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3章 長岡京の2人の兄弟
side早良 一人の夜と夢
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私が東大寺で暮らし始めたのは12歳の時だった。
牛車から降りたとき、その寺社のとてつもない巨大さと豪華絢爛、堂々たる威容に一瞬呆け、そしてその広大な寺院の中で誰一人知る者がいないという孤独に打ちひしがれた。ここは、恐ろしく、広い。
これまで一緒に暮らした母も、時折戻ってくる兄もいない。もうずいぶん見ていない父上も。
そう、知ってる者は誰もいない。
それが一人で心細くて、とても恐ろしかった。
それにここにあるものは初めて見るものばかりだ。よくわからないものばかりだ。新しい世界はどこか冷たく、孤独な世界で泣いて暮らした。
私はこれまで色鮮やかな山野でのんびりと暮らしていた。その草木の芳醇な香り漂う田舎暮らしと現在の妙に整然とした生活はあまりに異なりすぎて、どうしていいかわからなくなってしまったのだ。
これまで一緒に過ごしてきた母も、一緒に遊んだ兄もいない。
私の周りには、世話役としてつけられた一人の下男しかいなかった。
その者は確かに何くれとなく世話をしてくれたが、さりとてそれ以上に親しく会話をしたりはしない。
新しい世界で、私はたった一人取り残されていた。
春の夜。私は不思議な夢を見た。
そこは暖かい暗闇に満ちていた。
真っ暗な中、少し先にぽぅと明るい光が灯った。そこに向かって歩くとまた少し先に新しくぽぅと明かりが灯る。歩くがごとにその明かりがどんどん繋がって、真っ暗闇の中にいつしかやわらかな光の道ができていた。
これまで身にまとっていた闇を脱ぎ捨てその光の道を辿っていくと、こびりついていた心細さがだんだんと薄らいでいく。明かりの一つ一つが昔から知ってるもののようで、なんとなく温かな気持ちになる。
どんどん道を進んで行くとやがて一本の大きな木にたどり着いた。杉の木なのかな。そこで誰かが待っているような、そんな気がした。
また、ぽぅという明かりが灯る。その明かりは今までと違い、木の上に灯った。どうやらこの木は明かりの道の終点のようだ。明かりの道が四方八方からから伸びて、この大きな木に集っていたのだ。そのせいか、その木はとても明るく暖かかった。
そうすると樹上から突然声がかかった。
「ねぇ、何をしているの」
「誰? どこにいるの?」
「僕は木の上にいるよ」
「どうして?」
「とっても大きな鳥にさらわれて、気がついたらこの木の上にいたんだ」
「鳥?」
「そう、とってもおっきな鳥」
見上げても、大きな木の枝に遮られて声の主は見えなかった。
ときおり木の葉がガサガサ動く。おそらくあの上にいるのだろうか。声はどうも3歳とか4歳ほどの子供のようだった。高い木の上で一人で寂しくないのか、そう思ったけれど、その声はたしかに明るかった。
「ねぇ、降りてこないの?」
「とても高いから、降りられないの」
「ええと、助けに行くよ」
「お兄ちゃん、ありがとう。でも大丈夫、仏様のお使いが助けてくれるから」
仏様。隣の国からやってきた新しい神様。
助けてくれるのかな。それがどういう存在なのか、よくわからない。
「でも落ちちゃうかも」
「大丈夫、お兄ちゃんが光を連れてきてくれたから」
「光?」
そう思うと、また周囲にぽぅと明かりが灯った。
「お兄ちゃんみたいにいろいろな人が光を連れてきてくれたら、きっとここに朝が来て、そうすると、どなたかが見つけて助けてくださるの」
「それはどのくらい先なの?」
「よくわからない。すべての物事は繋がっていて、いろんなご縁で物事は動いているの。だからそれはご縁の向くまま」
「でもいつかわからないでは、君はお腹が空いてしまうじゃないか。力尽きて落っこちてしまうかもしれない」
「それならそれで仕方がないの」
仕方がないって……。
なんとなく、恐ろしくなってきた。
けれどもここは薄っすらと暖かいまま。
この声の子どもがいなくってしまったら、僕はまた一人に戻ってしまうのかな。急に心細さが浮かぶ。
