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2.日常とのバランスがうまくとれない。
それでも明日は来て、また朝に片桐さんに会う。
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昨日は日をまたぐ頃にようやく体が動くようになった。
それまではなんていうか、散々片桐さんに弄ばれた、気がする。
会社は自社ビルで、俺は1番上の階に住んでいる。前は親父と住み込みのお手伝いさんと一緒に住んでいたけど、親父が亡くなってからは少し広い家に俺1人。
エレベーターでボタンひとつの距離だけど、体が動くようになってから玄関まで送ってもらって軽いキスをして別れた。キス。混乱でやはり頭がフラフラする。片桐さんは少し残念そうに俺を抱きしめて、もう少し一緒にいたいと言った。でも俺は心的にも身体的にも限界だった。
体はものすごくだるかった。でもまあ、風呂入って寝て起きたらいつもと同じくらいの体調には復調していた。心は混乱し続けていたけど。
「社長、そろそろ外出の時間です」
「あ、うん、はい」
資料一式を鞄にしまうその手。昨日の記憶が蘇る。あの手が俺を擦って。俺に笑いかけるあの唇が俺を含んで。無意識に浮かび上がる記憶に思わず手が止まる。昨日までと同じ光景、でも何かが違う。何か頭がおかしい。あれは夢だったような、そう思いたいような。この部屋には社員が後2人いる。変な態度にならないように。だめだ、考えるな。
ぎこちない体を動かそうとして軽く頭を振る。
背中に妙な汗が流れる。
違う方向から心配そうな声がした。
「若社長、お風邪ですか? 大丈夫です?」
「いえ、大丈夫です。行ってきます」
心配されてしまった。落ち着かない。
エレベーターに乗ったところでため息が漏れた。
右手と右足が同時に出ているよう。
「啓介、駄目ですよ、ちゃんとしないと」
「あの、名前で呼ばないで、下さい」
「わかりました。あとでたくさん呼ばせて下さい」
「あの、やめて下さい、セクハラです」
「おかしな社長ですね」
くすくすという小さな声に言い返そうとした瞬間、エレベーターのドアが開いた。いつもと同じロビーの風景。片桐さんが車を回しに裏口に向かう間に極力冷静になるよう努める。
片桐さんが好きなのは前からで、だからいつも2人でエレベーターに乗る時とか車で2人でいる時は少しだけドキドキしていた。でもなんというか、今日はまた何か違う混乱が俺を襲っている。
昨日の今日で、ちょっと1人になって落ち着いて考えたいと思ったけど、よく考えたらここ何年か俺は朝から夕まで片桐さんとずっと一緒だった。これからは夜も一緒?
それはなんだか、なんだろう、混乱。なにかいろいろ保たない気がする。
昨夜は何か人として駄目な部分をこぼれ落とした気がする。それを片桐さんが丁寧に全部拾って持って行った。弱い部分を掴まれたような、弱みを握られたわけではないんだけど。
今までもよく考えたら、いや、考えちゃだめだ、ドツボにハマりそうだ。底なし沼にハマった気がする。
商談でのいつも通りのさりげないサポート。いつもと同じく絶妙なタイミングで資料が準備される。自分で用意するより断然手早い。仕事、これは仕事で。でも視界にチラチラと入る片桐さんの指先がいつもと違うように見えて落ち着かない。
「お疲れ様でした」
「あ、はい」
「緊張しすぎですよ。いつも通りに」
混乱しながらも商談は無事に成立した。
ホッと一息ついてランチに入った喫茶店は、昼時を少し過ぎて空いていた。静かな店内に時折りカラリと開かれる入り口の音とクラシックなBGMをよそに昼食を口に運ぶ。俺の前に置かれたナポリタンと、片桐さんの前に置かれたボンゴレビアンコ。それをフォークで持ち上げる細い指先。
「あの、なんていうか」
「仕事は仕事でしっかり割り切りましょう」
「片桐さんは平気なんですか?」
「仕事はいつも通りですし」
「そう、ですか」
「でもまあ新鮮ですね、そういう目で見られるのは」
そういう目。急に恥ずかしくなる。また目を伏せる。今日はそもそも直視できていないような記憶。
俺はどう言う目で片桐さんを見てるんだろう。机の下でコツンと脛に片桐さんの靴先が当たる。困惑する。
「ほら、そういうところ」
「心臓が保たないのでやめてください」
「どこかで少し『休憩』でもしていきますか? 2時間くらいなら余裕がありますよ」
「変な意味で想像するから」
「そういう意味で言ってるのですが、啓介」
顔が真っ赤になっている自覚がある。
「本当に大丈夫ですか? 我慢はしないほうがいいのでは」
片桐さんの声がいつもより柔らかい。とても顔はあげられない。
これはきっと俺をからかっている声だ。でもなんだか、今までビジネスライクだったのが、こういうちょっとした所でプライベートが絡まった感じには心は浮かれる。
親しみ。
体は浮かれなくてもいいのに。
昨日のことはとりあえず、頭から外へ。でも顔がまともに見れなくなった。休憩、とか。
「昨日の今日なので、落ち着かないんです。心臓が保ちません。restの意味で休憩が欲しいので、少し1人にしてください」
食後のコーヒーをかき混ぜながら口を開く。陶器のカップに小さく泡立つ表面。湯気とともに少し酸味のある香りが鼻腔をくすぐる。
「わかりました。では16時前に連絡ください。迎えに来ますから」
伝票を持って立ち上がるその後ろ姿にようやく目をあげた。
そんな目。どんな目?
