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1.デュラはんは心の友
閑話:地球世界からの来訪者のための『Physicis et magicae』ガイドブック 世界共通設定その2
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4章 調停者について
1 調停者の働き
(1)調停者とは
調停者は地球世界からの来訪者の方には、『神』という概念が近しいと思われます。この世界における魔法力というものは強大であり、その揺れ動きは状況においてはこの世界自体を滅ぼしうる力を内包しています。また、その力は個人又は集団で対処するには巨大すぎることから、調停者というものがその調整の役割を担っています。
この世界における調停者の数は明らかではありませんが、少なくとも数百の調停者が存在しうるのではないかと言われています。
(2)調停者の作用
前述のとおり、世界には魔法の力が溢れていますが、その力は揺れ動いています。そのため魔法の力が強い場所と弱い場所が存在します。この揺れ動きは何らかのきっかけがない限り、想定外に大きく動くことは少ないのですが、戦争やあるいは大移動、飢饉等による生物の死滅等、気候変動その他の環境的要因、精霊と呼ばれるものの気まぐれ、他世界からの過干渉等によってバランスが崩れる場合があります。
そういった事象が発生した場合、調停者が世界にアクセスし、世界を調整します。そのため、この世界では調停者のおおよそは世界と同じものと認識されています。
調停者は状況と場所により、特殊な範囲効果を設定することがあります。例えば一定範囲の場所はずっと夜だったり時間の流れが遅くなったりしています。これは世界の運航を目的として行われることが大半ですが、長い時間の経過によりその意義が散逸していることも多くみられます。
(3)調停者の所在
調停者はこの世界各地に存在します。おおよその担当区域が存在するのではないかと言われています。
その担当は場所により1人の場合もあり、数十人の場合もあるとのことです。必要人数を満たさず世界のバランスが崩れた場合は相互に連絡を取り合い、調整を行っているようです。
2.調停者の種類
調停者の多くはもともと人であったもの、人が作り出したものと伝わっています。
(1)真なる調停者
世界には極少数ですが、物理干渉の大凡を放棄した真なる魔女・魔法使い又は魔法博士と呼ばれる者、魔法干渉の大凡を放棄した真なる物理者または物理博士と呼ばれる者が存在します。真なる彼らは調停者と呼ばれています。
彼らはこの世界の理に直接触れ、干渉する存在です。その干渉の仕方はそれぞれの魔法行使の方法と同様、調停者によって異なります。
調停者は一般的なヒト及び生物と異なる理で活動しています。ですから、人のような姿形をしていたとしても、決してヒトと誤解しないようにご注意ください。そして、極力近寄らないことをおすすめします。真なる調停者は通常人里に存在する可能性は乏しいのですが、各地の役所等で尋ねればその存在の有無を知ることができます。また、ヒトに好意的な調停者の場合は現地民と交流を深めている場合がまれにあります。ですから、現地民に質問することでその有無をしることができる場合があります。
(2)准なる調停者
前述の通り、真なる調停者はヒト及び生物の理から外れて行動しています。調停者の半数は意思疎通が不可能です。そこでヒトと真なる調停者を取り持つための准なる調停者が存在します。
准なる調停者は真なる調停者のもとでその有り様を学んでいる者や、なんらかの理由で真なる調停者となった者の家族、時には国の役職として存在します。
(3)お触れもの
調停者は世界を観測しその有るべき姿を保全するために世界を観測しています。そのために調停者は精霊、式神、呪詛、妖霊、根、元素等を用いて世界を観測しています。それらは世界に触れるものという意で「お触れもの」と呼ばれています。通常正常な働きを営んでいるヒトは「お触れもの」に干渉することはできません。
3.調停者による調整
世界のバランスが崩れた場合、調停者が世界にアクセスして世界を調整することはすでに述べました。
調停者は調整のため、またその他の様々な理由に基づいて世界に制限をかけることがあります。
