いがあってたまるものか!!
よほど長岡を潰したいのだな。
そのような者がいることはわかる。だが、種継を死なせるわけにはいかぬ。
急ぎに急いで車を走らせた。
それはもうこれまでにないほどだ。
牛馬が何頭死んでも構わない。
そんなことより種継だ。種継を失うわけにはいかぬ。長岡の宮には早良と藤原是公を残してきた。早良は俺の弟で、是公は俺の春宮大夫だ。俺が太子の時代に生活していた春宮坊の取り回しを行っていた者で、皇族の暮らしなど何もわからぬ俺に何くれと教え助けてくれていた。種継を含めてこの三人を俺は信頼している。この3人が残っていれば何も起こるはずがないと。
ならば、ならば一体誰が種継を襲ったというのだ。
翌日、長岡に戻った時、種継はすでに事切れていた。報告だけだった。死人は穢れだ。
その報を聞いた時、世界が砕け散ったように感じた。全ての色が失われ、不協和音が響き渡り、次に四肢が引きちぎられたような痛みが襲った。その怒りと苦痛で地を叩き、踏みしめた。荒れ狂う心の内を無理やり鎮め、歯を食いしばる。
駄目だ。種継が死んでしまった。
何故だ。駄目だ。そんなことがあってたまるものか。死ぬはずがない。だが、死んだ。
気づくと目鼻や口の端から血が流れていた。近侍が慌てて布を出す。駄目だ。この都をこれ以上穢してはならぬ。あわてて顔を拭う。
その慄く近侍の様を見て、俺は俺が天皇であることを思い出す。
そうだ。俺が最も尊くて強くなくてはならぬ。弱みを見せてはならない。未だ全ては盤石ではない。わずかな綻びで全てが灰燼に帰す。
今はその時期ではない。種継を痛む時期ではない。取り乱す時期ではない。悲しむ暇なぞない。すべてを明らかにしなければ。そして種継と誓い合った都を建てる。
嗚呼、死んだ。種継はもう死んでしまった。
ならば、最早、俺はこれを利用するしかない。俺は既に多くの屍の上に立っている。種継も既に俺の足元に収まったのだ。百川と同様に。その事実を直視しろ。俺はその全ての骸に贖わなければならぬ。
誰が今一番俺を排除しようとしている。誰が邪魔をしているのだ。それを、その勢力を徹底的に根絶やしにせねばならないそして。俺はこの地に楽土を作るのだ。そう種継と誓ったのだ。種継と。そして百川とも。
だから、必ず、何をなしても楽土を作る。
そしてすでにその実行者と思われるもの数十人が捉えられ、取り調べを受けているという。
「ですから、ですから種継様が昨夜、何者かに襲撃されました」
「何故だ!? 何故なのだ!? 様態は!? 命に別条はないのか!?」
「詳細はわかりませぬ!」
平身低頭する官吏を怒鳴りつけても意味がない、そんなことはわかっていた。わかていたが自らの口が声を荒げるのを止められぬ。
その深夜の急報が呪いの先鞭だった。
俺はその報を平城近くの野で聞いた。
それは異国の暦で785年、9月23日。
まさに寝耳に水だった。俺はその時、ちょうど長岡を離れていた。そう、『ちょうど』。
第一皇女朝原内親王が伊勢に斎王として向かう折、大和国境まで見送りに来たのだ。朝原は俺と酒人内親王の娘だ。つまり、井上の孫で天武様の血を引いている。酒人を引き継ぎ、井上の祟りを鎮めるには最適だ。
だからこのことは3年前から決められていた。
「酒人よ。朝原を斎王にしたい」
「嫌です。斎王は家族が死なぬ限り都に戻れません。私はあなたが母と弟を殺すというからお受けいたしましたが、私もあなたもそうそうは死なないでしょう? 一体あなたは朝原をどのように考えているのですか。朝原はもはや私の唯一の身内です」
「そこは曲げよう。必ず適切な時期が来れば戻るようにする」
「お断りします」
「しかしお前は男子を生んでいない。だからお前は皇后にはならぬ。朝原に伊勢という後ろ盾があれば力となることはお前も理解しておろう」
「それは……」
即位して間もない俺の子は男子の安殿と女子の朝原しかいなかった。政権の安定を示さなければならぬ。だからこそ男子の母である乙牟漏を皇后とする予定だ。そして今は早良が太子となっているが、政権が落ち着けば早良は寺に戻り、安殿を太子とする。皇后の生んだ子だ。その立太子は確実だ。
しかし安殿は井上に未だ祟られ、病に臥せっている。
「朝原が適齢となったときに都に戻し、安殿の正室とする。そうすれば井上の祟りから安殿も免れ、朝原の身も盤石だ。お前と同様に」
「朝原はまだ3歳なのですよ」
「今だからこそよい。本格的に都を移せば再び大きな反発があるだろう。朝原は有象無象に狙われよう。だからこそ今なのだ。今卜定して潔斎に入ればもはやどうしようも無い。妙な輩に背後をうろつかれることはないだろう」
「しかし……」
「俺を信用できないのか」
「えぇ。あなたはそのような人です」
きっぱりと告げる酒人の声にぐうの根も出なかった。酒人は俺の所業を知っている。俺と百川が酒人の母と弟を嵌め殺したことを。これは酒人の同意の有無など無関係だ。俺は酒人が拒否できない状況を整えて話を持ちかけた。その自覚はあった。
俺も俺が生き残るため、そうせざるをえなかったのだ。けれどもそれは酒人にとっては関係のない事情だ。
「どのようにすれば信用してもらえるのか」
