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7章 エルフの森の典型的で非典型なイベント
宵の朱
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戦いが始まった。総力戦だ。負ければこのエルフの森は滅ぶ。その事実が士気を否応なく高めている。
わしは部隊の一翼を任されているが、まさか400年も生きてこのようなことになろうとは想像もしていなかった。研鑽は怠ってはいなかったが頭の中がすっかり平和に浸されていたらしい。このエルフの森には争いというものはほとんどない。なぜならば争う相手がないからだ。
森を離れる者もほとんどない。
特にこのダンジョンでは1つ下層の33階層に降りれば真の常闇で視界が効かない。降りれば降りるほどモンスターは強力だ。1つ上層の31階層に登ればばすぐに強大な百獣王が現れる。そして百獣平原で襲い来る大型モンスターを倒して30階層に至ってもそこにはアイス・ドラゴンが立ち塞がっている。我々は実際のところ、この階層以外どこにもいけないのだ。
冒険者というものにとってはこの階層に存在するトレントをはじめとする樹木類、それからビーを始めとする昆虫類は他の階層のモンスターと同様に驚異らしいが、我々にとってはそれほどでもない。共生は十分に可能だ。だから暮らしに不自由はなく、種としての戦いに及ぶことなど考えもしなかったのだ。
だからそもそもこのエルフの森を出るエルフというのはほとんどいない。神樹の実を求めて旅に出るエルフが何人かいるくらいだ。
最近森を出たのはエアリーヌくらいだ。
ある日、突然魔王がこの村を訪れた。何事かと恐れおののいた。
魔王はこのダンジョンの支配者だ。やろうと思えばエルフの森を階層ごと滅ぼすことも不可能ではあるまい。戦々恐々としつつもその求めを尋ねると、境界についての実験に協力して欲しいと依頼された。それだけか、と随分拍子抜けした。何か罠があるのではないか。そう疑ったけれどもどうしようもない。そして、本当にそれだけだった。
しかもエルフの森の素材を買い取っていく。いくらでも奪い取る力はあるだろうに。そう尋ねると、魔王は今は魔王という地位にはなく、アレグリットという商人ないし吟遊詩人としての立場で活動しているという。
その違いはよくはわからないものの、森は危急に陥ることもなく、ざわつきつつもいつしか収まりその状態に慣れていった。魔王は確かに我々エルフの森になにかする、どころか干渉しようともしていなかった。
魔王の求めに立候補したのがエアリーヌだ。丁度成人を迎える頃合いの若いエルフだ。
そして境界というものについて魔王と共に色々と試してういくうちに、結局エアリーヌ自身が森を出て広く世界を見聞することを決意した。
エルフの森では成人すれば自由だ。その生活拠点を地上に移し、時折戻って来るついでに資材を買い付けていくエアリーヌに外の世界について尋ねる。
外はとても空が広いという。空の広さであればここも相当広いように思われるが。そういうと、風がどこまでも流れていくというのだ。
私は今更外に出ようとは思わないが、そのような広い世界に旅に出るいうのも悪くない人生だろう。もし新しい神樹の実を手に入れることができればと買い付けを依頼したが、そちらはあまり芳しくないようだった。どうやら地上に出てもそこからさらに外というものがあるらしく、魔王は外に出る方法を探しているらしい。
この森の周辺だけで暮らす私には途方もない話だ。
「長、来ました」
「手はず通りだ。登攀を阻止せよ。登られたら予定通りその地点は破棄し、通路を切り落とせ」
エルフの森のエルフは巨木の地下と巨木の上に住居を構える。
地下の住居の入口は当面全てを埋め、少々の罠を除いて現在地下に住むエルフのほとんどは樹上に上がっている。そして樹上の集落は枝々で繋がり、通路となるその枝を切り落としさえすればそれ以上侵攻しようとしても木々を垂直によじ登らざるを得ない。敵は無防備となるからそれ以上は上がってこないだろう。だから足をかけられた心苦しいが、そこ幹を切り落とすことと決まった。
けれども極力は防衛する。なぜならあまりにも地上との距離が離れすぎた場合、火をかけられる恐れがあるからだ。
このアブハル・アジドの勢力下では魔女の魔法は効きが悪い。けれども火を起こすことぐらいはできるだろう。マリオン嬢が防火の術式を描いてくれたが、至近距離で多くの火種をばら撒かれれば燃える恐れもある。それに離れすぎると描かれた術式を消される恐れもある。離れた敵を止めることは困難だ。
そもそも木を燃やすなど凡そ理解できるところではないが……しかし地上の人間の主要燃料は木材と聞く。マリオン嬢の言うように文化が異なるのだろう。
戦線は想定通りで刻々と時間は過ぎていく。
