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3章 長岡京の2人の兄弟
side早良 早良親王の死
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一体何が起こったのだ。突然室に大勢が押し入り官吏に囲まれ、私は乙訓寺に幽閉された。
新築されたばかりの広い室は新しい木のよい香りが漂い、事情は全くわからぬものの悪い扱いではないように思われた。
そうして私の公務は全て取り上げられ、静かな生活が訪れた。改めて眺めれば、ここ乙訓寺は竹林に囲まれどことなく東大寺を思い出す。
私が長く過ごした東大寺。
現在の私の居は平城の都からすでに長岡に移り、東大寺を始めとした僧尼と直接話す機会はますます乏しくなっていた。様々な指示を人や文を通じて行うのみであったが、そろそろ平城でも新寺建立許可制の意図がじわりじわりと広がっていたはずだ。何故なら兄上は長岡への新寺移築の許可を一切出さなかったから。
そう、それは私は予想していた。平城の都の仏寺にとって、移築の許可が出されないとは夢にも思わなかっただろう。何故なら平城の仏寺は新しく寺を起こすわけではない。ただの移築のつもりだったのだろうから。
けれども私は許可されないことを知りながら、伏せて仏寺を説得していた。そしてその不満の声がどんどんと高まっていたことにも気づいていた。それは私のところに矢継ぎ早に届く仏寺からの文にも現れていた。
『何故許可されぬのか私にもわかりません』
『確認してみます』
『現在は都の造営を優先するためではないでしょうか』
嘘。
嘘。
嘘。
私は手に握る筆から滴る墨が重なるように、自らがどんどん昏く重くなっていくのを感じていた。
それに平城に旧来からある寺社はすでに大きく肥え太っている。
だから長岡に新しい寺を建立することに、それほど必死になるとは思ってはいなかったのだ。
例えば東大寺の荘園は近江、越前、越中と広い地域に存在する。そこで寄進された土地を近隣農民に再び貸し与えて土地の使用料を収入とし、人夫を徴発している。それに東大寺の建立も終盤を迎えている。新たな荘園や寄進の必要など、ないだろう。
そう、そう思い込もうとしていた。本当はわかっていたのだ。そんなことにはならないだろうと。
そしてやはりそれでは足りなかった。御仏に祈ることを忘れた僧尼にとっては結局の所、収益を得る、ということ自体が最も重要となってしまった、のだ。東大寺は祈りを集める場所ではなく、財を集める場所なのだ。
次の寄進を、将来にも寄進を。金をよこせ。
何のための金だ。その食を豪華にするための金ではないだろう。御仏のためにつかうべき金だろう。けれども御仏のためといいつつ金を募る。
それらの僧はもはや無明に陥っているのだろう。もはや御仏の言葉など耳には入らぬ。無明。無明とはなんだろう。貴賤などではなく、その者の魂に寄生するものなのだ。
だから平城の都では使徒目的も定まらないままより多くの寄進を求めて宮に押しかける僧尼で溢れていた。翻って長岡では直接進言する宛も、協力する大和貴族もいない。つまり強引に迫る伝手がない。
だから兄上はとても、ご慧眼であらせられた。
ああ、でも私は彼らを否定できるのだろうか。
彼らが御仏を離れて現世での利益を貪るその姿を果たして否定できるのだろうか。
私は、私は最近御仏にほとんど祈っていない。いや、祈ってはいる。経文を唱え、その意味を咀嚼し考え、けれども以前東大寺で祈っていたときとは異なり御仏と繋がっている、という感覚が全くないのだ。
この清涼な長岡にくれば異なると思っていた。けれども結局、私の祈りはここでも届かなかった。けれどもそれを届かなくさせていたのは私自身なのだ。
私は、私も無明に陥った。
いつしか私の心に温かい火が灯らなく……なっていた。
昏く、深くうごめく闇の中で小さく縮こまっている。昔も同じようなことがあったような気がする。その時はどうしたのだったか。定かではない。その時はそれでも、どこかに繋がっていたような、気がして。
私はそもそも東大寺との縁を自ら捨ててしまったのだ。兄上との縁をとったのだ。兄上が苦しまれているならお救いしたい。そう思った。
けれども。けれどもそれは御仏のお心に適うことであったのか。他に何か取るべき方法があったのでは。
それに兄上にとって私とは何だったんだろう。東大寺で随分久しぶりにお会いしたときには縁が再び強まったと……そう思っていたのに。
昏い、狭い、怖い。
たった一つの兄上との縁、灯りが今にも消えようとしている。
ああ。
寒い。
「早良様? どうされたのですか?」
遠くから声が聞こえる。
これは……秦氏の誰か、か。種継殿の縁者。そうか、ここは乙訓寺か。この乙訓寺に住まうもの。なんだかよくわからない、声。
「早良様、どうなされた」
この声は、種継殿。あれ、おかしいな。種継殿は亡くなられたのではなかったか。そうだ確か、私は種継殿が矢を射掛けられたという報を聞いて急いで駆けつけて必死に経を唱えた。
けれども種継殿は亡くなってしまわれた。私の力は全く届かなくて。
誰かが真っ暗な中で私の手を引く。これは、誰? 種継殿?