意識するとなんだかまともに顔が見れない。折り目のキッチリついたスーツの後ろ姿。
片桐さんはレジで一瞬だけ振り返って優しく笑って、手のひらだけで手を振って外に出て行った。
はぁ。
とたんに溢れた深い溜息。
社内恋愛はやめとけ、と昔誰かに昔言われた気がする。
誰だったかな? 大学の友だち?
でも本当にそう。するつもりだった訳じゃないし好きだと思っているだけなら冷静を保てたけど、その後があると意識してしまったらなんだかもう駄目だ。隔てていた壁が1つ無くなった。でも壁の向こうは思い描いていたものと少し違っている気がする。
あのあと。昨日から続いている混乱。片桐さんとの距離が近くなって嬉しいことは嬉しい。でもその反面なんだか怖い。嬉しくて怖い、とかいうのではなくて、嬉しいのとは別になにか純粋に怖い。
『私の啓介』
頭の中で片桐さんの声が響く。
私の?
俺も前の彼女にそんなようなことを言ったことはある。それはなんていうか、ずっと一緒にいようとか、そういう意味合いで。
でも片桐さんのはなんて言うかもっと何か、物理的な感じ。何か、距離が近すぎるような、捕まったような感じ。既にもう近かったからかな。俺はもっとなんて言うか、もし片桐さんと付き合えたら普通に恋人的に一緒にご飯食べたり色々話をしたりもっとなんていうか、楽しい感じをイメージしていたんだけど、なんか、違う。
今も昼ごはん食べたけど、楽しいと言うよりはなんだか様子を観察されているような、確認されているような、変な感じ。なにか俺の全部が把握されているような、気がする。
実際のところ、俺の予定とかは すでに片桐さんしか把握してない。俺自身ですらよくわからない。少なくとも俺の生活の大部分を占める仕事は全て片桐さんの手のひらの上。
それから昨日のセックス、セックス? だよな。薬を飲まされたのもあるけど何もできなくてされるがままだった。気持ちは良かったけどやっぱり手のひらの上というか。あの薬は何だったんだ。確かに体は完全にもとに戻ったし副作用はなにもなさそうだけど。
『抵抗しちゃだめですよ』
だめ、なのかな。なにかこう、思ってたのと違う。
積極的に抵抗するつもりはないんだけどなんていうか、逆らえない感じだ。
なんだこの関係。
片桐さんが好きなのは変わらない。けれども会社では知らなかった一面が少し怖い。知らなかったというか気づかなかったと言うか。
どうしたらいいんだ。
ちょっと落ち着こう。
と思っても頭に浮かぶのは片桐さんのことばかりだ。昨日までと同じだけど、ずいぶん意味合いが違っているような。何かすっかり片桐さんに支配されているような。
支配?