例えば一定範囲の場所はずっと夜だったり時間の流れが遅くなったりする制限をかけるなどがその現れです。これは世界の正常な運航を目的として行われることが大半ですが、長い時間の経過によりその意義が散逸していることも多くみられます。
4.調停者会議
この世界に危機が迫った時、又は定期的に、あるいは気まぐれに、調停者はこの世界の深き所で会議を行っているようです。複数の場所で同時期に准なる調停者に接触した際、複数の調停者が不在にしていることがあったとの事象が時折観測されます。
5章 戦争について
1.この世界における戦争概論
この世界においても集団的闘争、つまり戦争は発生しています。
その目的は示威行動、人的・物的資源の略奪、供犠等の消費のため等様々です。しかし、この世界では魔法的力が存在することから、その様相は地球世界と異なります。場合においては、戦争は発生し得ません。
2.各関係性における戦争
(1)物理的国家群間の戦争
可能且つ存在します。物理力はこの世界ではほぼ一定であり、科学及び工学的な作用が共通するためです。これは魔法力の濃度の低い国家群であればある程度は該当します。それは物理力が影響を及ぼしうるためです。『地勢』の項目をご参照ください。
(2)物理的国家群間及び一定以上の魔法的国家群間の戦争
困難となりがちです。なぜなら物理的国家群の使用する物理的機器が魔法的国家群内ではま法的効力によってその作用が撹拌撹乱されるため、高度であるほどまともに使用できる兵器が乏しくなるためです。そのため、巨大投石等を物理力で射出する等の単純物理作用によって攻撃を行うことがもっぱらですが、魔法力による防衛によって防御を行いやすくなります。一方、魔法的国家群の魔法力の作用も物理的国家群内ではその魔法力の乏しさから適切な効果の発揮が困難となります。火の魔法を行使したとしても、物理的国家群内では魔法力を維持するための魔法力がそもそも乏しいからです。そのため、巨大投石等を風等の魔法力で射出する等、射出後は単純物理作用にたよる攻撃を行うことがもっぱらですが、射出はできてもその後落下地点を定める等の魔法的な制御が行えないため適切な効果の発揮が困難となります。
以上、及び統治の問題から、物理的国家群間及び一定以上の魔法的国家群間の戦争が起こる可能性は乏しいといえるでしょう。
(3)魔法的国家群間の戦争
『魔法の行使について』ですでに述べたとおり、この世界では魔法的力の干渉があり、魔法的干渉の方法自体が集団によって異なるため、異なる文化的価値観を有する国家間で侵略戦争を行うことは稀です。魔法の行使方法は多くの国々でから文化に組み込まれていますが、例えば体に入墨を刻んで世界の理にアクセスして魔法を発動する部族と階級社会を中心として体系的に解析された呪文|(言霊)によって世界の理にアクセスして魔法を発動する部族はそもそも背景文化自体が異なるのです。そしてそれは長年その居住地に固定され、巨大な魔法装置となっている場合が多くあります。魔法の発動機序が異なるということは、自らの魔法が相手方の領域でどのような作用をもたらすかが不明であるということです。そのため、状況によっては自軍に壊滅的な被害を生じさせることもしばしばです。
以上、及び統治の問題から、魔法的国家群間の戦争が起こる可能性は乏しいといえるでしょう。
ただし、同じ又は似た文化を有する魔法的国家群同士は魔法の行使手段が共通するため、戦争が頻繁に起こっています。物理的国家群同士の戦争と同様と考えてよいでしょう。
(4)統治の問題
たとえば魔法的国家群が他の魔法的国家群を支配下においたとしても制度と人が異なりすぎることから、相互の魔法が両立・共存することは困難です。また、これは物理的国家群との間でもいえることですが、物事の動かし方(物理国家では油や摩擦熱様々な物理的な力で火を起こしますが魔法国家では火のエレメンタル|(表現は国によって違う)に語りかけ空気を震わせて火を起こす等、そもそもの生活原理が全く異なるので、統治制度自体を新しく構築しなければ文明維持すら困難です。通常、そのような労力を得てまで戦争を行うことは稀です。
遠い昔、特定の相手の魔法的国家群の文化の全てを破壊し全ての民の脳を洗った国も存在しましたが、長い年月をかけて構築され誰も管理を行わなくなった旧来の魔法の理が暴走して一体が壊滅した事象がありました。
以降、この世界では戦争とは似た文化を持つ国同士がもっぱら行うものとなりました。
6章 Enjoy the World!