カステッロ軍が無闇矢鱈と登るための道具を投げつけてくる。それを次々と切断する。切断すると拾って結んでまた投げてくる。敵軍は重装備だ。こちらも効果的にダメージを与えることは難しい。しかも怪我を負えば戦列を離れてエルフの森の効力範囲外、つまり魔女の魔法が効力を有する本陣まで戻り、回復魔法を受けてまた戻ってくる。
膠着する戦況のまま、5時間が経過した。5時間にも渡って延々と同じことを繰り返している。こちらの人的損害も無いが、相手の人的損害も軽微だ。
狙いは何かと考えた時、こちらの矢の消耗だろうかと考えた。矢が無くなれば攻撃ができなくなる。しかし矢は1週間打ち続けてもまかなえるほどの備蓄はしてあり、それを非戦闘員が状況に応じて前線に運んでくるのだ。
敵軍は時折、こちらの油断を狙うのか取りつく木を変えてくることがある。
おそらく戦の最初に紛れ込んだギローディエという敵の斥候がこちらの手薄な場所を敵本陣に知らせているのだろう。しかしその情報を基にした指令によって前線が移動するのと同時に、その動きを探知したマリオン嬢がその変更を伝令で知らせてくる。そうすると新たに人員を振り分け、木を抜かれないように対処する。
結局の所、こちらの防衛拠点、つまり各枝葉は一度も抜かれないまま夜が明けた。
夜を徹して行われた慣れない戦闘は各員に極度の緊張を強いはしたものの、日の出とともに退却する敵陣営の後ろ姿に我々は大きく勝鬨を上げたのだ。
「お疲れさまです。交代で休みを取りましょう」
「マリオン殿、思ったより手応えがなかったですな」
「いや、相手にも損耗はない。そして本気で攻めているようには思われなかった」
「ソルタン様、それは本気……でしょうか」
「前にも言ったように資源を目的とするならば戦力を集めて斧で切り倒すだろう。このエルフの森は木々が複雑に繋がっている。一本を切り倒せば他の木々に影響し、その木から他の樹々に伝っていける」
議場がざわめく。
やはり木を切り倒すなど、そんなことがありうるのだろうかという声。
エルフにとって森の巨木を切り倒すことなど考えられない。そしてそれ以前にエルフの森の木々は極めて太い。容易に切り倒せるとは思えない。
「アレクなら切り倒せるよな」
「そう、だな。おそらくは。武器にもよるし時間はかかるが不可能ではない。むしろ支援要員に木こりがいれば全員で守護して切り倒させるだろう」
「それからエルフ自体が目的なら魔法使いを集めて全力で木を燃やす。効力は減衰するとしても人数を合わせれば不可能でないだろうし、マリーの術式を削ることができれば燃やせないことはないだろう。そして俺なら燃やせる」
わしは部隊の一翼を任されているが、まさか400年も生きてこのようなことになろうとは想像もしていなかった。研鑽は怠ってはいなかったが頭の中がすっかり平和に浸されていたらしい。このエルフの森には争いというものはほとんどない。なぜならば争う相手がないからだ。
森を離れる者もほとんどない。
特にこのダンジョンでは1つ下層の33階層に降りれば真の常闇で視界が効かない。降りれば降りるほどモンスターは強力だ。1つ上層の31階層に登ればばすぐに強大な百獣王が現れる。そして百獣平原で襲い来る大型モンスターを倒して30階層に至ってもそこにはアイス・ドラゴンが立ち塞がっている。我々は実際のところ、この階層以外どこにもいけないのだ。
冒険者というものにとってはこの階層に存在するトレントをはじめとする樹木類、それからビーを始めとする昆虫類は他の階層のモンスターと同様に驚異らしいが、我々にとってはそれほどでもない。共生は十分に可能だ。だから暮らしに不自由はなく、種としての戦いに及ぶことなど考えもしなかったのだ。
だからそもそもこのエルフの森を出るエルフというのはほとんどいない。神樹の実を求めて旅に出るエルフが何人かいるくらいだ。
最近森を出たのはエアリーヌくらいだ。
ある日、突然魔王がこの村を訪れた。何事かと恐れおののいた。
魔王はこのダンジョンの支配者だ。やろうと思えばエルフの森を階層ごと滅ぼすことも不可能ではあるまい。戦々恐々としつつもその求めを尋ねると、境界についての実験に協力して欲しいと依頼された。それだけか、と随分拍子抜けした。何か罠があるのではないか。そう疑ったけれどもどうしようもない。そして、本当にそれだけだった。
しかもエルフの森の素材を買い取っていく。いくらでも奪い取る力はあるだろうに。そう尋ねると、魔王は今は魔王という地位にはなく、アレグリットという商人ないし吟遊詩人としての立場で活動しているという。
その違いはよくはわからないものの、森は危急に陥ることもなく、ざわつきつつもいつしか収まりその状態に慣れていった。魔王は確かに我々エルフの森になにかする、どころか干渉しようともしていなかった。
魔王の求めに立候補したのがエアリーヌだ。丁度成人を迎える頃合いの若いエルフだ。