俺が求めていた関係はもっと対等で、お互いにいろんな話をして、笑って、一緒に楽しんで、そんな関係。いちゃいちゃというか。同性の恋人というものが異性の場合とどう違うかはよくわからないけど、少なくとも同性の友達関係程度には親しみを感じるものと思っていた。
でも友達、か。
よく考えたらもともとお世話になりっぱなしで対等な関係では全然なかったな。年も片桐さんのほうが上。だからこんな関係で始まってしまった、んだろうか。でも俺は片桐さんに支配されたいわけじゃなくて、そう、やっぱり恋愛がしたい。一方的じゃない何か。
どうしたらいいんだろう? もっと俺の意思とか色々なことを伝えたほうがいいのかな。それがいいような気がする。何となく少しだけ整理できたような気がする。
それまではなんていうか、散々片桐さんに弄ばれた、気がする。
会社は自社ビルで、俺は1番上の階に住んでいる。前は親父と住み込みのお手伝いさんと一緒に住んでいたけど、親父が亡くなってからは少し広い家に俺1人。
エレベーターでボタンひとつの距離だけど、体が動くようになってから玄関まで送ってもらって軽いキスをして別れた。キス。混乱でやはり頭がフラフラする。片桐さんは少し残念そうに俺を抱きしめて、もう少し一緒にいたいと言った。でも俺は心的にも身体的にも限界だった。
体はものすごくだるかった。でもまあ、風呂入って寝て起きたらいつもと同じくらいの体調には復調していた。心は混乱し続けていたけど。
「社長、そろそろ外出の時間です」
「あ、うん、はい」
資料一式を鞄にしまうその手。昨日の記憶が蘇る。あの手が俺を擦って。俺に笑いかけるあの唇が俺を含んで。無意識に浮かび上がる記憶に思わず手が止まる。昨日までと同じ光景、でも何かが違う。何か頭がおかしい。あれは夢だったような、そう思いたいような。この部屋には社員が後2人いる。変な態度にならないように。だめだ、考えるな。
ぎこちない体を動かそうとして軽く頭を振る。
背中に妙な汗が流れる。
違う方向から心配そうな声がした。
「若社長、お風邪ですか? 大丈夫です?」
「いえ、大丈夫です。行ってきます」
心配されてしまった。落ち着かない。
エレベーターに乗ったところでため息が漏れた。
右手と右足が同時に出ているよう。
「啓介、駄目ですよ、ちゃんとしないと」
「あの、名前で呼ばないで、下さい」
「わかりました。あとでたくさん呼ばせて下さい」
「あの、やめて下さい、セクハラです」
「おかしな社長ですね」
くすくすという小さな声に言い返そうとした瞬間、エレベーターのドアが開いた。いつもと同じロビーの風景。片桐さんが車を回しに裏口に向かう間に極力冷静になるよう努める。
片桐さんが好きなのは前からで、だからいつも2人でエレベーターに乗る時とか車で2人でいる時は少しだけドキドキしていた。でもなんというか、今日はまた何か違う混乱が俺を襲っている。
昨日の今日で、ちょっと1人になって落ち着いて考えたいと思ったけど、よく考えたらここ何年か俺は朝から夕まで片桐さんとずっと一緒だった。これからは夜も一緒?
それはなんだか、なんだろう、混乱。なにかいろいろ保たない気がする。
昨夜は何か人として駄目な部分をこぼれ落とした気がする。それを片桐さんが丁寧に全部拾って持って行った。弱い部分を掴まれたような、弱みを握られたわけではないんだけど。
今までもよく考えたら、いや、考えちゃだめだ、ドツボにハマりそうだ。底なし沼にハマった気がする。
商談でのいつも通りのさりげないサポート。いつもと同じく絶妙なタイミングで資料が準備される。自分で用意するより断然手早い。仕事、これは仕事で。でも視界にチラチラと入る片桐さんの指先がいつもと違うように見えて落ち着かない。
「お疲れ様でした」
「あ、はい」
「緊張しすぎですよ。いつも通りに」
混乱しながらも商談は無事に成立した。
ホッと一息ついてランチに入った喫茶店は、昼時を少し過ぎて空いていた。静かな店内に時折りカラリと開かれる入り口の音とクラシックなBGMをよそに昼食を口に運ぶ。俺の前に置かれたナポリタンと、片桐さんの前に置かれたボンゴレビアンコ。それをフォークで持ち上げる細い指先。
「あの、なんていうか」
「仕事は仕事でしっかり割り切りましょう」
「片桐さんは平気なんですか?」
「仕事はいつも通りですし」
「そう、ですか」
「でもまあ新鮮ですね、そういう目で見られるのは」
そういう目。急に恥ずかしくなる。また目を伏せる。今日はそもそも直視できていないような記憶。
俺はどう言う目で片桐さんを見てるんだろう。机の下でコツンと脛に片桐さんの靴先が当たる。困惑する。
「ほら、そういうところ」
「心臓が保たないのでやめてください」
「どこかで少し『休憩』でもしていきますか? 2時間くらいなら余裕がありますよ」
「変な意味で想像するから」
「そういう意味で言ってるのですが、啓介」
顔が真っ赤になっている自覚がある。
「本当に大丈夫ですか? 我慢はしないほうがいいのでは」
片桐さんの声がいつもより柔らかい。とても顔はあげられない。
これはきっと俺をからかっている声だ。でもなんだか、今までビジネスライクだったのが、こういうちょっとした所でプライベートが絡まった感じには心は浮かれる。
親しみ。
体は浮かれなくてもいいのに。
昨日のことはとりあえず、頭から外へ。でも顔がまともに見れなくなった。休憩、とか。
「昨日の今日なので、落ち着かないんです。心臓が保ちません。restの意味で休憩が欲しいので、少し1人にしてください」
食後のコーヒーをかき混ぜながら口を開く。陶器のカップに小さく泡立つ表面。湯気とともに少し酸味のある香りが鼻腔をくすぐる。
「わかりました。では16時前に連絡ください。迎えに来ますから」
伝票を持って立ち上がるその後ろ姿にようやく目をあげた。
そんな目。どんな目?