「お食事を召し上がられませんと、お体に差し障ります」
「食事……?」
「そうです、粥を用意しました」
「……いや、だっ!」
なんとか押しのけるとガチャリという音がした。
暗い。何も見えぬ。ここはどこだ。
ただ、ただ、冷たく、昏い。どこに繋がっているのかもよくわかぬ道。
私は……。種継殿? どこからか種継殿の声がする。だが種継殿は亡くなられているはずだ。
そう、それではここは死者が住まう黄泉に繋がる黄泉平坂というものか?
そうだとすれば、黄泉のものを食べれば現世には戻れぬと聞く。そのような話を小さい頃に兄上から聞いたことがある。
私はとうとう御仏の道から外れてしまった……のか。
けれども、兄上?
「あなた様……種継様を暗殺……るようご指示なさっ……すか?」
「そんなことはない! 断じてない!」
「けれどもそれ……ば何故大伴氏らが……」
大伴?
家持様は征東将軍として陸奥に向かって……そうだ、亡くなられたと聞いた。家持様も亡くなられた。種継殿と同様に。あれほどご創建な方であったのに。何故。
「種継様が……」
種継様も精力的に都の造営をなされていた。亡くなるはずがなかった。何故、何故亡くなられたのだ。ここ長岡の地を楽土とする兄上の夢に、私と同じように……同じ?
兄上。兄上はいったいどこに。灯が一向に見つからぬ。ここは闇だ。寒い。
家持様? 種継様?
いずこにおられますか?
兄上?
ああ。
私はどうなってしまったのだろう。よくわからない。誰が種継様を射たのだろう。種継様がいなければ造営に支障が……?
誰かが私に種継殿を射たのは誰かを尋ねる。知らぬ。私は何も知らぬ。
だが……許せぬ。そうだ、種継様も家持様も私の大切な縁だった。東大寺の縁が失われた後も私とともにあり続けた縁。
それが、ふつり、と。
私の大切なものが失われる。次々と失われる。
ふいに、ゆたゆたと何かがぶつかり流れる音がするのに気がついた。
耳を澄ますとにゃぁ、という海鳥の……音。揺れる地面。どこだ、何が起きている。私は、もう何も見えぬ。
ここは船の上? 長岡ではないのか?