「あの」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん」
「大丈夫?」
「お兄ちゃんが連れてきた明かりはお兄ちゃんの大事な人とのご縁だから。お兄ちゃんはまだいろんな縁と繋がっているの。お兄ちゃんの大事な人はだぁれ?」
「大事な人……。お母様とお兄様、それからお友達、お父様」
「そう、家族の人なんだね。お兄ちゃんはこれから色んな人と知り合って、いいご縁を繋げればこの世界はもっと明るくなるんだ。そうなると、みんな助かるの」
そこで一つの可能性に気がついた。
でも僕は家族と一緒にいたかった。こんなところに来たくはなかった。けれども無理やり連れてこられて、家族とは会えなくなってしまった。ここには知ってる人は誰もいないし、家族との縁も全部切れてしまったら。
急に寂しくなる。母様に会いたい。
もしご縁がなくなって、暗くなってしまったら。明るくない悪い縁になってしまったら。
ぎゅっと握っていた手とともに、ふるふると肩が震えた。そうすると、これまで脱ぎ捨ててきた闇が近寄ってくるような、嫌な予感がした。
「大丈夫。まだ大丈夫だよ。だからたくさんのいいご縁を結んで。世界がキラキラと明るくなるように。今はいいいご縁があんまりなくて世界は暗くなってしまっているの。このまま全部の縁が光を失って真っ暗になってしまったら、僕はここから降りられなくなってしまう」
ふうとすべての明かりが揺らいで一瞬細くなった。そしてその細くなった隙間に、浮かんでいる明かりより随分たくさんの暗く淀んだ夜の玉が潜んでいることに気づいてしまった。
それらは恨めしそうに、光を、そして明るくなったこちらを睨んでいる。
恐ろしくなって、ぺたりと尻もちをついた。
「大丈夫だから。まだ。だから世界を明るくしてね」
その翌日、夢の内容はあらかた忘れていたけれども、なんとなく何かしなければという気持ちとともに目が冷めた。
体を起こすと下男が朝餉の準備をしている。
いい香り。
それから鳥の声に誘われて室の外を見る。青々とした竹が揺れているのが見え、朝餉の湯気とともにどこか青臭いような地面のような香りがした。
お母様とお父様とお別れした朝を思い出す。
お母様もお父様も僕に達者で、元気で、と言ってくださっていた。お母様もお父様も僕と別れたくて別れたわけじゃないんだ。僕を愛してくださっている。そう思い出すと、夢の中でぽぅと明かりがともったように、心の内が少しだけ明るくなった。
これがご縁?
下男を見る。ここに住むようになってからずっと、朝夕の食事の準備をしてくれている。何くれと衣服や様々なものを取り揃えてくれる。でも僕はこれまで自分からこの下男に声をかけたことがなかったことを思い出した。
知らない人。
いつもどうしていいかわからずに、ずっと固まったままで。
「あの……」
「なんでございましょう」
恐る恐る声をかけると、下男はにこりと笑って答えた。そうすると、胸の内がぽぅ、と少しだけ暖かくなった。僕は一人じゃなかった、のかも。
お話をしてみると、下男だと思っていた男はこの東大寺の僧らしく、僕の身の回りの世話をしてくれる係だと知った。
ここは東大寺。
南都六宗の一つ、華厳経という仏典を研究しているところ。
僕はこれまで仏教というものはよく知らなかった。聖武様が日の本を守るために隣の国から招聘された最新の厄払いの神様だと思っていた。それがあのとても大きな大仏様で、悪いものを払ってくれるものだと。
でも大仏様の本当のお名前は毘盧遮那仏様とおっしゃられて、宇宙の真理を全ての人に照らし悟りに導く仏様らしい。それで南都六宗は人を、この世界を救うためには仏経典という大切なことが書かれた書物の研究をしているらしい。その男の人は僕にそう教えてくれた。
僕ももうしばらくしたらその勉強に入るそうだ。
そうか。僕は夢の中でみた温かい灯りを増やすんだね。
今は会えないけれど、離れてすごく、ものすごく寂しかったけど、お母様やお兄様とのご縁はきっと切れていなくて、どこかできっと繋がっている。