「朝原があなたにとって大切であることを示してください」
「どのように」
「朝原が伊勢に向かう折、あなたご自身で盛大な見送りを」
「馬鹿な。これまでそのような前例はない」
「あなたは朝原を適切な時に戻すと仰いました。それは前例のないことです。ではその前例の無いことをまずご自身で行ってください。それすらできないのでしたらあなたの話など信用できるものですか」
「……わかった」
だから今回の行幸は仕方がないことだった。
朝原は3歳の時に斎王に卜定し、初斎院に入り祈りの暮らしが始まった。
そして遷都の事実を隠すため、朝原は酒人とともにずっと平城に留まり続けた。そして6歳の折、伊勢に向けて朝原は出発する。100名ほどの官吏が俺とともに大和国の国境まで見送った。斎王を天皇が見送る。このような事例はこれまでない。
そうしてこれほどの動員なのだから、俺がこの日この時、大和に向かうことは誰もが知っていた。
つまり種継の暗殺は俺が不在のその隙を狙われたのだ。だからこれは計画的だ。謀られたのだ。
けれどもまさか。
何ということだ。
一体誰が種継を襲ったのだ。種継は早良と共に俺の右腕だ。
遷都に反発が強いことはわかっていた。副都ではなく正式に遷宮とすることを公表してからの反応は激しかった。誰も彼もが怒号をあげて喚き散らした。
平城京に巣食う貴族どもの地盤は大凡が平城京のある大和だ。長岡に近い摂津や山城には地盤がない。そして寺社勢力に対しては許可がなければ新規の寺社建立を禁止する詔を出していた。
平城の都はすでに寺社で溢れかえり、その荘園を作るにも限界もある。だから寺社としても新規の寺社を増やすのは望んでいない。早良はその辺をうまく説明していた。そして長岡の宮ではもともとこの地にある寺社以外に新規寺社は建てさせぬ。寺社勢力も立ち入らせぬ。
だまし討ちといえるがそれ以外に寺社を物理的に政治と切り離す方法はなかった。遷ってしまえばどうしようもないだろう、そう思っていた。
抗議のためか平城京内で放火や殺人が頻発していたことも知っていた。
警戒? 警戒か。
警戒はしていたさ、もちろん。
都の警備は厳重にしていた。とはいえ長岡宮内には俺が居住を許した者しか立ち入れぬ。だから仮に乱が起きても、まず警護の詰めている宮門で阻まれる。たいていのことであればなんとかなるはずだった。
それに万一何かあったとしても、川を挟んだ百済王氏や長岡に鎮座する秦氏に動いてもらえる。だから宮は万全の、はずだった。
けれども確かに今日この時、信頼の置ける近侍の護衛は俺について平城に来ていた。その分、種継の身辺で直接警護を行う兵は減っていたのかもしれない。
けれども。
けれどもよりにもよって暗殺を謀るだと!?
そんなことがあってたまるものか。
せっかくの新しい都にそのような穢れた行いがあってたまるものか!!
よほど長岡を潰したいのだな。
そのような者がいることはわかる。だが、種継を死なせるわけにはいかぬ。
急ぎに急いで車を走らせた。
それはもうこれまでにないほどだ。
牛馬が何頭死んでも構わない。
そんなことより種継だ。種継を失うわけにはいかぬ。長岡の宮には早良と藤原是公を残してきた。早良は俺の弟で、是公は俺の春宮大夫だ。俺が太子の時代に生活していた春宮坊の取り回しを行っていた者で、皇族の暮らしなど何もわからぬ俺に何くれと教え助けてくれていた。種継を含めてこの三人を俺は信頼している。この3人が残っていれば何も起こるはずがないと。
ならば、ならば一体誰が種継を襲ったというのだ。
翌日、長岡に戻った時、種継はすでに事切れていた。報告だけだった。死人は穢れだ。
その報を聞いた時、世界が砕け散ったように感じた。全ての色が失われ、不協和音が響き渡り、次に四肢が引きちぎられたような痛みが襲った。その怒りと苦痛で地を叩き、踏みしめた。荒れ狂う心の内を無理やり鎮め、歯を食いしばる。
駄目だ。種継が死んでしまった。
何故だ。駄目だ。そんなことがあってたまるものか。死ぬはずがない。だが、死んだ。
気づくと目鼻や口の端から血が流れていた。近侍が慌てて布を出す。駄目だ。この都をこれ以上穢してはならぬ。あわてて顔を拭う。
その慄く近侍の様を見て、俺は俺が天皇であることを思い出す。
そうだ。俺が最も尊くて強くなくてはならぬ。弱みを見せてはならない。未だ全ては盤石ではない。わずかな綻びで全てが灰燼に帰す。
今はその時期ではない。種継を痛む時期ではない。取り乱す時期ではない。悲しむ暇なぞない。すべてを明らかにしなければ。そして種継と誓い合った都を建てる。
嗚呼、死んだ。種継はもう死んでしまった。
ならば、最早、俺はこれを利用するしかない。俺は既に多くの屍の上に立っている。種継も既に俺の足元に収まったのだ。百川と同様に。その事実を直視しろ。俺はその全ての骸に贖わなければならぬ。
誰が今一番俺を排除しようとしている。誰が邪魔をしているのだ。それを、その勢力を徹底的に根絶やしにせねばならないそして。俺はこの地に楽土を作るのだ。そう種継と誓ったのだ。種継と。そして百川とも。
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