1.まとめ
さて、これまでつらつらとこの世界について述べさせていただきましたが、基本的には下記の点にご注意いただければそれなりに快適な異世界ライフを送ることができるでしょう。
1.この世界に慣れるまでは危険な場所には立ち入らないこと
この世界に慣れるまで、不用意に見知らぬ場所や未知の場所に立ち入らないようにするのがよいでしょう。地球世界の常識とは異なる事象が多く発生しています。
2.良き地球世界人として生活すること。
この世界への地球世界人の来訪はままあることです。そしてその不慣れさにこの世界の住人は慣れています。ですから、この世界に慣れるまでは自らが地球世界人であることをアピールしたほうがよい結果を産むでしょう。国によっては地球世界人証明書を発行してもらえる場合があります。
3.調停者には近づかないこと
調停者に近づいてはなりません。調停者はあなたがどんなチートを有していたとしても、敵うとは思わないでください。相手は世界です。地球でも地面と闘ったりはしないですよね?
2.おすすめ世界
あなたがこの世界のどこに降り立ったのかはわかりませんが、この世界では地球比較的安全な地域が存在します。そのいくつかをおすすめいたします。
(1)マジカ・フェルム
末尾の地図で赤く描かれた地域です。ここはいわゆる地球世界におけるハイファンタジー的世界です。
この近くに地球世界人が転移することが多かったため、無駄な軋轢をさけるよう調停者がデフォルト機能として言語共通、『ステータス・オープン』等のベースメントシステムを構築しています。また、その他にも教会で適職の斡旋を受けたり、いわゆる冒険者ギルドといったものが存在します。
この国の調停者は決してこの世界の一般ではないのですが、最も受け入れやすい地域です。
(2)エレメンタ・クエスト
末尾の地図で黄色く描かれた地域です。ここは物理と魔法が極めて曖昧な場所です。地球世界ではおそらく存在しないタイプの場所であると思われます。極めて魔法力が高いながらも比較的文化的束縛の弱い地域です。極めて強い魔法の素養を有する地球世界人はまずここで魔法力自体に慣れることが推奨されます。
転生・転移以降、体の中に妙な動きがあるだとか、体の外縁が空気に溶けていくと行った不可思議な感覚を感じる場合はおすすめいたします。
(3)ヴィ・ストリクティス
ここはいわゆる物理的国家群の中でも多くの国が共和制をとる比較的安全な地域です。地球の環境と最も似た地域となります。地球世界人であれば知識の提供を引き換えに中等市民の資格を得ることができ、比較的地球世界と同様の暮らしを営むことができます。
3.おわりに
この世界の概論的説明は以上です。
では、これからのあなたの人生に幸多きことを。
ー狭間の調停者より。
1 調停者の働き
(1)調停者とは
調停者は地球世界からの来訪者の方には、『神』という概念が近しいと思われます。この世界における魔法力というものは強大であり、その揺れ動きは状況においてはこの世界自体を滅ぼしうる力を内包しています。また、その力は個人又は集団で対処するには巨大すぎることから、調停者というものがその調整の役割を担っています。
この世界における調停者の数は明らかではありませんが、少なくとも数百の調停者が存在しうるのではないかと言われています。
(2)調停者の作用
前述のとおり、世界には魔法の力が溢れていますが、その力は揺れ動いています。そのため魔法の力が強い場所と弱い場所が存在します。この揺れ動きは何らかのきっかけがない限り、想定外に大きく動くことは少ないのですが、戦争やあるいは大移動、飢饉等による生物の死滅等、気候変動その他の環境的要因、精霊と呼ばれるものの気まぐれ、他世界からの過干渉等によってバランスが崩れる場合があります。
そういった事象が発生した場合、調停者が世界にアクセスし、世界を調整します。そのため、この世界では調停者のおおよそは世界と同じものと認識されています。
調停者は状況と場所により、特殊な範囲効果を設定することがあります。例えば一定範囲の場所はずっと夜だったり時間の流れが遅くなったりしています。これは世界の運航を目的として行われることが大半ですが、長い時間の経過によりその意義が散逸していることも多くみられます。
(3)調停者の所在
調停者はこの世界各地に存在します。おおよその担当区域が存在するのではないかと言われています。
その担当は場所により1人の場合もあり、数十人の場合もあるとのことです。必要人数を満たさず世界のバランスが崩れた場合は相互に連絡を取り合い、調整を行っているようです。
2.調停者の種類
調停者の多くはもともと人であったもの、人が作り出したものと伝わっています。