僕はみんなを幸せにするために、この世の中を明るくするために勉強をするんだ、と思うとなんだか少し元気がでてきた気がした。
牛車から降りたとき、その寺社のとてつもない巨大さと豪華絢爛、堂々たる威容に一瞬呆け、そしてその広大な寺院の中で誰一人知る者がいないという孤独に打ちひしがれた。ここは、恐ろしく、広い。
これまで一緒に暮らした母も、時折戻ってくる兄もいない。もうずいぶん見ていない父上も。
そう、知ってる者は誰もいない。
それが一人で心細くて、とても恐ろしかった。
それにここにあるものは初めて見るものばかりだ。よくわからないものばかりだ。新しい世界はどこか冷たく、孤独な世界で泣いて暮らした。
私はこれまで色鮮やかな山野でのんびりと暮らしていた。その草木の芳醇な香り漂う田舎暮らしと現在の妙に整然とした生活はあまりに異なりすぎて、どうしていいかわからなくなってしまったのだ。
これまで一緒に過ごしてきた母も、一緒に遊んだ兄もいない。
私の周りには、世話役としてつけられた一人の下男しかいなかった。
その者は確かに何くれとなく世話をしてくれたが、さりとてそれ以上に親しく会話をしたりはしない。
新しい世界で、私はたった一人取り残されていた。
春の夜。私は不思議な夢を見た。
そこは暖かい暗闇に満ちていた。
真っ暗な中、少し先にぽぅと明るい光が灯った。そこに向かって歩くとまた少し先に新しくぽぅと明かりが灯る。歩くがごとにその明かりがどんどん繋がって、真っ暗闇の中にいつしかやわらかな光の道ができていた。
これまで身にまとっていた闇を脱ぎ捨てその光の道を辿っていくと、こびりついていた心細さがだんだんと薄らいでいく。明かりの一つ一つが昔から知ってるもののようで、なんとなく温かな気持ちになる。
どんどん道を進んで行くとやがて一本の大きな木にたどり着いた。杉の木なのかな。そこで誰かが待っているような、そんな気がした。
また、ぽぅという明かりが灯る。その明かりは今までと違い、木の上に灯った。どうやらこの木は明かりの道の終点のようだ。明かりの道が四方八方からから伸びて、この大きな木に集っていたのだ。そのせいか、その木はとても明るく暖かかった。
そうすると樹上から突然声がかかった。
「ねぇ、何をしているの」
「誰? どこにいるの?」
「僕は木の上にいるよ」
「どうして?」
「とっても大きな鳥にさらわれて、気がついたらこの木の上にいたんだ」
「鳥?」
「そう、とってもおっきな鳥」
見上げても、大きな木の枝に遮られて声の主は見えなかった。
ときおり木の葉がガサガサ動く。おそらくあの上にいるのだろうか。声はどうも3歳とか4歳ほどの子供のようだった。高い木の上で一人で寂しくないのか、そう思ったけれど、その声はたしかに明るかった。
「ねぇ、降りてこないの?」
「とても高いから、降りられないの」
「ええと、助けに行くよ」
「お兄ちゃん、ありがとう。でも大丈夫、仏様のお使いが助けてくれるから」
仏様。隣の国からやってきた新しい神様。
助けてくれるのかな。それがどういう存在なのか、よくわからない。
「でも落ちちゃうかも」
「大丈夫、お兄ちゃんが光を連れてきてくれたから」
「光?」
そう思うと、また周囲にぽぅと明かりが灯った。
「お兄ちゃんみたいにいろいろな人が光を連れてきてくれたら、きっとここに朝が来て、そうすると、どなたかが見つけて助けてくださるの」
「それはどのくらい先なの?」
「よくわからない。すべての物事は繋がっていて、いろんなご縁で物事は動いているの。だからそれはご縁の向くまま」
「でもいつかわからないでは、君はお腹が空いてしまうじゃないか。力尽きて落っこちてしまうかもしれない」
「それならそれで仕方がないの」
仕方がないって……。
なんとなく、恐ろしくなってきた。
けれどもここは薄っすらと暖かいまま。
この声の子どもがいなくってしまったら、僕はまた一人に戻ってしまうのかな。急に心細さが浮かぶ。
「あの」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん」
「大丈夫?」