ひょっとすると三途の川というものなのかもしれぬ。
何故だ。兄上。兄上どこにいらっしゃる。兄上からも離れてしまう。
私はこの無明の中で一人、一人沈んでゆくのか。あの昔垣間見た闇に蠢く何者かのように。昔垣間見た……? 垣間見た? 何を? 何だっただろう。もはや何が何だか分からない。
けれども私は長岡に戻らねばならぬ。
ここがどこかは定かにはわからぬが、たゆたゆと流れる水の上であろう。ここを遡ってゆけば必ず現し世へ、長岡にたどり着く。竜となってでも私は長岡に帰る。
私は御仏から切断され、もう兄上しかいらっしゃらないのだ。
兄上、兄上どちらですか。
私は必ず戻ります。
ええい、なんだこれは。なんだこの私に絡みつくものは。
嫌だ、嫌だ、離せ。
兄上、どこですか。どちらにいらっしゃるのでしょうか。
私とともにあった兄上の灯がもはやどこにもみえませぬ。薄っすらと兄上の気配はそこここにいるというのに。
兄上。
ここは……とても昏い。
新築されたばかりの広い室は新しい木のよい香りが漂い、事情は全くわからぬものの悪い扱いではないように思われた。
そうして私の公務は全て取り上げられ、静かな生活が訪れた。改めて眺めれば、ここ乙訓寺は竹林に囲まれどことなく東大寺を思い出す。
私が長く過ごした東大寺。
現在の私の居は平城の都からすでに長岡に移り、東大寺を始めとした僧尼と直接話す機会はますます乏しくなっていた。様々な指示を人や文を通じて行うのみであったが、そろそろ平城でも新寺建立許可制の意図がじわりじわりと広がっていたはずだ。何故なら兄上は長岡への新寺移築の許可を一切出さなかったから。
そう、それは私は予想していた。平城の都の仏寺にとって、移築の許可が出されないとは夢にも思わなかっただろう。何故なら平城の仏寺は新しく寺を起こすわけではない。ただの移築のつもりだったのだろうから。
けれども私は許可されないことを知りながら、伏せて仏寺を説得していた。そしてその不満の声がどんどんと高まっていたことにも気づいていた。それは私のところに矢継ぎ早に届く仏寺からの文にも現れていた。
『何故許可されぬのか私にもわかりません』
『確認してみます』
『現在は都の造営を優先するためではないでしょうか』
嘘。
嘘。
嘘。
私は手に握る筆から滴る墨が重なるように、自らがどんどん昏く重くなっていくのを感じていた。
それに平城に旧来からある寺社はすでに大きく肥え太っている。
だから長岡に新しい寺を建立することに、それほど必死になるとは思ってはいなかったのだ。
例えば東大寺の荘園は近江、越前、越中と広い地域に存在する。そこで寄進された土地を近隣農民に再び貸し与えて土地の使用料を収入とし、人夫を徴発している。それに東大寺の建立も終盤を迎えている。新たな荘園や寄進の必要など、ないだろう。
そう、そう思い込もうとしていた。本当はわかっていたのだ。そんなことにはならないだろうと。
そしてやはりそれでは足りなかった。御仏に祈ることを忘れた僧尼にとっては結局の所、収益を得る、ということ自体が最も重要となってしまった、のだ。東大寺は祈りを集める場所ではなく、財を集める場所なのだ。
次の寄進を、将来にも寄進を。金をよこせ。
何のための金だ。その食を豪華にするための金ではないだろう。御仏のためにつかうべき金だろう。けれども御仏のためといいつつ金を募る。
それらの僧はもはや無明に陥っているのだろう。もはや御仏の言葉など耳には入らぬ。無明。無明とはなんだろう。貴賤などではなく、その者の魂に寄生するものなのだ。
だから平城の都では使徒目的も定まらないままより多くの寄進を求めて宮に押しかける僧尼で溢れていた。翻って長岡では直接進言する宛も、協力する大和貴族もいない。つまり強引に迫る伝手がない。
だから兄上はとても、ご慧眼であらせられた。
ああ、でも私は彼らを否定できるのだろうか。
彼らが御仏を離れて現世での利益を貪るその姿を果たして否定できるのだろうか。
私は、私は最近御仏にほとんど祈っていない。いや、祈ってはいる。経文を唱え、その意味を咀嚼し考え、けれども以前東大寺で祈っていたときとは異なり御仏と繋がっている、という感覚が全くないのだ。
この清涼な長岡にくれば異なると思っていた。けれども結局、私の祈りはここでも届かなかった。けれどもそれを届かなくさせていたのは私自身なのだ。
私は、私も無明に陥った。
いつしか私の心に温かい火が灯らなく……なっていた。
昏く、深くうごめく闇の中で小さく縮こまっている。昔も同じようなことがあったような気がする。その時はどうしたのだったか。定かではない。その時はそれでも、どこかに繋がっていたような、気がして。
私はそもそも東大寺との縁を自ら捨ててしまったのだ。兄上との縁をとったのだ。兄上が苦しまれているならお救いしたい。そう思った。
けれども。けれどもそれは御仏のお心に適うことであったのか。他に何か取るべき方法があったのでは。
それに兄上にとって私とは何だったんだろう。東大寺で随分久しぶりにお会いしたときには縁が再び強まったと……そう思っていたのに。
昏い、狭い、怖い。
たった一つの兄上との縁、灯りが今にも消えようとしている。
ああ。
寒い。
「早良様? どうされたのですか?」
遠くから声が聞こえる。
これは……秦氏の誰か、か。種継殿の縁者。そうか、ここは乙訓寺か。この乙訓寺に住まうもの。なんだかよくわからない、声。
「早良様、どうなされた」
この声は、種継殿。あれ、おかしいな。種継殿は亡くなられたのではなかったか。そうだ確か、私は種継殿が矢を射掛けられたという報を聞いて急いで駆けつけて必死に経を唱えた。
けれども種継殿は亡くなってしまわれた。私の力は全く届かなくて。
誰かが真っ暗な中で私の手を引く。これは、誰? 種継殿?