(1)真なる調停者
世界には極少数ですが、物理干渉の大凡を放棄した真なる魔女・魔法使い又は魔法博士と呼ばれる者、魔法干渉の大凡を放棄した真なる物理者または物理博士と呼ばれる者が存在します。真なる彼らは調停者と呼ばれています。
彼らはこの世界の理に直接触れ、干渉する存在です。その干渉の仕方はそれぞれの魔法行使の方法と同様、調停者によって異なります。
調停者は一般的なヒト及び生物と異なる理で活動しています。ですから、人のような姿形をしていたとしても、決してヒトと誤解しないようにご注意ください。そして、極力近寄らないことをおすすめします。真なる調停者は通常人里に存在する可能性は乏しいのですが、各地の役所等で尋ねればその存在の有無を知ることができます。また、ヒトに好意的な調停者の場合は現地民と交流を深めている場合がまれにあります。ですから、現地民に質問することでその有無をしることができる場合があります。
(2)准なる調停者
前述の通り、真なる調停者はヒト及び生物の理から外れて行動しています。調停者の半数は意思疎通が不可能です。そこでヒトと真なる調停者を取り持つための准なる調停者が存在します。
准なる調停者は真なる調停者のもとでその有り様を学んでいる者や、なんらかの理由で真なる調停者となった者の家族、時には国の役職として存在します。
(3)お触れもの
調停者は世界を観測しその有るべき姿を保全するために世界を観測しています。そのために調停者は精霊、式神、呪詛、妖霊、根、元素等を用いて世界を観測しています。それらは世界に触れるものという意で「お触れもの」と呼ばれています。通常正常な働きを営んでいるヒトは「お触れもの」に干渉することはできません。
3.調停者による調整
世界のバランスが崩れた場合、調停者が世界にアクセスして世界を調整することはすでに述べました。
調停者は調整のため、またその他の様々な理由に基づいて世界に制限をかけることがあります。
例えば一定範囲の場所はずっと夜だったり時間の流れが遅くなったりする制限をかけるなどがその現れです。これは世界の正常な運航を目的として行われることが大半ですが、長い時間の経過によりその意義が散逸していることも多くみられます。
4.調停者会議
この世界に危機が迫った時、又は定期的に、あるいは気まぐれに、調停者はこの世界の深き所で会議を行っているようです。複数の場所で同時期に准なる調停者に接触した際、複数の調停者が不在にしていることがあったとの事象が時折観測されます。
5章 戦争について
1.この世界における戦争概論
この世界においても集団的闘争、つまり戦争は発生しています。
その目的は示威行動、人的・物的資源の略奪、供犠等の消費のため等様々です。しかし、この世界では魔法的力が存在することから、その様相は地球世界と異なります。場合においては、戦争は発生し得ません。
2.各関係性における戦争
(1)物理的国家群間の戦争
可能且つ存在します。物理力はこの世界ではほぼ一定であり、科学及び工学的な作用が共通するためです。これは魔法力の濃度の低い国家群であればある程度は該当します。それは物理力が影響を及ぼしうるためです。『地勢』の項目をご参照ください。
(2)物理的国家群間及び一定以上の魔法的国家群間の戦争
困難となりがちです。なぜなら物理的国家群の使用する物理的機器が魔法的国家群内ではま法的効力によってその作用が撹拌撹乱されるため、高度であるほどまともに使用できる兵器が乏しくなるためです。そのため、巨大投石等を物理力で射出する等の単純物理作用によって攻撃を行うことがもっぱらですが、魔法力による防衛によって防御を行いやすくなります。一方、魔法的国家群の魔法力の作用も物理的国家群内ではその魔法力の乏しさから適切な効果の発揮が困難となります。火の魔法を行使したとしても、物理的国家群内では魔法力を維持するための魔法力がそもそも乏しいからです。そのため、巨大投石等を風等の魔法力で射出する等、射出後は単純物理作用にたよる攻撃を行うことがもっぱらですが、射出はできてもその後落下地点を定める等の魔法的な制御が行えないため適切な効果の発揮が困難となります。
以上、及び統治の問題から、物理的国家群間及び一定以上の魔法的国家群間の戦争が起こる可能性は乏しいといえるでしょう。
(3)魔法的国家群間の戦争