「お兄ちゃんが連れてきた明かりはお兄ちゃんの大事な人とのご縁だから。お兄ちゃんはまだいろんな縁と繋がっているの。お兄ちゃんの大事な人はだぁれ?」
「大事な人……。お母様とお兄様、それからお友達、お父様」
「そう、家族の人なんだね。お兄ちゃんはこれから色んな人と知り合って、いいご縁を繋げればこの世界はもっと明るくなるんだ。そうなると、みんな助かるの」
そこで一つの可能性に気がついた。
でも僕は家族と一緒にいたかった。こんなところに来たくはなかった。けれども無理やり連れてこられて、家族とは会えなくなってしまった。ここには知ってる人は誰もいないし、家族との縁も全部切れてしまったら。
急に寂しくなる。母様に会いたい。
もしご縁がなくなって、暗くなってしまったら。明るくない悪い縁になってしまったら。
ぎゅっと握っていた手とともに、ふるふると肩が震えた。そうすると、これまで脱ぎ捨ててきた闇が近寄ってくるような、嫌な予感がした。
「大丈夫。まだ大丈夫だよ。だからたくさんのいいご縁を結んで。世界がキラキラと明るくなるように。今はいいいご縁があんまりなくて世界は暗くなってしまっているの。このまま全部の縁が光を失って真っ暗になってしまったら、僕はここから降りられなくなってしまう」
ふうとすべての明かりが揺らいで一瞬細くなった。そしてその細くなった隙間に、浮かんでいる明かりより随分たくさんの暗く淀んだ夜の玉が潜んでいることに気づいてしまった。
それらは恨めしそうに、光を、そして明るくなったこちらを睨んでいる。
恐ろしくなって、ぺたりと尻もちをついた。
「大丈夫だから。まだ。だから世界を明るくしてね」
その翌日、夢の内容はあらかた忘れていたけれども、なんとなく何かしなければという気持ちとともに目が冷めた。
体を起こすと下男が朝餉の準備をしている。
いい香り。
それから鳥の声に誘われて室の外を見る。青々とした竹が揺れているのが見え、朝餉の湯気とともにどこか青臭いような地面のような香りがした。
お母様とお父様とお別れした朝を思い出す。
お母様もお父様も僕に達者で、元気で、と言ってくださっていた。お母様もお父様も僕と別れたくて別れたわけじゃないんだ。僕を愛してくださっている。そう思い出すと、夢の中でぽぅと明かりがともったように、心の内が少しだけ明るくなった。
これがご縁?
下男を見る。ここに住むようになってからずっと、朝夕の食事の準備をしてくれている。何くれと衣服や様々なものを取り揃えてくれる。でも僕はこれまで自分からこの下男に声をかけたことがなかったことを思い出した。
知らない人。
いつもどうしていいかわからずに、ずっと固まったままで。
「あの……」
「なんでございましょう」
恐る恐る声をかけると、下男はにこりと笑って答えた。そうすると、胸の内がぽぅ、と少しだけ暖かくなった。僕は一人じゃなかった、のかも。
お話をしてみると、下男だと思っていた男はこの東大寺の僧らしく、僕の身の回りの世話をしてくれる係だと知った。
ここは東大寺。
南都六宗の一つ、華厳経という仏典を研究しているところ。
僕はこれまで仏教というものはよく知らなかった。聖武様が日の本を守るために隣の国から招聘された最新の厄払いの神様だと思っていた。それがあのとても大きな大仏様で、悪いものを払ってくれるものだと。
でも大仏様の本当のお名前は毘盧遮那仏様とおっしゃられて、宇宙の真理を全ての人に照らし悟りに導く仏様らしい。それで南都六宗は人を、この世界を救うためには仏経典という大切なことが書かれた書物の研究をしているらしい。その男の人は僕にそう教えてくれた。
僕ももうしばらくしたらその勉強に入るそうだ。
そうか。僕は夢の中でみた温かい灯りを増やすんだね。
今は会えないけれど、離れてすごく、ものすごく寂しかったけど、お母様やお兄様とのご縁はきっと切れていなくて、どこかできっと繋がっている。
僕はみんなを幸せにするために、この世の中を明るくするために勉強をするんだ、と思うとなんだか少し元気がでてきた気がした。
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