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3章 長岡京の2人の兄弟
side桓武 百川にかかった呪い
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「そんなこともないのだよ。お前と囲碁でも打っていればそれなりに楽しい」
「良継殿なぞは宴会がお好きなようだぞ」
「ああ。俺はああいうのは好かん。だが良継兄は好きなのだ。好きなら好きにさせておけ。……正直なところ、腹をわって話せるのはお前くらいだ。他の式家の身内はそこまでの覚悟も才覚もない」
「何故そんな奴らのためにそこまでするのだ」
「だからだよ。俺以外にできないのなら俺がやる。あいつらは俺の大切な一族だからだ」
俺には一族のためというものはピンとこなかった。
俺にとっては俺が生き残ることが一番だ。
けれども百川は自分が死んでも一族を助けようとしている。一族というものはそこまでする価値があるのだろうか。
気弱で流されるだけの父を見ても、高圧的な井上や他戸を見ても、それをどうこうしようとは思わない。俺が守ろうと思えるのは母の新笠と同母姉の能登くらいだ。それから弟の早良。けれども早良はずいぶん会ってはいないが優秀だと聞く。だから俺がどうこうせずとも仏寺の中で行きていけるだろう。父は自業自得だからどうでもいい。
一族、か。そう思っていると百川が澄んだ目で俺をじっと見ているのに気がついた。
「山部、俺は既に呪われてるんだよ」
「誰に?」
「広嗣兄だ」
「兄じゃないのか? 何故お前が呪われる」
百川は真っ暗な西の方角、太宰の方角を眺め、片目を瞑りながら珍しく何かを思い出すような素振りをした。
広嗣殿が祟ったのは有名だ。広嗣殿が排斥を求めた僧玄昉はある日突然行方知れずとなり、ある日突然興福寺に頭だけが転がっているのが発見された。
だからこそ、もう一人排斥を求められた吉備真備は広嗣殿が処刑された松浦の総社である松浦宮に広嗣殿を祀る二ノ宮が創建したし、それだけが原因ではないが、聖武様は国分寺を建て、仏教に深く帰依した。
百川の呟きは続く。
「あれは俺が18ぐらいの年だったかな。丁度太宰にいく用事があったのだ。それで松浦宮にお参りをしたのだよ。小高い丘の上にあってだな、唐津の海が眺め降ろせるきれいな場所だった。その夜の夢に広嗣兄が現れた」
「ほう」
「広嗣兄というのは悪い人ではないのだが直情的なところがあってね。何故自分が殺されねばならぬのだと怒るのだよ。俺は式家の復興を考えていたのに広嗣兄は自分が殺されたことが許せないらしい。まあ、そうだな。それで兄上は短絡的で楽でいいなと思ったわけさ」
「殺されれば祟りもするだろう」
「まぁな。けれども結局、この短絡さが現在の式家の不遇の元凶なのだ。せめて兄上が太宰を説得できればこうはならなかったろうし、もう少しうまくやればこうもならなかっただろうよ。だから腹立たしくなってだな。言ってしまったのだ」
「何を?」
「俺が兄上であればもっとうまくやったってさ。そうしたら『じゃぁやってみろ』だとよ。それから広嗣兄はずっと俺といる。夜な夜な俺の枕元に現れて式家の復興はまだかと呟くのさ。正直鬱陶しいことこの上ないが、だからやるしかあるまいよ」
何も言えなかった。
その時の百川の目は、たしかに俺には見えない誰かを見据えているようにしか思われなかったからだ。けれどもその表情に浮かぶのは恐れや忌避ではなく、親しみにしか見えなかった。
「俺はそんな広嗣兄が嫌いじゃない。俺をよく庇ってくれたしな。それに豪放な良継兄も穏やかな田麻呂兄も、それから人のいい蔵下麻呂もだ。殺されちまったが妙に容量のいい清成兄も愚痴っぽかった綱手兄もな」
「仲がよかったんだな。俺には縁がない」
井上と他戸の目を思い出す。
俺にとって井上と他戸の2人は家族ではなく敵だった。井上は常日頃からゴミでも見るような目で俺を見ていたし、他戸も乱暴者でろくでもない男で、当然のように俺を見下してくる。太子なのだから一定は仕方がないとも思ったが、それでもいけ好かない。
それに放っておけば俺を殺しにくるだろう。俺などいるだけで目障りなのだ。
母が違っても仲が良い、百川の語るそれはどういう暮らしなのだろう。井上が少しでも母の新笠を尊重すれば、こんなことにはならなかったのだろうか。俺の記憶では井上が新笠の家を訪ねたことはなく、その逆もなかった。
「俺の父宇合は妙に真面目だったのだ。妻の間で差別はするなとはよく言われるが、それを実践する人間はさほどおるまい。けれども父には妻はたくさんいたが、家の中では分け隔てなかった。だから兄弟は皆、仲がよかったんだよ」
「賑やかそうだな」
「ああ。それで俺が多分一番可愛がられていたんだ。だから俺が一番特をした。だから俺が式家をなんとかしないといけない」