『魔法の行使について』ですでに述べたとおり、この世界では魔法的力の干渉があり、魔法的干渉の方法自体が集団によって異なるため、異なる文化的価値観を有する国家間で侵略戦争を行うことは稀です。魔法の行使方法は多くの国々でから文化に組み込まれていますが、例えば体に入墨を刻んで世界の理にアクセスして魔法を発動する部族と階級社会を中心として体系的に解析された呪文|(言霊)によって世界の理にアクセスして魔法を発動する部族はそもそも背景文化自体が異なるのです。そしてそれは長年その居住地に固定され、巨大な魔法装置となっている場合が多くあります。魔法の発動機序が異なるということは、自らの魔法が相手方の領域でどのような作用をもたらすかが不明であるということです。そのため、状況によっては自軍に壊滅的な被害を生じさせることもしばしばです。
以上、及び統治の問題から、魔法的国家群間の戦争が起こる可能性は乏しいといえるでしょう。
ただし、同じ又は似た文化を有する魔法的国家群同士は魔法の行使手段が共通するため、戦争が頻繁に起こっています。物理的国家群同士の戦争と同様と考えてよいでしょう。
(4)統治の問題
たとえば魔法的国家群が他の魔法的国家群を支配下においたとしても制度と人が異なりすぎることから、相互の魔法が両立・共存することは困難です。また、これは物理的国家群との間でもいえることですが、物事の動かし方(物理国家では油や摩擦熱様々な物理的な力で火を起こしますが魔法国家では火のエレメンタル|(表現は国によって違う)に語りかけ空気を震わせて火を起こす等、そもそもの生活原理が全く異なるので、統治制度自体を新しく構築しなければ文明維持すら困難です。通常、そのような労力を得てまで戦争を行うことは稀です。
遠い昔、特定の相手の魔法的国家群の文化の全てを破壊し全ての民の脳を洗った国も存在しましたが、長い年月をかけて構築され誰も管理を行わなくなった旧来の魔法の理が暴走して一体が壊滅した事象がありました。
以降、この世界では戦争とは似た文化を持つ国同士がもっぱら行うものとなりました。
6章 Enjoy the World!
1.まとめ
さて、これまでつらつらとこの世界について述べさせていただきましたが、基本的には下記の点にご注意いただければそれなりに快適な異世界ライフを送ることができるでしょう。
1.この世界に慣れるまでは危険な場所には立ち入らないこと
この世界に慣れるまで、不用意に見知らぬ場所や未知の場所に立ち入らないようにするのがよいでしょう。地球世界の常識とは異なる事象が多く発生しています。
2.良き地球世界人として生活すること。
この世界への地球世界人の来訪はままあることです。そしてその不慣れさにこの世界の住人は慣れています。ですから、この世界に慣れるまでは自らが地球世界人であることをアピールしたほうがよい結果を産むでしょう。国によっては地球世界人証明書を発行してもらえる場合があります。
3.調停者には近づかないこと
調停者に近づいてはなりません。調停者はあなたがどんなチートを有していたとしても、敵うとは思わないでください。相手は世界です。地球でも地面と闘ったりはしないですよね?
2.おすすめ世界
あなたがこの世界のどこに降り立ったのかはわかりませんが、この世界では地球比較的安全な地域が存在します。そのいくつかをおすすめいたします。
(1)マジカ・フェルム
末尾の地図で赤く描かれた地域です。ここはいわゆる地球世界におけるハイファンタジー的世界です。
この近くに地球世界人が転移することが多かったため、無駄な軋轢をさけるよう調停者がデフォルト機能として言語共通、『ステータス・オープン』等のベースメントシステムを構築しています。また、その他にも教会で適職の斡旋を受けたり、いわゆる冒険者ギルドといったものが存在します。
この国の調停者は決してこの世界の一般ではないのですが、最も受け入れやすい地域です。
(2)エレメンタ・クエスト
末尾の地図で黄色く描かれた地域です。ここは物理と魔法が極めて曖昧な場所です。地球世界ではおそらく存在しないタイプの場所であると思われます。極めて魔法力が高いながらも比較的文化的束縛の弱い地域です。極めて強い魔法の素養を有する地球世界人はまずここで魔法力自体に慣れることが推奨されます。
転生・転移以降、体の中に妙な動きがあるだとか、体の外縁が空気に溶けていくと行った不可思議な感覚を感じる場合はおすすめいたします。
(3)ヴィ・ストリクティス
ここはいわゆる物理的国家群の中でも多くの国が共和制をとる比較的安全な地域です。地球の環境と最も似た地域となります。地球世界人であれば知識の提供を引き換えに中等市民の資格を得ることができ、比較的地球世界と同様の暮らしを営むことができます。
3.おわりに
この世界の概論的説明は以上です。
では、これからのあなたの人生に幸多きことを。
ー狭間の調停者より。
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