「お食事を召し上がられませんと、お体に差し障ります」
「食事……?」
「そうです、粥を用意しました」
「……いや、だっ!」
なんとか押しのけるとガチャリという音がした。
暗い。何も見えぬ。ここはどこだ。
ただ、ただ、冷たく、昏い。どこに繋がっているのかもよくわかぬ道。
私は……。種継殿? どこからか種継殿の声がする。だが種継殿は亡くなられているはずだ。
そう、それではここは死者が住まう黄泉に繋がる黄泉平坂というものか?
そうだとすれば、黄泉のものを食べれば現世には戻れぬと聞く。そのような話を小さい頃に兄上から聞いたことがある。
私はとうとう御仏の道から外れてしまった……のか。
けれども、兄上?
「あなた様……種継様を暗殺……るようご指示なさっ……すか?」
「そんなことはない! 断じてない!」
「けれどもそれ……ば何故大伴氏らが……」
大伴?
家持様は征東将軍として陸奥に向かって……そうだ、亡くなられたと聞いた。家持様も亡くなられた。種継殿と同様に。あれほどご創建な方であったのに。何故。
「種継様が……」
種継様も精力的に都の造営をなされていた。亡くなるはずがなかった。何故、何故亡くなられたのだ。ここ長岡の地を楽土とする兄上の夢に、私と同じように……同じ?
兄上。兄上はいったいどこに。灯が一向に見つからぬ。ここは闇だ。寒い。
家持様? 種継様?
いずこにおられますか?
兄上?
ああ。
私はどうなってしまったのだろう。よくわからない。誰が種継様を射たのだろう。種継様がいなければ造営に支障が……?
誰かが私に種継殿を射たのは誰かを尋ねる。知らぬ。私は何も知らぬ。
だが……許せぬ。そうだ、種継様も家持様も私の大切な縁だった。東大寺の縁が失われた後も私とともにあり続けた縁。
それが、ふつり、と。
私の大切なものが失われる。次々と失われる。
ふいに、ゆたゆたと何かがぶつかり流れる音がするのに気がついた。
耳を澄ますとにゃぁ、という海鳥の……音。揺れる地面。どこだ、何が起きている。私は、もう何も見えぬ。
ここは船の上? 長岡ではないのか?
ひょっとすると三途の川というものなのかもしれぬ。
何故だ。兄上。兄上どこにいらっしゃる。兄上からも離れてしまう。
私はこの無明の中で一人、一人沈んでゆくのか。あの昔垣間見た闇に蠢く何者かのように。昔垣間見た……? 垣間見た? 何を? 何だっただろう。もはや何が何だか分からない。
けれども私は長岡に戻らねばならぬ。
ここがどこかは定かにはわからぬが、たゆたゆと流れる水の上であろう。ここを遡ってゆけば必ず現し世へ、長岡にたどり着く。竜となってでも私は長岡に帰る。
私は御仏から切断され、もう兄上しかいらっしゃらないのだ。
兄上、兄上どちらですか。
私は必ず戻ります。
ええい、なんだこれは。なんだこの私に絡みつくものは。
嫌だ、嫌だ、離せ。
兄上、どこですか。どちらにいらっしゃるのでしょうか。
私とともにあった兄上の灯がもはやどこにもみえませぬ。薄っすらと兄上の気配はそこここにいるというのに。
兄上。
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