子供の自分に可愛がられたから、という何の理屈にもならないような百川の理屈は、それでも百川の中では筋が通っていたのだろう。そのような人間関係というものは、百川に幸せをもたらしたのか、あるいは。
いつしか夜はふけ、月は陰っていく。
俺と百川は月が満ちて欠けるに従い、長い年月協議を重ね、全てを整え、井上と他戸を殺した。
俺にとって2人が邪魔であったように、百川にとっても2人は邪魔で敵だった。
井上は藤原北家の長、藤原永手の意思で動いていた。だから他戸が天皇となっても後ろ盾は北家で式家の百川ではない。
他戸では式家復権を復権できないのだ。だからかわりにより立場の弱い、天武様の血筋も引いておらず卑しい母親から生まれた誰にも目も向けられない俺を囲い込み、天皇につける。その周りの全てを式家で固めて。
俺は百川以外の誰の影響もうけていない。だから百川は権力をほしいままにできる。
けれども百川はその権力を自らの贅にではなく、式家の発展のためのレールを敷くことに費やすだろう。それはなんだか好ましく、理解しがたかった。
だから俺は百川が死んでから、約束通り、生まれ故郷の比良の地で仏寺に帰依していた長女の藤原旅子を召し出して俺の夫人とした。すでに歳は25を数えていたが、何の問題があると言うのか。そして帯子を息子の安殿の妃として後宮にいれた。百川の子緒嗣の元服の儀は俺が主催して行った。
一方で、俺の皇后には派手な生活を好む良継の娘、乙牟漏が立った。俺の将来に期待してそれを良継が望んだし、百川も是としたからだ。
俺への輿入れはリスクもある。いつ殺されるやもしれぬ。だから望む者がそこにおさまったという形だ。良継自身にも百川を蔑ろにする意図もなかった。
だから本当に式家の兄弟は仲が良いのだろう。
そういえば百川は生前、俺に血縁を求めることはなかったことを思い出す。娘を皇后にしようとも思ってはいなかった。
望めばいくらでもそのようにする。けれどもそんなものは俺と百川の間に不要であることはお互い理解していた。わざわざそんなもので縛る必要はなかった。俺と百川を繋ぐものは情や義などではなく、お互いの目的をしっかり理解していたからだ。俺は百川ほど理で深く繋がり信用できた者などいない。
百川は稀代の陰謀家だと思われている。
けれども百川の根底にあるのは一族、というより単純に家族への思いなのだろう。ただ、家族の不遇が許せないのだ。改めて思えば、百川はその縁者が好き勝手に生きればそれで満足だったのかもしれない。
だから広嗣殿の件がなければ俺が天皇となることもなく、百川は案外平穏にのんびりと暮らしていたのかもしれない。
そんな百川を知るのはおそらく俺だけなのだろう。
「良継殿なぞは宴会がお好きなようだぞ」
「ああ。俺はああいうのは好かん。だが良継兄は好きなのだ。好きなら好きにさせておけ。……正直なところ、腹をわって話せるのはお前くらいだ。他の式家の身内はそこまでの覚悟も才覚もない」
「何故そんな奴らのためにそこまでするのだ」
「だからだよ。俺以外にできないのなら俺がやる。あいつらは俺の大切な一族だからだ」
俺には一族のためというものはピンとこなかった。
俺にとっては俺が生き残ることが一番だ。
けれども百川は自分が死んでも一族を助けようとしている。一族というものはそこまでする価値があるのだろうか。
気弱で流されるだけの父を見ても、高圧的な井上や他戸を見ても、それをどうこうしようとは思わない。俺が守ろうと思えるのは母の新笠と同母姉の能登くらいだ。それから弟の早良。けれども早良はずいぶん会ってはいないが優秀だと聞く。だから俺がどうこうせずとも仏寺の中で行きていけるだろう。父は自業自得だからどうでもいい。
一族、か。そう思っていると百川が澄んだ目で俺をじっと見ているのに気がついた。
「山部、俺は既に呪われてるんだよ」
「誰に?」
「広嗣兄だ」
「兄じゃないのか? 何故お前が呪われる」
百川は真っ暗な西の方角、太宰の方角を眺め、片目を瞑りながら珍しく何かを思い出すような素振りをした。
広嗣殿が祟ったのは有名だ。広嗣殿が排斥を求めた僧玄昉はある日突然行方知れずとなり、ある日突然興福寺に頭だけが転がっているのが発見された。
だからこそ、もう一人排斥を求められた吉備真備は広嗣殿が処刑された松浦の総社である松浦宮に広嗣殿を祀る二ノ宮が創建したし、それだけが原因ではないが、聖武様は国分寺を建て、仏教に深く帰依した。
百川の呟きは続く。
「あれは俺が18ぐらいの年だったかな。丁度太宰にいく用事があったのだ。それで松浦宮にお参りをしたのだよ。小高い丘の上にあってだな、唐津の海が眺め降ろせるきれいな場所だった。その夜の夢に広嗣兄が現れた」
「ほう」
「広嗣兄というのは悪い人ではないのだが直情的なところがあってね。何故自分が殺されねばならぬのだと怒るのだよ。俺は式家の復興を考えていたのに広嗣兄は自分が殺されたことが許せないらしい。まあ、そうだな。それで兄上は短絡的で楽でいいなと思ったわけさ」