意識するとなんだかまともに顔が見れない。折り目のキッチリついたスーツの後ろ姿。
片桐さんはレジで一瞬だけ振り返って優しく笑って、手のひらだけで手を振って外に出て行った。
はぁ。
とたんに溢れた深い溜息。
社内恋愛はやめとけ、と昔誰かに昔言われた気がする。
誰だったかな? 大学の友だち?
でも本当にそう。するつもりだった訳じゃないし好きだと思っているだけなら冷静を保てたけど、その後があると意識してしまったらなんだかもう駄目だ。隔てていた壁が1つ無くなった。でも壁の向こうは思い描いていたものと少し違っている気がする。
あのあと。昨日から続いている混乱。片桐さんとの距離が近くなって嬉しいことは嬉しい。でもその反面なんだか怖い。嬉しくて怖い、とかいうのではなくて、嬉しいのとは別になにか純粋に怖い。
『私の啓介』
頭の中で片桐さんの声が響く。
私の?
俺も前の彼女にそんなようなことを言ったことはある。それはなんていうか、ずっと一緒にいようとか、そういう意味合いで。
でも片桐さんのはなんて言うかもっと何か、物理的な感じ。何か、距離が近すぎるような、捕まったような感じ。既にもう近かったからかな。俺はもっとなんて言うか、もし片桐さんと付き合えたら普通に恋人的に一緒にご飯食べたり色々話をしたりもっとなんていうか、楽しい感じをイメージしていたんだけど、なんか、違う。
今も昼ごはん食べたけど、楽しいと言うよりはなんだか様子を観察されているような、確認されているような、変な感じ。なにか俺の全部が把握されているような、気がする。
実際のところ、俺の予定とかは すでに片桐さんしか把握してない。俺自身ですらよくわからない。少なくとも俺の生活の大部分を占める仕事は全て片桐さんの手のひらの上。
それから昨日のセックス、セックス? だよな。薬を飲まされたのもあるけど何もできなくてされるがままだった。気持ちは良かったけどやっぱり手のひらの上というか。あの薬は何だったんだ。確かに体は完全にもとに戻ったし副作用はなにもなさそうだけど。
『抵抗しちゃだめですよ』
だめ、なのかな。なにかこう、思ってたのと違う。
積極的に抵抗するつもりはないんだけどなんていうか、逆らえない感じだ。
なんだこの関係。
片桐さんが好きなのは変わらない。けれども会社では知らなかった一面が少し怖い。知らなかったというか気づかなかったと言うか。
どうしたらいいんだ。
ちょっと落ち着こう。
と思っても頭に浮かぶのは片桐さんのことばかりだ。昨日までと同じだけど、ずいぶん意味合いが違っているような。何かすっかり片桐さんに支配されているような。
支配?
俺が求めていた関係はもっと対等で、お互いにいろんな話をして、笑って、一緒に楽しんで、そんな関係。いちゃいちゃというか。同性の恋人というものが異性の場合とどう違うかはよくわからないけど、少なくとも同性の友達関係程度には親しみを感じるものと思っていた。
でも友達、か。
よく考えたらもともとお世話になりっぱなしで対等な関係では全然なかったな。年も片桐さんのほうが上。だからこんな関係で始まってしまった、んだろうか。でも俺は片桐さんに支配されたいわけじゃなくて、そう、やっぱり恋愛がしたい。一方的じゃない何か。
どうしたらいいんだろう? もっと俺の意思とか色々なことを伝えたほうがいいのかな。それがいいような気がする。何となく少しだけ整理できたような気がする。
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