そして境界というものについて魔王と共に色々と試してういくうちに、結局エアリーヌ自身が森を出て広く世界を見聞することを決意した。
エルフの森では成人すれば自由だ。その生活拠点を地上に移し、時折戻って来るついでに資材を買い付けていくエアリーヌに外の世界について尋ねる。
外はとても空が広いという。空の広さであればここも相当広いように思われるが。そういうと、風がどこまでも流れていくというのだ。
私は今更外に出ようとは思わないが、そのような広い世界に旅に出るいうのも悪くない人生だろう。もし新しい神樹の実を手に入れることができればと買い付けを依頼したが、そちらはあまり芳しくないようだった。どうやら地上に出てもそこからさらに外というものがあるらしく、魔王は外に出る方法を探しているらしい。
この森の周辺だけで暮らす私には途方もない話だ。
「長、来ました」
「手はず通りだ。登攀を阻止せよ。登られたら予定通りその地点は破棄し、通路を切り落とせ」
エルフの森のエルフは巨木の地下と巨木の上に住居を構える。
地下の住居の入口は当面全てを埋め、少々の罠を除いて現在地下に住むエルフのほとんどは樹上に上がっている。そして樹上の集落は枝々で繋がり、通路となるその枝を切り落としさえすればそれ以上侵攻しようとしても木々を垂直によじ登らざるを得ない。敵は無防備となるからそれ以上は上がってこないだろう。だから足をかけられた心苦しいが、そこ幹を切り落とすことと決まった。
けれども極力は防衛する。なぜならあまりにも地上との距離が離れすぎた場合、火をかけられる恐れがあるからだ。
このアブハル・アジドの勢力下では魔女の魔法は効きが悪い。けれども火を起こすことぐらいはできるだろう。マリオン嬢が防火の術式を描いてくれたが、至近距離で多くの火種をばら撒かれれば燃える恐れもある。それに離れすぎると描かれた術式を消される恐れもある。離れた敵を止めることは困難だ。
そもそも木を燃やすなど凡そ理解できるところではないが……しかし地上の人間の主要燃料は木材と聞く。マリオン嬢の言うように文化が異なるのだろう。
戦線は想定通りで刻々と時間は過ぎていく。
カステッロ軍が無闇矢鱈と登るための道具を投げつけてくる。それを次々と切断する。切断すると拾って結んでまた投げてくる。敵軍は重装備だ。こちらも効果的にダメージを与えることは難しい。しかも怪我を負えば戦列を離れてエルフの森の効力範囲外、つまり魔女の魔法が効力を有する本陣まで戻り、回復魔法を受けてまた戻ってくる。
膠着する戦況のまま、5時間が経過した。5時間にも渡って延々と同じことを繰り返している。こちらの人的損害も無いが、相手の人的損害も軽微だ。
狙いは何かと考えた時、こちらの矢の消耗だろうかと考えた。矢が無くなれば攻撃ができなくなる。しかし矢は1週間打ち続けてもまかなえるほどの備蓄はしてあり、それを非戦闘員が状況に応じて前線に運んでくるのだ。
敵軍は時折、こちらの油断を狙うのか取りつく木を変えてくることがある。
おそらく戦の最初に紛れ込んだギローディエという敵の斥候がこちらの手薄な場所を敵本陣に知らせているのだろう。しかしその情報を基にした指令によって前線が移動するのと同時に、その動きを探知したマリオン嬢がその変更を伝令で知らせてくる。そうすると新たに人員を振り分け、木を抜かれないように対処する。
結局の所、こちらの防衛拠点、つまり各枝葉は一度も抜かれないまま夜が明けた。
夜を徹して行われた慣れない戦闘は各員に極度の緊張を強いはしたものの、日の出とともに退却する敵陣営の後ろ姿に我々は大きく勝鬨を上げたのだ。
「お疲れさまです。交代で休みを取りましょう」
「マリオン殿、思ったより手応えがなかったですな」
「いや、相手にも損耗はない。そして本気で攻めているようには思われなかった」
「ソルタン様、それは本気……でしょうか」
「前にも言ったように資源を目的とするならば戦力を集めて斧で切り倒すだろう。このエルフの森は木々が複雑に繋がっている。一本を切り倒せば他の木々に影響し、その木から他の樹々に伝っていける」
議場がざわめく。
やはり木を切り倒すなど、そんなことがありうるのだろうかという声。
エルフにとって森の巨木を切り倒すことなど考えられない。そしてそれ以前にエルフの森の木々は極めて太い。容易に切り倒せるとは思えない。
「アレクなら切り倒せるよな」
「そう、だな。おそらくは。武器にもよるし時間はかかるが不可能ではない。むしろ支援要員に木こりがいれば全員で守護して切り倒させるだろう」
「それからエルフ自体が目的なら魔法使いを集めて全力で木を燃やす。効力は減衰するとしても人数を合わせれば不可能でないだろうし、マリーの術式を削ることができれば燃やせないことはないだろう。そして俺なら燃やせる」
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