「殺されれば祟りもするだろう」
「まぁな。けれども結局、この短絡さが現在の式家の不遇の元凶なのだ。せめて兄上が太宰を説得できればこうはならなかったろうし、もう少しうまくやればこうもならなかっただろうよ。だから腹立たしくなってだな。言ってしまったのだ」
「何を?」
「俺が兄上であればもっとうまくやったってさ。そうしたら『じゃぁやってみろ』だとよ。それから広嗣兄はずっと俺といる。夜な夜な俺の枕元に現れて式家の復興はまだかと呟くのさ。正直鬱陶しいことこの上ないが、だからやるしかあるまいよ」
何も言えなかった。
その時の百川の目は、たしかに俺には見えない誰かを見据えているようにしか思われなかったからだ。けれどもその表情に浮かぶのは恐れや忌避ではなく、親しみにしか見えなかった。
「俺はそんな広嗣兄が嫌いじゃない。俺をよく庇ってくれたしな。それに豪放な良継兄も穏やかな田麻呂兄も、それから人のいい蔵下麻呂もだ。殺されちまったが妙に容量のいい清成兄も愚痴っぽかった綱手兄もな」
「仲がよかったんだな。俺には縁がない」
井上と他戸の目を思い出す。
俺にとって井上と他戸の2人は家族ではなく敵だった。井上は常日頃からゴミでも見るような目で俺を見ていたし、他戸も乱暴者でろくでもない男で、当然のように俺を見下してくる。太子なのだから一定は仕方がないとも思ったが、それでもいけ好かない。
それに放っておけば俺を殺しにくるだろう。俺などいるだけで目障りなのだ。
母が違っても仲が良い、百川の語るそれはどういう暮らしなのだろう。井上が少しでも母の新笠を尊重すれば、こんなことにはならなかったのだろうか。俺の記憶では井上が新笠の家を訪ねたことはなく、その逆もなかった。
「俺の父宇合は妙に真面目だったのだ。妻の間で差別はするなとはよく言われるが、それを実践する人間はさほどおるまい。けれども父には妻はたくさんいたが、家の中では分け隔てなかった。だから兄弟は皆、仲がよかったんだよ」
「賑やかそうだな」
「ああ。それで俺が多分一番可愛がられていたんだ。だから俺が一番特をした。だから俺が式家をなんとかしないといけない」
子供の自分に可愛がられたから、という何の理屈にもならないような百川の理屈は、それでも百川の中では筋が通っていたのだろう。そのような人間関係というものは、百川に幸せをもたらしたのか、あるいは。
いつしか夜はふけ、月は陰っていく。
俺と百川は月が満ちて欠けるに従い、長い年月協議を重ね、全てを整え、井上と他戸を殺した。
俺にとって2人が邪魔であったように、百川にとっても2人は邪魔で敵だった。
井上は藤原北家の長、藤原永手の意思で動いていた。だから他戸が天皇となっても後ろ盾は北家で式家の百川ではない。
他戸では式家復権を復権できないのだ。だからかわりにより立場の弱い、天武様の血筋も引いておらず卑しい母親から生まれた誰にも目も向けられない俺を囲い込み、天皇につける。その周りの全てを式家で固めて。
俺は百川以外の誰の影響もうけていない。だから百川は権力をほしいままにできる。
けれども百川はその権力を自らの贅にではなく、式家の発展のためのレールを敷くことに費やすだろう。それはなんだか好ましく、理解しがたかった。
だから俺は百川が死んでから、約束通り、生まれ故郷の比良の地で仏寺に帰依していた長女の藤原旅子を召し出して俺の夫人とした。すでに歳は25を数えていたが、何の問題があると言うのか。そして帯子を息子の安殿の妃として後宮にいれた。百川の子緒嗣の元服の儀は俺が主催して行った。
一方で、俺の皇后には派手な生活を好む良継の娘、乙牟漏が立った。俺の将来に期待してそれを良継が望んだし、百川も是としたからだ。
俺への輿入れはリスクもある。いつ殺されるやもしれぬ。だから望む者がそこにおさまったという形だ。良継自身にも百川を蔑ろにする意図もなかった。
だから本当に式家の兄弟は仲が良いのだろう。
そういえば百川は生前、俺に血縁を求めることはなかったことを思い出す。娘を皇后にしようとも思ってはいなかった。
望めばいくらでもそのようにする。けれどもそんなものは俺と百川の間に不要であることはお互い理解していた。わざわざそんなもので縛る必要はなかった。俺と百川を繋ぐものは情や義などではなく、お互いの目的をしっかり理解していたからだ。俺は百川ほど理で深く繋がり信用できた者などいない。
百川は稀代の陰謀家だと思われている。
けれども百川の根底にあるのは一族、というより単純に家族への思いなのだろう。ただ、家族の不遇が許せないのだ。改めて思えば、百川はその縁者が好き勝手に生きればそれで満足だったのかもしれない。
だから広嗣殿の件がなければ俺が天皇となることもなく、百川は案外平穏にのんびりと暮らしていたのかもしれない。
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